2006年10月09日

「処女はお姉さまに恋してる」ドラマCD「晩夏の秋桜 初秋の茉莉花」、聞きました。

ががーんっ!
今期の期待作「RED GARDEN」公式サイト)が、昨日
深夜から関西地方(神戸サンテレビ)でも放送開始された
んですが、初回からいきなし野球中継延長による放送時間
変更で、録画失敗してましたっ。しおしおのぱあなのです。
最近は夕方やCSの作品ばかり見てたので、ナイター中継
のことなんて、完全に失念してましたね。すみません。
とりあえず来月から、AT-Xでも放送されるみたいなので、
それまでの我慢かな……。ともあれこっちのことは気にせ
ずに、視聴を進めてくださいね。


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さて気を取り直して今日の本題。
引き続きドラマCDのお薦め作である、「処女はお姉さまに
恋してる」ドラマCD「晩夏の秋桜 初秋の茉莉花」
を聞い
てみました。
タイトルはこう書いて、「処女」(おとめ)は「お姉さま」(ボク)
に恋してる、と読み、だから通称が「おとボク」になります。
このタイトルの原作ゲームは、成人向けPCゲームだったの
ですけれど、僕がプレイしたのは、PS2で全年齢向けに改変
され、タイトルも「乙女はお姉さまに恋してる」となった(PS2版
公式サイト)、いわゆるコンシューマー版ですね。
このPS2版のタイトルを用いてはいますが、キャストが総入れ
替えで、かなり違う雰囲気になるだろうアニメ版(公式サイト
も、先週から放送が始まっています。
こちら関西での放送は今晩ですね。今日は野球中継無い筈
です(笑)。


このドラマCDはタイトルが示すように、PC版のキャラクター
・ドラマであり、一部キャストや設定名称が違っています。
僕が馴染んでいるPS2版では「聖央女学院」だった学園の名
前もここでは「恵泉女学院」であり、最初は何のことを言って
いるのか、ちょっと考えてしまいました。キャストで違う人が確
認出来るのは……圭さんだけかな?


ともあれそういう小さい違いはあるものの、基本的にはPS2
版と同じ世界の雰囲気を楽しめる作品です。
先日の「アカイイト『京洛降魔』」ドラマCDと同じく、作品内の
季節が秋なのは、今僕が聞いている、リアルの季節とのマッ
チングを考慮したお気遣いなのだろうと、勝手に都合よく解
釈します(笑)。
ただし、「アカイイト」の方が、本編終了後の、ヒロイン・ルー
トの確定された世界を語っていたのに対して、こちらはまだ
ヒロインが選ばれていない、ある意味各ヒロイン達にとって
平等な時期であることで、平和なのどかさみたいなものも強
く感じました。
本編キャラではない物語上の主役、ドラマCD版オリジナル・
キャラの、まりやの後輩であり、「秋桜(コスモス)の君」の
通り名をもつ陸上部員、桜井夏央さんをサポートしてあげる
だけの余裕と優しさを堪能出来たのですね。
これが年明けの、みんな色々悩んで大変な時期だと、そんな
余裕はなかったでしょうし。
そういう時期選択もあって、キャラクターみんなに期待される
ことをそれぞれ披露出来た、理想的番外編ですね。
あ、期待されていたのが「最終兵器瑞穂さんチャイナ発動」だ
った瑞穂さんは、少々気の毒だったかもしれませんけど(笑)。
和解前ですから、貴子さんとまりやさんの口喧嘩もまだガチン
コ・モードで、今聞くと結構怖かったですし、あと、明らかに状
況を楽しんで見ている紫苑さんの小悪魔ぶりも素敵でした(笑)。


本筋の、夏央さんのまりやさんへの秘めた想いについての物
語は、この作品らしい切なさと爽やかさのミックスによって、後
味良くまとめられていたと思います。
絵がないだけに、細かな息遣いとかが、伝えられない想いの
痛みや深さを、よりリアルに伝えていましたね。聞き慣れたピ
アノの調べが流れると、こちらの心情も自動的に切なさモード
に入っていく、ということもあります。
ちなみに最後の、まりやさんから夏央さんへのあれは、僕はオ
デコ派ですね。その方が絵になるってだけですけど(笑)。


というわけで今回も、素敵な作品ありがとうございました♪

2006年02月07日

「乙女はお姉さまに恋してる」――貴子さんルート


★貴子さんルート終了お疲れさまでしたー。
では僕の方でも、「乙女はお姉さまに恋してる」の、
厳島貴子さんルートについてのコメントを少しだけ述
べておきますね。
以下、ゲーム内容ネタバレあります。

