2008年02月18日

BookScanデータに基づく、2007年度アメリカ・グラフィックノベル市場での、マンガ作品の売り上げ分析考察(by Brian Hibbs)


毎年この時期恒例ですが、コミック情報サイト
Newsaramaの、Brian Hibbs氏によるコラム
「Tilting at Windmills」の最新記事で、
BookScan調べによるデータを基にした、
2007年度の、アメリカでのグラフィックノベル
市場の総括記事が掲載されていました(via
Precocious Curmudgeon)。

「TILTING @ WINDMILLS 2.0 #49: LOOKING
AT BOOKSCAN 2007」


うちでも毎年紹介させてもらっていますが、
例によってその分析の中から、マンガ関連の
数字だけを抜き出してみますね。
BookScanは、テレビの視聴率調査で特に知ら
れるNielsenの書籍調査部門で、その調査範
囲は、アメリカの一般書店市場(スーパーマー
ケット・チェーン、Amazonなどのオンラインス
トア含む)全体の65〜75%くらいと想像されて
います。正確なところは諸説あるのですが、と
もあれ挙げられた数字で、アメリカで売られて
いる書籍全て、というわけではありませんので
念のため。
また、コミック専門店、図書館などのアカデミ
ックな場所からの購入数も含みません。
あくまで広い市場の、一部だけを切り取った
上での、Hibbs氏個人による考察ということで
ご了承ください。


short_g.gif


まず、2003〜2007年の5年間での、グラフィ
ックノベル全体でのTOP750に入ったタイトル
数・売り上げ部数・売り上げ金額を並べて比
較してみると、


2003年度
タイトル数・447
部数・336万1966
金額・3436万8409ドル

2004年度
タイトル数・518
部数・460万3558
金額・4506万9684ドル

2005年度
タイトル数・594
部数・569万1425
金額・5392万2514ドル

2006年度
タイトル数・575
部数・670万5624
金額・6109万7050ドル

2007年度
タイトル数・575
部数・683万7355
金額・6192万7238ドル



ということになって、2003年から2006年まで
は、毎年10〜20%ほどの高い伸び率をずっと
記録していた部数・売り上げ金額が、2007年
度は初めて微増としていい数字にとどまってい
るとされています。
これが市場として飽和に達したかどうかは、
今年の数字を見てみないと判断出来ないでし
ょうか。


short_g.gif


タイトル個別で見ると、2007年度最も売れた
のは予想通り「NARUTO」で、27巻まで発売
されたグラフィックノベルの売り上げ部数の
総計は118万部に達し、これはグラフィック
ノベル全体のTOP750に入ったマンガ作品の
総売上部数の、じつに17%を占めるものです。


ただし、2006年度においては、12巻で91万
7000部の売り上げだったことと比較すると、
1巻辺りの平均売り上げ部数は、落ちている
計算になります(2006年度=7万642部 2007
年度=4万3700部)。
2007年度で最も売れたのは、第13巻の8万
423部ですが、2006年度のトップだった第9
巻の10万1457部からも、低い数字ではあり
ます。


これは昨年の、NARUTO NATIONキャンペー
ンによるリリース・ラッシュ(9〜12月で12冊)
を、さすがに追い続けられなかった層がある、
ということでしょうか。
Hibbs氏は、最も売れ行きの悪かった第10巻
(2万7898部)の発売が、NARUTO NATION
告知前であったことから、その影響が否定出
来る可能性も示唆しています。
「NARUTO」の勢いがさすがに鈍化しつつある
のかどうかは、今年3月4日から発売開始され
る予定の、第2部(第28巻)の動きである程度
わかると思います。アニメ第2部「疾風伝」放送
とのタイミングはどうなるでしょう。
「NARUTO」に続く作品は、「フルーツバスケッ
ト」「Bleach」「DEATH NOTE」「Pokemon」
といったところでいいようです。
「フルーツバスケット」で最も売れたのは第16巻
で、5万8372部になります。


short_g.gif


出版社別にみるとトップ5は――

1位―― VIZ Media
 タイトル数・338
 部数・460万部
 金額・3900万ドル
 ――マンガ全体の59%
 他の好調作・「鋼の錬金術師」
 「ヴァンパイア騎士」「絶対彼氏。」
 「千年の雪」


2位―― TOKYOPOP
 タイトル数・148(OEL含む)
 部数・160万部
 金額・1560万ドル
 ――マンガ全体の24%
 他の好調作・「キングダム・ハーツ」
 「ラブレス」「Warriors: The Lost Warrior」

3位―― Del Rey
 タイトル数・56
 部数・45万853部
 金額・470万ドル
 最も売れたタイトル・「魔法先生ネギま!」
 第13巻の2万2137部

4位―― Dark Horse
 タイトル数・12
 部数・7万5768部
 金額・102万ドル
 12タイトルの内、半分の6冊が「Hellsing」

5位―― ADV Manga
 タイトル数・7
 部数・4万4000部
 金額・71万ドル
 最も売れたのは、「よつばと!」第4巻の
 1万1213部
 


ということになり、VIZ MediaとTOKYOPOPで
ほとんど市場を独占しているように見えます。
一般書店市場での、グラフィックノベルという枠
内での、マンガ作品の割合は引き続き圧倒的
ですが、今年はその勢いと内容が、どういう方
向に向かうのか、見極められる大事な年になる
かもしれませんね。
5年も経てば、10代だと読む作品の傾向も変
わってくるでしょうし、定着するのか拡散するの
か……、注目していきたいです。



posted by mikikazu at 09:05 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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