2010年04月06日

海外での「クローズ」シリーズ(高橋ヒロシ)の出版状況について。


では、調べて欲しいとリクエストをいただいた
作品・地域についての記事をアップしていきま
すね。
まず今日は、高橋ヒロシさんの「クローズ」シリ
ーズについてです。あ、実写映画版である「ク
ローズZERO」シリーズや、続編であるという
「WORST」も含んでみます。


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まず海外での出版状況は、


・アメリカ
2004年8月よりDigital Manga Publishing
が「WORST」を出版したが、2005年3月発売の
第3巻までで中断。
レイティングはYA(16+) ―― 16歳以上。

参考 ――
Anime News Network 2009年7月21日付けコラム
"Crows x Worst: An Introduction"


・フランス
2005年1月より、Panini Comicsフランス
「WORST」を出版したが、2007年9月発売の
第15巻で中断。

・イタリア
2005年3月より、Panini Comicsイタリア
「WORST」を出版しており、こちらは2010年
2月25日に、翻訳最新刊の第19巻が発売され
ているので、出版は継続中の模様。


・台湾
「WORST-極悪王」のタイトルで、「WORST」が
第13巻まで刊行中。
別タイトルでは10巻まで中断?


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というのが、とりあえずわかった範囲です。
抜けている地域もあるかもしれませんけど。
わかるのは、「クローズ」よりも、続編である
「WORST」の方がずっと多くの国で翻訳され
ていることですね。
未読なので、「クローズ」を知らずに「WORST」
がきちんと理解出来るのかは、判断出来ません
けれど、各国の出版社がそう判断したのなら、
多分大丈夫です?
とはいえ、出版が中断されている国については、
やはり評価は芳しくなかったのだろうと想像しま
す。作品の人気とは別の、出版社側の事情もあ
るかもしれませんけど、売れている作品なら、
違う出版社が引き継いでもいいでしょうし。


ただし英語版については、「クローズ」「WORST」
共に、違法翻訳(スキャンレーション)は、現在
進行形で制作・配布され続けています。
「クローズ」については、収録巻はわかりません
が、第48話が2010年3月28日に、「WORST」
の方は、月刊少年チャンピオン最新号である2010
年4月号掲載の第94話が、3月23日にアップさ
れていますね。
だから読んでいる人はいるわけですが、それが
「買ってくれる人」とそのまま重なるかというと、
また別の話になると思います。


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続いて、三池崇史監督による実写版映画
「クローズZERO」ですね。
IMDb及びBox Office Mojoによる世界での
公開地域は、


日本 ―― 2007年10月27日
シンガポール ―― 2008年3月20日
台湾 ―― 2008年4月8日
韓国 ―― 2008年7月2日
スペイン(シッチェス・カタロニア国際映画祭)
―― 2008年10月
ドイツ ―― 2008年11月8日
香港 ―― 2008年11月13日
フランス(DVD発売) ―― 2009年8月5日
フィンランド(ヘルシンキ国際映画祭)
―― 2009年9月19日


ということになっていて、海外での興行成績の合
計は、16万8644ドル(約1600万円)と計算さ
れています。
192スクリーンと、日本(259)に迫る規模で公開
された韓国では、翌週には23に激減され、三週
目にはチャートから完全に消えていることから、
二週間で上映が打ち切られたのかもしれません。
日本の25億円に対して、その二週で13万8708
ドル(約1313万円)という結果しか残していない
ことから、興行的には失敗だったと見ていいと思
いますが、どうでしょうか。


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2010年03月09日

海外の公共図書館における、姫川明さん作品の蔵書状況について


今日は、昨日の記事の補足になります。
昨日紹介したデータは、世界の書籍小売市場
における、姫川明さん(公式サイト)の「ゼルダの
伝説」シリーズの、売り上げデータだったわけで
すが、世界にはもうひとつ大きなマンガの市場
として、公共/公立図書館という場所があります。
図書館への売り上げデータの数字というものは
なかなか表に出てくることはないのですけど、
例えばお馴染みWorldCatのような検索サー
ビスを利用して、世界各国の図書館における蔵
書状況を調べたりすることは出来ます。
ただし勿論、オンライン検索に対応している図書
館だけが対象になるので、完璧なデータにはか
なり届かないかもですけど、とりあえずの目安に
はなるでしょう。
以下、データが見つかる範囲での、各国の公共
図書館における、姫川明さん作品の蔵書状況です。


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・アメリカ

「ゼルダの伝説・時のオカリナ」上・下巻
 (英語版 VIZ Media)
―― 49館

「ゼルダの伝説・時のオカリナ」上巻
 (英語版 VIZ Media)
―― 88館

「ゼルダの伝説・時のオカリナ」下巻
 (英語版 VIZ Media)
―― 146館

「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」
 (英語版 VIZ Media)
―― 154館

「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 時空の章」
 (英語版 VIZ Media)
―― 137館

「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
 (英語版 VIZ Media)
―― 148館

「ゼルダの伝説・4つの剣+」上巻
 (英語版 VIZ Media)
―― 134館


「Saerda chuan shuo : shi kong de Aokalina」
(香港版「時のオカリナ」香港青文社)
「時空轉抄Nazca」
 (台湾版「時空転抄ナスカ」台灣東販股份有限公司)
―― 1館(ニューヨーク・ブルックリン公共図書館)

「ゼルダの伝説・時のオカリナ」
「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」
「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 時空の章」
「ゼルダの伝説・神々のトライフォース」
「ゼルダの伝説・ふしぎのぼうし」
 (日本版 小学館)
―― 1館(ワシントン州・King County Library System)

「ゼルダの伝説・4つの剣+」上巻
 (日本版 小学館)
―― 2館

「小飛侠阿童木」
 (香港版「ASTRO BOY 鉄腕アトム」香港青文社)
―― 1館(アリゾナ州フェニックス公共図書館)


・シンガポール
 「ASTRO BOY : 原子小金剛」
 (台湾版「ASTRO BOY 鉄腕アトム」
―― 1館(シンガポール国立図書館) 


・フランス
 「ASTRO BOY」第1巻
 (フランス語版 Panini comics)
―― 1館
 「ASTRO BOY」第3巻
 (フランス語版 Panini comics)
―― 2館
 「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
 (フランス語版 Soleil)
―― 1館


・ドイツ
 「ゼルダの伝説・時のオカリナ」上・下巻
 (ドイツ語版 TOKYOPOP)
―― 1館


・デンマーク
 「ASTRO BOY」
 (デンマーク語版 Carlsen)
―― 1館(コペンハーゲン Danish Union
 Cat & Danish Natl Bibl)


・スウェーデン
 「ASTRO BOY」第1〜3巻
 (スウェーデン語版 Bonnier Carlsen)
―― 1館(スウェーデン国立図書館)


・フィンランド
 「ASTRO BOY」第1巻
 (フィンランド語版 Sangatsu Manga)
―― ?

