2007年06月15日

「sola」第4話、見ました。


というわけで、引き続きAT-X版で視聴中の
「sola」公式サイト)は、第4話「ネガイフタ
リ」
を見てみました。
地上波より遅れている立場が申し訳ないので、
ネット配信も調べてみましたが、有料コース
更新は、AT-X放送と同じで、現在が第4話に
なるみたいですね。



この作品の視聴において、第1話から一貫して
考えているのが、キャラクターのデザイン・ライ
ンと、物語が求めるお芝居のレベルや種類の
関係、というテーマになります。
今話では、蒼乃お姉ちゃんとこよりちゃんをフィ
ーチャーしてお話が進んでいったわけですが、
2人の芝居と、2人の距離感みたいなものを見
つめながら、ある程度、それが掴めてきたよう
な気がします。この作品のキャラクターの芝居
は、これでやっていくんだ、という基準がわかっ
たといいますか。
また、「絵で伝わることは、いちいち台詞で説明
しない」という演出方針は、セオリーとして正解
ですし、実際に成功していたとも思います。
あ、折り紙はまだしも、飲みさしのカップとかは
ちゃんと片付けていきましょうね、みたいなこと
を言うのは野暮なのでやめときます。←こらこら


この作品全体的に、キャラクターのお芝居の質
には淡白な印象があって、このデザイン・ライン
のキャラが演じられる芝居のリミットみたいなも
のを感じないわけではなかったのですが、このお
話ではそのリミットを一杯まで使って到達出来る、
ひとつの感動がちゃんと示せていたと思います。
僕はその点がずっと不安で、「こういうキャラだと、
お話が要求するだけの芝居が出来ないのでは?」
という懸念があったんですが、そういう不安を打
ち消す、演出の力を見せてくれたと評価したいで
すね。もちろん絵作りの演出だけじゃなくて、シナ
リオとか音響とか声優さんの演技とか、全ての要
素の総合力になりますね。


絵としてのアニメキャラは、記号表現に過ぎない
んですけれど、そこに人間存在を感じさせる(人
間でなくてもいいです)方法論には色々あって、
ただリアルにディテールを描き込めばいい、とい
うわけでもありませんよね。
作品の中でどんなリアリティを創出するかは、そ
の作品自体が決めていくことです。
最近だと、「RED GARDEN」なんかは、こういう物
語だから、こういうキャラ・デザインで、こういう演
技なんだという関係が、見事に成立していました。
ちょっと前だと「かみちゅ!」なんかもそうですね。
ああいう世界の雰囲気で、キャラクターで、かつ
MAKOさんの声で、「わたし、神様になっちゃった」
って言われたら、「うん、なっちゃったか」と受け入
れるしかないわけです(笑)。


「sola」のこれまでのお話で、そういう掴みという
か、「sola」が「sola」でしか描けない、オンリーワ
ンの物語であることを示す魅力みたいなものを
明確に示せていたかいうと、実は、個人的には否
定的でした。第1話ラストの、2人で天上を見上げ
るシーンを、役割としてそうさせたい、という狙いは
理解出来ましたけど。
日常と非日常のバランスが不明瞭で、キャラクタ
ーと物語の向いている方向が一致していないとい
いますか……。
設定という部分では、まだまだ謎ばかりで困っても
いるのですが、少なくとも演出ということでは、今回
である程度の方向性が見えたと思います。
「この作品は、これが出来るんだ」という、語り口の
持つ力を感じ取れる瞬間は、受け手として、とても
嬉しいものです。


short_g.gif

★「ペルソナ3」ドラマCDは、まず「Vol.1 Daylight」を
聞いてみました。
音だけなのに、壮絶な威力だとわかる、ゆかりッチさん
からの順平君への攻撃がまずスゴイかも(笑)。
でも同じく音だけじゃ、せっかくメイド服着てくれても
わからないというのが残念でした?
それともちろん、僕もカレーを食べたくなりました(笑)。
そうですね、全体の雰囲気としてはこの頃はよかった、
と言ってしまうとちょっと切ないですけれど、「ペルソナ
3」の楽しい部分、キャラクターの魅力を満喫出来る
内容だったと思います。
それから、アイギスさんに優しくする主人公君を、この
石田彰さんの声で聞いてしまうと、やっぱり主人公君は
アイギスと、だなーとか感じてしまいました。ゆかりッチ
さんとだと、雰囲気的に押され気味になってしまうから、
なんて言ったら怒られそうですけど(笑)。




posted by mikikazu at 09:17 | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月08日

「sola」第3話、見ました。


というわけで、引き続きAT-X版で視聴中の
「sola」公式サイト)は、第3話「オダヤカ
ナヒ」
を見てみました。
「すぐに帰るという依人君の態度に拗ねて、
蒼乃お姉ちゃんがフテ寝しちゃうお話」、とい
う辺りがメイン・プロットになるでしょうか。な
るんですっ。
いえ僕としては、蒼乃お姉ちゃんの機嫌を取
り戻すために、依人君が30分奮闘する、それ
は無理でも、少なくともフォローはすると思って
たんですけどね。あっさりと茉莉さんの待つ自
宅に帰ってしまったようですが。
ああ、拗ねてしまったお姉ちゃんキャラを、もう
ちょっとだけ意地悪にイジめてからかったり、フ
ォローして機嫌を直してくれたりした時の表情が
それぞれどんなに可愛いか、君は知らないん
ですか!! ←とりあえず、落ち着け自分


「姉さんに心配かけたくないから」という理由で
の行動の不審さが、逆に心配をかけてしまって
いる状況を、依人君からの、蒼乃お姉ちゃんと茉
莉さん双方に対する気遣いゆえと納得するには、
真名さんくらいの達観がないと無理、というのが
正直なところです。そういう意味で、今回はエゴ
を表出させることなく事態を受け入れる、「都合の
いいキャラ」扱いされてしまった真名さんが不憫
に思えたりもしました。いつかは、彼女の「本音」
が聞けるようなエピソードも見たいですが、それ
は訳ありかもしれない、妹のこよりちゃんとの絡
みとかになるのかな。


ここまでのお話ではまだ、ダブルヒロインの一方で
ある茉莉さんのキャラに、「魅力」――というと主観
的過ぎる言葉なので、ストーリーを牽引するフック
が足りないからだとは、個人的には思います。
「夜禍」なる設定的立場それ自体ではなく、その立
場を見つめるべき依人君の視点が、語り口の中で、
まだ機能していないというか。
結果、能登麻美子さんの声が、キャラに馴染んでお
らず、掴み所がない印象になります。まだ序盤です
し、そもそもそういうキャラかもしれませんけど。
日常と非日常の距離が不明と言ってもいいかな。


「突然居候することになった謎の美少女」
「食事まで作りに来てくれる、世話焼きの同級生」
「入院しているお姉ちゃん」
「生意気な口調のゴスロリ少女」
といった、ある意味パターンというか、使い古され
た設定ばかりのヒロインズは、第1話の感想でも
述べたデザイン・ラインの特徴もあって、演技とそ
の結果描けるストーリーの幅も、かなり狭くなって
いるという印象は続いています。そして、それで失
敗しているとも思いません。このキャラで、出来る
範囲のドラマをやっている、という評価です。
例をあげると、帰ると言う依人君の態度に、顔を曇
らせる蒼乃お姉ちゃんの表情が、このデザインに基
づくパーツによって描かれた作画の中で、十分に細
やかに伝わってきた、と見る側としては感じられた
から、上手くいっていると評せるわけです。
今後のストーリー展開は、色々とまたあるみたいで
すが、そういう、アニメとしての演技設計にブレがな
ければ、作品としては成功していくでしょう。
展開を気に入るかどうかは、また別の話ですけど。


short_g.gif

★「ペルソナ3 フェス」のレベル上げは、アイギス
が87、メティスが77という辺りですので、そろそろ
大丈夫だと思います。
この週末で、なんとかラストまで駆け抜けたいで
すね。辛い戦いになりますが……。




posted by mikikazu at 08:50 | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月01日

「sola」第2話、見ました。


わりにファースト・エピソードの感触が良かっ
たので続けて見てみた、AT-X放送版の「so
la」
公式サイト)は、第2話「ミアゲルアオ」
でした。
最近は、第1話だけチェックして降りるケース
が多くて、春新番もほとんどそうでしたから、
自分としても、嬉しい出会いかもです。


ともあれ、周知のように僕は特に全然まったく
お姉ちゃんスキーな気質などは持ち備えてい
ないのですけれど、「私は人間じゃないの」とか
アブないこと言ってる人なんか放っておいて、
ちゃんとお姉ちゃんのことを気にかけてあげな
いとダメじゃないですか主人公君、お姉ちゃ
んを!! 
ということくらいはちょっとだけ思いま
した。その、人として。
「依人が来ないなら帰る」と蒼乃お姉ちゃんが
駄々こねて依人君を困らせる展開は結構意外
で、表情や言葉は少ないながらも、こよりちゃん
に見せた微笑なんかも含めて、色々とキャラとし
ての、人間的中身が感じられたという意味で、
見ていて幸せでした。


アレですよね、この作品、四方茉莉さん側の
ファンタジー・パートのお話は出さずに、主人
公とお姉ちゃんだけとのお話にした方が面白
かったかもとか、ついつい思っちゃってはい
ます(笑)。原作がゲームなら、そういうルー
トもありなんでしょうけど? 出しましょう!


蒼乃お姉ちゃん役の中原麻衣さんは、今期の
新作だと、これと「魔法少女リリカルなのは
StrikerS」のティアナ・ランスター役が並んでい
るのは、ローテーション的にはよかったかもで
すね。
演技のための集中力・エネルギーという点で
は、どんなタイプのキャラでも同じかもしれませ
んけど、単純体力は、武闘派の「なのは」で苦
労しているティアナ役の方が、百倍くらい使って
そうですし(笑)。


short_g.gif


大したことは言えてなかったですけど、少し
でも役に立てたのなら、こちらも嬉しいです。
「ぼんやりしてる」って感じることはなくて、
「ああ、そういう見方があったのか!」と気づか
させてくれることの方が多いのが、実際なんで
すけど。だからこちらこそ、歩みを共に出来る
のは、とてもありがたいのです、ホントに。
シナリオ・ワークについての勉強の本なら、他に
「映画ライターズ・ロードマップ <プロット構築>
最前線の歩き方」(ウェンデル・ウェルマン フィ
ルムアート社)なんかもお薦めかな。
返す形で書いてくださったアリカちゃんとナオ
さんの会話も、アリカちゃんの先輩への頼りよ
う(甘えよう?)と、なんだかんだで突き放さな
い、「乙HiME」におけるナオさんの人の良さみ
たいな雰囲気が微笑ましくて、本編の続きへの、
良い橋渡しになっていると思います。とても楽し
かったです。


