2010年04月09日

南アフリカ共和国のアニメ/マンガファンに読まれているマンガは?


というわけで、リクエスト特集第4弾のお題は、
「南アフリカの人たちはどんな漫画を買ってい
るのか調べて」になります。
南アフリカといえば以前に、アニメ専門誌「Otaku
Magazine」の休刊のニュースをお伝えしたこ
とがありますよね(2009年3月1011日付け
記事
)。
1年が経過しても、どうやら復刊の目途は立っ
ていないようですけど、とりあえず公式サイト
自体は、まだ健在です。


その公式サイト内に、南アフリカで活動してい
る各地域のアニメクラブや、Otaku Magazine
が購入出来る小売店のリストを掲載している
ページがあります。
そのトップで紹介されているのが、南アフリカ
の立法府所在地ケープタウンにある、ケープ
タウン大学(UCT)のアニメクラブ、Genshiken.uct
(公式サイト)です。
クラブの名前はもちろん、木尾士目さんのマン
ガ「げんしけん」から取ったものでしょうね。
隔週のアニメ上映会を定期的に開いていると
のことで、それなりに活発な活動をしているク
ラブなんだろうと思います。


ちょうどなんですけど、そのGenshiken.uct
公式サイト内フォーラムのManga&Comics
コーナーに、"What are you currently
reading?(Manga)"
(今読んでいるマンガは?)
というスレッドが2009年8月に立てられてい
て、100近い書き込みがありました。
アニメクラブ内のフォーラムということで、一般
的な層とはまた異なるかもしれませんが、
南アフリカのアニメ/マンガファンの人達が、
どんな作品をいま読んでいるのか知る、ひと
つの目安になるとは思いのます。
では以降、作品のタイトルを人数の多い順に
並べていきます。


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10人 ――
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)
「NARUTO」(岸本斉史)
「Bleach」(久保帯人)

8人 ――
「PSYЯEN -サイレン-」(岩代俊明)

6人 ――
「FAIRY TAIL」(真島ヒロ)

5人 ――
「史上最強の弟子ケンイチ」(松江名俊)

4人 ――
「ちぇんじ123」(原作:坂口いく/画:岩澤紫麗)
「ぬらりひょんの孫」(椎橋寛)
「家庭教師ヒットマンREBORN!」(天野明)
「エア・ギア」(大暮維人)
「天上天下」(大暮維人)
「ベルセルク」(三浦建太郎)
「GANTZ」(奥浩哉)

3人 ――
「ARMS」(皆川亮二)

2人 ――
「べるぜバブ」(田村隆平)
「愛気 AIKI」(ISUTOSHI)
「カンタレラ」(氷栗優)
「結界師」(田辺イエロウ)
「666〜サタン〜」(岸本聖史)
「鋼の錬金術師」(荒川弘)
「はじめの一歩」(森川ジョージ)
「アクメツ」(脚本:田畑由秋/画:余湖裕輝)
「バガボンド」(井上雄彦)


1人 ――
「20世紀少年」(浦沢直樹)
「ふぁいとの暁」(あおやぎ孝夫)
「失踪日記」(吾妻ひでお)
「ロザリオとバンパイア」(池田晃久)
「女子高生」(大島永遠)
「FLAGS」(上田悟司)
「コードギアス 反攻のスザク」(画:ヨミノアツロ)
「D.Gray-man」(星野桂)
「新世紀エヴァンゲリオン」(貞本義行)
「エリアの騎士」(作:伊賀大晃/画:月山可也)
「エム×ゼロ」(叶恭弘)
「スキップ・ビート!」(仲村佳樹)
「ヴァンパイア騎士」(樋野まつり)
「名探偵コナン」(青山剛昌)
「ビーチスターズ」(森尾正博)
「Übel Blatt」(塩野干支郎次)
「ZMAN」(西川秀明)
「ちょこッとSister」(作:雑破業/画:竹内桜)
「天は赤い河のほとり」(篠原千絵)
「リモート」(作:天樹征丸/画:こしばてつや)
「ヴィンランド・サガ」(幸村誠)
「3×3 EYES」(高田裕三)
「CLAYMORE」(八木教広)
「ソウルイーター」(大久保篤)
「十億少女-ビリオンガール-」(酒井美羽)
「BITTER VIRGIN」(楠桂)
「ファースト・ガール」(さいとうちほ)
「サンクチュアリ」(作:史村翔/画:池上遼一)
「ブレイザードライブ」(岸本聖史)
「ブラック・ラグーン」(広江礼威)
「デッドマン・ワンダーランド」(片岡人生/近藤一馬)
「喰」(瀬川はじめ)
「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)
「死がふたりを分かつまで」(原作:たかしげ宙/画:DOUBLE-S)
「PandoraHearts」(望月淳)
「魔法先生ネギま!」(赤松健)
「黒薔薇アリス」(水城せとな)
「禁断の恋でいこう」(大海とむ)
「君のいる町」(瀬尾公治)
「RAVE」(真島ヒロ)


