第12話「美々野くるみがやってきた!」を見ました。
あれですね、くるみさんがのぞみさん達と同学年設定
ということは、うららさんの「妹」の地位はとりあえず安
泰なわけですが、逆に危ないのは「親友」ポジションの
りんさんですよね。
まあ、その辺のことを、続きの続きの続き(笑)というこ
とで、ちょっとだけSSにしてみました。
ええっと、順番としては、りょうさんとこの第10&11話
寸劇、うちの第10&11話寸劇、りょうさんとこの第12
話感想内寸劇、そして今回のうちの第12話感想SS、
ということになりますね。
すみません、ココとナッツとシロップは出せませんで
した。
向こうの3人のやりとりがとても微笑ましかったので
(こちらのご紹介も含めて、ありがとうございました)
さらに触発されたというのが事実ですが、本編も次回
からは新展開みたいですし、とりあえず今回で打ち止
めですね。たぶんおそらく。
夏新番は……、正直「プリキュア5GoGo」1本だけで
手一杯なので、他の作品に手を出す余裕はないかも
です。それじゃダメなんでしょうけど……。むむ。
のぞみ、りん、うららの3人による勉強会が一応の
終わりを迎えた夕刻には、朝からしつこく降り続いて
いた雨も、ようやくにやんでいた。
それでも、りんの家を出た3人を、空気に残った湿
気が撫でる。陽は既に暮れかけていて、雨雲の消え
た空は、東から夜の濃い色に染まりつつあった。
路上に薄く長い影を残しつつ、何度も振り返って大
きく手を振りながら、うららが違う方角にある自宅へ
向かうのを見送ると、のぞみは、「じゃあ、私も帰るね」
と鞄を肩にかつぎ直した。
「あ、私もそこまで一緒に行くから」
そんなのぞみに、努めて軽くりんは伝える。
「え? でもうちはすぐそこだし」
のぞみは怪訝そうに、りんに答える。
「いいのいいの。ちょっと用事があるだけだから。
さあ行こう」
りんは少々慌て気味に言って、のぞみを促した――。
りんの家からのぞみの住むマンションまでの、短
い距離の道を、2人はゆっくりと歩く。雨の匂いは
まだ濃く残り、時折吹き抜ける風の湿り気も、重く
感じられた。大通りからは外れた道なので、街の喧
騒もほとんど聞こえない。雨をたっぷりと吸い込ん
だ街路樹が、静かに立ちつくしている。
のぞみは、歩道に出来ている水たまりをよけなが
ら、時折子供のようにぴょんぴょんと跳ねる。
並んで歩くりんは、そんなことでも必死で、そして
楽しそうなのぞみの横顔を、そっと覗き見る。
「よっと」とのぞみが声をあげるたびに、その2つ
編みの髪とリボンが揺れた。りんが知っている幼い
頃から変わらない、のぞみのお気に入りの髪型だ。
「そんな子供みたいなこと、やめなさいって」
思わず思い浮かべた追憶との比較に苦笑しながら、
一応りんは言ってみる。
「へへー」
頭をかきながらにっこりと笑い返したのぞみは、
視線を空から、雨に濡れた街にゆっくりとめぐら
せた。街は少しずつ夕闇に沈みつつあり、ひんや
りとした空気の温度が、夜の気配を感じさせる。
「ねえ、りんちゃん。ミルキィローズ、というか、く
るみは、今頃どこでなにをしてるんだろうね」
不意にのぞみは、りんに訊ねてくる。
「え?」
自分が訊きたかった人物の名前を先に言われて、
りんはどきりとした。
「今日みたいな雨の日は、家にいるしかないんだ
ろうけど、そういえぱどこにいるのかも知らないし」
「うん……。寝起きとか、生活する場所はこの世
界でも必要なんだろうとは思うけど」
「でしょでしょ?」
「――そんなにあの子のこと、気になる?」
「もちろん! 一緒に戦ってくれる、私たちの新し
い仲間なんだし。シロップが心配してたみたいな、
エターナルの人じゃなくってよかったよー。それに、