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


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最近流行(もう古いかも)の、「ツンデレ」なる表現があ
りますけれど、それを借りると貴子さんの場合はもう
「ツンデレデレデレデレデレデレデレデレデレデレ
デレデレ」
くらいに、「デレ」の状態に入ってから溶けま
くっていて、ものすごい破壊力でしたね。
「貴子さん、やり過ぎです」、と僕も瑞穂クンよろしく思っ
てしまいましたが、それがとんでもなく可愛いところが
ずるいというか、もう許すしかないと言いますか。
紫苑さんとまりやさんと話す瑞穂クンにヤキモチ焼いて、
「むー」と唸りながら瑞穂クンの袖をツンツン引っ張る
辺りのシーンを、何度微笑ましく見たことでしょう。


この変化の破壊度が強烈過ぎて、他のヒロインがどん
なに真面目なお話をやってもかなわないんじゃないか
とさえ思ってしまいます(笑)。
プレイヤーと物語主人公の視点がほぼ重なる恋愛シミ
ュレーションの世界では、示すことの出来る映像情報
も、主人公の主観に限定されますから(この作品でも
例外はありますけど)、ヒロインとの関係性の変化・
進行度の理解も、彼女達との直接の接触によって読
み解いていくしかない。逆に言うと、その直接の接触
によって物語が完結されるくらいには、相手のことも
理解出来るという点が、現実との違いですね。
そういう風に情報入力ルートが限定されているからこ
そ、見せられる本音をそのままに受けとめる義務が主
人公にはあるわけで、ゆえに貴子さんのような態度の
大変化は、ものすごい効果があるわけです。その「デレ」
からは逃げられない、と言いますか(笑)。
僕個人としても、貴子さんが好きとかそういうレベルの
話以前に、いい意味で降参という感じでした。これだけ
好きになってもらえてるんだから……と。
でも、瑞穂クンだったから大丈夫でしたけれど、浮気と
かしたら、その反動で想像も出来ないくらい恐ろしい事
態になりそう。


そういう貴子さんの甘えは、向けられるのが自分だけ
だという特権感と、受けとめてあげられる主人公・瑞穂
クンの優しさへの共感(ここはプレイヤーによって個人
差あるかな)により応えられ、愛情というコードで支えら
れた世界は安定します。そういう構図が、一番わかりや
すいシナリオかもしれません。


(そういえばリアルでも、もうすぐバレンタインデーの季
節ですね。深い意味はありませんけれど。いえホントに
全然まったく)


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★「ARIA」におけるファンタジー要素の存在意義について
は、考えるところもあるのですが、アニメ版の視聴機会を
得ましたら、また文章にまとめてみるかもしれません。
そういう世界観が好きだというお気持ちを考えると、それ
こそまた、野暮な意見にしかならないかもしれないけど……。

2006年01月12日

ぎゅうっ


ぎ、ぎゅうっ――!!!!

……としたくても手が届かないですけど、そのうち
萌え殺されそう?(笑) 可愛過ぎですー。というか、
奏ちゃんだと、どんな考察でも許せそうですね。
ふと思いましたけれど、巧みなストーリー構成に加え
て、「乙女はお姉さまに恋してる」の魅力のひとつって、
事あるごとにタイミング良く奏ちゃんが用意してくれ
る、紅茶タイムにもあるんじゃないかと。
ただ会話するんじゃなくて、想像出来る香りや味や
温かさを通して、人が生活している場所の空気なん
かも伝えてくれる感じです。
会話のタイミングにおいても、奏ちゃんが一生懸命
準備してくれている間と、お茶を口にして、奏ちゃん
にお礼を言うまでの時間が、コミュニケーションの
潤滑剤的な、良いクッションになってくれていると
思います。現実にも通じる、基本的な、人と人との
距離を再認識させてくれるというか。
そういう意味でも、奏ちゃんの存在というものは、
とても大切なんですよね。
奏ちゃんがお茶を入れてくれない「乙女はお姉さま
に恋してる」世界を想像すると、とんでもなく寂しく
感じてしまうのが、その証明だと思います。
というわけで、僕にもお茶を一杯ください?