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という結果ですね。
やはり「ONE PIECE」「NARUTO」「Bleach」
の御三家は、世界のどこでも強いですね。
全体的には、大学生という年齢を示した作品に
なっていると思います。


ただし、2位の「PSYЯEN -サイレン-」のように
まだ海外のどこでも翻訳出版されていない筈の
作品も多く含まれていることから、かなりスキャ
ンレーションで読まれているマンガのリストにな
ってしまっているのも事実です。
そういう意味では、リクエストの「買っている」
リストにはなっていません。


では、南アフリカで正規の輸入出版物をどこで
買えるかというと、

Anime Direct
http://www.animedirect.co.za

Anime Worx
http://www.animeworx.co.za

といったオンライン専門店をチェックすれば、
「売っている作品」についてはある程度わかる
と思います。
普通の小売店でも入手は可能なようですが、
Anime Directが述べていて、
http://animedirect.co.za/node/33
Genshiken.uctのフォーラムでも話題にされ
ていたように、
http://tinyurl.com/y26xakg
南アフリカでは、まだまだ多くの海賊版商品が
出回っているとのことで、注意が必要のようで
すね。


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2010年03月30日

海外での状況を調べて欲しい作品・地域はありますか?


ところで、のお話なんですけど。
うちのブログは現在、日本アニメ・マンガ作品の
海外における状況調査がメインのテーマになって
いるわけですが、閲覧者の方々から、この作品に
ついて調べて欲しいとか、この地域での状況につ
いて紹介して欲しい、みたいなリクエストや要望は
あったりしますか?


ルーティーンで調査している国や地域は、主にペ
ージ左からリンクしてあるニュースサイトが出発点
になるんですけど、他にも検索サイトやフォーラ
ムなども、積極的に活用するようにはしています。
基本的に少しでも読めるのは英語だけで、他の言
語だと、翻訳ツールが対応していない場合は、や
はり調べるのが難しくなりますね。
海外といっても色んな国がありますし、特定の地域
だけの反応を大雑把に「海外」と括るのではなく、
その地域の反応はあくまでその地域のものだと、
可能な範囲で分類していきたいとは思っています。
その一方で、「やっぱり○○人らしい反応」みたい
な、偏見やステレオタイプを助長させてしまわない
よう、気をつけてもいたいです。


特に意識調査をしたいというわけではないんです
けど、視野を広げてモチベーションを維持していく
ためには、そういった個人の方の声を直接お聞き
するのもいいかなと思って。
どういう作品・方面・ジャンルに興味を持ってい
る方が、うちのブログを読んでくれているのか、
知りたいとも思いました。
もちろん自分の能力には明確に限界があるので、
全てのリクエストにお答え出来るとは全然お約束
出来ないんですが、要望があると知っていれば、
その方面での勉強もしたくなるかもですし。


もし、リクエストがある方がおられましたら、
xa38774アットマークzk9.so-net.ne.jp
まで、メールをください。
よろしくお願いします。


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昨日記事冒頭で紹介した、日本テレビ系列の
ニュース番組「News Every」(公式サイト)を
見てみましたが、ドバイやマンガ寿司の紹介
はあったものの、領事館の方から話に聞いて
いた、「ゴールド・リング」巻きは登場しません
でしたね。あれ?という感じです。
撮影はしたんだけれども、結局編集の段階で
カットされてしまったんでしょうか。


番組では、日本語を学んでいるドバイの国立
大学の女学生達の姿も伝えられていましたが、
教えておられる松原直美さんのブログ記事、

ドバイ千夜一夜
「第566話 日本テレビ『ニュースエブリィ』
 のドバイ特集」


によれば、彼女達が日本への想いを語ったイ
ンタビューなども、撮影はされながら、番組本
編では全カットだったようですね。
テレビ番組というものは基本そういうものなの
で、仕方ないといえばそうなんですが。