・ニュージーランド
 「ASTRO BOY」第1巻
 (シンガポール英語版 Chuang Yi)
―― 10館
 「ASTRO BOY」第2巻
 (シンガポール英語版 Chuang Yi)
―― 2館


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という辺りの国々の図書館が、とりあえず見つ
かりました。
アメリカでは「ゼルダの伝説」シリーズが強い
一方で、ヨーロッパ諸国では、広い範囲でぼち
ぼちと「ASTRO BOY 鉄腕アトム」も置かれて
いるようですね。
やはり姫川さんの作品が、公共図書館という場
所でも、広く海外で読まれていることが、ある程
度わかるデータになっているかと思います。


posted by mikikazu at 19:30 | TrackBack(0) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月08日

姫川明さんのマンガ版「ゼルダの伝説」シリーズの、世界各国での人気について(アメリカ・フランス・スペイン・ドイツ)


先日、アラブ首長国連邦のアラビア語文学賞
である、本年度のSheikh Zayed Book Award
(公式サイト) において、Qais Sedki カイス・
セドキさん(原作)と姫川明さん(作画)の共作で
あるアラビア語マンガ「Gold Ring」が、最優秀
児童文学賞を受賞されたことをお伝えしました。


2010年3月4日付け記事
「姫川明さん作画のマンガ『Gold Ring』が、
 アラビア語文学賞Sheikh Zayed Book Award
 の最優秀児童文学賞を受賞」


姫川さんの公式サイトでの、日記を拝読したり、
メールでお話をうかがったりして知ったのです
が、「ゼルダの伝説」シリーズに代表される、姫
川さんの作品の海外での売り上げ・人気につい
ては、ご本人のところにも、ほとんど情報が伝わ
ってこないそうなんですね。
なので今回は、受賞のご祝儀ということで(?)、
わかる範囲での、データが見つかる姫川明さん
の「ゼルダ」シリーズの、世界各国での人気に
ついて、調べてみたいと思います。


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・北米地域
出版社 ―― VIZ Media


まずは、Nielsen Bookscan調べによる、2009
年度アメリカ一般書店・オンラインストアでのグラフ
ィックノベル売り上げランキングから、姫川さんの
作品のデータを抜き出してみます。
このBookscanのデータは、アメリカの全ての小
売店での売り上げを把握しているわけではなく、
最大手スーパーマーケット・チェーンのWal-Mart
や図書館、各種の専門店での売り上げは含まれて
いません。
諸説ありますが、アメリカ市場の70〜75%くらいの
数字ではないかと考えられています。
そのグラフィックノベルのランキングから、姫川さん
の作品と、日本マンガの各巻最高位のデータを並
べてみると(赤字は姫川さん作品)、


「NARUTO」第43巻 ―― 6万1144冊
「フルーツバスケット」第22巻 ―― 4万403冊
「ヴァンパイア騎士」第6巻 ―― 3万4385冊
「ポケモンDP 2―ポケットモンスター ダイヤ
 モンド・パール物語」第3巻 ―― 3万1032冊
「ポケットモンスター SPECIAL」第1巻 ―― 3万844冊
「ゼルダの伝説・時のオカリナ」第1巻 ―― 2万8851冊
「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」 ―― 2万7309冊

「DEATH NOTE」第1巻 ―― 2万6471冊
「ゼルダの伝説・時のオカリナ」第2巻 ―― 2万5494冊
「Bleach」第26巻 ―― 2万2769冊
「ロザリオとバンパイア」第5巻 ―― 1万9578冊
「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
  ―― 1万9254冊
「ゼルダの伝説・4つの剣+」第1巻 ―― 1万6994冊

「鋼の錬金術師」第18巻 ―― 1万6284冊
「魔法先生ネギま!」第21巻 ―― 1万4571冊
「涼宮ハルヒの憂鬱」第1巻 ―― 1万2314冊


という結果になっていて、「NARUTO」や「フルーツ
バスケット」のような大ベストセラーはさすがに別格
ですけれど、「Bleach」「鋼の錬金術師」「魔法先生
ネギま!」といった、日本での大人気作を、各巻単位
での売り上げでは、姫川さんの「ゼルダ」シリーズが
上回っていることがわかります。


続いて、Bookscanが対象にしていない、アメリカの
コミック専門店での売り上げについて。
2009年度データについては、当ブログ2010年1月
13日付け記事
で紹介済みですが、あらためて掲載
してみると(冊数は該当月内での売り上げ)、


1.「NARUTO」第41巻 ―― 3836(3月)
14.「フルーツバスケット」第22巻 ―― 3961(3月)
15.「Bleach」第26巻 ―― 3609(3月)
17.「ベルセルク」第27巻 ―― 3400(1月)
23.「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」
25.「無限の住人」第21巻 ―― 2989(7月)
26.「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
27.「DEATH NOTE」第1巻
30.「魔法先生ネギま!」第21巻 ―― 2653(4月)
32.「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 時空の章」―― 2207(6月)
33.「ヴァンパイア騎士」第6巻 ―― 2956(4月)
34.「GANTZ」第3巻 ―― 2158(1月)
35.「鋼の錬金術師」第18巻 ―― 2271(5月)