2006年01月09日

「乙女はお姉さまに恋してる」を気に入った私的理由


どうやら順調に消化されておられるようなので(でも、
焦らずに楽しめるマイペースで、どうか)、こちらでも
物語ネタバレなしの、「乙女はお姉さまに恋してる」
についてのお話を、引き続き少しだけ。

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


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これは、恋愛シミュレーションゲームの知識がある方
に一度お伺いしてみたかったのですけれど、かねてよ
りの僕自身の要望として、主人公が礼儀正しく謙虚で
優しい性格で、一人称が「僕」で、かつ可能なら、ヒロ
インを「さん」付けで呼んでくれるようなゲームはない
だろうかと、ずっと思っていたんです。
そういう主人公を望む僕自身の性向の解析について
は、また別の話ですが……。
僕がプレイしたことのあるゲームの数はたかが知れて
いるので、一般的傾向ということではお話出来ません
けれど、例えば有名ゲームの「To Heart」なんかは、
主人公のヒロイン達に対する言動が(僕からすると)
あまりに不遜で、作品を楽しむまでには、結局至りま
せんでした。


ただ、たくさんのヒロインを相手に異なる物語を展開
しなくてはならない恋愛シミュレーションの世界では、
主人公の言動における、ある程度の積極性というの
は必然ですから、「謙虚な性格」という設定は、その
要求に反してしまうわけで、両立させるのが難しくな
ってしまうのはわかります。
「アカイイト」「あやかし忍伝 くの一番」といった
作品を僕が自然に楽しめたのも、百合的な要素とは
関係なく、女の子を主役にすることで、男性主人公で
は難しい、ヒロインに対する謙虚さや礼儀正しさが描
けていたからだ、という点は大きいと思います。


そういう意味で、男性でありつつも、その生来の優
しい性格と御曹司としての出自、女装をして、学院
の誰からも慕われる「エルダー」としての立場を演じ
なくてはならなくなった、「乙女はお姉さまに恋して
る」の主人公、宮小路瑞穂クンの描かれようは、結
果として、僕の求めている主人公像にマッチしていた
のですね。
それゆえ安心出来る視点が、作品世界を満たしてい
るので、プレイしていて、他の作品になく、これまで求
めていた心地良さを強く感じるのです。
物語自体も、そういう瑞穂クンの性格を受けて、繊細
なタッチで進んでくれているようですし。
「お姉さま」という学院内での姿は嘘でも、周囲に伝え
ている優しさは、彼の正直な心根から発した本当のも
のだという肯定的な語り口は、ファンタジーの嘘を簡
単に忘れさせてくれるものです。
「キス魔」になってしまった点については……、まあ、
それこそ「趣味か!?」ということで(笑)。


これはあくまで僕個人の見方、楽しみようであって、
万人に通じるものではないと思いますが、それでも、
この作品に触れられてよかったと思っています。
あらためて、出会う切っ掛けをくださって、ありがと
うなのです。

2006年01月05日

「乙女はお姉さまに恋してる」――その魅力について緊急座談会


まりや「なになに? こっちでも寸劇風レビューやるの?」

瑞穂 「レビューというわけじゃなくて、こちらが先行して
    しまっているのが申し訳ないから、第4話以降のネ
    タバレはしないで、、『乙女はお姉さまに恋してる』
    という作品の面白さについて語ってください、なる
    お願いをされたんだけど」

紫苑 「ストーリー展開の細かい部分には触れずに、世界
    観や雰囲気といった点からなら、語りようもあるの
    では、と思います」

まりや「そうですね、紫苑さま。ではさっそく、本命メイン・
    ヒロイン、御門まりや嬢の魅力に迫れ! まりや嬢
    101の秘密!、でいってみよー!」

瑞穂 「もう企画変わってるし……」

紫苑 「まあ、まりやさんには秘密が101もおありになるの
    ですね。全て覚えておくのは、きっととても大変で
    はありませんか?」

まりや「あ、あの……、マジボケ返されてもこちらが辛いだ
    けなんですけど……」

瑞穂 「だったら最初からやらない」

まりや「はいはい、わかったわよ、もう。えっと真面目に始
    めると、この作品のアピール・ポイントは、やっぱり
    瑞穂ちゃんじゃない?」

瑞穂 「え?、ぼ、僕?」

まりや「プレイヤーさんの好みというものは多様だろうけど、
    その中には瑞穂ちゃんの立場みたいになって、『お
    姉さま』『お姉さま』と慕われたい、女の子達に騒が
    れたい、という願望も結構あると思うよ?」

瑞穂 「うーん、例えば『お兄ちゃん』になって、妹や妹み
    たいな女の子に慕われたいというのならわからな
    くもないけれど、『お姉さま』になりたい男性なんて、
    どうだろう」