こちらの「ペルソナ3 フェス」攻略は、6階業の
路ジュデッカB17の門番を突破し、ゆかりッチさん
の過去イベントを見た辺りまで。美鶴先輩との馴
れ初めの話じゃなくて残念でした!? ←そんなの
ないですって
現在レベル69で、アドバイスも参考に、まだまだ頑
張ってみますね。そちらが「難しくて難しくて」とまで
仰る次の敵なんかは、こちらだと倒すのに一生か
かっちゃうかも、ですが(笑)。
新作ファン小説の方も、なんていうか、自分が一
番才能を発揮出来る、違う言い方をすれば、「楽し
める」状況とペースで、よいものを仕上げてくれ
れば、と思います。
今日ならドンピシャでしたが、いえいえ数日遅れ
でも、勝手に素敵なバースデイ・プレゼントとして
受け取りますから。勝手に(笑)。
posted by mikikazu at 09:02 | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月25日

「sola」第1話、見ました。


というわけで、いつもお世話になっているます
べ委員長様が、春期新番の中では高評価さ
れていたので、CSのアニメ専門局AT-Xでも
昨日から放送の始まった、「sola」(公式サイ
)の第1話「ソライロノカサ」を見てみました。


short_g.gif


そうですね、この「sola」の第1話を見てまず
思ったのは、当たり前のことですけど、アニメ
作品の場合、キャラクターのデザイン・ライン
の性質が、語り口の方向性や範囲を決定す
る、とても大きな要因だということです。
絵という部分での、アニメ・キャラクターの演
技は、あくまで記号表現に過ぎませんから、
そのデザインの柔軟性が、語り口の幅と呼応
するといっていいと思います。
そのデザイン・ラインは、キャラクターに全身
での演技を許すのか、それともバスト・アップ
までなのか、顔だけなのか……。
そういった規定に基づき、作品の文体が決まっ
ていくわけですね。顔でしか演技のさせられな
いキャラクターに、全身での演技を要求するド
ラマを与えても、上手くいかないわけですし、
また逆にバストアップの演技だけで成立する
種類のドラマもあるわけですから、要は正しい
組み合わせの問題になるのです。


この「sola」の場合、第1話だけで判断するの
は少し難しいですけれど、とても限定性のある、
幅の狭い種類のデザイン・ラインだとは思いま
した。キャラクターが映像物語の中で「絵」にな
るアングルがとても限られている、とでも表現
出来るでしょうか。演出に対応して、どんな演
技でもさせられる、というタイプのデザインでは
ないと思います。
そういった限定性のために、作品世界の背景や
空気みたいなものも、ある程度妥協していると
いうか、描き込みを遠慮している、とは感じます。
もう少し雰囲気を緻密かつ濃密に描こうとする
と、肉感の薄いこのキャラクターでは、間違いな
く浮いてしまいますから、正しい判断ではある
のですけど。
だからダメだと言ってるのでは全然無くて、結
果として映し出されている、映像の種類にふさ
わしい物語が展開されていけばいいわけです。


最近見た作品だと、同じようなキャラクター・
デザインの雰囲気だった「乙女はお姉さまに恋
してる」(公式サイト)の場合、その限定性をちゃ
んと理解して、ワンクールで描く物語も、原作
からかなりの要素をそぎ落とし、とても絞った構
成にすることで、成功をおさめました。
なにしろ、主人公自身の恋愛感情物語も、きれ
いに排除してしまったくらいです。
そういう戦術が可能だったのも、ゲームという
原作物語があって、いくらでもそちらで補完出
来るという事情があったからですが、完全オリ
ジナル作品で、このアニメのみで物語を完結さ
せなくてはならない「sola」の場合はどうなるで
しょうか。
どこまで語れるかという語り口の幅と、ここまで
は語りたいというキャラクター自身からの、物語
への要求が、見事に一致すれば理想的なんで
すけど……。



posted by mikikazu at 08:54 | Comment(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月11日

「魔法少女リリカルなのはStrikerS」は第6話まで見ました。


8日付けの記事で紹介した作品の、北米市
場でのライセンスの可能性について、いつも
お世話になっている、「白い空」のかざみあき
らさんが、10日付けの日記内で詳しく考察さ
れています。ご紹介ありがとうございます♪
かざみさんは英語力も海外状況についての
知識も、そしてなによりジャンルに対する情熱
も、僕よりずっとすごい方ですから、その御意
見にはいつも一読の価値あり、なのです。
Dランクに並べられた旧作は……仰るとおりに、
BOXセットが好セールスを記録した「Voltron」
のように、よほど当地の方の思い出を刺激す
るような作品でないと難しいでしょうね。
「セーラームーン」が諸々の事情をクリアして、
10年後くらいにリリースされたら、とか。


「なのは」については、確かにドメイン取得の
話はありましたし、動きはあるのだと思います。
3作目の放送が佳境であるアニメエキスポの
時期に発表、というのは確かにいい感じです
よね。


short_g.gif


その「なのは」シリーズ最新作の、「魔法少
女リリカルなのはStrikerS」
公式サイト
は、第6話「進展」まで見ています。
そうですね……作品評価ではなく、シンプルな
心証ということなら、この第6話まで見てようや
く、作中の成長したなのはさん達に、こちらの
気持ちも追いついたかな、という感じですね。
1作目と2作目以上に、2作目とこの3作目の間
の劇中時間は進んでしまっていて、前者では継
続していた各キャラ達の立場も、全く変わってし
まっているわけじゃないですか。
年齢や容姿だけじゃなくて、物腰や考え方が3
作目の現時点でこうなってしまった彼女達を、
やっと前向きに受け入れられた気持ちです。
まだ登場させてもらっていないキャラについて
はわかりませんけれど……。
「大人のプロフェッショナル」としての立場から
作劇を進めていくという、今回の語り口の方法
論が実感出来たといいますか。
それを一番感じたのは、はやてさんの、「中央
や本局に行ったら、一般士官からも小娘扱いで
す」という、自分を冷静に客観視した台詞になり
ますね。なのはさんの、ヴィータへの頭なでな
で♪もよかったですけど。


short_g.gif


今までは、プロフェッショナリズムに基づく世界
観構築を丁寧に(悪い言い方をすれば地味に)
進めてきたわけですが、そういう風にリアリティ
を緻密にしていくと、「なのは」シリーズの魅力
のひとつである、バトルのテンションみたいなも
のの展開の仕方も、またひとつの課題になって
いくでしょうね。
そこで浮上してくる問題は、主人公グループの
中で、なのはさん達上官組と、スバル達新人組
の実力差が、現状あり過ぎることだろうと思い
ます。
つまり、なのはさん達が、それこそリミッターを
全解除して、フルパワーで倒すような敵が相手
だと、もはやスバル達に出番はありませんし、
逆にスバル達が倒せるような相手なら、第5話
のバトルがそうであったように、なのはさん達
が出る幕でもなかった程度の敵、ということに
なってしまいます。
そして現状のリアリティ観では、何かしらの奇跡
や根性(……)で、スバル達がいきなりなのは
さん達並にパワーアップすることも不可能です。


この問題を解決する方法のひとつは、スバル達
が最終バトルの段階で、タイトル・ロールである
なのはさん達の露払い的立場に甘んじても構わ
ないだけの、充実したドラマを与えること。
立場はどうであれ、そこでの彼女達の貢献が、
彼女達の全力を尽くした、キャラとして与えられ
たドラマをまっとうしたものだと感じられればい
いわけです。もちろんその場合、なのはさん側
のドラマの充実も必要ですが、全26話という長
い枠であれば、それだけの余裕はあるでしょう。
もうひとつは、実力的に並び立たない両者のう
ちどちらかを、退場させることですね。別に不幸
な結末を与えるわけではなくて、戦線離脱を余
儀なくさせればいいのですが。
上官組と新人組が同じレベルで戦えない以上、
どちらかをバトルに繋がるドラマの主軸から外
せばいいわけですが、この場合、どちらかは明
確に主役としての座からも退くことになります。
それがどちらか、と考えてみると、第1話の締め
が、スバルによるアクションであったことをふま
えると、やはりラストの締めも、彼女によるもの
が筋、のような気がします。
何のために、スバルは自分の力を使うのかとい
うことを真に悟るまでを描く物語のクライマックス
で、もう一度彼女の雄叫びが聞ければと……。

posted by mikikazu at 08:59 | Comment(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月27日

「フルーツバスケット」第1話、見ました。


えっと、まずは奏ちゃんからのお言葉への
答えとして、昨日の記事の補足をちょっと
述べておきますね。
「なぜ瑞穂お姉さまの転校先が共学で男性
のまま編入するという展開ではいけなかっ
たのか」ということですが、ひとつの理由と
して結果論的に思いつくのは、この「乙女は
お姉さまに恋してる」という作品が、主人公・
宮小路瑞穂さんの成長物語であるとした時
の、祭り上げられた立場と自分を同一視して
しまう、エゴの拡大と暴走を防ぐため、になる
かもしれません。


もし瑞穂さんが男性のまま転入し、エルダー・
シスターに似た立場に祭り上げられた場合、
やはり瑞穂さんは努力し自己成長を遂げるか
もしれませんが、周囲からの賞賛は、そのまま
直接、ありのままの男性である「宮小路瑞穂」
へと注がれてしまいます。そして瑞穂さんも
また、その賞賛を自分の能力と人格に対する
ものだと受け取っていいわけです。実際にそ
うなのですけれど。
祭り上げられた立場にふさわしい自分になっ
た時に、その立場と自分を同一視するエゴの
暴走という危険は、常にあると思います。
つまり、ことの最初は、周囲の人々からの、
「その立場はこういうものだ」という過大な
期待であり幻想が存在して、その器に自分を
合わせようとしていった時に、本来の自分を
見失う可能性もあるんじゃないかって。
もともと謙虚な瑞穂さんにその可能性は低い
かもしれませんが、瑞穂さんと視点を共にす
るプレイヤーが、そういったエゴ拡大の甘美
さまで間接的に味わうというのは、作品の方
向的に違うような気がします。
たまたま教祖の立場に祭り上げられてしまっ
た普通の青年が、やがて自分を「本物」の教
祖だと思い込んでいってしまう……というスト
ーリーの物語に、小説・映画で描かれた「教祖
誕生」(小説はビートたけし・作。実写映画は
天間敏広・監督)という作品もありました。


でも、女子校で「お姉さま」を演じているという
自覚が常にある限りは、そんなエゴの暴走は
ありえませんよね。
その行為は瑞穂さんの才覚と優しさから発した
ものであっても、周囲からの賞賛はあくまで、
自分が演じている「お姉さま」に対するものだ
と、瑞穂さんはちゃんと理解している筈です。
その上、「みんなを騙している」という罪の意
識が、さらなる抑制として機能します。
また一方で瑞穂さんが、周囲の人の役に立て
ればそれでいいとして、「お姉さま」ではない、
「本当の自分」を認めて欲しいというような矮
小な自我の持ち主ではないのも幸いでした。
瑞穂さんにおける「本当の自分」の物語は、各
ヒロイン・ルートで、恋愛物語という、非常に
ミニマムな範囲の中で展開されるのみであり、
またその過程は、「お姉さま」としての自分の
否定を決定的に要求されるものでもありませ
んでした。人によっては、やはり戸惑いも多く
ありましたが……。


