というわけで、「クラスターエッジ」の第1話「ア
ゲートという名の少年」を見てみました。
それにしても、各話のサブタイトルがわからない
公式サイトというのはちょっと……。
まず好印象だった点をあげると、やはり愛敬があ
って人好きのする一方で、芯に秘めたものの力強
さを感じさせる、主人公アゲート・フローライト君の
キャラクター造形でしょうか。
列車の乗務員達のように、「つい応援したくなる」
ほどの描きこみはまだされていませんけれど、状
況を能動的に動かしていってくれる、主人公とし
ての存在感はあるようです。
相手役(?)になる、ベリル・ジャスパー君との
「ア・ボーイ・ミーツ・ア・ボーイ」シーンでの、
くるくるーは……、まあ、微笑ましいかな(笑)。
申し訳ないですけれどマイナス点として、シリーズ
のファースト・エピソードとしての「掴み」みたいな
ものは、薄かったようにも思います。
「クラスターエッジ」は、こんなことをやるのか!
でも、
「クラスターエッジ」は、こんな世界なんだ!
でもなく、
「クラスターエッジ」は、一体なにをやりたいんだ
ろう……?
という戸惑いが多い印象で、新たな作品世界の
幕開け!という意味合いでのインパクトやアピ
ールは弱かったかもしれません。
天下のサンライズ作品の第1話にもかかわらず、
作画が微妙だった、ということもあるでしょう。
同じように第1話で、主人公機が撃墜され海に落
ち、主人公はやっと岸に上がってくる……という
あまり格好よくないシチュエーションが描かれた
「新機動戦記ガンダムW」の場合は、それを忘れ
てしまうくらいの、いきなりな主人公・ヒイロ君から
ヒロイン・リリーナ様への、「お前を殺す」という、
インパクトだけは十分だった、ラストの台詞があ
りましたよね。
見る側に対する、こういう事を言う作品なんだ……
という宣言として、とても効果のある演出でした。
この「クラスターエッジ」の場合、そういう記憶に
残る「何か」があったかというと、難しいところです。
もちろん、これは僕の側のアンテナの指向範囲の
問題もあるでしょうし、見る人によっては、アゲー
ト君とベリル君が視線を交わしただけで、満足出
来るのかもしれません。
その、続けて主人公2人が視線を交わす、一連の
シーンは、わかりやすくドラマの出発点を示して
いたとは思います。
1度目は列車の中、食堂車に入れないアゲート君
の前を、乗務員達の解説も受けて、ベリル君が一
瞥を残し歩き去り、2人の社会的身分の差という
ものを示します。
しかし、もう一度2人が視線を交わす時には、
ベリル君は自分を閉じ込めている身分の檻を象
徴した部屋の中、そしてアゲート君は、何者にも
呪縛されない自由な鳥の様に、飛行機に乗って
華麗に飛び去っていく。
言葉で語り過ぎず、それぞれの物理的立ち位置と
視線方向の対比で、ドラマの性格を示してみせた
という意味では、成功していた演出だったと思い
ます。あくまで「出発点」、あるいは「可能性」の段
階ですけど……。
なので、色々な世界設定は用意されているのか
もしれませんが、基本的には、個と個の関係性
を軸にした物語になっていくのでしょうね。
アゲート君が秘めているという「奇蹟」と世界状
況のお話が、これからも登場してくるキャラク
ター達の生き様と、どんな風にリンクしていく
のか、語り口の力技を期待したいところです。
作品の色合いとしては、女性のメイン・キャラ
クターをどう扱うかで確定するでしょうね。