紫苑 「そうですね……、宝塚の男役の立場に憧れる女の
    子もおられるわけですし、異性への変身願望という
    ものがあっても、おかしくはないのかも」

まりや「かの、『五番街は霧』のねりのさまによれば(12月
    19日付け記述)、『コスプレで女装が増えてきてい
    る』とのことだし、そういった時代のニーズにも合っ
    ているのかもね。メイド喫茶の次は、女装喫茶がブ
    ームになったり?」

瑞穂 「それは絶対にないと思うけど」

紫苑 「まあ、そういう外見上のギミックだけではなくて、
    瑞穂さんの内面のキャラクターの魅力、という部分
    も、もちろんあると思いますよ」

瑞穂 「ぼ、僕なんか……、普通の男だし……」

紫苑 「そういう謙虚なところもそうなんですけれど、瑞穂
    さんは自分が男の子で、女の子が好きだから、皆さ
    んに優しくしているわけではないのでしょう?」

瑞穂 「深く考えたことはないですけれど、それはそうかも
    しれませんね」

まりや「ホントに? なんか怪しいぞ?」

瑞穂 「周りに女の子しかいないから、そもそも選択の余
    地がないのも事実ですけれどね」

紫苑 「恋愛ゲームとして必然となっていく、結果として
    のストーリー展開において、瑞穂さんが男性であ
    るという要素は、いずれ問題になってくるでしょう
    けれど、そこに至る日常の中で、瑞穂さんが見せ
    てくれている他人への優しさというものは、瑞穂さ
    んご自身の心根の中にある、私欲のない、優しい
    人間性のあらわれだと思います」

まりや「あ、その点はあたしも認める。不器用な点も多々
    あるけどね」

瑞穂 「なんだか照れますけど、そうなんでしょうか」

紫苑 「はい。そしてそういう、恋愛感情のようなエゴに基づ
    かない、広い意味での普遍的な、慈愛の精神というも
    のは、実は誰でもが、心に備えていたいと密かに思っ
    ていることではないでしょうか? 自分がそう出来る
    のなら、立場と関係なく、他人に優しくしたいという気
    持ちは、誰にでもあると思います」

瑞穂 「でも、ほんとうにそんな大それたことをしているつ
    もりはないんですが。エルダーとしての義務もある
    でしょうし」

紫苑 「それはつまり、一種の公務ということですよね。瑞穂
    さんの行動を見つめているプレイヤーの方々にとって
    も、その方が、瑞穂さんの立場に感情移入するための、
    よいエクスキューズになるのです。瑞穂さんという個人
    からだけでなく、エルダーという立場からも、聖央女
    学院という世界を見つめられる、広い視点を提供して
    いるのですね。そういう意味でも瑞穂さんは、学院だ
    けでなく、もっと大きな世界に向けた、大切な『エル
    ダー・シスター』としての務めを果たされているのか
    もしれませんよ。素敵なことだと思います」

まりや「あー、その、なんですね、話が深くなり過ぎてわから
    なくなってきたんですけれど、要するに、瑞穂ちゃん
    の天然なところが受けてる、ってことですか?」

紫苑 「そうとも言えますね。ふふふ」

瑞穂 「端的過ぎるよ、まりやは……。でも正直、僕はそんな
    聖人君子でもないんですよ? 現に、学院のみんなに
    男であることを隠し続けているような、ひどい人間で
    すから」

紫苑 「そのことによって傷いたり、困った立場に追い込ま
    れてしまう方が生まれないとは、私にも断言出来ま
    せん。なんにせよ、1人の人間に出来ることは限ら
    れているものですから……。でも、なにがあろうと、
    私は瑞穂さんの味方ですので。瑞穂さんご自身が困
    った時には、いつでも頼ってくださいね」