報道された内容そのものが、番組の公式サイト
内で現在視聴出来るようなので、興味のある方
はどうぞ。

http://www.ntv.co.jp/every/news/index.html#news1


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2009年07月28日

ニュージーランド・オークランド市の公共図書館に置いてある英訳BL/Yaoiマンガ作品リスト


で、どうしていきなりニュージーランドの話かと
いいますと、ニュージーランドの国営ラジオ局で
あるRadio New Zealandが、毎週火曜日に
配信している、アジア地域・文化についての情報
番組Asian Reportの、6月23・30日放送回の
二回に分けて、ハローキティや、日本のマンガ・
アニメが、ニュージーランドに与えている文化
的影響について語るプログラムを放送していた
のに、今ごろ気づいてチェックしてみたんですね。
各プログラムのタイトルをクリックすると、そのま
まプレイヤーが起動します。あるいは、MP3ファ
イルをダウンロードしてもいいです。
ニュージーランド訛りの英語、というんでしょう
か、ちょっと僕には聞き取り難い部分もあった
んですけど、グラフィック・ノベルのアーティスト
さんや、日本を題材にしたドキュメンタリー
「Manga Mad - Tokyo Otaku」(予告編)の
監督さん、イベント「Doujin Overload」の主催
者さん達などからのコメントが聞けます。


PART1は、ハローキティに象徴される日本的
「Kawaii」の意味を探る内容で、PART2は、さ
らに「萌え」の定義や「やおい」の説明、ニュージ
ーランドのマンガ・アーティストの活動などが語
られていくのですが、その中で、「ニュージーラン
ドの図書館にも、Yaoiマンガが置いてあるんだ
よ」という話が出ていたんですね。
じゃあせっかくの機会なので、ニュージーランド
の公共図書館の蔵書に、どんなYaoi作品が
あるのかを、ちょっと調べてみることにしました。
とはいっても、全ての図書館は無理なので、
どうやら一番Yaoi本を置いているらしい、ニュー
ジーランド最大の都市であるオークランド市の、
市立図書館(管区内分館数16)の蔵書状況を、
調査対象としてみました。


日本では大阪の堺市図書館で、大量のBL小
説が置かれていることが問題にされましたが、
海外の公共図書館では、どんなBLマンガを置
いてあるんでしょう。
アメリカは多過ぎて、まだ調査出来ていません
が、とりあえず今回は、ニュージーランド編とい
うことで。
僕個人は、BLマンガ作品については知識がな
いので、詳しい方に、公共図書館に置いていい
のかという、各作品の内容傾向・描写レベルで
の判断をお願いしたいと思います。
以下が、蔵書検索で見つけられた作品リストです。


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・「同細胞生物」
 (夢花李)
 
・「微熱革命」
 (作・鈴木せるぼ/画・穂波ゆきね)

・「Hybrid Child」
 (中村春菊)

・「純情ロマンチカ」
 (中村春菊)

・「花信風」
 (立野真琴)

・「YELLOW」
 (立野真琴)

・「君知るや」
 (石原理)

・「リトル・バタフライ」
 (高永ひなこ)

・「ロストボーイズ」
 (樹要)

・「Othello」
 (蓮見桃衣)

・「僕らの王国」
 (こうじま奈月)

・「熱情」
 (ごとうしのぶ)

・「悪 〜WARU〜」
 (はしだ由花里)

・「Dear Myself」
 (影木栄貴)

・「その指だけが知っている」
 (作・神奈木智/画・小田切ほたる)

・「1Kアパートの恋」
 (富士山ひょうた)

・「LOVE MODE」
 (志水ゆき)

・「ワイルド・ロック」
 (高嶋上総)

・「学園ヘヴン」
 (氷栗優)

・「ゴージャス・カラットGALAXY」
 (氷栗優)

・「ボイス・オア・ノイズ」
 (円陣闇丸)

・「名も無き鳥の飛ぶ夜明け」
 (如月弘鷹)


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他にもあるかもしれませんが、この辺りが、
ざっと調べて見つかりました。
TOKYOPOPとDigital Manga Publishing
のインプリント作品ばかりですけど、このライン
ナップは、どうでしょうか……。
とりあえずニュージーランドからは、こういった
BL/Yaoiマンガを、公共図書館に置いてある
ことが問題になったというニュースを、今日まで
に聞いたことはありません。


