2008年05月05日

2007年にフランスで売れたマンガの6冊に1冊が「NARUTO」


フランスのdu9の英語サイトで、今年1月に仏語
版がまず掲載されていた、フランスの2007年度
コミック市場レポートが、今月に入って英語翻訳
されていました(via MangaBlog)。

「L'autre Bande Dessinée - Numerology,
 2007 version」


ここでは、マンガの売り上げについての情報のみ
を抜き出して紹介してみますね。
とはいえ主に数字が紹介されているのは、コミッ
ク市場全体で前年比+1.8%という微増の状態の
中で、新刊の売り上げが、前年比+40%という爆
発的な上昇を示している「NARUTO」になるので
すけど。


short_g.gif


まず、2007年度のフランス国内でのコミック売り
上げ冊数は、全体で3410万冊。金額では、3億
1920万ユーロ(約520億円)。
市場全体では、13年連続の拡大傾向が続いて
いるのですが、2006年から2007年にかけては、
+1.8%という微増の状態のようです。
その内、マンガの売り上げは1190万冊で、全体
からは3分の1くらいですね。単価が安いので、
金額の割合はもう少し低いでしょうけど。
マンガ市場自体は、2000年から+529%(!)とい
う猛烈な伸びが続いてるようです。


中でもずば抜けている作品が「NARUTO」で、
2007年度の書籍売り上げTOP50の中に、15冊
がランクインしてます。
その15冊の売り上げ冊数が130万冊で、2007年
は第33巻まででしたから、他に18冊ある、それま
での既刊と合計すると、シリーズ全体での2007年
度売り上げ冊数は、200万冊に近くなるだろう、と
いうのがレポートの想像です。
フランス国内での、2007年度マンガ売り上げ冊数
が全体で1190万冊ということを考えると、フランス
で売れたマンガの6冊に1冊が「NARUTO」だった、
という計算になります。
違う数え方をすれば、フランスのマンガ市場の17%
近くを、「NARUTO」単シリーズだけで占めている、
ともいえますね。
2006年度にも、17冊がTOP50入りしていたので
すが、その合計冊数は120万冊、シリーズ合計で
は150万冊という数字でした。
なので、この2年間で350万冊ですから、これま
でのフランスでの「NARUTO」売り上げの累計は、
500万冊近いだろうとは想像出来ます。


(ちなみにアメリカでも「NARUTO」は、昨年度グラ
フィックノベル全体のTOP750に入ったマンガ作品
の総売上部数の約17%を占めていました。参考・
2008年2月18日付け記事
。シリーズ累計では、2
007年までに300万冊超)。


また、2006年1月に出版された第21巻の、2006年
度内の売り上げは9万3300冊だったのに対して、
2007年1月に出版された第27巻の年間売り上げは、
40%増しの13万1000冊に到達し、シリーズが進む
につれ、ファンがさらに増大している事実も示してい
ます。
それに合わせて、各巻の初版部数の数字も引き上
げられ、2004年には6万冊だったのが、2007年に
は4倍近い、22万冊にまで達しています。


「NARUTO」が際立っている点は、新規読者の獲得
に苦戦しているとされるフランスのコミックに対して、
新刊が出るたびに、初期の巻もまた売り上げを伸
ばし、新しい読者をさらに生み出している傾向が明
確なことです。
フランスでは2002年3月に発売開始された、「NARUTO」
の第1巻は、2007年度にも8万1千冊以上を売り上
げ、書籍売り上げランキングでは第23位、コミック
売り上げランキングでは第7位に入っています。


他のマンガだと、「NARUTO」以外にも、「ONE PIECE」
「フルーツバスケット」「NANA」などは、2004年から
2007年にかけて初版部数を倍増させ、「鋼の錬金術
師」も60%の伸びを示しているそうです。
2007年度の新作としては、「DEATH NOTE」の第1
巻(1月出版)が7万8千冊という、優れた売り上げ数
字を記録しているのですが、それでも5年前に出版さ
れた「NARUTO」第1巻に及ばないのですから、フラン
スのマンガ市場の中であまりに突出した、「NARUTO」
人気の凄まじさがわかります。


ただし、これでフランスでのマンガ人気が順風満帆
かというとそうでもなく、

・ほとんどの人気作は取得してしまった
・他でもない日本で、新しい大人気作が生まれてい
 ない
・現在の出版ペースでは、いずれ日本のそれに追い
 ついてしまい、現在ほどの出版数が保てなくなる

といった不安材料もあり、出版部門の統合・再編も
進んでいるようです。


short_g.gif


かねてより、フランスでの「NARUTO」人気の凄さ
はお伝えしているのですが、今回あらためて細か
い数字がわかって、驚いています。
というか、北米でもそうですけれど、ここまで世界
的な作品になってしまったら、これまでのジャンプ
人気作以上に、人気が続く限りは、「作者が終わら
せたいから」「物語が語るべきことを語り終えてし
まったから」という理由だけでは終わらせられない
ようにも思えてきます。終わらせたくても、日本だ
けでなく世界各地から「終わらせるな」というプレッ
シャーが届くわけですし。
アンケート結果が悪くて、たった十週で終わらされ
てしまう作品も、同じ誌上ではあるのに、運命は色
々だと思います。


posted by しくへっど at 08:27 | TrackBack(1) | 海外情報
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