瑞穂 「紫苑さん……。ありがとうございます。そう仰ってい
    ただけて、本当に嬉しいです」

紫苑 「ふふ……。だって私達、お友達でしょう」

瑞穂 「はい! そうですね」

まりや「えっと、まあ、あたしにも責任あるというか、瑞穂
    ちゃんを今の立場に引きずり込んだ1人なわけな
    んだし、何かの時には、その、力になるから」

瑞穂 「あ、うん。ほどほどに期待してる」

まりや「むきー! なによ、その紫苑さまとの態度の違いは!
    あんた、あたしを敵にしたいわけ?」

瑞穂 「そ、そんな恐ろしいこと……」

まりや「だから何? 言ったのはこの口か? うりうり」

紫苑 「まあ、相変わらず仲がいいのね。仲良きことは美し
    きかな。うふふ」

瑞穂 「あ、あの紫苑さん、そんな綺麗にまとめる場面じゃな
    いですら……」

まりや「綺麗じゃない? 瑞穂ちゃん、自分の方が綺麗だって
    言いたいの? なにそれ自慢!?」

瑞穂 「ご、誤解のデフレスパイラルだ……」

紫苑 「かわいさ余って憎さ百倍……。ゲームなら、ここで
    注釈がつくところですね」

瑞穂 「(悪妻は百年の不作、なんてここで言ったらホントに
    命の危機だなあ)」

まりや「なーに? 言いたいことは明日じゃなくて、今日い
    ま言っちゃいなさい!」

紫苑 「恋に師匠なし、ですね。私達の物語も、どうなるか
    楽しみにしていきましょう。では、ごきげんよう」

2006年01月04日

「乙女はお姉さまに恋してる」由佳里ちゃんルート終了


あ、では僕も「ARIA」は原作コミックを先に試して
みようかな、と考え中です。アニメはアニメで評判
高いし、第2期も決定しているようですけども。


「乙女はお姉さまに恋してる」の方も、アニメ化
決まっているようですが、移りゆく季節の中での、
日常のコミュニケーションの繊細な積み重ねがあ
るからこその作品なので、映像でどこまでそれを語
れるかという点では、全然違うアプローチが求めら
れそうですね。
スターチャイルド・レーベルということは、タイトルに
関係なく、一般向けになるとは思いますが。


というわけで、以下は引き続きPS2版の「乙女はお姉
さまに恋してる」のレビューです。ラストまでのネタバ
レありますので、お気をつけください。
最近寝不足なので、こちらもペース・ダウンした方が
いいかも?

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


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よくわかりませんが、12月の物語が始まると、そのま
ま由佳里ちゃんルートが始まってしまいました。
狙っていた、というわけではないですけれど、例えば
院祭で行くお店で、一番最初に約束したのが彼女だっ
たから彼女を優先して選択した、みたいなことが影響
しているのでしょうね。


ともあれ、ラストまでの感想を簡単に言うと、「男とか
女だから、ではなく、瑞穂さんという『人間』を好きに
なった」という結論に至る、ある意味理想的な、意地
悪に言えば教科書通りのまとめ方だったとは思います。
作中でも一子さんが語るように、性的指向としてのホ
モ、ヘテロ・セクシュアルといったカテゴライズを超えて、
瑞穂さんの「人間」を受け入れるという文脈は、結論と
して確かに美しいというか、心地よいと思うし、僕も否
定はしません。
他人を好きになるという感情の中には、性的嗜好の問
題も含まれるのが正しいリアリズムだという指摘もある
でしょうけれど、このPS2版の世界観と、そして由佳里
ちゃんのキャラクターを考えれば、ここまでの結論でよ
しとしていいと、僕は考えます。
オリジナルのPC版では、肉体的接触のある性的関係
も描かれるわけで、その辺難しいのですが、タイトル
も違うことですし、ここは別の作品として考慮に入れな
い方がいいと思います。


お話としては一応、瑞穂クンと由佳里ちゃんの恋の行
方がメインではあるのですが、印象としては、ずっと
瑞穂クンが待つだけの受身の立場でいることもあって、
その間の由佳里ちゃんと一子さんのやり取りの方が
心に残っていますね。
一子さんがただの騒がしっ子じゃなくて(笑)、彼女に
しか出来ない、でもご都合主義には見えない役割をき
ちんと果たして物語をエンディングに向かわせてくれ
たという点で、とても完成度の高いお話になったと思
いますし、感謝したいです。
また、年が明けてからは、語り口の主点が多く由佳里
ちゃん側にも与えられ、その困惑と決意の過程が丁
寧に伝えられたことでも、ハッピーエンドの説得力が
増していると感じました。
「お嫁さんになる」という結論も、選択肢のひとつとして
はもちろん許容範囲内です。当人同士がそれで幸せな
ら、他人に口出しする権利はないのです――くらいの
感情移入はしていいですよね?