という上位陣になっていて、やはり「ゼルダ」シリ
ーズが、日本マンガ売れ筋作品の一角を担って
いることが読み取れます。


今年に入ってからの最新データを示しておくと、
大手書店チェーンBordersのオンラインストア表示
のトップセラー・リスト
では、


1.「NARUTO」第47巻
2.「ポケモンDP 2―ポケットモンスター ダイヤ
 モンド・パール物語」第6巻
3.「ゼルダの伝説・神々のトライフォース」
4.「The Dark Hunter」第2巻
5.「Maximum Ride」第2巻
6.「Maximum Ride」第1巻
7.「ONE PIECE」第29巻
8.「ONE PIECE」第31巻
9.「ポケットモンスター SPECIAL」第5巻
10.「Warriors: Ravenpaw's Path」第1巻
11.「ゼルダの伝説・ふしぎのぼうし」
12.「ゼルダの伝説・時のオカリナ」第1巻
13.「ゼルダの伝説・時のオカリナ」第2巻

14.「ポケモンDP 2―ポケットモンスター ダイヤ
 モンド・パール物語」第5巻
15.「ゼルダの伝説・4つの剣+」第1巻
16.「ゼルダの伝説・4つの剣+」第2巻
17.「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」



コミック専門店からのデータとして、ニューヨー
ク州ニューヨーク市のMidtown Comicsでの
マンガ売り上げランキングでも、


1.「NARUTO」第47巻
2.「ロックマンメガミックス」第1巻
3.「20世紀少年」第7巻
4.「ゼルダの伝説・ふしぎのぼうし」
5.「魔法先生ネギま!」第25巻
6.「ベルセルク」第33巻
7.「GANTZ」第9巻
8.「Ben 10 Alien Force Doom Dimension」第1巻
9.「ゼルダの伝説・神々のトライフォース」
10.「ベルセルク」第30巻


という結果になっていて、一般書店・コミック専門
店の双方で、今年に入っても好調が続いている
のがわかります。


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姫川さんの「ゼルダ」シリーズは欧州でも好評で、
各国での売り上げランキングでの常連です。
データが見つかる、それぞれの国のデータも紹介
してみますね。


・フランス
 出版社 ―― Soleil Manga

Livres Hebdo調べによる、2009年12月期マンガ
売り上げランキング
で、

1.「NARUTO」第45巻(25万冊)
2.「NARUTO」第46巻(25万冊)
3.「ONE PIECE」第52巻(8万5000冊)
4.「NARUTO」第44巻(25万冊)
5.「FAIRY TAIL」第10巻(7万冊)
6.「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」(3万冊)

と初登場6位。
また、Edistat調べによる、フランス国内の全書籍
売り上げ週間ランキングの、最新版(2010年2月
22〜28日
)では、2月24日発売の最新刊「ゼルダ
の伝説・ふしぎの木の実 大地の章」が初登場第
108位。同時発売の「時空の章」が145位。
マンガだけではなく、フランスで出版されている
全書籍対象のランキングにも入るくらいに、人気
なんですね。



・スペイン
 出版社 ―― Norma Editorial

Ramen Para Dos集計による、スペインの専門
店5店でのマンガ売り上げ週間ランキング最新版
(2月21〜28日期)で、2月26日発売の最新刊「ゼ
ルダの伝説・ムジュラの仮面」が初登場第3位。


1.「NARUTO」第45巻
2.「FAIRY TAIL」第9巻
3.「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」
4.「バガボンド」第32巻
5.「涼宮ハルヒの憂鬱」第2巻



・ドイツ
 出版社 ―― TOKYOPOPドイツ

TOKYOPOPドイツが毎週フォーラムで発表して
いる週間売り上げランキングで、今年2010年に
入ってから、

第一〜二週
第1位「ゼルダの伝説・ムジュラの仮面」
第三週
第2位「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
第四〜七週
第1位「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」

と、ほぼ「ゼルダ」シリーズが首位を独占。
また、ドイツAmazonのマンガ・トップセラーリストでも、

第20位「ゼルダの伝説・ふしぎの木の実 大地の章」
第36位「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」

が、現在上位にランクインしています。


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ある程度具体的なデータが見つかったのは、これら
の国になります。
とりあえずわかるのは、姫川さんの「ゼルダ」シリー
ズは、正規に翻訳出版されている国でなら、日本
マンガを代表する作品のひとつと評していいくらいに
売れている、という事実です。
もちろんゲームの人気の影響は大きいでしょうし、
そういう立場の作品なら、海外からの収入という面
でも、またオリジナル作品とは異なるかもですけど。
ともあれ、こういった海外での人気・実績があるの
ですから、いずれ「Gold Ring」が各国語に翻訳出
版される時にも、姫川さんが作画を手がけている作
品なんだという風に、注目してもらえる可能性も高
いと思います。


posted by mikikazu at 21:53 | TrackBack(0) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月24日

「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」第1話の、日本を含む世界での違法配信状況について


そうなるだろうと思っていたら、やっぱりそう
なったという、残念な展開について情報をま
とめておきます。
「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」は、
宇宙世紀を舞台にしたガンダム・シリーズ最
新作のOVAで、全6巻でのリリースが予定さ
れています。

「機動戦士ガンダムUC」公式サイト
http://www.gundam-unicorn.net/


この「UC」リリースにおいて最も注目されて
いたのが、日本国内だけではない、世界規
模での商品展開が、最初から企画されてい
ることですね。
2010年2月20日に、全国5都市の劇場で
「プレミアレビュー」と称した限定公開を行うと
同時に、会場でブルーレイ・ディスクを先行販
売し、また同日からはPlayStation Store
において有料ネットワーク配信も実施します。
そして3月12日には、日本、アメリカ、カナダ、
台湾、フランス、イギリスといった国で同時に、
ブルーレイ・ディスク、DVDを販売開始し、ブ
ルーレイには日本語・英語音声と、日本語・
英語・仏語・スペイン語・中国語繁体字(北
京語・広東語)の字幕が収録されている、ユ
ニバーサルな仕様になっています。
また、発売に合わせて日本だけでなく、香港・
台湾・アイルランド(アイルランド映画協会主
催のイベントAnime Weekend内)でも、
上映会が行われます。