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2009年03月11日

南アフリカ共和国のアニメ雑誌「Otaku Magazine」休刊についての、編集長Jack Chen氏による説明


まず先に。
って、僕は別に販促員じゃないですけど(笑)。
今日3月11日付けの英字日刊紙The Japan Times
の10ページ目に、Matt Altさんを紹介する記事が掲載
されていました。

The Japan Times 2009年3月11日付け記事
"AltJapan"

紙面の方のMattさんの写真は、顔の部分だけをトリミ
ングされていて、正直「?」という印象だったんですが、
全体が写っている電子版の方の写真で、どういう状況
なのか理解しました。なんだか大変そうです。
Mattさんは、パートナーの依田寛子さんと共に、翻訳
・ローカライゼーション会社アルトジャパン(公式サイト)
を経営する一方で、日本のトイを紹介するサイトToyboxDX
や、もっと幅広い範囲のオタクネタを語るブログAltJapan
も運営されています。
記事の内容は、そういった趣味や、オタク文化の世界
的広がりの理由、Otakuという言葉の定義などについ
て語ってくれているものです。


でも僕が最初にMattさんのことを知ったのは、Otaku
USA
編集長のパトリック・マシアスさんの個人ブログ
「An Eternal Thought in the Mind of Godzilla」
で配信されているポッドキャストに、よくマシアスさんの
相方として登場されていたから、なんですね。
「この日本語の上手な人、誰?」という感じで。
もちろん、MattさんはOtaku USAにも寄稿されています。


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では本題です。
昨日の記事で伝えた、南アフリカ共和国のアニメ雑誌
「Otaku Magazine」(公式サイト)休刊のニュースなん
ですけど、幸いに、件のテレビ番組にも出演されていた、
編集長のJack Chen氏と連絡がとれまして、休刊の経
緯について、少し語ってもらうことが出来ました。
その部分の発言を紹介しておきますね。


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「主な原因は、南アフリカ国内におけるサポート不足
になるんですが、世界的な不況も一因ではありますね。

南アフリカのアニメ人気は、特に2007年11月から始ま
ったアニマックス(24時間放送のアニメチャンネル)の
放送に合わせて、この3年間で急速に成長しました。
最大の問題は、そのアニマックス以外に、商業的なサ
ポートが欠けていたことになります。
南アフリカ国内では、マーチャンダイジング展開や、
扱ってくれる小売ルートもほとんど存在しませんし、
ゲーム販売店などでの宣伝も難しかったのです。
そして世界的な経済問題によって、多くの広告も失
うことになってしまいました。
印刷費も毎年高くなっていく一方でしたし、南アフリカ
の為替レートが、ほぼ30%低下したのも影響しました。

この3年間、私達はOtaku Magazineを必死に、
情熱をこめて出版してきましたが、もうこれ以上の損
失を出すわけにはいかない状況になり、ここでの一休
止を決断することにしました。
いつか未来において、オンライン・マガジンとしての再
開が出来ればと願っています」



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――というのが、Jack Chen氏の説明になります。
ありがとうございました。
氏が発行していた、ゲーム雑誌のPlayTechも同時に
発行を停止するようです。
出版業界の暗いニュースばかりを、世界のあちこちか
ら聞く昨今ですね……。


posted by mikikazu at 08:08 | TrackBack(0) | 海外情報(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月10日

南アフリカ共和国のアニメ雑誌「Otaku Magazine」が休刊へ


まず先に。
昨日お伝えした、スロバキアのアニメコンベンション
「AnimeSHOW 2009」の主催団体であるAnimeCrew
には、日本で紹介した旨を伝えておいたんですが、
代表のRobert Zittnanさんから、すぐに丁寧なお返
事をいただきました。
AnimeCrewは、このAnimeSHOWと、前回は昨年9
月に開催したComics Salonというイベントを主催して
いる非営利団体だそうです。
Zittnanさんは、僕が暮らしている大阪にも、昨年10月
に訪れていて、ハロウィンを過ごされたとのことでした。
知り合うのがもう少し早ければ、交流の機会もあったの
でしょうけれど。
イベント終了後には、その模様を伝える写真を送って
くださるとのことなので、届きましたら、また紹介しますね。


