2008年04月08日
Dark Horse Comicsによる、対象年齢設定の高いマンガ作品のセールス不調について
3月28〜30日にかけて、アメリカ・ワシントン州
シアトルで開催されていたアニメコンベンション
Sakura-Con(公式サイト)での、コミック・マンガ
出版社Dark Horse Comics(公式サイト)による
パネルの模様を、About.comのマンガ部門担
当Deb Aokiさんがレポートされていました。
About.com:Manga
「Sakura-Con '08: Dark Horse
Bemoans Manga Sales」
パネルの出席者は、Dark Horseのマンガ部門
編集者である、お馴染みCarl Hornさんだった
んですが、記事が強調しているのはタイトルにも
あるように、セールスの不振に対する嘆き、と
いうことになります。
特に批評筋での評価は高かったのにもかかわ
らず、実際の売り上げが不調だと例に出されて
いた作品は、
「黒鷺死体宅配便」(原作/大塚英志・画/山崎峰水)
「MAIL」(山崎峰水)
「薩摩義士伝」(平田弘史)
の3作品ですね。
「薩摩義士伝」は残念ながら、売り上げ不調を理
由として、第3巻までで、出版を中止することが決
まっています。
売り上げ不調の原因のひとつとしてCarl Hornさん
が挙げていたのが、レイティングが「18+」(18歳
以上対象)の作品に施されるシュリンクラップにな
ります。日本語にもなっているかもしれませんが、
要するに、ビニールで本を密封してしまうことですね。
上の作品だと、「薩摩義士伝」のレイティングは
「17+」ですが、他の2作は「18+」で、最初から
シュリンクラップされた状態で出荷されると明記
してあります。日本だと、それは書店側の作業に
なるでしょうか。
Hornさんによると、シュリンクラップされてある
からと、Dark Horseのマンガを注文してくれない
書店もあるとのことです。それが、売り上げの悪
さに影響している、という見方です。
ただし、「ベルセルク」などは、「18+」レイティン
グでシュリンクラップ仕様ですが、オンラインス
トアでの売り上げランキング上位の常連で、総合
的にかなり売れているのは間違いありません。
アニメによる認知度の違いもあるでしょうけど。
もうひとつHornさんが強調していたようなのは、
違法なスキャンレーションを読んで済ますので
はなく、やはり実際の合法出版物を買って欲し
いとのことでした。
よくある誤解として、マンガ家は北米での出版権
料を先に得ているのだから、売れようと売れまい
と関係ない、というものがあるそうですが、実際
に日本のマンガ家が利益を得られるのは、売れ
た部数分のロイヤリティからしかないのだから、
売れないと、結局出版社もマンガ家も困るという
説明を、あらためてHornさんはされてました。
「日本のマンガ家も、どれだけのアメリカ人読者
が作品を買ってくれているのか、とても知りたが
っている。けれど、ただダウンロードされている
だけでは、それはわからないんだ」と。
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