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こういった世界展開を成功させるための要素
のひとつが、今ではネットを通して世界規模で
瞬時に可能になっている、作品の違法配信・
ダウンロードが行われないことですね。
例え商品が同時に発売されようとも、無料で
手に入るものも同時に出回ってしまえば、大き
な障害になるのは間違いありませんし。
以下、わかった範囲での、ネットにおける「機
動戦士ガンダムUC」第1話の違法配信状況
について、時系列順で並べてみます。
時刻は日本時間ですが、世界的な範囲なので、
時差の計算など、多少の間違いはあるかもしれ
ません。


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まず、日本の劇場での「プレミアムビュー」と同
時に、PlayStation Storeにおける有料ネット
ワーク配信が始まったのは、2月20日の朝(9時
くらい?)からだと思います。
その日の深夜、午前零時頃には、そのネット配
信から切り取られた、字幕のない、いわゆるRAW
の「UC」第1話動画が、P2P経由でダウンロード
可能になります。
この動画がネット配信での映像だと判断出来る
のは、冒頭に配信者であるバンダイチャンネル
のロゴが現れれることと、画面右端にずっとサン
ライズの名前が表示されているからですね。
ブルーレイなら、再生中にそんな名前が表示さ
れ続けることはないと思います。
以降展開される違法配信は全て、このPlayStation
Store経由でネット配信された動画をベースに
したもののようです。


この情報はすぐに、ある英語アニメニュースサイト
によって、「日本ではPlaystation Networkで
販売されている、ガンダムUCの第1話がリーク
された」と、違法ダウンロード出来るサイトへ
のリンクと共に
記事として伝えられたことで、
一気に広まった可能性はあります。


そのRAW動画が流出してから約20時間後の、
日本時間21日午後8時頃になると、香港発の
グループによるらしい、中国語字幕付きの動画
が早々に現れます。
中国語字幕はBDにも収録されているのですが、
この動画はRAWと同じく、サンライズの名前が
ずっと表示されるものなので、BDからリッピン
グしたものではなく、字幕を自作し重ねたものだ
と思われます。


さらにその26時間後の、日本時間23日午前零
時頃には、英語字幕ファンサブも流れ始めます。
これも翻訳は自作のようですが、不満も届いた
ようで、制作したファンサブ・グループは、近日
中にBDを入手し、それからリッピングした、HD
画質で公式な字幕付きの動画をアップしたいか
らと、購入資金のための募金を、サイト上で呼び
かけています。


それとほぼ同時に、検索すれば5秒で見つかる
ような、複数の、英語表示の違法アニメ配信サ
イトが、一斉にその英語字幕動画の、自サイト
での配信を始めます。中身は全て一緒ですが、
自分達で作ったように見せるためか、冒頭に
あるファンサブ・グループの表示は、消してある
ところもあります。


そして23日夕方には、最大手動画投稿サイトで
あるYouTubeにも、6分割された「UC」第1話
の英語ファンサブ動画が何者かの手によって投
稿されてしまいます。
これについてはさすがにバンダイビジュアルか
らの著作権侵害の申し立てが行われたようで、
翌24日のお昼までには、動画は全て削除され
ています。
ただし、それ自体では著作権侵害と判断されな
いのか、「UC」を配信している違法動画サイトへ
のリンク誘導・宣伝動画は、いくつかまだ残った
ままです。


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とりあえずこの辺までが、2月24日夜の現時点
までで把握している、「機動戦士ガンダムUC」
第1話の、違法配信状況です。
もちろんこれだけではないでしょうし、非英語圏
の状況についても、まだよくわかりません。
DVD/BDの発売前に、どれだけの人が世界
で「UC」第1話を違法視聴したかは、見当もつ
きませんけれど、一部のダウンロード数などの
表示を見る限り、最低でも数万以上にはなるで
しょう。
コメント欄などをざっと見ても、作品への評価は
とても良いだけに、こういう状況はとても残念です。
おそらくの作り手の期待通りに、この「UC」で初
めて宇宙世紀ガンダムとその魅力を知ったという
世代が、とても多いんですね。
ネット配信されていない、「涼宮ハルヒの消失」
「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」
などは、とりあえずこういった形での動画流出
は行われていないようですから、第2話以降は、
「UC」も先行ネット配信について、再考が必要
かもしれませんね。


posted by mikikazu at 22:32 | TrackBack(0) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月01日

OVA「聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話」第二期の製作と、シリーズ海外展開について(スペイン・ブラジル・南米諸国)


ヨーロッパや南米諸国では、いまだに根強い
人気を保っている、「聖闘士星矢」シリーズの
アニメ版最新作「聖闘士星矢 THE LOST
CANVAS 冥王神話」(日本公式サイト)の海
外展開について、少しまとめておきます。
今日は、ホントは別のことを調べていたんです
けど、こちらの情報の方がたくさん見つかって
しまって。


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2009年6月から、全13話の予定でDVD/ブ
ルーレイのリリースが続いている本作ですが、
続く第二期の制作についても、確認が取れた
ようです。
噂自体はそれなりにあったんですが、それを
受けて、ブラジル・サンパウロ在住のジャーナ
リストSandra Monteさんが、製作会社の
トムス・エンタテインメントのプロデューサー
に直接コンタクトを取り、第二期の製作を確
認したと、自身のブログで伝えています。
というか、僕のところにもCCですが、メール
が届きました。

Sandra MonteさんのブログPapo de Budega
2010年1月21日付け記事
"ANIMA INFO 1127
TMS confirma segunda temporada de
Lost Canvas"



ブラジルでは2009年12月から、Flash Star
Films社によって、既に第一期のDVDリリース
が開始されていて、

ブラジル公式サイト

では英語版予告編(trailer)と、ポルトガル語版
主題歌(abertura=opening)が、視聴出来ます。
リリースされているのは、現在DVDだけで、ブル
ーレイはまだだと思います。

参考・JBox.com 2009年10月19日付け記事
"DVD: Novidades de Lost Canvas no Brasil"


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そのブルーレイも合わせて、2010年10月のリ
リースが発売元のSelecta Visión(公式サイト)
によって確認されたのが、スペインです。
スペインとブラジルとでは、ブルーレイの普及率
に差があるんでしょうか。

Ramen Para Doss 2010年1月25日付け記事
"Saint Seiya Lost Canvas en DVD y Bluray
en el XVI Salón del Manga"