瑞穂クンの正体がばれた上での結末を担当するとい
う立場では、ある程度スタンダードにまとめられた
と思うのですけれど(人気投票での不人気は、その普
通さゆえでしょうか)、では他のヒロインのまとめ方は
どうなるでしょうかと気になります。
今ルートでの反応を見る限り、同じく瑞穂クンの正体
を知らない奏ちゃんのお話はなんとかなるでしょうけ
れど、由佳里ちゃんでこれなら、貴子さんのお話は荒
れに荒れそうな気も(笑)。
まりやさんは、幼馴染関係の決着と新しい関係への
出発、一子さんは超常ルートだからなんとでもなると
して、紫苑さんが難しそうです。
既に瑞穂クンの正体は知っているのだから、まだほと
んど語られていない、彼女自身の物語が大きく描かれ
るわけですよね。
つい頭に浮かんでしまった怖い展開は、瑞穂クンだけ
じゃなくて、前エルダーの紫苑さんも、実は女装して
いる男性だというもの(笑)。
由佳里ちゃんは、相手が同性であっても「好きだ」と
告白する勇気を示してくれたわけじゃないですか。
だったら、仮に紫苑さんが瑞穂クンと同性であっても、
好きになったのなら受け入れるのが主人公としての
義務というか、フェアだろうということで。
もちろん、好きになった結果として「異性だった」と
「同性だった」じゃ、全然違ってくるんでしょうけど。

2006年01月03日

「乙女はお姉さまに恋してる」第5話


さて引き続き「乙女はお姉さまに恋してる」は、
聖央女学院祭をメインの舞台にした第5話〜
November「華麗なる陰謀劇?」
を見てみました。
学園ゲームではたぶん定番のイベント・ストーリ
ーですが、それだけにとどまらず、各ヒロインの
立場と魅力を平等に示していくという意味でも、
とても大切なエピソードになったと思います。

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


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初めての舞台での役どころが、主役というプレッ
シャーの中で、違う舞台で主役の瑞穂さんと共に、
素直な頑張りようを示していく努力家の奏ちゃん。
自分にとっての担当「お姉さま」であるまりやさん
の態度に悩みつつも、踊れないと思っていたダ
ンスを指導してくれる瑞穂さんの優しさに惹かれ
ていく由佳里ちゃん。
新旧エルダーの2人が、廊下でワルツを踊るとい
うシチュエーションだけでおなかいっぱい(?)な
紫苑さん。
成り行きで瑞穂さんと「ロミオとジュリエット」劇の
主役カップルを演じることになり、急に瑞穂さん
との接触が多くなってしまった時の反応がひとつ
ひとつキュートな生徒会長・貴子さん。
瑞穂さん――クンの成長に戸惑い、距離を築い
てしまったけれども、結局瑞穂クンの優しさに自
分の嫉妬も自然と癒されてしまったまりやさん。
えっと、それから、一子さんは、えっと、え――、
瑞穂さんと一緒に寝るシーンが多くてよかった
ですね?←それだけですかっ
ヒロインではないですが付け加えると、怪しい同
級生というだけではなく、演劇部部長としての相
当な切れ者ぶりを示してくれた圭さんもポイント
高かったです。


これらの魅力提示に対して、瑞穂さんの側が平等
でニュートラルな心情を維持しているのは、公式
サイトの解説によると、次回12月までの選択によ
り、以降は各ヒロインの専用ルートとなるというこ
とですから、このエピソードが、プレイヤーの思い
入れという点に対しても、重要なアピール・タイム
になるからなんでしょうね。
来月の第6話で最終的な選択肢が現れるまでの、
ヒロインみんなが平等でいられる、最後の時間と
いう風に考えると、少々名残惜しくも感じますし、
これをふまえての、瑞穂さんが進むべき道に期
待も高まります。


僕個人の思い入れはさておいて、どのヒロイン・
ルートが王道かと考えると、筋というかけじめ
として、幼馴染のまりやさんとの関係に決着を
つけるのが、とりあえずの瑞穂クンの義務とい
う気はします。
奏ちゃんはどうしたって小さな妹ですし、由佳
里ちゃんは、もう1人のお姉さま、まりやさんの
ことが良くも悪くもクッションになってます。
紫苑さんは、友達関係の方が面白いという感じ
ですし(い、いえ誰も、付き合ったらそのお茶目
過ぎる性格に振り回されて大変そう、なんて言
ってませんからっ)、貴子さんは……向こうはと
もかく瑞穂クンの方が鈍感過ぎて、いつまでた
っても空回りが続きそう?
一子さんは……、一度クライマックスを経験し
ちゃってますしね。まあこの作品ですから、ま
たぞろ奇跡が起きて、生身の人間として突然
生き返ったりしても、まったくオッケーだとは思
いますが(笑)。