だから、瑞穂さんが「お姉さま」であるという
ことは、両性を越えた理想人格を描くためと
同時に、作品世界全体を安定させる役目も
担っていたと思います。
――これくらいでいいのかな、奏ちゃん?
奏ちゃんのためなら全然構いませんが、お礼
は美味しいお茶を一杯、がとっても嬉しいかも
です(笑)。


short_g.gif


では本題。っていうか、本題の方が簡単に
なっちゃいますけど(笑)。
先日原作最終巻を読了した「フルーツバスケ
ット」の、2001年に制作されたアニメ版(公式
サイト
)の日替わりリピート放送が、CSのキッ
ズステーション
で始まりましたので、さっそく
第1話「…」を見てみました。
実は本放送時に、第1話だけは見ているの
ですが、あまり上手に見られなかったので、
今回が本気の視聴ということになります。し
たいです。なればいいかも。


とりあえず第1話だけからの、このアニメ版の
印象を一言でいうと、「淡い」という表現になる
でしょうか。
色彩設計だけじゃなくて、音響配置とか、声優
さんの演技とか、全てを合わせた総感で。
中でもその印象に一番作用しているのは、OP
&EDを含めた音楽ですね。これは完璧に、原作
コミックには無かった要素ですし。
ストーリー・ラインはそんなに原作から変えてい
ないと思いますが、「淡さ」を伝えるその作品整
理の手法において、個性をそれなりに感じさせ
る出来になっているとは思います。
それを好むかどうかは、また別の問題ですけ
れど……。


ひとつ大きな驚きというか、ショックだったのは、
やはりキャラクターの声になるでしょうか。
前回見た時は、原作を全然知らなかったんです
けれど、今は全て読み終え、全23巻の経験を経
た上での視聴ですから、自分の中で構築された、
「このキャラはこういう声」という設定の堅固さを、
声優さんが演じる声を聞いて、あらためて自覚
したりもしました。
別にこのアニメ版の声優さんが駄目だとかいっ
てるわけではなく、ただ違和感があって当然だ
ということです。視聴を続けるなら、いずれ慣れ
ていくことも間違いありませんが。
しいて言うなら、主人公・本田透役の堀江由衣
さんの演技は、この時点では、まだまだ「とにか
く頑張っている」という印象の方が強いですね。
アニメ版の「フルーツバスケット」は、これで行
く!という説得力を主人公の声に課せられるほ
どの、存在感という意味ではまだまだかもです。
これも続けていけば、こちらの慣れとも合わせ
て、「この声が本田さんの声」という認識が生ま
れていくのでしょう。
あと由希も「こうきたか……」みたいな驚きはあ
りました。成長して、等身が伸びた頃の声も聞
いてみたいですね。
個人的には、ドラマCD版「ARIA」でアリス・キャ
ロルを演じておられた齋藤彩夏さんによる、紅
葉がどんな感じか気になるかも……。
あ、予告でちょろっと出てたかもしれないです
けれど、今となっては慊人氏はどうするんでし
ょう……。って、どうしようも出来ませんが。


とりあえず、今後も出来る範囲で追いかけてみ
ますね。原作と違うという、オリジナル展開に
興味津々です。でも、第二期への要望があると
いうことは、続きが可能な終わり方だとも想像
出来るわけで……。さてさてです。


posted by mikikazu at 09:18 | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月25日

「アイドルマスター XENOGLOSSIA」第3話、見ました。


★えっと、そちらでは録画を続けていると思う
「エル・カザド」(公式サイト)ですが、予想通
りにとりあえずAT-Xの方でも、6月からの放
送が決定したようなので、僕が見られるのは
その頃になるようです。もちろん、こちらは気
にせず、そちらのご都合を最優先に、どんど
んと見ていってくれて構いませんので。
わりに評判はいいみたいなので、期待はそれ
なりにしているのですが……。


それしても関西地方の昨夜は、僕も両方見て
いる、というか見ていたい「アイドルマスター
XENOGLOSSIA」(関西テレビ)と「魔法少女リ
リカルなのはStrikerS」(KBS京都)の放送時
間が重なって困った人も多かったと思います。
激戦区というだけでなく、その上放送時間が
一定しないのは困り者ですよね。
来週はまた「アイドルマスター」と「ヒロイック・
エイジ」が重なって、さらに野球中継もあるの
で、どうなるやら、です。


short_g.gif


その「アイドルマスター XENOGLOSSIA」
公式サイト)は、引き続き第3話「アイドル
のマスター」
を見てみました。
この第3話は、現在ネット配信中ですね。


そうですね……、第1&2話と、わりにクリシェ
寄りの語り口が続いていて、個性という点が
掴みづらかった印象があったのですが、この
第3話に至ってようやくに、「こういうことをや
る作品」というのがわかった気がします。
それはつまり、前回の感想での予想がある程
度正しかった、主人公・天海春香さんと巨大ロ
ボット(iDOL)・インベルの、マスターとアイドル
としての絆を育んでいくもの、という方向性が
明確になったからですね。
もちろんそういった方向性は、用意された設定
からも、当然読み取れるものですけれど、問題
なのは、作品の中での語り口の性質、すなわ
ち文体ということになります。


巨大ロボットと操縦者の、「機械と人間」を越え
た関係性を描くアニメ作品は、それこそたくさん
ありますけれど、この「アイドルマスター XEN
OGLOSSIA」においては、そのモチーフが、か
なり純朴かつストレートに描かれようとしてい
ると思えます。
変に屈折していないというか、主人公の春香さ
んの性格も、そしてそれに応えるインベルも、
その作劇の流れにおいて、むしろ人間同士で
は難しいような、ピュアさがあります。
変な言い方をすると、機械だからこそ、人間の
赤ん坊のもつイノセンスと、大人のもつ圧倒的
な力の両立が許されて、それゆえの、アニメ独
特の世界観が可能になるわけです。
そういう意味では、「ブレンパワード」のブレンと
パイロットの関係にも近いですが、作品的な性
格の違いから、「アイドルマスター」のアイドルと
アイドルマスターは、重い作品的なテーマをそ
の関係性に重ね過ぎる必要もなさそうですから、
よりパーソナルな、個対個で向き合ったお話の
展開が期待出来そうです。


今回の、春香さんによるインベルへの、ひたす
らに優しくあたたかい語りかけは、その象徴だ
ったと思いますし、だからこそ、飛翔の際の、
アニメ的カタルシスを、見る側は両者の気持ち
と重ね合わせて感じられたのだと思います。
このことは、同じようにロボットが自分の意思
で操縦者を選んだ発端でありながらも、ついぞ
「GEAR戦士電童」が表現しなかったものでもあ
るので、個人的にも見られて嬉しかったです。
とはいえ、まだまだキャラクターの掘り下げが
足りない部分も多いので(今回は、声優である
井口裕香さんの演技に助けられた部分も大き
かったですね)、今後は春香さんとインベル双
方の、少しずつの歩みを見ていきたいです。


でも、より作品を大事に見たいという理由で、
以降のエピソードはDVDでの視聴に変更され
るというのなら、こちらもそうしますので、ご判
断にお任せしますね。
確かに8月はかなり先のお話ですけど……。


posted by mikikazu at 12:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月22日

「地球へ…」、見てます。


各春新番の評価もそろそろ落ち着いてき
た頃かと思いますけれど、個人的に、録画
しておいたエピソードをすぐに確認したくな
る、落ち着いて見られるという意味で、一番
肯定的に受けとめているのは、現時点で
「地球へ…」になるでしょうか。
昨日放送された第3話「アタラクシア」も、
さっそく見てみました。
他に第3話まで見られた新番は……、「魔
法少女リリカルなのはStrikerS」
だけですね。
あと、「アイドルマスター XENOGLOSSIA」
も待機中です。


今回の「地球へ…」を気に入っている理由の
ひとつは、単純な意見ではありますけど、まず
OPがいい雰囲気であることになります。
新番の中で、OPだけは見てみた作品も多い
のですが、一番のインパクトというか、アニメの
OPとして引き込まれる感覚があったのが、この
作品です。同枠の前作である「天保異聞 妖奇
士」の後期OPと同じくらい「当たり」かも。
特に奇をてらった演出が施されているわけで
はありませんが、曲の爽やかさと、絵柄のシャ
ープかつ温かみあるラインが、よいマッチング
になっていると思います。


語り口の方も、普通に面白いというか、堅実
で、僕にはちょうどいい感じです。
声優陣にも、まったく不安はありませんし。
原作と比較してどこまで改変されているのか
は知らないんですけど、まっとうなSFアニメを
やっている、という感覚があります。もちろん、
「まっとう」でなくても面白ければ、作品として
は全然構わないわけですけど。
レトロというほどには懐古主義でもなく、ビジ
ュアルのリファインも含めて、うまくアップデー
トされていると思います。
今回の第3話は、プロットとしては古典的な、
いわゆる「イヤボーンの法則」が発動するエ
ピソードだったわけですが、そこに至る語り
口がしっかりしていますから、変にご都合主
義的だと、気持ちが冷める必要もありません
でした。


各話感想を書くような作品ではありませんが、
今後もゆったりまったりと見ていければと思っ
ています。
地上波の本放送を見逃した方、あるいは放送
されていない地域の方でも、CSではアニマッ
クスとキッズ・ステーションの2局(2局で同時
というのは珍しいですよね)で来月から放送
開始予定ですし、最近流行のネット配信も各
所でなされていますから、見る機会は多いの
では、と想像します。


short_g.gif


ところで公式サイトでも確認出来るように、こ
の作品の公式英語表記は、「Toward the
Terra」
ですよね。
一方、北米でVertical社から出版されている
原作コミックの英語版は、「To Terra...」
なっています。
うろ覚えですけれど、80年にアニメ映画化され
た際の主題歌(ダ・カーポ)でも、英語歌詞で
「Coming home,to Terra」とサビでは歌っ
ていましたよね。
また、その映画版がアメリカではるか昔にVH
Sでリリースされた時のタイトルは、「Toward
the Terra」
であったようです。
今後、この新作版アニメが北米でリリースさ
れるとしたら、その時のタイトルはどうなるで
しょう。
原作の英語題と異なってしまうと、お互いに
とって宣伝的にも美味しくないでしょうし……。
posted by mikikazu at 11:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月21日

「フルーツバスケット」最終巻、読みました。


すでに「英語で!アニメ・マンガ」さんや、「ア
ニメ!アニメ!」
さんが伝えてくださっていま
すが、北米ではTOKYOPOPから出版されて
いる、英語版「フルーツバスケット」(高屋奈
月さん)の最新刊である第16巻が、USA To
dayによる一般書籍売上トップ150リストの、
4月第2週目(4月9〜15日)で、日本マンガ
では最高位となる15位にランクインする快挙
を成し遂げています。
この勢いだと、今後物語がクライマックスに
進むにつれて、TOP10入りだって、全く夢で
はないかもしれませんよね。


この「フルーツバスケット」の爆発的なセール
ス状況において稀有なのは、ceenaさんも「ア
ニメの助けもなく」と述べられているように、他
の人気マンガと違い、アニメ化作品と現在進行
形で連動しているわけではない、ということで
すね。
当然、アメリカ側のアニメ関係者・ファンとして
も、この衰えないマンガ版の人気を見て、アニ
メ版の新作を期待しているわけですが、昨年
6月2〜4日にペンシルバニア州フィラデルフィ
アで開催されたコンベンションWizard World
Philadelphiaにおいて、アニメ版を北米で販売
しているFUNimationのマーケティング・ディレ
クターAdam Sheehan氏は、新作の可能性に
ついて、難しいとする見解を示しています。