また、第二期の製作についても、既にスペインに
まで情報が伝わっていて、Selecta Visiónは
第二期の契約について、トムス・エンタテインメ
ント側と、3月25〜26日に開催される、東京国
際アニメフェア(公式サイト)で、最初の打ち合わせ
を行うことも明らかにしています。

Ramen Para Dos 2010年1月26日付け記事
"Selecta Visión quiere los nuevos episodios
de SS Lost Canvas"



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さらに南米地域での展開ですが、メキシコのテレ
ビ局Tele Aztecaの、国際販売部門Comarex
が、南米での「LOST CANVAS」の権利(地上波・
ケーブル局でのテレビ放送権、DVD及びマーチ
ャンダイジング全般)を取得したことを発表してい
ます。

Comarex公式サイト
"Los Caballeros del Zodiaco: El Lienzo Perdido"

ANMTV 2010年1月24日付け記事
"TV Azteca: Regreso de Saint Seiya"

REVISTAKANZEN.COM 2010年1月28日付け記事
"Saint Seiya Lost Canvas se doblará al
español para América Latina"



興味深いのは、Comarex公式サイトにおける
Duración(期間)表記が、"26 x 30 min"に
なっていることですね。
これが正しければ、第一期(13話)と、おそらく
同じ全13話になるだろう第二期を合わせた全
26話の契約を、既に結んでいることになります。



「星矢」シリーズのように、地域に偏りはあって
も(例えば北米ではさっぱりです)、世界の広い
地域で長く人気のある作品は、やはり注目度が
高いです。
2010年は「LOST CANVAS」が、ヨーロッパ
や南米で、大きな話題を呼ぶ年になるかもしれ
ませんね。


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2009年11月03日

「よつばと!」(あずまきよひこ)を所蔵している世界の公立図書館


お休みなので暇過ぎて集中して頑張って、
今日三つ目の記事をアップしてみました。
さすがに腰と目が痛いです(笑)。


さっきの記事で、アメリカでは賞などでも評価
されている「よつばと!」(あずまきよひこ)は、
公共図書館でも多く置かれているみたいなこ
とを書きましたけれど、その後で例によって、
WorldCatを利用して調べてみたら、イタリア
語版「よつばと!」を置いてあるイタリアの図
書館は見つかりませんでした。
もちろんこのサービスは、蔵書のネット検索
が出来る図書館だけが対象ですから、絶対
に存在しないとは言い切れませんけれど。


良い機会なのでついでに、「よつばと!」を所
蔵している世界の図書館についても、ちょっと
調べてみますね。
現在までに「よつばと!」は、確認出来る範囲で、

・英語
 (ADV Manga-第1〜5巻
 Yen Press-第1〜6巻)
・フランス語(KUROKAWA)
・スペイン語(Norma Editorialm)
・ドイツ語(TOKYOPOP)
・イタリア語(Dynit)
・スウェーデン語(B. Wahlströms bokförlag)
・フィンランド語(Punainen jättiläinen)
・ロシア語(Палма Пресс)
・タイ語(Comtoon)
・ベトナム語(TVMComics)
・韓国語
・中国語(台灣角川)

に翻訳されています。抜けもあるでしょう。
フランスのサイトのエフェクトが可愛いですね。
韓国語版のサイトは、公式のページが結局見
つけられませんでした。すみません。


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この中で、WorldCatが確認出来るのは、英語
版・フランス語・ドイツ語・スペイン語・スウェーデ
ン語・中国語になりますね。
それぞれ第1巻を所蔵している館数を調べると、


英語(アメリカ)
・ADV Manga版 ―― 338館
・Yen Press版 ―― 59館(第6巻)

フランス語
―― 1館

ドイツ語
―― 1館

スペイン語
―― 1館

スウェーデン語
―― 1館

中国語
―― 1館(ただしサンフランシスコ公共図書館)

日本語
―― 5館(ただし全てアメリカ)


という結果で、正直アメリカのマンガ所蔵数が
圧倒的で、比較にもなんにもならない感じです。
図書館の数と利用率が、アメリカとヨーロッパ
で全然違うんでしょうか。それとも、単にネット
検索対応率の違い? フランスには、マンガ専
門の博物館だってあった筈です。
アメリカの図書館司書さんから見た、マンガの
重要性については色々話も入ってきますが、
ヨーロッパについてはまだ何も知らないので、
またぞろ勉強したいです。

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2009年09月16日

言語学習における、マンガの多用性(インドネシア・アラブ首長国連邦の例)


外国におけるマンガの、言語学習における
影響・活用の違い、という話ですね。
まず、インドネシア共和国の日刊英字紙
The Jakarta Postの電子版が、9月15日
付けで伝えていたのが、

"Manga and dorama entice RI students
to learn Japanese"


という記事で、日本のマンガ・アニメ・ドラマ
に触発されて、インドネシアで日本語を学ぶ
人が増えていることと、その人達の日本語教
育をサポートしている、現地の日本大使館の
働きを伝えるものでした。
駐インドネシア日本大使の塩尻孝二郎氏に
よると、公・私的教育機関を合わせて、イン
ドネシアで日本語を学んでいる人の数は、
50万人に達するそうです。
同時に、日本語を教えられる先生の需要も急
増しているそうで、確かに、生徒が50万人い
たら、先生がどれだけ必要になるか、という話
になりますよね。それが学校を卒業した日本語
学習者の、よい就職先にもなっているようです。
言語だけでなく、日本文化と歴史に興味を抱く
人も多いそうですが、そうすると、1942〜1945
年までの、日本による占領期のことにも、当然
触れるわけで、そういう歴史への、若い人達の
反応は、どんなものなんでしょう……。


インドネシアでの日本マンガの歴史については、
以下の記事が参考になります。

Manga Blog 2007年10月25日付け記事
"What Manga is Like in Indonesia - Part I"

同11月7日付け記事
"Part II: Issues around Publishing"


また、インドネシアの人達の日本語学習につい
ては、公使の方のスピーチも情報になると思い
ます。

在インドネシア日本国大使館
リアウ大学日本語学科でのスピーチ(要旨)
「インドネシア人学生への日本語学習の勧め」



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続いては中東に飛んで、UAE(アラブ首長国
連邦)の英字紙The Nationalの、9月11日
付け記事。