あの子は私たちについてはとっても詳しいのに、あ
の子自身のことは、私たちなんにも知らないわけで
――」
「人には人の事情がそれぞれあるし、あれこれ詮
索しても仕方ないんじゃない?」
言ってからりんは、ずいぶんと冷たい言い方をし
てしまったと気づき、後悔する。
のぞみはそんなりんの態度を気にした風もなく、
「ううーん。それはそうなんだけど、気になるよー」
と腕組みしながら呟き、また空を見上げた。
その、のぞみの右足が、大きな水たまりに気づか
ぬまま踏み出されようとしているのを見たりんは、
「のぞみ、下!」と小さく叫びつつ、その身体に手を
伸ばす。
「わわ!」
のぞみは足を濡らす寸前で歩みを止めようとした
が、急に止まれるわけもなく、変な風に身体をひね
って、転びそうになる。
りんは、すばやくのぞみの腰に背中側から手を廻
すようにして、その身体を引きとめた。のぞみの背
中が胸にあたり、やわらかな髪がりんの口元に触れ
る。自分の靴は少し濡れてしまったが、気にはなら
ない。
「もう、まったくあんたは――。歩く時は前をちゃん
と見る、でしょう?」
のぞみを背後から抱きしめる格好になったりんは、
のぞみの耳元でため息をつく。
だがのぞみは力を抜いたまま、そんなりんに身体
をあずけ続けた。
ふふ、とひそやかに笑う声が、りんの耳に届く。
「なにがおかしいの?」
「ううん、おかしいんじゃなくて、なんだか嬉しいの。
ありがとう、りんちゃん。私が支えて欲しい時に、必ず
そばにいてくれるのは、やっぱり、りんちゃんなんだ
って思って――」
「のぞみ――」
すぐに返す言葉を見つけられなかったりんは、た
だのぞみを抱く腕に力をこめた。全身で響いている
かのように感じる自分の鼓動も、密着したのぞみの
背中につたわっているだろう。
しかし次の瞬間、人通りは少ないとはいえ、ここ
は公道であることを思い出し、慌ててのぞみから身
体を離す。せまりつつある夕闇の中では、歩道の隅
で寄り添う2人の少女の姿は目立たなかったかもし
れないが。
「あはは。のぞみはもう。それじゃあ、一生私がの
ぞみの面倒みなくちゃいけないみたいじゃない」
りんはことさらに冗談ぽく言ってみる。
「えー、ダメなの!?」
のぞみは真剣に驚いた様子で、瞳を潤ませた。
「りんちゃんがいないと、私もう毎日遅刻になっち
ゃうよー!」
「それは自分で起きなさい! だから、私が心配
しなくてもいいくらい、しっかりとした人間に成長し
ましょう、ということ。私だってまだまだだし、夢だっ
てかなうかどうかわからないけど……」
そこでりんは一度言葉を切って、小さく息を吸い込
んだ。一呼吸分だけの勇気が欲しかった。
「でも、これだけは約束するよ。のぞみが私にいて
欲しいと思ってくれる限り、私はそばにいるから――」
「うん! ありがとうりんちゃん! 私は役に立つ
ことがあるかどうかわからないけど、私もりんちゃん
のそばにいたいし」
のぞみは言うなり、りんの右腕に抱きついてくる。
りんは水たまりに気をつけつつ、そんなのぞみを
受けとめながら、
「ううん。のぞみは世界の誰よりも、私の役に立っ
てくれていると思うよ」
と目を見て答える。
「たとえばどういうことで?」
「それは……。えっと……。その……。明日まで
になにか考えてくるから、それまでの宿題ってこと
で――」
「あーっ、りんちゃんひどーい! もーう」
子供っぽく頬をふくらませるのぞみの表情の愛ら
しさを、自分だけの宝物にしておきたいと、りんは
心の中で呟く。
のぞみにならって空を見上げると、薄い星の明か
りがいくつか見つけられて、明日はいい天気になり
そうだった――。
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