ソース・ Animetique 2006年6月4日付け記事

Sheehan氏が挙げている、新作の制作が滞っ
てしまっている理由の三つは、

・オリジナルの声優の多くが引退してしまって
いる。

・原作者の高屋奈月さんは、アニメ版を手がけ
た大地丙太郎監督を気に入っておらず、第2シ
ーズンがあるなら、監督の交代を要求している。

・しかし、アニメ版の制作会社であるNAS(日本
アドシステムズ)は、大地監督の仕事を評価し
ており、第2シーズンでも、監督を任せたがっ
ている。

ということになります。
どこまで事実かはわかりませんけれど、少なく
ともこれが、アメリカ側からの状況理解のよう
ですね。
FUNimation側は、引き続き新作の制作を要
請する努力を続けていて、出資の用意もある、
とまで述べていますが……。


short_g.gif


さて本題。
その「フルーツバスケット」ですが、僕の方で
も、先月出版された最終巻である、第23巻を
読了しています。
例によってりょうさんのお薦めにより、僕がこの
作品を読み始めたのは、確か第12〜13巻が
刊行された頃から、だったと思います。
それ以前に、アニメ版の第1話だけを本放送
時に視聴してみたこともあるのですが、その
時は、あまり上手に作品世界と接することが
出来ませんでした。


ともあれそれ以降は、ずっと単行本の発刊ペ
ースで作品と付き合ってきました。
正直、この作品と向き合うのには、なかなか
の気力が毎回必要でしたね
読み始めると、まわりのことが何も聞こえな
くなるくらいに世界に没入してしまいますし、
読み終わってからしばらくも、強烈な余韻が
残って、なかなか現実世界に帰って来れな
いような感じでした。
それだけの魅力というか、吸引力を備えた作
品であることは間違いなく、そしてその時その
時の、初読の体験を可能な限り大事にしたい
と思える物語世界でした。


そんな「フルーツバスケット」の世界とも、こ
の第23巻でお別れになるわけですが、僕も
まずは素直に、りょうさんと同じく、「堪能させ
て頂きました、ありがとうございました」以上
の言葉が見つかりません。
評論的な言葉を並べようと物語を振り返って
も、あまりに多くの出来事が積み重ねられてき
たその歴史と、そんな出来事すべてを経てた
どりつき、そしてこれからも進んでいくキャラク
ターそれぞれの人生に、エール以外の言葉を
送ることは、もう野暮にしか思えなくて……。
それだけ、ほんとに色々ありましたから……。


だから言葉にするのは難しいですけれど、僕に
とってのこの作品の魅力は、そういう風に引き
込まれてしまう物語としての「力」であり、どの
キャラにおいても用意されている、どうあれ向
き合わなくてはいけない、「他者との関係性」と
いう問題設定の上手さ、になるでしょうか。
僕の中には、「孤独であることは、常に不幸を
意味するわけでもない」という気持ちもあるの
ですけれど、物語というひとつの表現の中で、
それぞれの局面における、「自分にとっての自
分」と「誰かにとっての自分」という2つの認識
のせめぎあいを描き続けたアプローチは、常に
普遍的な吸引力を備え続け、だからこその世界
的な人気の理由になっているとも思います。


とても個人的なことをいえば、リアルタイムで
読み始めてから一番好き――というと少し違い
ますが、一番気になったキャラは、実は生徒会
会計の倉伎真知さんだったりします。
一番よくわかるというか……、部屋があれだけ
片付いていないリアルさがよかったとか?(笑)


そういうわけで昨日に引き続きですが、こんな
素敵な作品と出会えるチャンスをくれた、りょう
さんにあらためて感謝を。
作品が終わるのと同じくらいに、りょうさんの
感想が読めなくなるのも寂しいんですが。
これもひとつの流れといいますか、ちょうど来
週から、CSのキッズステーションで、アニメ版
の日替わり放送が始まりますので、追いかけ
られる範囲でチェックしてみようかな、とも思っ
ています。
posted by mikikazu at 11:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月20日

「おにいさまへ…」、見終えました。


というわけで、「おにいさまへ…」は、ラス
トエピソードとなる、第39話「残り香」まで
見ました。
3クール全39話を見終えるのに、約1週間を
費やしたわけですが、期待通りに、ひとつの
大きな物語に没入出来た、心地よい余韻の
中に浸っています。
作品と付き合ったのは、短い時間なのに、
物語を振り返ってみると、その始まりが、作
品と自分の出会いが、とても昔のことに感じ
られるような、それだけ作中キャラと過ごし
た時間が、濃厚であったような……。
作中の、蕗子さんによる「1週間だけの恋」と
重ね合わせてしまうと、さすがに自分に酔い
過ぎですけど(笑)。


short_g.gif


この作品の、僕にとっての最高の成功要因は、
最初の感想でも述べましたけれど、やはりキャ
ラクターの行動原理が一貫している、抽象表
現をすれば、どのキャラにも背骨が通っている、
とずっと感じられたことでしょうか。
アニメに限らず、物語作品を見ていて一番困
惑する場面の一つは、キャラクターがそれま
で積み重ねられてきた人格造形描写にそぐわ
ない行動に移る時です。「え? なんでここで
そういうことするの?」あるいは「なんでここで
何もしないの?」というような。


進んでいく物語の中に、ひとつの状況を設定し、
各キャラクターの反応を描くドラマ構築の中で、
語り手に求められ、見る側が想像するのは、
「この状況ならこのキャラはこう動く」とする、
必然という名の論理性です。
「物語」という、不確定で混沌とした現実とは
違う、大きな流れを備えたフィクションの作品
世界の中では、見る側がキャラクターの立場や
気持ちを読み取り、感情移入しやすくするため
に、描き方の整理というものは必要で、そこに
ひとつの論理性が備わっていないと、見る側と
しても混乱します。
もちろん、現実の人間心理は複雑怪奇で、常
にひとつの論理・主義・人格設定にしたがって
行動しているわけではない、というリアリズム
視点を導入する手法もあっていいわけですが、
作品にもよりますけれど、アニメーションという
ジャンルにおいて、そこまでのリアリズムを追
求することは、とても困難な作業だと思います。


特にエンターテインメントという文脈にある作
品の場合は、人格造形の単純化ではなく、語
り口に対しての誠実さという意味での整理は求
められて然るべきで、この「おにいさまへ…」に
おいては、プロとしてのその手際が、実に洗練
されていると思います。
どのキャラクターにおいても、それぞれの状況
において示すべき態度と、取るべき行動をちゃ
んと描いてくれているので、「どうして、彼女は
それをしてしまうの?」という種類のストレスを
全く感じることがありませんでした。こういうの
は、とても久々の体験です。
だから、それぞれのキャラクター達の生き様が、
彼女達にとってはリアルであり、彼女達は彼女
達で、この「おにいさまへ…」の作品世界の中、
精一杯生きていこうとしている、その結果として
ぶつかり合い、傷つけあい、そして愛し合ってい
るのだという、生身の視点を、見る側が共有出
来る高みにまで達していると感じました。
作品を重厚と感じるのなら、それぞれのキャラ
クターの人生の重みが、ちゃんと伝えられてい
るからですね、きっと。
ともあれ、素晴らしい作品だったと思います。


short_g.gif


もうひとつ思ったのは、これは個人的感慨に近
いのですけれど、91年制作、つまり16年前に
作られた作品だという「古さ」みたいなものを、
全く感じなかったという点ですね。
現在の、例えば「涼宮ハルヒの憂鬱」とか、あと
なんでしょう……、「コードギアス 反逆のルルー
シュ」とかを「今のアニメ」として同時代体験して
いるアニメファンの方が見てどう思うかは、全然
わかりませんけれど……。
91年ですから、もちろんデジタルじゃなくてセル
・ペイントですし、CGなんかも導入されていない
わけですけれど、にもかかわらず、その映像面
においては、「昔の作品だから」というエクスキュ
ーズなく、まっすぐに作品世界を堪能出来ました。


理由としては、制作時点でさらにさかのぼること
17年前の74年に発表されたコミックを原作として
いること、前回の感想でも述べた出崎統監督の
演出手法が、時代性を越えた個性を確立してい
ること、なにより全般的なクオリティが、とても高
かったことなどが挙げられます。アニメのキャラを
「美しい」と感じたのも、やはり久々です。


プロット自体は、学園内ヒエラルキー・出生の秘
密・事故・病気といった、定番フォーマットを採
用しているわけですけども、それをお約束と全く
気づかせないだけのドラマチックさに圧倒され、
ただただ作品世界に引きずり込まれていきます。
うちのブログを読まれている方の年齢層は、わり
に高い方だと想像するのですけれど、ひょっとし
たらセルアニメの時代を知らない、若いアニメフ
ァンの方にも、ぜひ味わっていただきたいですね。
アニメの語り口におけるクオリティとは、技術や
情報量以前に、まず演出手法というテクニックに
よって支えられていることを理解する、最適の作
品だと思います。


short_g.gif


いつものことですが、また良い作品と出会う機会
を与えてくれた、「HEAVENLY BLUE」のたちばな
りょうさんに、心からの感謝を。
As always,I owe you everything.

posted by mikikazu at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月19日

「おにいさまへ…」は第29話まで見ました。



いささか駆け足気味ですが、「おにいさま
へ…」
は、第29話「生徒総会」まで見て
みました。
今回一気にまとめ見しているのは、なんて
いうか、テレビシリーズを全体で、ひとつの
大きな物語として見た時の感覚、みたいも
のを、あらためて経験として感じてみたかっ
たからですね。そういうのは、「バトルアスリ
ーテス 大運動会」以来ですか? 
その後人知れずトライしてみた「フルメタル・
パニック!」(第1シーズン)は、あえなく序
盤で挫折してしまいましたし……。


short_g.gif


ともあれ、語り口の文体としては――僕はあ
んまり監督論で語りたい人じゃないんですけ
ど――、僕の作品体験からすれば、「ベルサ
イユのばら」(79年)を経て、「あしたのジョー
2」(80年)辺りで完成された、出崎統監督の
定番演出様式が堪能出来る作品ですね。
それがワンパターンに感じないのは、演出の
洗練が極みに達している、語られるべき物語
に対して、常に最適の効果をあげているから
でしょう。そういう意味では、演出と物語のマ
ッチングも、よかったのだと思います。
僕は未見ですが、恋愛ゲームを原作とした、
「AIR」の劇場版なんかではどうだったんでし
ょうか。続けて「CLANNAD」も手がけられると
いうことは、それなりに好評だったのかもしれ
ませんが、あの絵柄で出崎演出というのも、
あまり想像出来ません。