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では本題。東欧から、南アフリカまで跳びます。
在南アフリカ共和国日本国大使館公式サイト内の、
南アフリカってどんな国?というページでも紹介されて
いる、2005年に創刊されたアニメ雑誌「オタク・マガ
ジン」こと、Otaku Magazine(公式サイト)なんですけ
ど、今年になって出版された、「一騎当千」の呂蒙子明を
表紙イラストとする第21号が、最終号になることが告知
されていました。
あ、名前は似ていますけど、この雑誌は、パトリック・
マシアスさんが編集長を務め、北米で発行されている
Otaku USA Magazine(公式サイト)とは何の関係も
ありません。
Otaku USAの方は、まだまだ大丈夫……ですよね、
マシアスさん?


えっと、何故この話題を伝えたかというと、Otaku Magazine
は、昨年日本のテレビ番組でも紹介されていたので、
ご存知の方も多いんじゃないかと思ったからです。
番組は、2008年1月24日に日本テレビ系列で放送さ
れた、「世界で発見!こんなのアリえねぇ!?ニッポン大
賞」(公式サイト)です。
海外の日本ブームを伝えるバラエティ番組で、Otaku
Magazineの編集部や、秋葉原で撮影したビデオを見て
喜ぶ、ヨハネスブルグのアニメファン達の様子が伝えら
れていました。


残念ながらその後、休刊になってしまったということで、
フォーラムは惜しむ声で埋まっています。
理由はわかりませんが、定期購読者が再び集まれば
再開も、という呼びかけも行っているので、売れ行き不
振が原因として大きいのかもしれません。その辺はまた
直接取材してみようと思っていますが。


参考・少し前ですけど、南アフリカのアニメファンダム
について軽く触れている記事です。
The Times 2009年1月4日付け記事
"Anime Kingdom"


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以下は一般論ですが、確かに、海外でアニメ雑誌を運営
するのは難しいのだろうとも考えます。
これが洋画雑誌とかだったら、海外で上映されている作
品の最新情報なんかもどんどんと伝えて構わないし、そ
れが日本での公開に備えた、パブリシティになりますよね。
でも、アニメの場合、日本で放送されている最新のテレビ
アニメのことを伝えたら、それは単に、即座に流されてい
るファンサブでの視聴を後押しするだけかもしれません。
上記の番組では、「3年前に高速データ通信が導入され、
インターネットが爆発的に普及。日本のアニメが見られる
ようになり最近オタクが急増中!」と伝えていましたが、彼ら
が見ているのはファンサブでしかない、ということまでは
伝えていませんでした。
結果としてファンが増えていても、南アのアニメ・ビジネス
が成功しているわけではない、ということが、今回の
Otaku Magazineの休刊によって証明されてしまったか
もと想像します。
もちろん、世界的な不景気による広告収入減や、雑誌媒
体の魅力の低下といった、色々な要素もあるんでしょうけ
れど……。


posted by mikikazu at 11:31 | TrackBack(0) | 海外情報(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月15日

海外でのヴィジュアル系バンドのセールスの障害となっている、ファンによる楽曲の違法アップ/ダウンロード


海外でも評価されていると伝えられる、日本のポッ
プ・カルチャーというと、当ブログの主な調査対象
であるマンガ・アニメに加えて、音楽のJ-POPや
J-ROCK、さらにその中のジャンルである、「ヴィ
ジュアル系」とカテゴライズされるバンドが、注目
されることが多いですよね。
海外のコンベンションなどにゲスト参加して、盛況
だったりする様子が、一般メディアでも時折伝えら
れていると思います。


参考・
J-CASTニュース 2008年6月15日付け記事
「日本のヴィジュアル系バンド 『カワイイ』と海外で
大人気」


日経トレンディネット 2008年11月19日付け記事
「『海外に進出する気なんてなかった……』 ビジュ
アル系バンド『アンティック-珈琲店-』が 欧州で大
人気の理由」



ところが実際のところは、海外での「Visual-Kei」
ことヴィジュアル系バンドは、J-POPの中で、むしろ
売れてない方だという事実を知って驚きました。
いえ、人気・ファンの数自体はスゴイようなんですけ
ど、バンドにとって肝心の収入につながる、楽曲のセ
ールスが、あまり上手くいっていないそうなんです。