"Search for a new chapter in Arabic
youth fiction"


この記事は、UAEでの、アラビア語による児童・
ティーエイジ向け文学と、その作者の少なさを
憂いるものですね。
ティーンエイジャーの子供達がもっぱら読んで
いるのは、ステファニー・メイヤーの「トワイラ
イト」や、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」
といった、欧米発の英語物語になるそうです。
アラビア語の本もわずかならあるけれど、その
内容や語り口は、「トワイライト」などと比較す
ると古臭くて、今の子供達が楽しんで読めるよ
うなものではない。


このままでは子供達が英語ばかりを使う・読む
ようになって、伝統的なアラビア語が廃れてし
まうのでは、という危惧があり、それに対する
活動のひとつとして紹介されているのが、うち
でも7月23日付け記事にした、日本人のマンガ
家(姫川明さん)とUAE人の作家(Qais Sedki
さん・出版者兼)との共作による、初のオリジナル
マンガ作品の「Gold Ring」(公式サイト)です。
ここではマンガによって、日本語ではなく、母国
語であるアラビア語のリテラシーを向上させ、
かつ伝統文化を正しく伝えようという、作品の
目的が語られています。


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つまり、インドネシアでは、日本語を勉強するき
っかけの一つとなっていたマンガが、UAEでは、
その土地伝統の言葉である、アラビア語の学習
のためにも利用されているんですね。
そもそも、マンガはあくまでもmedium ―― 表
現のためのツールですから、用いる言語に縛ら
れることなく、それぞれの目的のために活用し
てくれていいわけです。
結果として身につくのが日本語であれアラビア語
であれ、役に立ったのならそれでいい。
国境を越えたマンガの多用性を示す、いい例だと
思います。


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2009年07月10日

お台場の実物大ガンダムについての記事は、世界何ヶ国で伝えられたか。


まず先に。
お馴染み、オタクなネタの扱いはいつも不自然な
くらい(笑)大きな、英字日刊紙The Japan Times
ですけど、今日の7月10日版でも、最終面をまる
まる使って(広告あり)、お台場の実物大ガンダム
についての記事を、カラー写真入りで大きく伝え
てくれていました。知らずに開いたら、うわ、という
感じでしたね。

"Gundam goes green"
(電子版記事がアップされたら、リンクします。
追記・されました。っていうかTOPページにどかん
とガンダム登場です)

この記事はもちろん、イベントを主催しているGREEN
TOKYO ガンダムプロジェクト(公式サイト)について
と、ガンダムの30年の歴史を説明するもので、
サンライズのマネージング・ディレクターである
Niyakawa Yasuo氏、富野由悠季監督、ガンダムの
デザイナーである大河原邦男氏と同じ東京造形大
学を卒業し、現在はアメリカのILMで、映画「トランス
フォーマー」シリーズのデザインに関わっている
Yamaguchi Keiji氏、新宿ゴールデン街の、ガンダム
をテーマにしたバー「エクリプス」のオーナーである
Otsuka Ayako氏からのコメントが紹介されていま
した。


僕の知り合いの方だと、「ジェット フォレスト パーク
へようこそ」
の黒森コウさんが見に行かれて、写真
入りレポートを掲載してくれていますね。

6月13日付け記事
「お台場に行ってガンダムを見てきた」

僕も見に行きたいところですが、8月いっぱいの公
開とのことで、無理っぽいですね。
9月になったら、同人誌即売会「GirlsLoveFestival2」
(公式サイト)のために、東京に行くつもりはあるの
ですが。


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ではえっと本題。
この実物大ガンダムなんですが、さすがにモノが
スゴイので、ロイターやAPといった通信社によって、
世界各国にも伝えられています。
とりあえず見つけられる、各国の記事を並べてみま
すと、


「18米等身大“高达”模型亮相东京」
(中国・中新网)

「18米高“机动战士高达”亮相东京」
(台湾・新华网)

「日18公尺高機器人鋼彈東京展示 氣勢宏偉」
(香港・中央社)

「Giant Gundam robot stalks Japan」
(イギリス・BBC NEWS)

「Anime robot Gundam to hold court in Tokyo」
(アメリカ・Los Angeles Times)

「Une simple statue tout ce qu’il y a de plus banal」
(フランス・OrSériE)

「Lifesize-Gundam Nachtaufnahmen」
(ドイツ・GamePro)

「Gundam compie 30 anni e arriva a Tokyo
 a grandezza naturale」

(イタリア・Hi-Tech Italy)

「일본의 일대일(1:1) 로봇 제작 붐 왜?」
(韓国・donga.com)

「Veja estátua em tamanho real de robô
 gigante Gundam」

(ブラジル・Omelete)

「В японской столице
 появился 18-метровый
  "Гандам"」

(ロシア・KP.RU)

「Un robot de 18 metros se convierte en el
adalid de un Tokio ecológico」

(スペイン・EFE)


という感じで、主な言語はほとんどで、世界に
あまねく伝わったみたいですね。やっぱり、コスプ
レもそうですけど、こういう風に「絵」になるもの
があると、記事としては伝えやすいんでしょう。
まさにSize mattersですね。


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ところで、ガンダムとは関係ありませんが、イタリア
の記事で僕は初めて知ったのが、イタリアじゃなく
て、お隣のスペインのタラゴナというところに、
80年代初頭に作られたという、マジンガーZの
1/2スケール(ということは9メートルですね)の像
が存在するということだったりします。結構有名みた
いですね。
誰が作ったのかとか、全然わかりませんけれど、
当時はそれだけスペインでも、「マジンガーZ」の
人気があったんでしょう。
動画も見つかりましたので、人間と比較すると、
その大きさがわかります。




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★フランスのJapan Expoについては、まだじっくり
調べていないんですが、なにか面白そうな話題なり
ニュース動画などが見つかりましたらお伝えしますね。

posted by mikikazu at 09:18 | TrackBack(1) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月12日

世界各国の日本大使館が後援・協力しているアニメ・マンガ関連イベントのリスト


何気に検索していたら、色々と見つかりましたので、
今日は世界各国にある日本大使館が後援・協力し
ている、アニメ・マンガ関連イベントのリストをざっと
作ってみますね。
期間はこの1年間(2008年4月〜2009年4月)くらい
になります。