お話ということについて言えば、現時点で一
番の悪人は、結局幼い宮様との約束を守らな
かった、「おにいさま」こと辺見武彦氏になるん
でしょうか(笑)。ダメじゃないですか、おにい
さまっ。
僕の見る前の想像としては、タイトルの「おに
いさま」は、あくまで奈々子さんが遠く慕う文
通相手としての立場にとどまり、そんなにドラ
マに関わってこず、奈々子さんとも会ったりは
しないんじゃないかと思ってたんですけれど、
そんなこともありませんでしたね。
手紙や、ネットを通してのお付き合いならとも
かく(はは)、リアルで会ってしまう相手を「お
にいさま」と呼んで接してしまうのは、少々気
恥ずかしいかも、ということもありましたし。
でも、キャラクター間で「様」付けして呼ぶこ
とがおかしくない世界観ということを受け入れ
られれば問題はありませんし、逆に辺見氏も、
ただ「おにいさま」として祭り上げられている
だけでなく、ドラマの参加者としての責任も生
まれてくるわけです。
それはつまり、主人公の奈々子さんにとっても、
辺見氏はただ頼っていればいい相手ではなく
なるということで、奈々子さんの成長にとって
は、必要なことなのかもしれませんね。
あるいは「おにいさま」から卒業するのも、作品
としての結論のひとつになるのかも。


short_g.gif


批判ということでなく、各エピソードのプロット立
てについて思ったのは、用意されるピンチや問
題の多くが、今であれば、携帯電話を使用すれ
ば、すぐに解決出来るものだということですね。
例えば第3話での、ソロリティ審査パーティーへ
の遅刻にしても、奈々子さんの携帯に連絡すれ
ばすぐ伝わることですし、第20話で納戸に閉じ
込められる件にしても、もし携帯を持っていれば、
すぐに外部と連絡すればいいわけです。バッグ
の中に入れたままなら無理ですが。
だから作品として駄目、ということでは全然なく
て、携帯電話が存在しない時代に制作されたの
だからそれは当然のことで、逆に、携帯電話が
ある今の時代に、こういうすれ違いやピンチの
状況を設定するのは、とても大変なんだろうと
思ってしまったわけです。もちろん、それゆえの
利点もあるでしょうけど。
ちょうど最近作の「アイドルマスター XENOGL
OSSIA」では、携帯が繋がりにくいSF設定を用
意して、ドラマのアクセントにしていますよね。
また、携帯電話がなかった時代の、「人と人との
距離のもどかしさ」みたいなものも、ドラマを通
して、あらためて懐かしく感じてしまったり……。


short_g.gif


第29話でのストーリーの方は、薫さんがソロリ
ティの廃止を生徒総会で要求した辺りですね。
ここまで個人間のドラマを描くことが主体であっ
たこの作品が、社会的――というのは大げさで
すけれど、もっと大きなコミュニティ全体の問題
へとその語り口を移していくのは、ひとつの決着
をつけようという、クライマックスへの予感も強く
あります。
そのことが、各個人間で抱えた問題と平行して、
どう描かれていくのかが、語り手の腕の見せどこ
ろということですね。
全員ハッピーエンド、というのは無理かもしれま
せんけれど、個人的な贔屓を言えば、「彼女のい
ない『おにいさまへ…』なんて、お兄さま、涙が止
まりません……。」とまで言わしめていた(第27話
感想参照なのです。作品視聴と同じくらいに、各
話感想も楽しんでいるのであります)、マリ子さん
には幸せになってほしいところですけども。


short_g.gif

★お気遣いありがとうございます。
っていうか、無理言ってすみません(汗)。
週明けくらいになりそうですけど、「ARIA」
の新刊も、もちろん。そちらの感想もはやく
拝読しなくちゃ、ですし。
「ぺルソナ3フェス」も、そんな2人のイチャ
コラがあるなら実に楽しみです。←だからな
いんですって
posted by mikikazu at 11:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

「おにいさまへ…」第1〜6話、見ました。


昨日の補足を少し。
夕方頃になって、大阪ミナミの方に出かけ
ていた友人からメールが来て、「『ロッキー・
ザ・ファイナル』
の先行上映やっています!」
とのこと。
先行上映みたいなことをする話はなんとなく
聞いていたんですけど、普通のオールナイト
上映だろうと思っていたんですよね。そうで
はない時間帯での上映だったみたいで、ち
ゃんと調べておけばよかったと悔しがったり。
来週あらためて、観に行くつもりでいます。


short_g.gif


ともあれ昨日はお休みで、機会がありました
ので、かねてより興味があった91年の旧作
「おにいさまへ…」のDVD第1巻(第1〜6話
収録)を見てみました。
この作品は、1974年に発表された池田理代
子さんによる同題コミックを原作に、91年に
制作され、NHK-BSで放送されたものですね。
原作についてはつい最近、「ベルサイユのば
ら」と合わせて、コンビニ流通向けの廉価版
でも再発売されていたような気がします。
当時はビデオやレーザーディスクでも発売さ
れていたようですが、アニメ版で現在なんとか
入手可能なのは、5年前に発売されたDVD-
BOX全2巻
のみになるようです。
もはや公式サイトも存在しない代わりに、詳し
く情報を伝えてくださるファンサイトさんもいく
つかあるようですが、ネタバレが怖くて、ちゃ
んとお伺い出来ていません。すみません。


この作品を取り上げるにあたっては、「バトル
アスリーテス 大運動会」(現在AT-Xで放送
中です)と同じく、8年も前に書かれたレビュ
ーを今頃読まれてしまって、宇宙一恥ずかし
い思いをきっとされている方もいるわけです
が、えっとその、ご愁傷様です。←こっちの
「お兄さま」は鬼だっ


short_g.gif


今期新作の「地球へ…」(公式サイト)も、同じ
く70年代(77年)に発表された作品を原作に
しているのですが、「おにいさまへ…」と共通
して楽しめるポイントは、そういう原作をベー
スにしているがゆえの、キャラクターの立て方
のわかりやすさ、になるでしょうか。
もちろん、作者も作品の雰囲気も全然異なる
わけですが、どちらの作品にしても、キャラク
ターの性格的骨格が作劇の中で明確という
か、行動の背後にある人格構造の論理性、
「こういうキャラだから、こういう風に描かれ
る」という作劇方針がわかりやすく、安心出
来る感覚があります。背骨が通ったキャラ、
という言い方を僕はしたいのですけれど。
抽象的な物言いをすれば、作品を撮っている
カメラの種類がきちんと固定されているとい
いますか……、「この作品はこう見ていけば
いい」という主張が、演出の様式もふまえて、
しっかりと構築されているのですね。
色んなことが出来るので、やりすぎてしまい
かえって分かりにくくなってしまうモダンな
作品よりは、シンプルだけど、それだけ物語
世界そのものに力がある感じがして、16年
前制作という古さを感じることなく、演出に引
き込まれます。


物語そのものは、同じような設定の、現在の
ヒット作「マリア様がみてる」の元祖・オリジン
みたいなつもりで触れてしまうと、かなり痛い
目にあうでしょうね。
僕は「マリア様」は原作小説の第1巻に目を
通しただけなので、あまり大きなことは言え
ませんが、とりあえず普通のライト・コメディ
といった感があった「マリア様」とは違い、
「おにいさまへ…」は、はるかにドラマ性重視
かつシビアで、人間心理の暗い面の描写に
も、容赦がありません。というか、むしろそち
らがメインのような。
およそ学園ドラマの中で考えつく、ありとあら
ゆる手段を用いて、主人公の御苑生奈々子さ
んが追いつめられていく過程が、今はただ続
いていて、見ているこちらも救いの無い状況に、
胸を痛めるのみです。


僕はもう少し、「ソロリティ」を舞台にした、綺麗
なお姉さま方による華麗で耽美な世界、みた
いなものを想像していたのですが、そうではな
い直球の作風に戸惑ったのも事実です。
奈々子さんはあくまで普通の女の子で、大き
な野心とか夢とかを胸に秘めているわけでも
ないですから、こういう状況に耐えるだけの
内的理由がなく、ただ受身になるしかない現
状を打破する手段があるのかというと……、
難しいですよね。今のところ。ソロリティに属し
ているメリットも全く享受していないようですし、
学外人物の「おにいさま」が、例え状況に気づ
いても、出来ることは限られています。
こんな状況がこれからもただ、30話以上続く
だけだとしたら、こちらも辛いですけれど、逆に
その長さが、先の読めないこれからの展開も
想像させてくれて、引き続き見守りたいとは思
っています。


short_g.gif


あと、作中の代表的な「お姉さま」方3名、

・一の宮蕗子――小山茉美さん
・折原薫――戸田恵子さん
・朝霞れい――島本須美さん

は、当時でもスゴイ声優さんが演じられてい
て、とても豪華ですよね。アフレコ現場はさぞ
や華やかな雰囲気だったかも。
主人公・御苑生奈々子役の笠原弘子さんも、
あくまで普通の女の子を好演されていますし。
また、「女子生徒A」みたいな役で、今や天下
の三石琴乃さんが出演されていたのも、今か
らすればビックリです。
「バトルアスリーテス」に脇役出演されていた
田村ゆかりさんの発見もそうでしたが、古い作
品ではこういう出会いも面白いものです。僕自
身は声優さんに詳しい人間ではないので、きっ
と気づけないことの方が多いでしょうけど(笑)。



posted by mikikazu at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月14日

「魔法少女リリカルなのはStrikerS」第2話、見ました。


というわけで引き続き、「魔法少女リリカル
なのはStrikerS」
公式サイト)は、第2話
「機動六課」
を見てみました。
えっと、感想掲載に時間がかかってすみませ
んなのです。「なのは」に関しては、迂闊なこ
とを言っちゃいけない、みたいな雰囲気もいろ
いろあって……。人気のある作品というのも
難しいものです。


short_g.gif


先に余談を少し。
いよいよシリーズ最終作「Rocky Balboa」
(邦題「ロッキー・ザ・ファイナル」 日本公式サ
イト
)の公開が一週間後に迫ったということで、
「ロッキー」シリーズをDVDでぼちぼち見返し
てたりします。
で、今見ている「ロッキー5」(90年)のストー
リーは、ロッキーに憧れてプロボクサーを目指
している若者トミー・ガンを、ロッキーがトレー
ナーとして鍛え、その才能を開花させていくが
……というお話だったりするんですけど、それっ
て「なのはStrikerS」の、なのはに憧れて管理
局の魔導師を目指している若者スバル・ナカジ
マを、なのはが教官として鍛えていく……とい
うプロットにも似ているなあと、ちょっと思ったり
しました。
そうすると、戦いを繰り返した後に親友となる
フェイトはアポロ・クリードで、内助の功でなの
はを支えるユーノ君はエイドリアンですか(笑)。


才能を悪徳プロモーターに利用されてしまう孤
独なトミー・ガンと違って、スバルにはティアナ
という身近なパートナーがいますから、今後魔
導師として成長するとしても、増長してなのは
に反発・敵対、みたいな辛い展開にはならない
と思います。
ただ、脳の障害で引退したロッキーと同じく(最
新作では、「2」の時の目の障害と同じく、いつ
の間にか直ったみたいですけど。そんな馬鹿な)、
なのはも体調不良の症状を抱えているらしいの
が、激戦を繰り返した者としての疲弊と、新しい
才能に乗り越えられる立場としての引き際の決
断、みたいな流れも想像させられたりして……。


short_g.gif


さて本題。
いろいろ「変わってしまった」と評されることが
多い(かもしれない?)、このシリーズ第3作「Str
ikerS」ですけど、現時点までで感じる一番大き
な違いは、少なくとも主人公側に、フリー、つま
り無所属の人間がいない、みんな時空管理局
に席を置く公的な立場の人間である、というこ
とになるでしょうか。
言い方を変えれば、全員がプロフェッショナルで
ある、ということですね。まあ、プロの卵、みたい
な立場の子も多いわけですが。
ヴィータとかが、よく組織の中で我慢しているな
あとも思いますが、はやてへの忠誠心というか
愛情・家族意識が、そんなつまらないエゴをは
るかに上回っているのでしょうね。


