2008年01月21日

"Answerman"Zac Bertschyさんインタビュー at ポッドキャストAnime Today


アイオワ州のオンラインストアRight Stufが隔週で
配信しているポッドキャストAnime Todayの最新
エピソード(第58回)
のゲストは、情報サイトAnime
News Network
の人気コラム「Hey, Answerman!」
の回答者として知られる(ANNのエグゼクティブ・
エディターでもあります)、 Zac Bertschy(ザック・
バーチー)さんで、2007年度の北米アニメ市場・
ファンダムの動向、そして2008年度の展望など
について語ってくれていました。
Zacさんによる、ポッドキャストへのロング・イン
タビュー出演というと、フロリダ発のAnime World
Orderの、2006年8月29日配信回(第32回)でも
ありましたので、そちらもどうぞです。
番組における、Zacさんへの質問とその回答を
駆け足でまとめると、


short_g.gif

PART1(7分5秒〜17分27秒)

Q1.「2007年度北米アニメ市場における成功
作と驚きは」


全般に低調だった北米市場で成功作といえる
のは「アフロサムライ」くらい。
驚きは、これまで北米では売れないとされてき
た「萌え」作品の「Air」をADV Filmsが獲得し、
そしてそのセールスが好調だったこと。ADVの
プロデューサーであるDavid Williams氏によ
れば、ちゃんと利益は出ている。その勢いは
「Kanon」にも続きそう。
「涼宮ハルヒの憂鬱」も、英語吹替を担当した
Bang Zoom!からの、「期待には届かなかった」
という意見はあるものの、それなりに売れた模様。
それらの、「萌え」作品の好調が驚き。


Q2.「『萌え』作品とは何か?」

保護欲をそそる、妹のような女の子を中心した
作品?


Q3.「メインストリームと、スーパーニッチ市場
 の違いは?」


そういった区別は以前からあって、現状でより大
きなファン層の区分は、ちゃんとお金を払って作
品を購入するファンと、ただ無料で見るだけで済
ませてしまうファンであり、2007年度は、後者の
ファン層が急激に増大した時期だった。


Q4.「新たなアニメの流通方式について」

2007年度は、これまでのDVD販売というビジネス
方式がもはや成り立たず、広告付きのストリーミ
ング放送や、ダウンロード販売といったものに移
行しなくてはならないと業界が確信した年。
ただし、市場構造を大きく変える試みがなされた
とはいえず、それは今年度の課題。


Q5.「iTunes Digital Copyがアニメ業界に与
 える影響について」


DVDをまず購入しなくてはならない以上、そもそも
DVDが売れなくなっているアニメ市場においては
あまり影響はないだろう。


Q6.「DVDをプレスして出荷するのに必要な時
 間すら『リリースに時間がかかり過ぎる』と批
 判するファンについて」

日本での放送直後に、無料で、かつ広告もなく
誰にでも見られるファンサブがある限り、そうい
う不満はなくならない。
北米のファンは、その状況にもはや慣れ過ぎて
しまっており、無料のファンサブを諦めるという、
ファンの側からの自発的な改革も望めない。
だから、ビジネスを成り立たせようと考えたら、
業界側のみが努力するしかないのが現実。


PART2(27分10秒〜48分49秒)

Q7.「2007年度から多く試みられた、新作の
 DVDボックスセット販売に対する、ファンの
 反応は?」


アメリカのテレビシリーズと同じような価格帯に
近づく売り方は歓迎している模様。ライセンス料
や吹替予算など、アメリカのソフト会社側の事情
などは、買う側にはどうでもいいこと。安くて多く
見られる方がいいに決まっている、という意見が
主流。


Q8.「バンダイビジュアルUSAのビジネス方針
 について」


完全な失敗。アメリカの市場は日本の市場とは
違うということを理解出来ていない。
現在は流通会社も失っているが、そんなやり方
を続けるBVUSAと、契約を結ぶアメリカの流通
会社は存在しないだろう。


Q9.「北米ファン間でのトレンドに変化は?」

「萌え」作品の人気が高まりつつある?
それ以外には、「NARUTO」「Bleach」といった
少年アクションや、「Hellsing Ultimate」の
ようなダーク・アクションに人気がある傾向が
相変わらず続いている。


Q10.「日米のファン間での好みの違いはある?」

日本のアニメファン間では、「ハルヒ」「Air」
「Kanon」といった「萌え」作品が大きな人気を
博している一方で、アメリカでは、やはりアクショ
ン主体の作品が引き続き高い人気がある。
例えば「Black Lagoon」などはアメリカでの方が
評価が高かったようだし、「Hellsing Ultimate」
も明確に北米市場受けも意識して製作されている。


Q11.「消えつつあるジャンルは?」

巨大ロボット物。「萌え」に取って代わられつつ
ある、「マジカノ」の様なハーレム・コメディ。


Q12.「『萌え』の次に流行りそうなジャンルは?」

まだ見えてこない。
2007年度だと、「パプリカ」以外に独創的と呼べる
作品はなかった。


Q13.「コラムを執筆している数年間で、北米ファン
 の気質・種類に変化はあったか?」


アニメが好きでファンであれば、無料で見る権利
があると、当たり前に考える世代が増大しつつある。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」はお金を払って
見るのに、アニメならタダでも構わないと考える
ような。対価を支払わねばならないと指摘すると、
逆に怒り出すくらい。


Q14.「2008年度の期待作は?」

ゲームと連動した「デビル・メイ・クライ」。
内容的には、よっぽどのハードコア・ファンで
ないと理解するのは難しいかもしれないが、
「ハルヒ」の勢いを受けて、きっと「らき☆すた」
もヒットするだろう。


Q15.「アメリカのファンがアニメ業界に対して
 出来る、建設的な貢献とは?」


ビジネスを理性的に理解すること。
作品を作った人、それを売っている人に利益を返
さないと、ビジネスは成り立たず、作品も作れなく
なってしまうのだから。


Q16.「アメリカのファンにメッセージを」

北米で無料視聴出来る地上波のテレビ番組にし
ても、CMがついているからこそ、作り手に利益が
還元され、ビジネスとして成立している。
だから、アニメの無料配信に広告が入っていた
としても、それで文句を言ったりはしないように。
作り手に「返す」ということを忘れてはいけない。


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という感じでした。
アメリカのファンからの自発的な改革はもはや
期待出来ないと諦念しつつも、ビジネスを理解
して欲しいと何度も懇願しなくてはならないZac
さんの立場が難しいところです。
本年度に本格化するという、DVD以外の流通展
開が、どれだけ上手くいくでしょうか。





posted by mikikazu at 08:37 | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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