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アジア地域

・在シンガポール日本国大使館

「ドラえもん のび太の恐竜2006上映会」
(2008年6月14〜15日)
「アニメ・フェスティバル・アジア '08」
(2008年11月22〜23日)
「いわみせいじ氏 漫画レクチャー・デモンストレー
ション」
(2009年3月10〜12日)


・在タイ日本大使館

「日メコン交流年2009 ポップカルチャー(アニメ・
ファッション)を活用した日本文化紹介事業」

(2009年3月28日)


・在大韓民国日本大使館
「JAM Project ファンミーティング」
(2009年5月15日)


・在中国日本大使館
「『ドラえもん のび太の恐竜2006』上映会」
(2009年2月28日・3月7日)


・在フィリピン日本国大使館
"J-Pop Anime Singing Competition"
(決勝・2009年7月25日)


・在マレーシア日本国大使館
「ドラえもんアニメ文化大使のマレーシア訪問」
(2009年1月17日)


北米地域

・在カナダ日本国大使館
「ドラえもん のび太の恐竜2006 日本映画祭」
(2008年10月19日)
「東京藝術大学大学院 映像研究科アニメー
 ション専攻 伊藤有壱教授 『日本のアニメ
 文化』講演会」

(2008年9月19日)


・在米シアトル日本国領事館
「日本の月への美的愛着:かぐや姫からセーラー・
ムーンまで」(キース・タケチ、ショアライン・コミュ
ニティー・カレッジ講師)・pdfファイル
(2009年4月18〜19日)

「ドラえもんアニメ文化大使
映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』の上映会実施」

(2008年9月6〜7日)


中南米地域

・在ウルグアイ日本国大使館
「アニメ・レクチャーデモンストレーション」
(2008年9月5日)


・在エルサルバドル日本国大使館
「ドラえもん祭り」
(2009年2月11〜12日)
「第5回アニメコンテスト」
(2008年11月11日〜16日)
「第4回J−POPコンテスト」
(2008年11月12日)


・在コスタリカ日本国大使館
「アニメ文化大使事業
 『ドラえもん のび太の恐竜2006』」上映会」

(2008年10月18〜19日)


・在パラグアイ日本国大使館
「日本映画上映会(時をかける少女)」pdfファイル
(2009年2月24日)


・在ブラジル日本国大使館
「アニメ・レクデモ及びアニメ文化大使『ドラえもん
 のび太の恐竜 2006』上映会」

(2008年9月8日)


・在ベネズエラ日本国大使館
「第18回カラカス日本文化週間 日本アニメ・漫画展」
(2009年2月6日)


欧州地域

・在英国日本国大使館
「『漫画自慢150』展」
(2009年2月6日〜4月3日)


・在ギリシャ日本国大使館
「J-POPフェスト」
日本のポップミュージックコンサートやアニメ
の上映
(6月末又は7月初旬 )



・在スペイン日本国大使館
「ヘレス・デ・フロンテーラ・マンガサロン」
(2009年4月11〜13日)


・在バルセロナ日本国大使館
「第14回マンガサロン」
(2008年10月30日〜11月2日)


・在スロバキア日本国大使館
「日本文化紹介行事(日本食とアニメ「美味しんぼ」)」
(2008年10月26日)


・在チェコ日本国大使館
「ジャパン・ポップカルチャー・デイズ アニメ
 映画上映会『ドラえもん のび太の恐竜2006』」

(2008年10月30日)
「浜野教授(東京大学)講演会」
テーマ:日本のポップカルチャーとその文化的根源
(2008年10月31日)

「アニメ文化大使事業」
『ドラえもん のび太の恐竜2006』上映会
(2008年12月3日)


・在デンマーク日本国大使館
「アニメ文化大使(ドラえもん上映会)」
(2008年11月8日)


・在ドイツ日本国大使館
「第3回マンガワークショップ」
(2008年10月31日)
 

・在ノルウェー日本国大使館
『ドラえもん のび太の恐竜2006』上映会
 pdfファイル
(2009年3月28日)

「今敏監督講演会・『東京ゴッドファーザーズ』
上映会」
pdfファイル
(2008年11月15日)


・在ポルトガル日本国大使館
「『セロ弾きのゴーシュ』公演
(2009年2月1日)


・在リトアニア日本国大使館
「第3回コスプレコンテスト」
(2009年2月28日)


・在ルクセンブルク日本国大使館
「アニメーション講演会」
テーマ:、「日本アニメーションの現状と展望」
講師:東京工芸大学芸術学部アニメーション学科
にて教鞭を執る陶山恵講師、古川タク教授
(2008年3月20日)


・在ルーマニア日本国大使館
「日本・ドナウ交流年2009」(日本・ルーマニア
外交関係再開50周年)関連文化行事
「ANIME FESTIVAL 2009」
(2009年5月16〜17日)


・在ロシア日本国大使館
「鉄腕アトム上映会」
(2009年7〜8月)

「アニメ映画『ドラえもん』特別上映会・日露
 こども交流会」

(2008年11月16日)


中近東地域

・在アラブ首長国連邦日本国大使館
「日本アニメーションの講演・上映会」
講演:渡辺信一郎監督
(2008年3月27日)


・在カタール日本国大使館
「日本映画上映会『ドラえもん のび太の恐竜2006』」
(2008年11月5日)


・在クウェート日本国大使館
「日本アニメフェスティバル」
上映作品・「風の谷のナウシカ」
「ドラえもん のび太の恐竜2006」
(2009年3月8〜9日)


・在サウジアラビア日本国大使館
「ドラえもん のび太の恐竜2006」上映会
(2009年1月8日)


アフリカ地域

・在アルジェリア日本国大使館
「ゲド戦記」「猫の恩返し」上映会
2009年2月


・在コンゴ民主共和国日本国大使館
「ドラえもん のび太の恐竜2006」上映会
pdfファイル
(2008年10月10日・11月11日)


・在タンザニア日本国大使館
「アジア映画祭」
「DEATH NOTE」(実写版)上映
(20093月20日〜27日)