これまでのシリーズだと、フリーあるいは臨時の
嘱託のような形で、主人公高町なのはは事件に
関わってきたわけですけれど、今回からは完全
に時空管理局という組織に属し、その内側から
事件に対処していくことになりそうです。
自分の好きにふるまえない、そういう立場を窮屈
に感じる向きもあるかもしれませんが、逆に言え
ば公式な地位から、時空管理局の組織力やリソー
スをふんだんに利用出来るということでもあります。
リクエストが通るかどうかは、危機意識をどこまで
上部が認識してるかという、また別のお話になる
でしょうけど。


だとするなら、まだ正体が不明の今回の相手も、
組織としての時空管理局が総力を挙げて対処し
なくてはならないほどの、次元世界すべてを巻
き込むような規模の存在であって欲しいと思う
わけです。
これまでずっとその謎が探られ続けてきた、危
険な遺産「ロストロギア」の存在意義、魔導師が
使える魔法の、根源的理由などの答えも含め
て、シリーズの総決算的に……。それこそ、長谷
川裕一さんのSF作品くらいのスケールで描いて
くれたら嬉しいなあと。
それくらいでないと、なのはが今の立場にいる
意味がないし、はやてが機動六課を立ち上げよ
うと奔走している努力も、ドラマ的に栄えない。
だからシリーズ前半は、実戦部隊としての機動
六課が結束し、その実力を備えるまでを人間関
係構築のドラマとして描き、後半は敵との総力
戦に突入、みたいな流れでいいんじゃないかと
思います。それだけのエピソードの数は用意さ
れているわけですし。
なのはの体調不良も、彼女の個人的な問題と
いうよりは、そういう世界的な魔法の力を巡る
「揺らぎ」みたいなものの影響だったりしないか
なあと。


そういう展開になれば、無限書庫で司書長を務
めている筈のユーノ君も、これまで以上に重要
な役回りを……。あれ? 公式サイトのキャラク
ター紹介欄にはユーノ君がいませんけど? ク
ロノ君はいるのに……。
登場しないってことはないと思いますけれど、そ
んなに重要な立場を与えられないとしたら、なの
はさんとの関係も進展どころじゃないのかも。


short_g.gif


というのは建前というか理屈のお話で。
僕個人の本音を言ってしまえば、とにかく「なの
は」シリーズは、なのはとフェイトがいちゃいちゃ
してくれればそれでいいんですけど(笑)。
まあ「いちゃいちゃ」というのは語弊がある表
現で、俗に言う百合的な展開・関係になってほ
しいというわけではなく(なったらなったで、それ
は構いませんけれど)、何があっても崩れない
2人の絆を描くことが、作劇の中心にあって欲
しいと願うわけです。それが上述したような、世
界規模のお話の中で描かれるのならなおのこと。
そういう意味では、なのはの体調不良にちゃん
とフェイトが気づき気遣っているのは、嬉しくも
あり不安でもあり……。
「なのは」シリーズは結局、「人との結びつき」が
大きなテーマである作品だと思うので、基本と
いうか出発点であるなのはとフェイトのお話に、
最後はもう一度立ち返って欲しいとも願ってい
ます。


posted by mikikazu at 14:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月12日

「アイドルマスター XENOGLOSSIA」第1&2話、見ました。


今期、関西地上波深夜の激戦区は火曜日
(水曜早朝)のようです。
ざっと次週の放送作品を並べてみると、

「らき☆すた」24:00〜 サンテレビ
「ロミオ×ジュリエット」25:10〜 サンテレビ
「鋼鉄三国志」25:30〜 テレビ大阪
「シャイニング・ティアーズ×ウィンド」
 25:30〜 KBS京都
「魔法少女リリカルなのはStrikerS」
 26:00〜 KBS京都
「のだめカンタービレ」26:03〜 関西テレビ
「Over Drive」26:05〜 テレビ大阪
「シャイニング・ティアーズ×ウィンド」
 26:10〜 サンテレビ
「アイドルマスター XENOGLOSSIA」
 26:33〜 関西テレビ
「ヒロイック・エイジ」27:10〜 テレビ大阪


の合計9本が、3時間半の枠の中にひしめき
合っています。午前2時台は、4局で4本が
重なっていますね。どうやって見るんですか。
しかも今週は野球中継の影響もあって、関西
テレビの作品は遅れての放送になっていまし
たし、つな渡りの録画予約で悲劇を見た人も
多かったかも。
特に「アイドルマスター」は、公式サイトで一
度告知した放送時間が修正され、さらに局側
の特別編成で最初の3話の時間が変更され、
さらにさらに野球中継で直前に変更という、
もうわけわかんない状況になってました。


「ヒロイック・エイジ」なんかはまだ第1話も見
ていないのですが、第2話の放送時間が「ア
イドルマスター」と重なるために、もう視聴断
念ということにしました。いえ僕の場合、さら
に、CSでの「バジリスク」の放送(午前3〜4
時)も重なってるので。
これだけの作品を作って放送出来るのはス
ゴイことかもしれませんし、見られるだけ都会
はマシだ、という意見も承知していますが、
やっぱり大変ですよね……。「らき☆すた」と
かも、OPだけで「ごめんなさい」でした。


short_g.gif


その火曜深夜組から、「アイドルマスター
XENOGLOSSIA」
公式サイト)の、第1話
「上京ペンギン」
と、第2話「アイドルのマス
ター」
を見てみました。
本来なら、1エピソードずつレビューしていく
べきなんでしょうけれど、第1話だけではピ
ンとこなかったというか、お話的にそのまま
続いていたので、第2話も合わせて見てし
まいました。すみません。


そうですね……、わりに控え目というか、スト
ーリー運びにしてもビジュアル設計にしても、
飛びぬけた個性を示すことのない、慎重な滑
り出し、と評せるでしょうか。
現時点ではキャラの立て方も、お話の展開も、
クリシェ(よくある手法)の域を出ていないと思
います。
クリシェだからダメというわけではなくて、特
に「ロボットアニメ」というジャンルだと、引用
を完全に絶って制作するなんてことは、ほぼ
不可能でしょうし、逆にそういう「お約束」にお
けるアレンジを喜ぶ層、というのも確実に存在
していますよね。
ちなみに僕個人が一番連想した作品は、ロボ
ットが搭乗者を選ぶプロットや、司令室の雰囲
気・ワンダバ出撃のディテールがかなり似てい
る、「GEAR戦士電童」でした。
要は、その上にどんな個性が乗っているのか、
ということですけれど、この作品においては、
まだまだ見えない、というのが実感です。
始まりのエピソードなのだから、「ああ! この
作品はこんなことをやるのか!」というインパ
クトを、たとえ単発花火でもいいから用意して
もよかったのでは、と思うのですけど、そうし
なかった理由も、いずれ見えてくるかもしれま
せん。


ストーリー・テリングという点で重要なのは、
主人公である天海春香さんに、物語の主人
公としてのフック――生身の女の子である彼
女自身に、物語を語らせる魅力が備わってい
るかどうか、ということですが、その点につい
てはどうでしょう。
彼女を主人公たらしめている設定的理由は、
iDOLのインベルが彼女を選んだ、彼女には
アイドルマスターとしての資質があったという
ことですね。
でもそれは、本来彼女とは関係のない、「向こ
う側」の勝手な事情に過ぎない。別に彼女は、
アイドルマスターになりたかったわけでもなん
でもないのですから。むしろ「普通のアイドル
になれる」と、騙された立場です。
では、それとは別の、彼女自身の心情に基
づく、アイドルマスターらしい自分をとりあえ
ず受け入れるまでの過程が、ドラマとして、
どれだけ説得力があったか、どれだけ見る側
の感情移入を誘ったかというと、これもまだま
だですよね。本人の言葉も、「まあ、いいかっ
て」程度ですし。


だから想像するのは、これからの物語が、春
香さんとインベルの、マスターとアイドルとして
の絆を育んでいくものだからこその、現時点で
のプレーンさ、じゃないかということです。
すべてはこれから2人の間で始まるのだから、
今はまだ白紙でいい。何もお互いのことを知ら
ない同士だから、偏見や先入観なく、お互いを
学んでいけばいい。そういうことであればいい
と思っています。
その過程を2人と共有した者達が、視聴者も
含めて、たどり着く物語のゴールがあるとする
のなら、とても素敵なのですけれど……。

posted by mikikazu at 09:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月10日

「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」第1話、見ました。


順調に、まだ見ていない春新番がどんどん
ハードディスクに溜まっていってるわけです
けども、それはさておき(←こらこら)、かね
てよりお薦めいただいていた作品である、
「バジリスク〜甲賀忍法帖〜」公式サイ
)の放送が、CSの時代劇専門チャンネル
で昨日から始まりましたので、さっそく第1
話「相思相殺」
を見てみました。


お薦めいただいた経緯は、同じく時代劇ア
ニメである「天保異聞 妖奇士」が先日終了
した際に、「時代劇という枠の中で無茶をす
る作品というのが好き」と呟いたら(そういう
意味では、「妖奇士」も好きでした。結果打
ち切られてしまった、作品としての出来とか
は別にして)、いつもお世話になっている
和土さん
から、「破天荒時代劇アニメとして
は『バジリスク 甲賀忍法帳』がけっこうオス
スメです。もしCSで放送される機会がめぐっ
てきましたらぜひ」とのお言葉をいただけた
のですね。
作品眼においては信頼している方ですし、
そのわずか10日後に放送が始まるのも、
僥倖というか良いタイミングなので、今回の
機会を試すことにしました。


short_g.gif


で、実際に視聴してみての感想ですが、正
直に「面白い」と思います。なんていうか、
みんな全然人間じゃないなあって(笑)。
「時代劇で無茶をする作品が好き」というの
は、もちろんジャンルそのものが嫌いじゃな
いってこともあるのですけど、時代設定やリ
アリティのディテールという点で、とても制約
がある時代劇という舞台設定だからこそ、色
々な無茶を試す作劇の方法論に、工夫のし
甲斐があるんじゃないか、とも思うんですね。
陸奥九十九のボクシング挑戦編みたいなもの
です。←「修羅の門」も遠くになりにけり……


例えば、「機巧奇傅ヒヲウ戦記」なんかは、
「時代劇でロボットアニメをやる」というテー
マと、「史実がかなり詳しく知られている幕末
を舞台に、フィクションのキャラを、どれだけ
史実へ関与させられるのか」という作劇設計
が、目的としても制約としても、面白く機能し
ていたと思います。物語としての結果につい
ては、もはやノーコメントですが(笑)。
世界が「ヒヲウ」と繋がっている(共通して登
場するキャラ・設定があります)「妖奇士」に
しても、「時代劇でバケモノ退治をする」という
アプローチ自体には、胸躍るものがありました。