そういう実態を伝えてくれているのが、海外向けの
邦楽オンライン販売サイトHearJapanのニュースペ
ージに、1月9日付けで掲載された、HearJapanの
社長である、Nathan Reaven氏からの長文コメント、

"A Message To Visual Kei Fans"

なんですね。
(via Icarus Publishing 1月12日付け記事)
実際HearJapanでは、ヴィジュアル系バンドの楽曲
のセールスは、他のジャンルの5分の1ほどに過ぎ
ない、とのことです。オンライン販売だけではなく、
輸出CDのデータでも、ヴィジュアル系バンドの数字
は低いとか。
ネット上の海外コミュニティで確認出来る、ヴィジュ
アル系バンドのファンの数は相当なものなのに、どう
して楽曲のセールスが不調なのかというと、他ならぬ
そのファン達による、楽曲の違法アップロード・ダウン
ロードが原因だと説明するのが、このNathan Reaven
氏のコメントの主旨なのです。


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Nathan Reaven氏が、状況を説明するサンプルとし
て紹介しているのが、HearJapanで2009年1月1日に
デビュー・シングル「終わりの始まり」を独占販売開始し
た、XodiacK(ゾディアック MySpace)というヴィジュア
ル系バンドです。
日本と合わせて、海外での展開を視野に入れていた
彼らは、 Reaven氏に協力を求めて、1stデモになる
「Kuroi Taiyou」を、 HearJapanで11月に無料公開
します。
反応は、HearJapanだけでも500回以上のダウンロー
ドを記録する好調なもので、XodiacKの話題が、海外
のヴィジュアル系ファンの間であっという間に広まって
いくのが確認出来ました。「次の曲が待てない」という
感じで。
それを受けて、XodiacKは、1万ドル以上の予算を
つぎ込んで、3曲入りのデビュー・シングル「終わりの
始まり」を制作します。ダウンロード価格は定価450円
を428円、ドルで4.98ドルでした。


そして、発売日の2009年1月1日をむかえます。
最初の数時間で「両手で数えられる程度」、その後
に2つほど、ということですから、恐らくは10回前後だ
けダウンロードされたところで、売れは止まってしまい
ました。
なのにネット上の掲示板やブログを調べてみると、そ
の時点で100人以上の人が既に楽曲を聞いて、絶賛
しているコメントが次々に投稿されていたんですね。
XodiacKが関心を持たれていないわけではなかった
し、知名度がないわけでもなかった、楽曲の出来が悪
いわけでもなかったことが、それらの反応からわかり
ます。
ただ、ほとんどの人が、お金を払って聞いてはくれな
かっただけでした。
中には、「買って聞いた」と主張する人もいたそうです
が、それらの人の数を合計すると、実際に売れた数を
上回るという、失笑するしかないオチまでついていたと
のことです。


注目がありつつも、シングルが売れなかった理由は明
白で、最初に買った誰かが、すぐにネット上にアップロ
ードして、他の人達はみんなそれをダウンロードしてし
まっているんですね。
バンドが投資したお金と労力が、利益という形で報わ
れるチャンスは、わずか数時間で霧消してしまったわ
けです。
少なくとも、9つのサイトで違法アップロードが確認され
て、当然のことながら削除を要請しても、またすぐに別
の場所でアップロードされるという、イタチゴッコの状況
だったみたいですね。
利益がほとんど返ってこなかったわけですから、結果
としてバンドが被った金銭的損失も、相当に大きかっ
たと想像出来ます。


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同じような状況は、どのヴィジュアル系バンドでも起き
ているそうです。
Reaven氏は、たくさんの日本のヴィジュアル系バンド
のメンバーや、レーベル関係者、プロモーターと話をす
る機会があったそうですが、誰もが口を揃えて言うのが、
「自分が関わったバンドを海外で成功させようと努力は
したが、誰も楽曲にお金を払おうとはせず、大損しただ
けだった」というコメントでした。
確かに、海外のコンベンションでは、よくバンドがゲスト
としてパフォーマンスしますが、それは運営側が渡航費
や宿泊費を負担してくれるから、なんですね。


どうして、ヴィジュアル系にだけ、海外のファン(と呼
べるのかどうかわかりませんが)がお金を出そうとは
しないかというと、その人気ゆえに、すぐアップロード
してしまう人が多い、どこで落とせるかという情報が
すぐに広まってしまうことがあるとは思います。
同じ話題を語った、JAPANATOR1月9日付け記事
は、「ヴィジュアル系のファンが気にするのはメンバー
のルックスだけで、曲はオマケみたいなもの」だから、
違法ダウンロードにも罪悪感がないのでは、というこ
とが述べられてもいます。