来年3月までの、残り4エピソードという予定の
ようですが、1話1話の時間を、瑞穂さん達とも、
共に大切に過ごしていきたいですね。

2006年01月02日

「乙女はお姉さまに恋してる」、面白いなのです。


えっと、あけましておめでとうございます♪
今年もよろしくお願いします。
ブログの運営方針としては、思いつくまま気の向
くままという感じで続くと思いますが(←そんなの
は方針といいません)、日本アニメ・マンガの海
外情報については、扱いが減ると思います。
昨年後半からは、ceenaさんの「英語で!アニメ・
マンガ」
が情報を伝えてくださるようになったので、
プロの翻訳家さんがやってくださるのなら、僕の
ような素人が何か言うのも格好悪いだけですし。
今後はよろしくお願いしますね。


当面の目標は、「魔法少女リリカルなのは」の残り
エピソードと、「乙女はお姉さまに恋してる」の感想
になるでしょうか。
今月からDVDリリースが始まる「舞-乙HiME」と、
「ARIA The ANIMATION」、そして1stシーズンのま
とめ方次第になる「魔法少女リリカルなのはA’s 」
とかも気にはなってますが……。


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その「乙女はお姉さまに恋してる」は予想外に
サクサクと物語が進み、全体の半分となる第4話
まで一気に消化してしまいました。
あ、「お慕いしている」との直接の言葉をもらえ
て、すごく嬉しかったのです。波長が合いそうな作
品チョイスに外れがないという点では、こちらこそ
頼りにしてます♪


「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


正直素直に、もっと瑞穂さんたちの世界の空気を
味わいたくなっていく反面、残されたお話が減って
いくのもイヤだという、嬉しく困った心境です。
楽しめている理由のひとつは、女子校を舞台にしつ
つも、主人公の瑞穂さんが実は男の子ということで、
その立場から客観視点をプレイヤー側に提供し、い
わゆる「百合」的な世界の閉塞感を緩和している……
みたいな弁護を書きたかったのですが、第4話で、
あまり付き合いのなかった筈の生徒会会計・菅原
君枝さんまで「お姉さま」キャラで弄んで(笑)いる
のを見てしまうと、「内なる自分の弱さを克服して
いく」って、そういうことー?と、苦笑もしてしまった
り。開き直ってこれが本当の自分と、「ニュー瑞穂」
を受け入れるのもありなのかも。あ、そういうのは
まりやさんが許さないかな(笑)。


最初の頃は女性を演じることに戸惑っているばかり
の瑞穂クンでしたが、立場が人をつくるということ
なのか、今では男の子の部分を見せる台詞の方が
少なくなって、「お姉さま」らしくなってきました。
そういう変化を認めるためにも、個人的には寮生以
外の一般生徒達との関わりを通じた、エルダーとし
ての日常、みたいなものも多く描いて欲しいとは思
います。
生徒会長みたいな役職ではなくてあくまで象徴だか
ら、具体的な業務があるわけではないので、難しい
かもしれませんけど……。
今のメイン・キャラの描き方だけでも、優しく繊細
な世界が十分に展開されているとは思いますが、
ホントのこと言えば、そういう状況で困る瑞穂クン
の姿が見たいという、紫苑さんのような意地悪な
気持ちもあるからです(笑)。←ひどっ


物語全体について言うなら、まだ各ヒロインの個別
ストーリーに分岐しているわけではなく、そのため
の色々な伏線が用意されている段階で、どうなるの
かという楽しみが順調に蓄積されつつあります。
瑞穂クン自身の心持ちも、まだ定まっているわけで
はなくて、各所にある選択肢も、大きな流れの中で
の位置づけは、よくわかりません。
プレイしている僕自身も、実はどう選択させるべき
か、迷っているんですよね。
一番最初のプレイはやはり、主人公の瑞穂クンの心
情を尊重して、彼にとって心理的整合性のある、自
然な反応を選択してあげたいとは思うのですが、今
はまだその取っ掛かりがないですね。
いわゆるツンデレな葛藤と困惑、そして時折わずか
に示す照れの表情が可愛いということでは、厳島貴
子さんは逆に得しているとは思いますけども、それ
が瑞穂クンに届くかというと、また別の問題ですし。
そういう意味では、近過ぎる存在の幼馴染、まりや
さんも一緒かな。自分の心を素直にさらけ出すまで
には、色々と大変そうなお2人です。


年齢にしては女性に対する反応がウブ、でも「お姉
さま」モードの時は無敵状態という、面白いけれど
困ってしまう瑞穂クンの、本当の心根が、誰かへの
想いに目覚めるとしたらどうなるのか、その瞬間は
すっごく楽しみです。