そしてこの「バジリスク」の場合は、少なくとも
忍術合戦における、時代劇としてのリアリティ
をきれいさっぱり捨て去った、思い切りのいい
荒唐無稽さが、観ていて逆に気持ちよかった
のです。「それは無理だよね」とツッコんでも、
「うん。無理です!」と力強く向こうからも頷き
返されるだけのような(笑)。
その描写が実にパワフルかつ、アニメーション
として洗練されているので、リアリティなんて
野暮は考えず、「もっとやれ」と、作品世界に
乗ってしまった方が勝ちだよね、という気分に
なります。
これから次々に展開されるだろう、甲賀と伊賀
の忍術合戦の描写が素直に楽しみです。


面白いのは、そういった壮絶なアクション闘争
の中核にある流れが、ストレートな男女のメロ
ドラマということですね。
この第1話にしても、そういう意味で残酷かつ
綺麗にまとめていましたし。
時代劇という枠では、「引き裂かれる相思相愛
の2人の行方は」というメロドラマも許されるし、
照れなく真正面から描くことが、今でもまだ有
効だとも思います。
アクションとドラマの、それぞれのストレートさ
が、上手く絡み合っていけばいいですね。
ヒロインさんにおいては、いざ戦いの場になっ
たら、とんでもない技を繰り出すんじゃないか
と今から心配ですけど(笑)。


不安といえば……、今回は一言しかありません
でしたけれど、そのヒロイン・朧役の水樹奈々
さんの声が可愛らし過ぎること?(笑)
水樹さんは嫌いじゃないですし、声優として下
手な方とも思っていませんが、そのキュートな
声が、血臭漂うこの作品世界の中で大丈夫か
な、とは思ってしまいました。
存在感という事では、間違いない魅力の声なの
で、それがプラスに作用することを期待します。
posted by mikikazu at 08:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月08日

「舞-乙HiME Zwei」第2話、見ました&春新番チェック


というわけでこちらでも、OVAシリーズ「舞-
乙HiME Zwei」
公式サイト)の第2話「ア・
ラ・シの予感」
を見てみました。


基本的には、引き続き、既に関係が固まっ
たキャラ同士のやりとりを、安心して楽しめ
るサービス編といった感じで、今回フィーチ
ャーされていたのはハルカさんとユキノさん
ですか。
ユキノさんはともかく、ハルカさんへのエア
リーズ国民からの支持が絶大というのは意
外――というのは言ったら怒られそうなの
で言えませんが(笑)。まあ結果としての実
績はちゃんと残しているんでしょうし。
ああいう、歯に衣着せぬ性格というのは、
状況にもよりますけれど、国民から見れば
気持ちいいかもしれませんしね。「それに
しても面白い人だ」という感じで(笑)。
テレビ本編では、コメディ・リリーフ的な役
回りが多かったような気もしますので、ここ
での格好いい、爽快な立ち回りは、見てい
ても気持ちよかったのです。
次に活躍するのは、鉱物化した状態から復
活するだろう、クライマックス編までないと
思いますけど……。


その他の本筋というか、謎の黒幕とかチャ
イルドとかのお話は、リリース時期に間が
あり過ぎるOVAだと、そんなに引きはないと
いいますか、掘り下げる余裕はないかも?
レギュラー達のその後を紹介するので精一
杯で、あらたな何かを生み出すには至らな
いような気もします。
もちろん、手間をかけているだけ画面のク
オリティなどには申し分ないのですが、キャ
ラクターがそもそも多い作品ですし、ちょっと
物足りないかなーという気持ちはあります。
ナオさんなんかは、いるだけの雰囲気で魅
力あるとは思うのですけど、特に彼女なんか
は、色々な意味で「本気」になるとこまで追
いつめられて欲しかったりします。本音が
聞きたいといいますか……。まあその辺は、
感想寸劇の方でも補完されていて、感謝し
ていますけど。


★色々とお忙しいようですが、ペースを合わ
せるのは、こちら的には全然問題ありません
ので、御自身にとって一番都合のいい状態で
視聴を進められることを祈っています。


short_g.gif


さて今日はお休みだったので、ハードディス
クに貯まりっ放しだった春新番の第1話を、
何作かチェックしてみました。
見てみたのは、

「天元突破グレンラガン」
「瀬戸の花嫁」
「アイドルマスター XENOGLOSSIA」
「神曲奏界ポリフォニカ」
「ながされて藍蘭島」
「DARKER THAN BLACK 黒の契約者」
「地球へ…」

になりますね。他にも、OPを見て、これは明確
に幼年齢対象だなとか、プロ野球が始まってい
ることを失念していて、中継延長で録画されて
いなかった作品とかありますが。
「アイドルマスター XENOGLOSSIA」だけは、
諸事情で評価を保留するのですけど、それ以
外で僕的に波長が合ったというか、続きを見た
いという明確なフックを感じたのは、「DARKER
THAN BLACK 黒の契約者」になるでしょうか。
なんというかプロ同士の、頭のいい人同士の暗
闘という雰囲気が好感触です。
まだまだ設定的に理解出来ないところも多いで
すけど、それで視聴を諦めてしまうのではなく、
どういうことなのかと興味をそそるだけの魅力
はあると思いました。
「地球へ…」は、堅実な作りである分、物語を楽
しむのであれば、やはり原作を読めばいいのか
な?とも思ったり……。


posted by mikikazu at 14:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月07日

「魔法少女リリカルなのはStrikerS」第1話における、アニメ演出の魅力


えっと、かなり遅ればせながらで恐縮です
が(汗)、「魔法少女リリカルなのはStri
kerS」
公式サイト)の第1話「空への翼」
を見て思ったことを、少しだけ述べておきま
すね。


short_g.gif


「魔法少女リリカルなのは」第3シーズン
「StrikerS」からの新キャラクターであり、
この第1話での中心人物であったスバル・
ナカジマは、公式サイトの解説を引用する
と、「魔力で駆動させるローラーブーツとナ
ックルを駆使した格闘技法『シューティング・
アーツ』で戦う」魔導師です。
彼女の装備、ローラーブーツとリボルバー
ナックルに共通する特徴は、共に使用時に、
「音を発生させる」ということですね。
デバイスの作動音については、第2期「A's」
から登場したベルカ式のデバイスがカートリ
ッジシステムを採用しており、そのカートリッ
ジの装填・排出時における「ガシャン!」と
いう音が、描かれるドラマとアクションの中
で、とても効果的なアクセントになっていま
したよね。
今回の「StrikerS」でスバルに与えられた装
備は、ベルカ式デバイスで確認された演出
効果を、さらに発展させる意味合いも含んで
いると思います。


short_g.gif


よく、「アニメ的演出」なるものを導入して、
失敗に終わる実写作品があります。
それは多くの場合、そういった演出手法と、
映像の中にいる俳優さんの肉体性とのバラ
ンスが、うまく取れていないからです。
実写作品の場合、俳優さんの肉体は、「そ
こに彼女/彼が存在し、感じられる世界が
ある」という、観客自身の肉体認識とつなが
るリアリティ認知を促します。
クンフー映画にあれだけ興奮出来るのも、
中国武術を基にしたアクションが、すべて、
基本的には観客と同じ構造である、俳優さ
んの生身の肉体を通して表現されているか
らですよね。そしてクンフー映画には、「あら
ゆる問題は、クンフーでの対決で解決・終
結される」というお約束があります。
「アニメ的演出」を導入し失敗する実写作
品は、俳優の身体が伝えてしまうリアリティ
と、そもキャラクターの生身としての肉体性
を前提にしていないアニメ演出の「お約束」
に、齟齬が発生しているのですね。


実写作品の場合、画面内で発生している音
は、劇伴音楽や演出効果音の類を除き、画
面の中の俳優さんの耳と身体にも届いてい
るはずの音だという、リアリティの了解があり
ます。
もちろん、リアリティ演出の度合いは、個々の
作品世界によるので、何もかも現実のままで
なくてはいけない、というわけでもありません
が、それでも常に、俳優さんの肉体が受けと
められる範囲、という指標はあります。
一方アニメ作品だと、そういうリアリティ規定
は、もう少しゆるやかです。
ちょうど良い例になりますが、この「StrikerS」
の前半でも、飛んでいるヘリのドアを開いた
ままで、フェイトとはやてが普通のレベルの
声で会話するシーンがありました。
「飛んでいる最中のヘリの騒音」というリア
リティを考えれば、実写作品の中でこういう
描写をしてしまうと、かなり嘘っぽく白けてし
まうのですが、アニメ作品――この「なのは」
という作品世界描写では、それは許されて
いいものになっています。
間違いということではなくて、画面内の音情
報を扱う際に、リアリティよりも、演出意図を
優先して操作出来るということですね。


short_g.gif


そういうアニメ演出の利点をふまえて、スバル
・ナカジマのアクション・シーンで特に効果的
に用いられている、ローラーブーツとリボルバ
ーナックルが発生する音、魔方陣それ自体の
効果音(?)、劇伴音楽、そしてなにより、スバ
ルを演じる声優・斎藤千和さんによる声の演
技をすべて合わせた、音響演出の妙こそが、
僕個人が感じた、この第1話最大の魅力でした。


まず、魔方陣の発する音や劇伴音楽の的確さ
については、シリーズを通して、もう言わずもが
なですよね。あの音楽が流れただけで、気分
が高まる人は多いと思います。
また要所要所で、スバルの心を伝えるかのよ
うに唸りを上げるローラーブーツとリボルバーナ
ックルは、アニメファンにわかりやすい例えをす
れば、「装甲騎兵ボトムズ」のATによるローラ
ーダッシュと、「機動武闘伝Gガンダム」におけ
るシャイニング・フィンガー、そして「GEAR戦士
電童」の両腕タービンの回転ギミックが備えた
すべての演出効果を、生身の身体ひとつで表
現出来る特権がある、という感じですね。
しかも、スバルにはロボットという機械を媒介に
せず、表情を加えた、自分自身の身体による
アクションで、より直接的に彼女の気持ちを伝
えられる優位もあります。もちろん、敵の攻撃
による痛みも、生身の身体で受けとめなくては
いけないわけですが、それは演出としてプラス
に作用するでしょう。


そしてなにより、そういった演出装置の中、
「キャラクターとしての立ちよう」というものに、
決定的に命を吹き込んでいるのが、斎藤千和
さんによる声の演技です。
彼女の声によって、画面内のすべての情報が
スバルの肉体性を通過していると感じさせる
重要な役割に、見事に成功していると思います。
クライマックス、なのはとの出会い時に生まれ
た自分自身への誓いと、負傷しながらも自分
を信じサポートしてくれるティアナへの思いを
抱えた、一歩も引けない立場のスバルは、自
分の身体と唸るデバイスにすべての力を注ぎ
込み、あらんばかりの叫びと共に、最強ターゲ
ットへ渾身の一撃を叩きつける――!
映像の中のあらゆる要素が、スバルの心に沿
って一体化した結果による、この瞬間の高揚
とカタルシスこそは、アニメという物語表現が
達することが出来る高みの、最良の例だと思
います。


