えっと、「フルーツバスケット」(高屋奈月 白泉社)
の最新刊である第20巻を読みました。
ずっと触れる機会がありませんでしたけれど、ちゃんと
読み続けてはいたのです、はい。
ここ最近の一番の衝撃は、透君の選択でもなく、慊人
氏の正体でもなく、やっぱり紅葉君の成長かな(笑)。
あれはズルイというか、でも、格好よく育って嬉しいと
いいますか。
お話の方は、いろんな意味での「終わり」が近づいてき
た、それぞれのうねりみたいものを、ただ受け入れるこ
とが切なく心地よい、物語読みとしての至福を感じてい
るところですね。
途中では、キャラクター達の追いつめられようがあまり
にも心に痛く、もう夾君に草摩の本家に殴りこんでもら
って、「呪いなど、俺の拳で打ち砕いてやる! ギャラ
クティカ・マグナムッッ! 宇宙が燃えた!銀河が鳴い
た!」って一気に終わらせて欲しい、と思ったりもしま
したが、そんな乱暴な展開になるわけもなく(そりゃそ
うだ)、ここまで積み重ねてきた日々をちゃんとふまえ
た、納得のいく結論を見届けられそうです。
どうあれ、徹底的な破壊を通過しないと終わらないお話
なんですが、その後に戻っていく日常の場と、未来とい
う希望の言葉が用意されつつあるポジティブなベクトル
と、積み重ねられてきた因縁の過去がどう激突し、どち
らが、それぞれのキャラにおいて勝るのか、祈るしかな
いというのが、まさに今の正直な気持ちです。
僕個人的には、誰かを好きになったり愛したりという僕
自身の感情自体を、もうあんまり信用していないので
(というか、そういう能力がないのだと思います)、だか
らこそ、作中キャラたちの、やっと掴み取れた正直な想
いが報われるようなラストを見てみたいと思います。
以下の文章には、「Q.E.D...証明終了」(加藤元浩 講談
社)第22巻収録「ベネチアン迷宮」のネタバレを含みます。
お気をつけください
コミックス20巻以上の長いお付き合いを続けているもう
ひとつの作品に、本格推理物の「Q.E.D...証明終了」
(加藤元浩 講談社)があります。
とはいえ、この作者さんの作品は大阪では入手が難しく、
書店で見かけることも滅多にないので、数年に一度見つ
けられた時に、まとめ買いをするようにしています。
今回も、ずっと買いそびれていた第21〜24巻という、ここ
2年間分の刊行冊をやっと手に入れることが出来ました。
同じ作者さんの「ロケットマン」は、まだ最終第10巻が見
つかりません……。
とりあえず第22巻まで読みましたが、この作品との付き
合いも長いので、キャラクターたちも、それぞれみんな
大切な存在ですね。
作者さんは意識していないと仰っていましたが、作中で
キャラクター達の心持や関係も、微妙に少しずつ変化・
成長していく過程も楽しみですし。
最近は、シリアスな謎解き話とコメディ系のお話の落差
も激しくなってきて、いい感じのローテーションになって
いると思います。
本格ミステリーのトリックの話をするのは野暮の極みと
いうかルール違反なので、読みたくない方は目を閉じて
ほしいのですけれど、第22巻収録の、イタリア・ヴェネツ
ィアを舞台にした「ベネチアン迷宮」のトリックが、実は、
「ARIA」(天野こずえ マッグガーデン)第5巻収録の
第24話「マルガリータ」のトリック……とはいわないか、
クライマックスの展開と、そのまま同じなんですね。
アニメ版だと、第1期「ARIA The ANIMATION」の第7話
「その 素敵なお仕事を…」になります。
新旧ヴェネツィアの水路を利用したお話ということで、ギ
ミックが重なったのでしょうけれど、別に引用云々とい
うことではなく、僕の好きな、それぞれ違う趣向の作品
が、同じようなギミックを用いて、しかも、それぞれの作
品にふさわしい、爽やかなまとめ方をその結果導いて
くれていることが、なんだか面白かったのですね。
まあ僕としても、アランの手綱を握れるのはエリーさん
だけだろうと思っていましたから、このお話のまとめ方
には大納得なのです。おめでとうございます♪
今後も時々、燈馬君と水原さんの関係のお話もちょろ
ちょろやってくれると嬉しいです。
あ、でも燈馬君の妹である優ちゃんのボーイフレンド話
なんてのは、絶対に不許可なのですよっ。がる。