2005年12月31日

「乙女はお姉さまに恋してる」、始めました。


というわけで、例によってお相伴の機会をいただけ
たPS2ゲーム、「乙女はお姉さまに恋してる」が届
きましたので、さっそくプレイを始めてみました。
一応ジャンルの公式見解としては、「ロマンティック
ラブコメディアドベンチャー」ということになっており
ます。

「乙女はお姉さまに恋してる」公式サイト
http://www.alchemist-net.co.jp/products/otoboku/


ゲームの内容は、祖父の遺言で女装してお嬢様校
に通う羽目になった主人公が、「お姉さま」と女生徒
達に慕われ始めて……というもの。
とりあえず僕も、第2章の途中、一子ちゃんが学校
に行けない――!という辺りまで進めてみました。
確かに突飛な設定ではありますが、実際にプレイし
てみると、基本はコメディ・タッチではありりつも、
要所要所でシリアスな場面が効果的に挿入されて
いて、全体的には引き締まったストーリー・ラインに
仕上がっていると思います。
文体やキャラの描きようにしても、設定から想起さ
れるほどに戸口が狭いわけではないですね。
なので作品としては、一般の人でもそんなに入り込
みづらいわけではない、と言いたいところですが、
最近の僕はもう、何が一般的かという、自分が一線
を越えているのかいないのかの判断もよくわからな
いので(笑)、あんまり自信がありません。


そうですね……、なので主人公と同性から見た感
覚としては、やはり正直くすぐったいです(笑)。
僕の場合「お兄さま」と慕われる(と言っちゃってい
いのかな)のは、お1人からだけなので嬉しいし心
地よくはありますが、ひとつのコミュニティ全体を
代表する「お姉さま」として持ち上げられるのは、
なんだか大変過ぎるかも? 
主人公の瑞穂さんにしても、状況を受け入れたのは
あくまで祖父の遺言を尊重するという個人的な動機
ゆえに過ぎませんから、まだまだ戸惑いの方が強い
ようですし、作品のカラーからいっても、「エルダー」
としての立場を利用するにせよ、建設的な方向にし
かならないでしょう。
自分を慕ってくれる女生徒達に、自分の正体を隠し
ているという罪悪感と、選ばれた立場ゆえに、自分
が彼女達に出来ることがあるとするなら……という
義務感や優しさの狭間で右往左往していく瑞穂さん
の姿は、微笑ましいとは思います。他人に優しくし
てあげられるのなら、そして自分にその権利がある
のなら、自分の立場なんて関係ありませんものね。
でも実は一方で、結構泥沼化しているような気もし
ているのですが(笑)。そんなみんなにキスばかり
しちゃいけませんよー。
そう考えると、瑞穂さんにとっても、ジェンダーを
超えて、「自分探し」的な意味合いをもった物語に
なっていくのかもしれません。頑張れお姉さま?(笑)


キャラクターとしては、それぞれ皆さん魅力的です
が、前年度のエルダーという立場にもかかわらず、
お茶目過ぎる言動が素敵な紫苑さんとは、なんだか
お友達になれそうです(笑)。
下級生の子達もそれぞれ可愛いですが、瑞穂さん
の正体をラストで知るかどうかが、シナリオ展開で
気にはなるところです。
紫苑さんとかまりやさんとか事情をわかっている人
達は、まあどうにかなるでしょうけど。
ただ、前年度のエルダーである紫苑さんの事情が
事情ですから、そのことを理解している瑞穂さんと
しては、彼女の分も、最後まで立派に務め上げてく
れるとは思ってます。


とりあえずの結論としては、今ちょうど触れてみた
かった、楽しい作品世界に思えるので、プレイを始
められたことには感謝しています。何事もやってみ
なければわかりませんなのです。
急ぎ過ぎずに、瑞穂さんの悪戦苦闘を生温かく(笑)
見守っていきたいですね。


short_g.gif


というわけで、今年も今日で終わりです。
今日は、友人とCSでの「PRIDE・男祭り」を生観戦し
ながら、なんとなく過ごす予定ですけども。
ブログに移行した本年は、アクセス数の増加もあっ
て、さらに色々な方と出会い、お世話になりました。
どうもありがとうございました。
今後もどうなっていくかどうかさっぱりわからない僕
ですけれども、変わらずお付き合いいただければ
幸いです。では皆様、どうか良いお年を。
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