2008年05月13日

ドイツの本年度Max und Moritz賞に、「修羅雪姫」「素晴らしい世界」「遥かな町へ」、小池一夫氏がノミネート


まず先に、5月10日付け記事を受けて、サイト
「白い空」のかざみあきらさんが、5月12日付け
日記で、アニメの外国語吹替に対する、とても興
味深い考察を述べていらっしゃいますので、ぜひ
チェックしてください。いつもながら深いです。

「言葉の奥にある『こころ』を伝えるべし 〜
日本のアニメと外国語吹き替えの改変について
思うこと」


僕自身は英語版「らき☆すた」を見る機会は残念
ながらないと思うので申し訳ないですが、どうやら
詳しい英語版吹替解説も準備くださっているご様子
なので(ですよね?)、ファンの方はすっごく期待し
ていいと思います。いえいえ別にプレッシャーかけ
ているわけでは全くぜんぜん少しもないですけどっ。
でも真面目に応援してますので、頑張ってください。


short_g.gif


さて本題。
「ドイツにおけるコミックのアカデミー賞」と称して
いる、1984年に創設された(隔年開催)、ドイツ
国内で出版されるコミック作品に与えられる賞、
‘Max und Moritz’ Award の、本年度のノミネ
ートが発表されています(via Manly Manga and
More…5月11日付け記事
)。
受賞作品・受賞者は、5月22〜25日にドイツ・アー
ランゲンで開催されるコンベンションComic-Salon
(公式サイト)で明らかにされるとのことですね。


日本のマンガ関係でノミネートされているのは、

Bester Manga(Best Manga)

・「修羅雪姫」第1巻(作・小池一夫/画・上村一夫)
・「素晴らしい世界」(浅野いにお)
・「遥かな町へ」(谷口ジロー)

Bester Szenarist(Best Author)

・小池一夫(「修羅雪姫」)

になります。
小池一夫氏はダブル・ノミネートですか。後者はベス
ト原作者、ということだと思いますけど。
かねてよりお伝えしているように、ドイツのマンガ市
場では、BL作品や少女マンガもとても強いのですが、
そういった売れ筋とはまた違う選考のようです。



過去のノミネート作品だと、2000年の「Bester
deutschsprachiger Kinder- und Jugend-
Comic:」(Best of German children and
youth comic)に、

・「ドラゴンポール」(鳥山明)
・「ああっ女神さまっ」(藤島康介)

2002年の「Beste deutschsprachige Comic-
Publikation für JugendlicheBest」
(German comic publication for young
people)に、

・「らんま1/2」(高橋留美子)

2004年の「Beste deutschsprachige Comic-
Publikation, Import」(Best German comic
publication, import)に、

・「なるたる」(鬼頭莫宏)

同年の「Beste deutschsprachige Comic-
Publikation für Kinder und Jugendliche」
(Best German comic publication for
children and young people)に、

・「名探偵コナン」(青山剛昌)

同年の「Bester internationaler Szenarist」
(Best international Szenarist)に、

・高橋留美子

2006年の「Bester internationaler Comic」
(Best international comic)に、

・「アドルフに告ぐ」(手塚治虫)

同年から始まったらしい「Bester Manga」
(Best Manga)に、

・「はだしのゲン」(中沢啓治)……受賞作
・「アドルフに告ぐ」(手塚治虫)
・「二十世紀少年」(浦沢直樹)

といったタイトルがとりあえず見つかります。
抜けがあったらすみません。「アドルフに告ぐ」が
ドイツで評価されていたのは嬉しいですね。
ともあれ今年はどうなるでしょうか。


short_g.gif


「乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワー
ル」
(嵩夜あや ファミ通文庫)は、最初のお話であ
る「櫻館の入寮式」をまず読んでみました。
本編の外伝としての、この作品のコンセプトを考
えてみると、共に聖應女学院への途中転入組で
ありながら、「妹」としての立場を経験することな
く、あっという間に「お姉さま」「エルダー・シスタ
ー」という立場に祭り上げられてしまった宮小路
瑞穂さんの主観から語られた本編に対して、その
まさに対になる、瑞穂さんが経験出来なかった
「妹」という立場の七々原薫子さんを主点とし、聖
應女学院での生活を描いていくというアプローチ
は、とても理にかなっていると思います。
対になっているがゆえに、単なる後日談以上の、
物語としての幅を得ているというか……。
「お姉さま」からではなく、「妹」として、この学院で
の生活を体験してみたいという甘えんぼ(笑)気質
な方にはピッタリなのかもです。


posted by mikikazu at 08:11 | TrackBack(0) | 海外情報(ドイツ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック
eXTReMe Tracker