まず先に。
北米市場で、それぞれのアニメDVDが何枚売れ
ているのかというデータは、あまり表に出ることが
ないので、見つけたら記録するようにしているの
ですが、業界1位のアニメ流通会社FUNimation
のCEOであるGen Fukunaga氏へのインタビュー
記事で、少し数字が出ていました。
ソース・Variety.com 3月28日付け記事
「Funimation takes anime to new media」
(via Anime News Network)
それによると、「トリニティ・ブラッド」は1万8千枚、
完全版「ドラゴンボールZ」の第1セットが、発売
後5ヶ月で約5万5千ユニットとのことですね。
「ドラゴンボールZ」については、隔週のストア売
り上げ調査でもわかるように、その後もさらに売れ
続けていますし、映画版(TVスペシャル)のDVDも、
それ以上売れているとのことです。
これらの数字は、特にアニメの一般購買層で大
きな割合を占めている、Wal-Martのような大手
小売チェーンからの売り上げを含んではいない
そうです。
「ドラゴンボールZ」については、ビルボードの
Top Kids Videoのチャートにも毎回顔を出して
いるように、好調が続いていますけど、「トリニティ・
ブラッド」の1万8千枚も、コアなアニメファン向け
作品としては、大きな数字とされています。
成功の理由としてはやはり、 Adult Swim(Cartoon
Networkの深夜帯)で放送されたという、世間への
露出と認知も大きいでしょうか。
Fukunaga氏によれば、放送局から得られる放送
権料は、決して高いものではなく、FUNimation
の年間収益の中では、1割にも満たないとか。
なのでテレビでの露出は、DVDの宣伝と割り切っ
ているようですね。「トリニティ・ブラッド」は、それが
上手くいってるみたいです。
いつも北米のアニメ・マンガ業界人へのロング・
インタビューを収録してくれている、オンライン
ストアRight Stuf配信のポッドキャストAnime
Todayですが、3月28日に配信開始された最新
エピソード第63回のゲストは、北米第3位の
マンガ出版社Del Rey Mangaの共同発行人
(アソシエイト・パブリッシャー)である、Dallas
Middaugh氏でした。
より正確にいうとDel Rey Mangaは、Wikipedia
から引用すると、「ランダムハウス傘下のアメリ
カの出版社バランタイン・ブックスの出版部門の
1つDel Rey Booksのインプリント(ブランド名)」
ということになりますか。長いです(笑)。
Middaugh氏がAnime Todayのためのインタ
ビューを受けたことは、Del Reyのブログ3月18
日付け記事で、あらかじめ伝えられてはいました。
ちなみに氏は、現在久方ぶりのバケーション中だ
そうで、羨ましいかもです。
二部に分けられた(PART1 15分57秒〜35分26
秒 PART2 46分02秒〜1時間13分25秒)イン
タビューは、45分間の長さに及ぶ、とても充実し
たものです。
主な内容は、Middaugh氏がマンガ出版ビジネス
に関わるようになった経緯、Del Rey Mangaの
歩み、親会社ランダムハウスと提携を結んでいる
日本の講談社との関係、アメリカ側の作家・アー
ティストを起用した作品の反応、英語版「ファウス
ト」(8月発売予定)を含めた、北米でのライトノベル
の可能性、北米のマンガ市場全般と、その未来に
ついてのMiddaugh氏の見解、などになりますね。
興味深かったのは、「げんしけん」英語版につい
てのエピソード。
Del Rey側から日本の講談社に、アメリカでの
翻訳出版について打診したところ、最初はもの
すごく驚かれたそうなんですね。そんな、日本
のオタクの日常を描いた作品なんて、海外で受
けるわけがない、という感じで。
ところが実際に発売してみると、Del Reyを代表
する作品のひとつになるくらいのヒットを記録しま
した。もちろん作品としての出来の良さもあるで
しょうけれど、オタクそれ自体に対する興味と関
心は、海外(少なくともアメリカ)でもそれなりにある
ということが、「げんしけん」によって証明されたと、
Middaugh氏は語ります。
Del Reyが出版しているマンガで、有名あるいは
売れ筋ではないが、Middaugh氏が個人的に推し
ているという作品が、「寄生獣」と「龍眼 -ドラゴンア
イ-」になるそうです。
特に「寄生獣」は、TOKYOPOPから一度翻訳
出版されていますが、当時(2000年頃)は、まだ
内容を左右反転印刷していた頃で、主人公・泉新
一の右腕に寄生するミギーも、左腕になっている
がゆえに名前が「Lefty」に変更されました。そう
いうこともあるのか、売れ行きは芳しくなかったよ
うです。
今回のDel Rey版では、現在のトレンドに従って
オリジナル通りの右開きのままで、ミギーもミギー
のままであり、今度こそ正当な評価を受けて欲し
いとの、作品を愛するMiddaugh氏の願いがあ
るようですね。
他にも色々面白い話が聞けますし、Middaugh氏
の英語は比較的わかりやすいので、とってもお薦
めの内容です。
★ここ最近の週刊少年ジャンプの新連載は、ほと
んどスルーで、気づいたら消えていた、という感じ
のものばかりだったんですが、先週から始まった
「ダブルアーツ」(古味直志)は、作風も絵柄も個人
的にはすっごく好みで、久々に楽しみにしています。
基本的に品がいいというか、どこまで描くかという文
体の性格が早々に確立されているので、安心して
読み進められそうな感じです。
参考・asahi.com:津野町出身のマンガ家 古味直志
さん-マイタウン高知