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といった辺りが見つかりました。
昨年から今年にかけて、ドラえもんが文化大使として
世界中で活躍していたのがよくわかりますね。
あと、国としては全然知らないんですが、エルサルバ
ドルのJ-POPコンテスト
で、涼宮ハルヒのコスプレを
したバンドがいまして、多分「God Knows...」を演奏
したんじゃないかと思います。聴いてみたいですね。
ともあれ各国大使館員のみなさん、ご苦労様です。


posted by mikikazu at 11:59 | TrackBack(0) | 海外情報(総合) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月01日

アニメソングは何語で歌われるべきか


非英語圏(ポルトガル語)の国の知人から、ちょっ
としたお願いが届いたんですね。
いわく、日本のアニメ・特撮ソングをカヴァーして
いるその国のバンドが、日本語歌詞のオリジナ
ル・ソングを作ろうとしているので、その歌詞をど
う思うか、日本語としておかしくないか、ネイティブ
の立場からチェックしてほしい、ということでした。


さっそく、ローマ語表記のその歌詞原案に目を通し
てみたんですけど、確かに日本語として、単語のつ
なぎに問題はありませんでした。
発音さえ正確なら、日本の人も何を歌っているのか
ちゃんとわかるレベルだと思います。そのバンドの
プレイは過去に見たことがあるので、シンガー達の
技量に心配もありませんでした。
ただ、なにかこう淡白というか、もの足りない感じは
あったんですね。
その時はそれが何か言葉に出来ないままに、とりあ
えず「日本語は完璧だよ。でも、今の日本でこういう
感じの歌を歌っているのは、JAM Projectくらいかも」
と答えを送っておいたんです(どういう感じの歌詞か、
これで想像つきますよね)。
そうしたら返ってきたのは、「そう! まさにJAM
Projectみたいにしたかったんだ」という返事でした。
それで僕は気がついたんですね。この日本語の歌詞
に足りないのは、他でもない「英語」なんだって。


JAM Projectは勿論、よくある「外人になりたい・外人
みたいに歌いたい」コンプレックスを表現したグループ
ではまったくありませんが、その歌詞では英語単語・
フレーズが多用されていますよね。
代表曲には英語題のものが多くありますし、「VICTORY」
では英単語のアルファベット読み上げで盛り上げます。
また、それこそ「VOYAGER」のように、全編英語歌詞
の曲だってあるわけです。
だから、JAM Projectのような感じにしたいのなら、
もっとサビやコーラスに英語を含んだ方が、らしく仕上
がるんじゃないかと、あらためてアドバイスしておきま
した。
日本のグループ風の曲を作るのには、英語が必要だと
伝えている自分の立場を、とても面白く感じたんです。


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別に日本のグループだからといって、JAM Project
が日本語しか使っちゃいけないというわけはないと
思いますし、彼らに影響を受けた海外のバンドでも、
同じだと思います。
言葉は、あくまで何かを伝えるためのツール=道具
なのですし、より良く伝えるためになら、違う道具=
違う言語の言葉を使っても、いいと思います。
例えば、JAM Projectが日本語歌詞の中で使う、複
数主語表現に「俺達」とか「僕達」がありますよね。
それはあくまで男性主語なのだから、メンバーの中
で女性である奥井雅美さん的にはどうなんだろう、と
感じる部分もあるわけです。
でも、ここで男性も女性も含んだ複数主語である、
英語の「We」を使って歌詞を組み立てると、「俺達」
や「僕達」よりも、ずっとグループとしての一体感が
伝わる、というようなケースもあると思います。
逆に、あくまでこれは男達だけの歌だとするなら、
「俺達」でもいいわけですし。
だから、結局大切なのは何を伝えたいかということ
なので、ツールとして色々な言語を利用する柔軟性
はあっていいと思うわけです。


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それとはまた別に、特定の言語で歌うことが、シンガ
ーとしてのアイデンティティに直結している場合もある
と思います。
最近一般メディアでも注目されているアニソン歌手に、
TVアニメ「戦場のヴァルキュリア」のOPソング「明日へ
のキズナ」を歌う、HIMEKAことカナダ出身のCatherine
St-Onge(カトリーヌ セント・オンジュ)さんがいますよ
ね(公式ブログ)。
アニメ公式サイトで見られるプロモーション・ムービーで
流れる曲が、HIMEKAさんの歌だと思うんですが、報道
されているように、日本語歌詞で歌っています。


ケベック州出身であるHIMEKAさんのネイティブ・ランゲ
ージは、フランス語とのことですから(プレセペ 3月2日
付け記事
)が、この歌もフランス語歌詞で歌った方が、
彼女にとっては楽だったかもしれません。
でも、憧れのアニソン歌手は水樹奈々さんで、「自分が
アニソンの歌手になるという希望を持ってきたということ
も、歌の中に込めたい」(マイコミジャーナル 2月28日
付け記事
)という「物語」を背負っているHIMEKAさんにす
れば、この歌は日本語で歌わないと、意味がないわけで
すね。
外国語歌詞で歌える「外人」シンガーはいくらでもいるで
しょうけど、日本語歌詞で歌える「外人」シンガーはそう
いないという、自身の希少商品価値も発生しますし。


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歌詞とは別の形で、日本語を自己アピールに利用して
いる外国のミュージシャンとしてさらに紹介しておくのは、
イギリスのDissident Genro(MySpace でっかい音で
ます。お気をつけください。 YouTubeチャンネル)です。
影響を受けた音楽のトップにGacktさんを挙げている
このバンド――というか、Rimuさんという方のソロ・プ
ロジェクトが掲げているのは、「VISUAL KEI」(ヴィジュ
アル系)ならぬ、スコットランド発であることを示す、
「SCOTTISH KEI」(スコティッシュ系)というフレーズ
なんですね。
イギリスのロック・シーンで、スコットランド系であること
を主張するのが、どんな意味を持つのかは正直全然わ
かりませんけど、とりあえず、そういった、イギリスを構
成する連合王国のひとつとしてのアイデンティティを主
張するのに、「KEI」(系)という日本語を利用するのは、
多重文化的で、やはり面白いと思います。


・アニメ作品の映像をバックに利用したライブの模様




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