どっこいしょっと。
また更新をぼちぼち再開していくわけですが、とりあえず
今日は、勉強中にリーディング教材としても(あ、言い訳
っぽい)活用していた、アニメ関係の洋書を2冊ほど紹介
しておきますね。
2冊とも出版年は結構古いので、情報としての価値は、
もうあまりないかもしれませんけど。
1冊目は、97年10月発行の、
「Anime Interviews: The First Five Years of
Animerica, Anime & Manga Monthly (1992-1997)」
この本は、Viz Communications(現Viz Media)がアメリカ
で発行している月刊のアニメ雑誌「Animerica」に、1992
年の創刊から5年間で掲載された、日本のアニメ・マンガ
界のクリエイター達へのインタビューを、まとめて再掲載
した冊子です。
そのラインナップは、年代順に(敬称略)、
1993年
・富野由悠季
・高橋留美子
・宮崎駿
・士郎正宗
・池上遼一
・木城ゆきと
1994年
・高屋良樹
・藤島康介
・今川泰宏
・林宏樹
・高千穂遙
・北爪宏幸
1995年
・河森正治
・楠桂
1996年
・寺沢武一
・押井守
・杉井ギサブロー
・松本零士
・高橋良輔
1997年
・大川七瀬(現・大川緋芭)−CLAMP
という、もはや代表作を併記するまでもない、豪華なメン
バーになっています。これだけの面子が揃えられたのも、
Vizの親会社である日本の小学館の協力のおかげだと、
序文でも述べられていました。
アメリカの読者向けということもあって、どのインタビュー
でも、その道を進み始めたキャリアのきっかけから話を始
めており、そういう面での基礎資料としても役立つのでは
ないかと思います。
きっと有名な話でしょうけれど、池上遼一さんが水木しげ
るさんのアシスタント出身というのは知らなかったので、
けっこう驚きました。そうすると、「男組」や「クライングフリ
ーマン」が水木しげる調で描かれた可能性もあったわけ
ですね。←ありません
時期的に、アメリカでANIMEブームが始まる前ということな
ので、海外での評価に対する質問には、皆さん戸惑い気
味というか、「よくわからない」といった風ですね。今同じ質
問をしたら、また変わってくるでしょうけれど。
でも、これもまた良く知られた話かもしれませんが、河森正
治さんへのインタビューによると、「マクロス7」で、マックス
とミリアの2人のみが再登場した理由のひとつは、アメリカ
では最初の「マクロス」(というか、「ロボテック」ですね)か
らだと、主人公の一条輝よりも、天才パイロットのマックス
の方がずっと人気が高かったらしく、アメリカ滞在中に河森
さんは彼についてばかり質問されたから、ということもあっ
たようですね。アメリカのメディア向けのリップ・サービスも
あるでしょうが。
ともあれ、日本のメディアによるものではあまり訊かれない
種類の質問も多く、色々と楽しめる内容でした。
もう1冊は、99年発行の、
「The Anime Companion: What's Japanese in
Japanese Animation?」
この本は、日本アニメ研究家であるGilles Poitrasさん(公
式サイト 本職は図書館司書さんとか)による、アニメ作品
に登場する、色々な日本文化・慣習・地名などを、それぞ
れ細かく解説したものですね。
例えば、「A」の項に掲載されているのは、
「高齢化(aging population)」「愛知県」「アイドル」「アイヌ」
「紫陽花」「赤提灯」「赤川次郎」「明石」「赤と白=紅白」
「秋葉原」「握手する」「芥川龍之介」「芥川賞」「雨戸」
「天照大神」「あんみつ」「青山」「青山霊園」「アサガオ」
「浅草」「浅草神社」「浅間山」「阿蘇山」「熱海」「宛名」
「阿波踊り」「麻布十番」
などであり、それぞれの用語の説明と、それが登場するア
ニメ作品の話数紹介がされています。
確かに、ファンタジーやSFはともかく、日本を舞台にしたア
ニメ作品を理解する時には、この種のガイドはきっと重宝
すると思いますね。「弁当」を知らない人に、「駅弁」を理解
させるのは難しいでしょう?
引用されている作品は、だから「らんま1/2」「めぞん一刻」
「天地無用!」「魔法少女プリティサミー」「Blue Seed」「機
動警察パトレイバー」「ああっ女神さまっ」なんかが中心に
なっています。
また作品のチョイスは、99年当時に、アメリカで正式に英
語字幕版のビデオソフトが発売されていたものに限られ
ているとのことですが、今月発売予定の第二版(アメリカ
Amazon)では、第一版発売以降の、アメリカでのANIME
ブームを受けて、相当にボリューム・アップした内容になっ
ているようですから、そちらも楽しみですね。

