2007年12月14日

パネル「米国のアニメ業界の現状」(ニューヨーク・アニメ・フェスティバル)パート2


昨日に引き続いて、NYAF-New York Anime
Festival(公式サイト)3日目(12月9日)のパネル
「State of the Anime Industry」の後半部分を
紹介してみます。
かなり駆け足の訳ですけど。

ToonZone2007年12月10日付け記事
「NYAF 2007: State of the Anime Industry
Panel Report」


Anime News Network12月10日付け記事
「State of the Anime Industry」

パネリスト

Adam Sheehan (FUNimation Entertainment)
Ken Iyadomi (Bandai Entertainment)
Satoshi Kanuma (Kadokawa Pictures USA)
Chris Oarr (ADV Films)
John O'Donnell(Central Park Media)
Keisuke Inoue (Think Corp.)
司会進行・Chris Macdonald(ANN編集長)


short_g.gif


Q4.「新たな流通手法に対する、日本の権利
者側からの『抵抗』は?」



「『抵抗』とまで呼ぶべきほどのものではなく、コミ
ュニケーションやその過程での誤解といった問題」
(Sheehan)

「日本と、それ以外の国の会社間では、そのビジ
ネスの進め方に大きな差がある。例えば、日本の
ほとんどの会社が、日本と違って返品が可能な、
アメリカでのDVD小売市場のことを理解していない。
ただし、より多くの人が日本国外のビジネスのや
り方を学び始めているのも事実で、いずれは次第
にその理解も深まっていくだろう」(Iyadomi)

「アニメの場合、アメリカで過去に手がけた作品が
リリースされる頃には、新しい試みを認めるべき、
その作品のプロデューサーやライセンサー達は、
次の作品のために動いている。新作のために忙し
過ぎて、過去作品にまで気をまわす余裕がない、
ということもある」(Kanuma)

「日本は、車や電化製品といった、形のある商品で
はない、アニメやマンガなどの文化の輸出にはずっ
と関心がなかった。日本側が輸出の必要性を感じて
いない、アニメやマンガの権利を取得するために、
かつては大変な努力を要した。それも少しずつ望ま
しい方向に変わりつつあるが、まだかなり時間がか
かるだろう」(O'Donnell)


Q5.「日本のアニメ業界にとって、アメリカやその他
の国の市場は、どれだけの重要性があるのか?」


「重要であって欲しい。作品を制作する時に、北米
市場のことなど全く考える必要のなかった10年前か
らすると、大きく変わった」(Iyadomi)

「日本の海外市場への関心の高まりは、GONZOが
アニメ制作を担当し、最初の吹替は米国側で行わ
れた『アフロサムライ』のような共同制作作品が示
していると思う」(Sheehan)

「海外市場はどんどん日本にとって重要になりつ
つあるのに、多くの制作者達は、彼らが作りたい
種類の作品を多く制作し続けており、アメリカの
ファンが見たがるものを考慮に入れていない。
角川の場合はUSA支社があるので、海外からの
反応も、より多く手に入れられる。
個人的な意見としてだが、もしアメリカからの収益
を得たいのなら、もっとこちらのファンの望む種類
の作品を供給するべきだろう」(Kanuma)

「アメリカのファンが望む作品を作ってくれた方が、
我々には好ましい。個人的には、もっとアクション
作品を」(Oarr)


Q6.「日米での配給時間差からは、どれくらいの
影響があるのか。また、それを短くするために、
どんな努力がされているのか?」


――全員が影響を認め、日本に合わせてアメリカ
でもリリースすることは、ほぼ不可能と。

「日本での放送から24時間後に、ファンサブが
ネットに流されてしまう状況では、特にマイナー
な作品ほど、影響は大きい。日米での時間差を
縮める努力は重要だが、効果的な方法はまだ見
つかっていない」(Sheehan)

「日本のテレビ局は、放送からDVDのリリースま
でに、少なくとも3ヵ月の時間を置くことを要求し
てくることがよくある。その期間中は、もちろん
海外でもDVDを発売出来ない。
また、言語の壁による問題もある。日本のアニメ
制作者達は、ファンサブ制作グループほどの、
翻訳にさける人員は保有していないし、放送ギリ
ギリまで制作に費やしているタイトなスケジュー
ルの中では、とてもそんな余裕もない。
より多くのファンや一般の人々を惹きつけるには、
字幕だけでなく英語吹替の役割もまた重要だが、
字幕と吹替の双方を、1ヵ月以内に完成させてし
まえるような作品はほとんどない」(Iyadomi)

「日本で作られた作品を海外で供給するには、
権利関係でもクリアしなくてはならない問題が
たくさんある。実際角川も過去に、日米同時リリ
ースを試みたことがあるが、ツメの部分で権利
問題が浮上し、実現しなかった」(Kanuma)

「BANDAIも、日米で同時に作品を放送してみな
いかという誘いを受けたことがある。けれど話を
持ちかけた会社には、正しく企画を進めるだけ
の時間の余裕がなかったようだ(『同じ作品のこ
とを言ってると思うよ』とKanuma氏から)」
(Iyadomi)

「ADV.Filmsでは、『シュヴァリエ 〜Le Chevalier
D'Eon〜』を日本でまだ放送している最中に取得
し、日米リリース時期の差を埋めるためのサンプ
ルとして扱ってみたことがある。
最大限の努力を費やし、様々な問題もクリア出来
たにもかかわらず、その結果は、収益という点で
効果があったかどうか、判断するには微妙なもの
にしかならなかった」(Oarr)


Q7「日本政府によるここ最近の、マンガやアニメ
などのポップカルチャーを国際的に宣伝する活動
は、北米のアニメ業界によい影響があるか?」


「我々が最も助けを必要としていた、北米でのアニ
メ市場の立ち上げ期である90〜91年頃には何もし
てくれなかった。市場が飽和している今となっては、
その頃だったら可能だったほどの助けにはならな
いだろう」(O'Donnell)

「何かに集中して取り組む時には、日本政府は色
々なことを実現してくれるから、彼らによる関与が
貢献出来るものは多いと思う」(Oarr)

「対海賊行為活動において主導してくれるのが、
最大の助けになるだろう」(Iyadomi)

「直接FUNimationに影響するものではなくても、
どんな形であれ、日米間でそういうコミュニケー
ションがあるのはありがたい」(Sheehan)


short_g.gif


という感じです。
アニメ!アニメ!12月12日付コラム
「なぜ米国でアニメDVDは儲からないのか?」
も参考になると思います。


short_g.gif


★昨日辺りから咽喉が痛いのは、きっと風邪の
引きかけですね。
体温はまだ37.3度と微熱の段階なので、これ以
上こじらせないようにしたいものです。
今日は早目に寝ますです。どてばた。




posted by mikikazu at 08:05 | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
eXTReMe Tracker
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。