この、「人気はあるのに、違法ダウンロードばかり盛ん
で、正規の売上げに結びつかない」というのは、当ブロ
グの専門であるアニメと同じですよね。
1月8日から、アメリカのアニメ動画共有サイトのCrunchyroll
が、日本での放送1時間後に、英語字幕付き「NARUTO-
疾風伝-」の有料配信を開始しましたが、あっという間に、
動画投稿サイト、動画違法配信サイトに、そのエピソー
ドがそのままアップされてしまっています。
こちらは月額契約の前払いですが、こういう状況が続け
ば、お金を払って見ようとする人がい続けるかどうかは
疑問でしょう。


結局、海外でのネット・コミュニティやフォーラムで、
意見投稿がどんなに盛り上がっていても、それが正規
な手段で購入・視聴されているもの経由でなければ、
まったく意味がないということですね。
これで向こうのフォーラムの書き込みから、「XodiacK
は海外で大人気」と翻訳して伝えられても、バンドとし
ては嬉しくもないでしょうし。
「正規の手段で購入して、自分の好きなバンドをサポ
ートしよう」という認識が根付く前に、多くのバンドが消
えてしまいそうです。
それともうひとつ、今回の件で学んだのは、メディア・リ
テラシーからの観点です。
一般メディアが目立つ部分だけ取上げて伝える、「海外
でのヴィジュアル系バンドの人気」も、実態は全然異な
るということで、日本人にとって気持ちよく響くイメージと
いうか、雰囲気だけに惑わされてはいけないと、あらた
めて思いました。


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2008年03月17日

The Japan Timesの「ウルトラマン」ショート・シナリオ記事


ご紹介したように、先週の日曜版でコスプレ特集
記事を掲載していた、英字日刊紙のThe Japan
Times
ですが、続く昨日(3月16日)の日曜版P9
では、特撮――「ウルトラマン」ネタの記事を、
カラーでまた大きく載せていました。


The Japan Times 3月16日付け記事
「SHIFTING A 'SACRED SITE'
Ultraman the hero ... again!」



内容自体は、先月伝えられた、円谷プロダクシ
ョンの「怪獣倉庫」が閉鎖されるニュースをベー
スにしたものですけど(参考・「怪獣倉庫が45年
の歴史に幕 ウルトラマンの円谷プロ」
)、
面白いのは、文章がただの報道記事ではなく、
キリヤマキャップ率いる科学特捜隊の面々が
登場する、シナリオ形式のショート・ストーリー
になっていることですね。
だから記事というか、記事にかこつけた「ウル
トラマン」のファンフィクションみたいなものに
なっています。


「怪獣倉庫」の移転の報告を円谷プロから受け
た科特隊は、さっそく現地に向かいますが、
倉庫ではかねてより、怪獣の着ぐるみが動い
ているという噂もあって……、という展開です。
もちろんウルトラマンも登場して、着ぐるみが巨
大化してしまった、アントラーと激闘を繰り広げ
ます。
もうその辺で、どこが記事なんですか、楽しんで
るなあ、という感じになってますね(笑)。
執筆したのはThe Japan Times記者のEdan
Corkill氏で、他にも日本のポップカルチャー
関係の記事を多く担当している方のようです。
会話主体のシナリオ形式ですし、英語も比較的
平易なものですので、わりと楽に読み進められ
ると思いますから、お試しください。円谷プロの
許可は……取ってあると思いますけど(笑)。


コスプレ、特撮と続いてきたThe Japan Times
の日曜特集記事ですが、次は……声優ネタ辺り
になるでしょうか。紙面を開くのが、また楽しみで
すね。



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2008年03月10日

The Japan Timesのコスプレ特集記事


ちょっと遅れましたけど、昨日3月9日付けの
英字日刊紙The Japan Timesでは、紙面の
ほぼ2ページ(P7〜P8)を費やして、国内外の
「コスプレ」事情を紹介する特集記事が組まれ
ていました。
記事数が6、写真がカラー・モノクロ合わせて
9枚という充実ぶりです。
OTAKU USA編集長のパトリック・マシアスさ
んが寄稿しているくらいですし、かねてより
The Japan Timesは、マンガ・アニメ関連記
事を積極的に掲載してくれているのですが、
ここまでの大きな扱いは、僕が知る限りでは
久々ですね。
以下、それぞれの記事内容を簡単に説明して
みると――


