2008年06月08日

フィリピンのアニメ声優事情


フィリピンのテレビ局ABS-CBNによるニュー
スサイトABS-CBN News Onlineが、スペシ
ャル・レポートとして6月8日付けで、フィリピン
のアニメ・アニメーション声優事情を伝える記
事を掲載していました。


ABS-CBN News Online 6月8日付け記事
"Pinoy voice talents put heart behind
animated characters"



ABS-CBNで現在放送されている日本アニメ
は、スケジュール表で確認出来る範囲だと、
「NARUTO」「エウレカセブン」「エア・ギア」
「スクールランブル」が見つかりますね。
またABS-CBNのケーブル・衛星支局である
タガログ語吹替専門のアニメ専門チャンネル
HEROというのも、2005年から放送開始さ
れていて、好評を博しているようです。ライン
ナップもなかなかに豪華ですね。


short_g.gif


記事でまずフィーチャーされている声優さん
である、キャリア14年のCharmaine Cordoviz
さんが初めて携わったアニメは、「剣勇伝説
YAIBA」。
携わったというか、高校卒業直後くらいに英語
吹替版の「YAIBA」を見て、「タガログ語でも
やりたい」と、テレビ局のプロデューサーに自
分で企画を売り込んだ、ということのようです。
6ヶ月後にプロデューサーからついにオーケー
が出ると、アニメに情熱的で、声の良い人間を
友人・知人から集めたとのことですけど、プロ
を使わなかったは、ツテがなかったのか、局の
側でプロを雇える予算がその時なかったのか、
よくわかりません。
ともあれ、それをきっかけにして、アニメ声優
としての仕事を始められるようにはなったよう
です。


続いて記事が述べているのは、アニメ声優とし
ての仕事としての実態。
1つは声の演技だけで、キャラクターに命を吹
き込まねばならない技術の難しさで、この辺の
話題は、どこの国の声優さんからも聞かれます。
また、最近では「ザ・シンプソンズ」のメインキャ
ラの声優さんのギャラが1話で最大40万ドル
(約4200万円)なんていう景気のいい話も聞か
れますが(アニメ!アニメ!6月4日付け記事)、
アメリカのアニメ声優と同じく、フィリピンのアニメ
声優も、決して稼ぎのいい仕事というわけでは
ないようです。
仕事はある時はあるし、ない時はないと不安定
で、多くの声優が、生計のための副業を持たな
くてはならないのが実情みたいですね。
予算の低さゆえに、一度に複数のキャラを演じ
なくてはならないことも多く、ある作品では、それ
ぞれの声優さんが平均で10〜15人のキャラ
数を演じなくてはならないこともあったとか。
演じるキャラの数が増えても、それでギャラが
増えるわけではなく、あるスタジオでは1人増
えることに100フィリピン・ペソ(約237円)の
ギャラが追加されることもあったようですが、
それはごく稀なケースだそうです。


続くのは、いわゆるコアなアニメファン=オタク
からの反応というか、ぶっちゃけ、「そんな吹替
はおかしい」という種類の反発ですね。
これも、たぶんどこの国でもお馴染みの状況だ
と思います。
オリジナルの作品やキャラクターを尊重しつつ、
フィリピン人の視聴者にも理解出来るように伝
えなくてはならない、バランスの難しさが語られ
ています。


さらに、これもお馴染みですが、アニメ吹替に
有名人・俳優を起用する際の問題もあるようで
すね。
知名度を目当てに有名人を呼ぶのはいいので
すが、声だけで全てを表現するアニメ吹替の技
術が完全に理解出来ないままに収録にのぞん
でしまうので、結果としての出来栄えが、とても
貧相な力不足なものになってしまうという話は、
よく耳にするものですよね。


フィリピンのアニメ市場規模というと、JETRO
(日本貿易振興機構)にも、2001年頃の古い
ものしかなく、

「タイ、フィリピンの映像コンテンツ調査」

現状はよくわかりませんが、アニメ吹替制作と
いう作業それ自体については、万国共通で生じ
る問題や課題があることが、少しは理解出来た
かなと思います。

posted by mikikazu at 09:11 | TrackBack(0) | 海外情報(アジア) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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