先日から読み進めていた、アメリカのプロレス団体
WWE(World Wrestling Entertainment)の人気選手で
ある、HBK(ハート・ブレイク・キッド)ことショーン・マイ
ケルズと、昨年11月13日に急逝されたエディ・ゲレロ
選手の自伝を、それぞれ読了しました。
ショーン・マイケルズ自伝
「Heartbreak & Triumph: The Shawn Michaels Story」
エディ・ゲレロ自伝
「Cheating Death, Stealing Life: The Eddie Guerrero Story」
以前にも述べてきたショーンの自伝の方は、97年に
カナダ・モントリオールで開催された「サバイバー・
シリーズ」における、当時の王者ブレット・ハートか
らタイトルを奪った事件についての詳細が、戦った
相手であるショーン自身の口から詳細に語られてい
て、やはり興味深かったのです。
ブレットが移籍を決めていたライバル団体WCWと
のビジネス的抗争だけでなく、ショーンとブレットの
個人的確執(もちろんショーンに言わせれば、ブレッ
トの人格的欠陥が原因なのだそうですが)も多く伏
線となっていて、なんともドロドロでした。
その後、背中の負傷で長期欠場を余儀なくされたシ
ョーンは、ドラッグ中毒となり、人生を棒に振りかけ
るのですが、夫人のレベッカさんの支えもあり、新た
に信仰に目覚めたボーン・アゲイン・クリスチャン
(ちゃんとした訳語あると思います)として立ち直り、
WWEに復帰する、という経緯が語られていきます。
正直、無宗教で無神論者の僕なんかが、宗教を利
用したショーンのそういう精神的復活が、アメリカ社
会の中でどう捉えられるべきなのかというのを、理
解するのは難しいです。復帰する際にも、「クリス
チャンとしての信条に反するパフォーマンスは出来
ない」と条件を出し、会長のビンス・マクマホン氏も
それを了承しています。
本人とその家族が幸せならばそれでいいし、なによ
りファンとしては、今でもショーンの素晴らしい試合
をリアルタイムで見られるのですら、結果としてそれ
はそれでよしなのでしょう。
今でも、一番色気のあるWWEレスラーの1人といえ
ば、ショーン・マイケルズだと僕は思います。あと、ス
ピーチが一番格好いいのも彼ですね。
エディの自伝の方は、ドラッグ・アルコール中毒から
立ち直って、やっと真っ当な人生を歩み始めた……と
いう内容だけに、亡くなった今読むと、色々胸に痛か
ったですね……。
二代目ブラック・タイガーあるいは本人として来日回
数も多いだけに、日本についても思い出がたくさん語
られています。
主戦場だった新日本プロレスのマットで戦った日本人
レスラーの中でも、特にライバルだった金本浩二選手
(三代目タイガーマスク)については、「the great Koji
Kanemoto」(P75)、「the amazing Koji Kanemoto」
(P92)と敬称をつけて、高く評価していました。
もっとも、参戦したトーナメント「トップ・オブ・スーパ
・ジュニア」について、「もちろん真剣勝負というわ
けではなく、ブッカーが最終的な勝者を決める」と正
直に書いちゃってますので、翻訳版での扱いが微妙
になるかもしれませんが。
あと、アル中で生活が荒れていくエディを、他のレス
ラー達がどんどんと見放していく中、ずっと変わらず
そばにいて、移動中の車の運転、酔っ払ったエディの
介抱、朝部屋まで起こしにくるなど、面倒を1人で見
続けた親友が、クリス・ベノワさんだという記述には
胸が熱くなりましたし、エディが亡くなった時のベノ
ワさんの涙を思い返してしまいました。
また、日本、ECW、WCW、そしてWWEで行動を共に
してきたもう1人の親友ディーン・マレンコが、エディの
乱行にお手上げになり、自分に知らせず会社側に相
談したことについて怒った時に、ディーンはこう答えて
いました(P232)。
「もしお前が、ホテルの部屋で死んでいるのを見つけ
たりでもしたら、俺はきっと耐えられないだろう。俺
には、お前がそういう道を進んでるようにしか思えな
いんだ」
あまりに暗示的でした……。
レスラーとしての宿命、家族への愛情、自分との戦い
など、エディの短い人生の色々なことが詰まった本な
ので、機会があれば読んでいただきたいです。
Viva la Raza!
引き続き届く予定のWWE本は、
トリプルHの
「Triple H: Making the Game」
ケインの
「Journey Into Darkness: The Unauthorized History Of Kane 」
エッジの
「Adam Copeland On Edge」
リタの
「Lita: A Less Traveled R.O.A.D.--The Reality of Amy Dumas」
ということになっています。
惜しむらくはエッジとリタの本が、マット・ハーディー
との問題以前に書かれたものであることですか。
ともあれ、こちらもそれぞれ楽しみにしてます。