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「Fashion fantasies come to life in cosplay」

日本のコスプレイヤーによるコミュニティ・サイ
Cureの紹介と合わせた、現在の日本国内
でのコスプレ人気と、その歴史概略。


「All aboard for 'world of manga'」

2008年2月に晴海客船ターミナルホールで開
催されたコスプレイベントの紹介。日本人コスプ
レイヤーへのインタビュー。


「Business booms as Japanese subculture soars」

日本でのコスプレ・ビジネスの盛況について。
関連商品市場の大きさは年間で350億円。
コスプレ衣装ショップ・コスミント東京中野店での
一番人気コスチュームは、「涼宮ハルヒの憂鬱」
に登場する、県立北高校の制服(2万7950円)。


「A global dress-up」

海外でのコスプレ人気について。
コスプレ写真投稿サイトCosplay.comと、
アメリカ・ワシントン州シアトルで今月開催される
予定のアニメコンベンションSakura-Conの紹介。
今年で11回目を迎えるSakura-Conの初年度参
加者は313人のみだったのが、今年の参加者は
1万5千人を予定している。その参加者の約80%
が、コスプレ姿で現れる。


「School offers costume-play way to
'cool' English」

今月末から本格開業予定の、コスプレ英会話
スクール「Cosplish」について。
記事内で紹介されているコスプレ先生は、「機動
戦士ガンダム」のセイラ・マスとアムロ・レイ。


「Learn how to look the part ― at a hefty price」

コスプレのための衣装作りやメイクアップ技術
が学べる、バンタンキャリアスクール提供の
スプレイヤー養成コース
について。3ヵ月コース
で受講料56万円。


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という感じで、1つを除けば日本国内のコスプレ
関連話題になるので、むしろ海外の方が読んだ
反応を知りたいところですね。
コスプレ英会話スクールは……、どうなんでしょ
うね。楽しく学べるのは、それは理想でしょうけ
れど、設定的に、セイラさんやアムロから英語を
学びたいかというと?
あれですね、英語じゃないですが、例えば「NOIR」
のミレイユ・ブーケお姉さんがフランス語を教え
てくれる、とかなら、劇中で本来喋っている言葉
なんだし、雰囲気的にはオッケーかな、とか(笑)。


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★「カタハネ」についてのフォロー、お気遣いす
みませんでした。先ほど到着しましたので、「ソル
フェージュ」のプレイ後になるでしょうけれど、
楽しみにしていますね。
「アイドルマスター ユア メッセージ」(草壁レイ 
メディアワークス)は、本日発売日の「ARIA」第12
巻と一緒に頼んでいるので、もう届く筈ですが。


「ソルフェージュ」(公式サイト)の方は、「Fuga:cpt4」
まで。かぐらさんが、ちほさんの寮へお泊りに行く
辺りです。
一言いうなら、ゆうなお姉さん、いいですね!
こういうさっぱりした性格のお姉さんは、それこ
そ「アカイイト」のサクヤさんとか、「ふたりはプ
リキュア」のアカネさんとか、好きなタイプです。
「姉御肌」というのとは、また違うんですよね。
それに、かぐらさんとすくねさんのストーリーは、
既にこれまでの2人の関係の過程が、がっちり構
築されていて、プレイする側が感情移入する余地
がないのに対して(逆に見守りたい気持ちにはなれ
るとも思います)、お互いに知らない同士から、
つまり関係がゼロの地点から始まった、かぐらさ
んとゆうなさんのストーリーは、どう転ぶかわから
ず、とても興味がわくわけです。
ストリートミュージシャンという設定なら、2人が
セッションする曲がポップ・ソングでもおかしくな
いでしょうし。
もっと駅前に行く選択肢を出して欲しい、とか思っ
てしまってます(笑)。


……と言いつつも、ゆうなさんの声優役を伏せて
いる時点で、彼女の正体みたいなものは、想像も
ついているのですけど。外れたら格好悪いので言
いませんが、かぐらさんなら、気づかないのも説
得力がありそうで。

posted by mikikazu at 11:17 | TrackBack(0) | 海外情報(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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