とはいえ、このシーンのアクションに与えられ
た設定的文脈は、魔導師ランク昇格試験に合
格するという、まだあくまでエピソード単位の
ものでしかありません。
やがて現れる今回の相手に対して、過去のシ
リーズの倍の分量ある物語の積み重ねの結果、
与えられた任務として、あるいはそれを越えた
目的を求めて、スバルがどんな思いをその拳に
託し、迸らせていくのか、期待して見ていきたい
と思います。


short_g.gif

他の新番はまだまだこれからです。
今夜はやっとこお休みなので、出来るだけ
消化出来れば、とも思いますが……。
出来る範囲で頑張りますです。
posted by mikikazu at 13:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月27日

「涼宮ハルヒの憂鬱」における、キョンとハルヒの席順について


えっと唐突ですけど(笑)、「涼宮ハルヒの憂鬱」
公式サイト)についての考察を少しだけ。
ええ、「涼宮ハルヒの激奏 イベントレポート」
お疲れさま、ということで。
原作小説は未読なので、テレビアニメ版だけに
絞ってお話を進めさせていただきますね。それ
ゆえの認識不足などありましたら、ごめんなさい。


short_g.gif


この作品の魅力については、たくさんの理由が
既に論じられていると思います。もちろん基本
的には、それぞれの人がそれぞれの主観で感
じ取ればいいわけですけど。
で、僕個人が作品を見ていて感じ取ったひとつ
の魅力――というか、語り口として成功した「仕
掛け」が、作中の教室における、キョン君と涼宮
ハルヒさんの席順にあると思います。席替えを
経てなお変わらなかった、キョン君が前で、ハル
ヒさんが後ろ、という位置関係ですね。
これがどうして重要かというと、キョン君がヒロイ
ンであるハルヒさんを見る、向き合うためには、
自分の意志で、彼女の席を振り返らなければな
らないからです。


もし、この席順が逆だったらどうでしょう。
後ろ姿とはいえ、キョン君の視界には常にハル
ヒさんがあって、その存在を、彼の主体的選択
とは関係なく、常に認知しなくてはならない。
「彼女はいつでもそこにいる」のです。
けれど作中の席順だと、「彼女がいつでもそこ
にいる」かどうかは、自分から行動を起こして、
振り返ってみなくては確認出来ない。
これは教室におけるクラスメートという、平等
な立場だからそうなるので、団長とその手下
(笑)という上下関係が明白な部室だと、また
違うのですけれど。部室でむしろ意識されるの
は、ハルヒさん側の視線のありよう、ような気
がします。


short_g.gif


この作品のメインの語り口は、キョン君のモノ
ローグに沿った、彼の主観によるものですよね。
原作小説も、彼の一人称であると伝え聞いてい
ます(違ってたらすみません)。
次々降りかかる迷惑な(笑)事態に対して、作品
を成立させるために、ある程度の客観性は保ち
つつも、物語世界を見つめる視点は、彼の思考
と感情の流れを通過したものです。
その視点の向こうに、涼宮ハルヒという人物が
いる――。その意味を、視聴者側は重層的に
受けとめる権利を与えられています。作品を語
る視点と、キョン君個人の視点の2つですね。


ヒロインとしての、あるいは世界構造的な主人
公としての、ハルヒさんというキャラクターを
どう考えるかは、これも個人の自由ですが、彼
女を見つめようとする視点が、「振り返らなくて
はならない」という、キョン君にとっての、ある
程度の主体性を前提にしていることは、その視
点を共有している視聴者側にとっても、とても
大きな意味があります。
感情移入とまではいかなくても、語り口の構造
として、ただ作品世界を観客として受動的に見
つめているのではなく、少なくともハルヒさんに
対しては、キョン君の主体的意志を経由した、
もうひとつ上のレベルの視点が提供されている
と感じていいのですね。
映画制作の中、専属のカメラによって撮影され
ているスター、みたいなものです。
ただしその撮影視点には、「個人的」という性質
が含まれていて、物語の中のキョン君、そして
作品としての「ハルヒ」と、キャラクターであるハ
ルヒさんを見つめる個人としての視聴者が、
より微妙に踏み込んだ心情レベルで、共有が
許されるものになっているのです。
それも全て、キョン君が「振り返る」という主体
的肉体動作を経て、ハルヒさんを見てくれる、
より正確にいうと、彼女との距離を示してくれる
行動があるから、なのですね。
枠を超える手順を踏んで、「そこにいる彼女」を
見つけてくれるから、見る側にも何か、感じるも
のが生まれるのだと思います。


short_g.gif


ハルヒさんは、都合よく自分の視界に入り込ん
できてくれるヒロインではなく、自分から見よ
うとしなくては見えない、相対的な距離がある
他人だという現実認知は、アニメという2次元
の閉塞の中に、明確な空気感のようなものを
構築してくれていると思います。それは決して、
優しいだけのものではありませんが。
少なくとも「憂鬱」編においての主題は、キョン
君とハルヒさんという、他人である人間同士の
距離の問題であるとするなら、こういう視点の
配置は、とても理にかなっていると思います。


……これくらいでどうでしょうか。
posted by mikikazu at 09:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月12日

映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」、見ました。


いつもお世話になっている委員長様から、「劇
場で見てよかったです。TVシリーズのオマケぐ
らいのかる〜い気持ちでみるとよいかもしれま
せん。気が向いたときにでもどうぞ」(引用失礼
します)とのお言葉をいただいたので、劇場公
開時はスルーしていた、映画「ウルトラマンメ
ビウス&ウルトラ兄弟」
公式サイト)を、DVD
で見てみました。
以下、内容ネタバレあります。


short_g.gif


そうですね……。
視聴後にまず思ったのは、「今度はクルーGU
YS主役で、映画をもう一本!」ということだった
り(笑)。
メビウスとGUYSが不可分である、「ウルトラマ
ンメビウス」という作品世界の一部として、この
映画を見てしまった時には、事態解決に全く貢
献しない、ここでのクルーGUYSの扱いは、かな
り不憫だなあと。
これは勿論、そういう見方自体が間違っていて、
タイトルが示すとおりに、「メビウスとウルトラ兄
弟のお話」と受けとめればよいわけです。
それに、ウルトラ兄弟が客演しつつ、メビウスと
GUYSのメンバー達との絆を中心に描く作劇は、
テレビシリーズの方で、現在進行形で進んでい
ますしね。


それと、DVDリリースというタイミングで見てしま
ったことで、オリジナル・キャストによるウルトラ
兄弟の客演に対しても、劇場公開時に見た方と
は、微妙な温度差もあるだろうとは思います。
先にテレビシリーズでの、1人ずつの客演を味
わってしまうと、ほとんど兄弟まとめてしか扱わ
れない、映画での描写は、物足りなさも感じる
のは事実です。まとめて描くからこそ、兄弟それ
ぞれの個性が伝えられる、ということもわかりま
すけど。
他にテレビシリーズで客演を果たしている、レオ
とか80とかは、この時どうしてたのかなーとか、
余計なことも考えてしまいますし(笑)。
本当に、僕にとってこの映画でのウルトラ兄弟
との再会が最初であったなら、どんな感じ方を
していたでしょうか……。


始まってから1時間も過ぎていないのに、早々
に始まってしまうラスト・バトルを延々と描くより
は、Uキラーザウルスを封印してからの20年間
の神戸での生活で、それぞれの兄弟が築いて
きた、新たな地球人達との絆、そしてそれを捨
ててまで、本当に最後になるかもしれない変身
にのぞむ、兄弟達の覚悟のドラマを語ってくれ
た方が、作品としてはずっと深みが出たとは思
います。
ただ、これまでのウルトラ映画もそうであった
ように、対象年齢層を考えれば、そういった部
分を切り捨てて、シンプルな構成にする判断と
いうのも、おそらくは正しかったのだろうと理解
は出来ます。


あとは……、テレビシリーズでいきなりヒロイン
に収まろうとしているジングウジ・アヤさんが、
映画ではどれだけ活躍されていたのだろうと
思っていたら、単なるさらわれ役というポジショ
ンに過ぎなかったのは拍子抜けだったかも。
それでは本命ヒロインのリュウさんに勝てませ
んですよ。


総論としては……、CGバトルの迫力も含めて、
DVDで見てしまった僕には、たぶん正しい評価
は下せないんじゃないかなーという気持ちです。
今さら言っても仕方ないですが……。
テレビシリーズの方は、いよいよ最終三部作の
クライマックス編に突入ということで、色々な意
味での総括を期待しています。

posted by mikikazu at 09:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月09日

「ひだまりスケッチ」第1〜2巻、読みました。


あわわそういえば、確かに以前レビューされ
てましたよね。本屋さんで第1巻の表紙を見た
時に、見覚えがあるような、ないような気がし
たのは錯覚じゃなかったわけです。
でも、過去の記事のこともちゃんと憶えていな
いようでは(最低でも、コミック感想リストくらい
はチェックしなくては)、いろんな意味で失格で
すよね。失礼しましたっ。


そのお詫びというわけでもないんですが、こち
らでもコミック「ひだまりスケッチ」第1〜2巻
(蒼樹うめ 芳文社)をちゃんと読んでみました
(「RED GARDEN」のコミック版は、見つからな
いので注文になりそうです。そんなケイトさん
なら、ぜひ拝見しなくては(笑))。


short_g.gif


実際に原作を読んでまず思うのは、まあ、マジ
ョリティの意見になってしまうんでしょうけれど、
「吉野屋先生最強」
ってことでしょうか。
1人だけキャラが立ち過ぎというか、先生の絡
んだお話には、ほぼ外れなし、ですよね。
教師という立場で、あの型破りというか天下無
双のキャラというのは、美味しくなって当然です
けれど。衣装もメイドさんからバスガイドさんまで
一番色々着てますし、大人気ない大人というキ
ャラを満喫してますよね(笑)。第2巻P107の
「ジャック」とかやって、よくクビにならないなあ
って感じです。ゴッ
先生で一番のエピソードは……回想的な出演
ですけれど、第1巻P72の「例えるなら」の天然
に毒のあるコメントとか?
第2巻P34の「ノーコメント」なんかも、4人の(無)
反応も含めて好きです。かーわーいーいー。
第2巻P83「他人には見せまい」も、四コママン
ガだからこそのテンポがいいですよね。
ちなみに一応主役のゆのさんだと……第2巻P
46「熱暴走」のポーズが可愛かったりとか?


作品論ということでは、基本的にはいつまでも続
けられるような季節の繰り返しの中、美術科の学
生という視点から、与えられた状況と課題に向き
合いつつ、未来への道を少しずつ見つけ出してい
くという語り口は、作品の基本設定から読み手が
期待するものを十分に描いてくれていっていると
いう意味で、合格だと思います。
2巻ラストの文化祭編なんかは、これで終わって
もいいかもしれないと感じさせる、ひとつの物語
的クライマックスでしたし(あ、後夜祭をやらせて
もらえなかった吉野屋先生としては違うでしょう
けれど。ちょっと見たかったです)。
実際に原作を読んでみて、アニメ版の方向性が正
しいかどうかは、もう、見る人個人それぞれの好み
次第、とだけ言うに留めておきますが、僕としては
とりあえず、読めて楽しかったと思えるコミックとま
た出会えたのは僥倖でした。いつもですけど、ご
紹介ありがとうございました、なのです。
posted by mikikazu at 09:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
eXTReMe Tracker