2008年02月02日

菊地秀行さんの「明治ドラキュラ伝」英語版タイトルについてのトリビア


以前にもお伝えしましたけれど、現在の北米で、
最も売れている日本人エンターテインメント小説
家が、菊地秀行さんになるだろうと思います。
2005年5月から、菊地さんの代表作「吸血鬼ハ
ンターD」シリーズを翻訳出版しているDark
Horse Comics
によれば、第9巻「D−薔薇姫」
が出版された(日本での刊行第9巻「D−昏い
夜想曲」と順番が入れ替わっています)2007年
時点で、その出版部数は10万部に達し、各巻ご
との売り上げも2万部に届く勢いとか。


今年はその勢いを受けて、「D」だけでなく、他の
菊地さんの作品も次々北米で翻訳出版される予
定が組まれており、「D」の新刊とも合わせて並
べると、


1月29日
「Dark Wars The Tale of Meiji Dracula」
(明治ドラキュラ伝〈1〉妖魔、帝都に現る)
 出版社Del Rey紹介ページ

3月26日
「Vampire Hunter D Volume 10: Dark Nocturne」
(D−昏い夜想曲)
 出版社Dark Horse Comics紹介ページ

6月25日
「A Wind Named Amnesia/Invader Summer」
 (風の名はアムネジアとインベーダー・サマー
 の合本)
 出版社Dark Horse Comics紹介ページ

10月
「Wicked City Vol. 1」
(妖獣都市第1巻)
 Seven Seasが2007年7月のアニメエキスポ
 で翻訳権取得を発表。実写版の企画も進行中。
 Seven Seasの発売予定作品リスト


などが現在確認出来ます。
20年遅れですが、北米でもかつての日本のような、
菊地作品ブームが起きたりするでしょうか。
菊地さんは、「ライトノベル」という言葉が出来る
前から活動されている作家さんですし、この菊地さ
んの人気が、マンガに続いて北米へ進出しようとし
ている、現在のライトノベル作品群に与える影響と
いうと、よくわかりませんけど。


short_g.gif


これらの菊地作品から、数日前に発売開始され
たばかりの「明治ドラキュラ伝」について、出版社
Del Reyのアソシエイト・パブリッシャーである
Dallas Middaughさんが、Del Reyのブログ
1月30日付け記事
で、ちょっとした裏話を披露
してくれていました。


裏話の内容は、「明治ドラキュラ伝」の英語版タ
イトルをどうするか、というもの。
日本人ならおそらく誰でも、「明治」とタイトルにつ
けば、「明治時代のお話なんだろう」とわかりま
すよね。でも、アメリカにおいては多分無理です。
Dallasさん自身も、Wikipediaで調べるまでは
わからなかったそうですから。
なのでDel Reyの編集部では、アメリカで出版す
るのにふさわしいタイトルについて、色々と考える
ことになります。


まず、Del Reyのマーケティング・マネージャーで
ある Ali Kokmen氏(かつてCPMでもマンガ部門
を担当)からのアイディアとして伝わってきたのが、

「Dracula-san!」(ドラキュラさん!)

というもの。
Dallasさんが直接Kokmen氏に確認してみると、
最後の「!」がとにかく大事なんだとか。
……すみませんKokmen氏、僕にはよくわかりま
せんです。
あれですか、Del Reyで一番の売れ筋マンガであ
る「Negima!」(魔法先生ネギま!)とか、ADV
Mangaで唯一の売れ筋である「Yotsuba&!」
(よつばと!)みたいに、最後に「!」をつければヒット
する、という考えでしょうか。むむ。


当然のことながら、その案は速攻却下されたら
しく(笑)、やがてDallasさんは、吸血鬼の戦いと
いうことで「Blood Wars」というタイトルを思い
つき、日本の出版社である講談社を通して、作者
の菊地さんにお伺いを立てます。
残念ながら菊地さんは、「Blood Wars」を気に
入らなかったそうなんですが、代わりにと菊地さん
から伝えられたタイトルが「Dark Wars」です。
英語版の表紙にもマッチするということで、それ
で決定となりました。


この経緯でわかるのは、アメリカ側の出版社がちゃ
んと筋を通して、タイトルの変更・追加についても、
作者の菊地さんに連絡をしてくれている、というこ
とですね。そういう契約なのかもしれませんが。
日本製のアニメ・マンガが海外で販売される時に、
勝手にとんでもない題になっている、というよう
なことがよくありましたが、菊地さんの小説につ
いては、その辺の管理がしっかりしているようで、
とても安心しました。
菊地さんの小説のタイトルは、色々と翻訳が難し
そうなものも多いですけれど、こうやって、作者
ご本人と連絡を取っての承認を経ていくのなら、
お墨付きということで大丈夫というか、逆に楽し
みになっていきそうです。


それにしても。
もし、「Dracula-san!」(ドラキュラさん!)の案
が採用されてしまって、しかもそれがヒットして、
以降の菊地作品は全てそのスタイルで行くこと
になったりしてたら、「魔界医師メフィスト」とか
「魔界都市ブルース」なんかの人気シリーズも、

「Mephisto-san!(メフィストさん!)」
「Setsura-san!(せつらさん!)」


とかにされてしまってたんでしょうか(笑)。
「トレジャー・ハンター」シリーズは「Dai-chan!
(大ちゃん!)」






posted by mikikazu at 08:41 | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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