12月7〜9日にかけてニューヨークで開催されて
いたNYAF-New York Anime Festival(公式
サイト)についての各所のレポートを、ぼちぼち
読み始めています。
まず目を引いたのは、NYAF内イベントではありま
せんが、その開催の前日である6日に、コミック・
アニメ・ゲーム業界情報サイトICv2が主催したビ
ジネスコンファレンスの模様です。
(参考・ICv2 10月22日付け記事その1、その2
アニメ!アニメ! 10月23日付け記事)
「ICv2 White Paper -- Anime and Manga」
「Marketing to the Otaku Generation」
「Girls--The Other Half of the Otaku
Generation」
「Technology and the Otaku -- The New
Media Frontier」
と、それぞれ題されたセッションのひとつ、
「ICv2 White Paper」では、ここ数年の北米で
のマンガ・アニメ市場の推移が、具体的な数字
と共に語られていたようなので、そのデータ部分
だけを引用してみたいと思います。
(ソース・Anime News Network 12月7日付け
記事――
「ICv2 Conference on Anime and Manga -
ICv2 White Paper」)
・北米でのマンガ市場
2002年――6000万ドル(約67億円)
2003年――1億ドル(約111億円)
2004年――1億3500万ドル(約150億円)
2005年――1億7500万ドル(約195億円)
2006年――2億ドル(約220億円)
・北米でリリースされたマンガ巻数
2005年――1088巻
2006年――1208巻
2007年――1468巻
2008年――1731巻(予想)
・北米のアニメDVD市場(劇場での興行収入
やテレビ放送権は含まず)
2003年――5億5000万ドル(約614億円)
2004年――5億ドル(約558億円)
2005年――4億5000万ドル(約500億円)
2006年――4億ドル(約447億円)
2007年――さらに減少傾向
・北米でリリースされたアニメDVDのタイトル数
2001年――439
2002年――562
2003年――727
2004年――733
2005年――756
2006年――617
2007年――500越え程度?
という数字が示されたようです。
ちなみに日本国内でのマンガ・アニメ市場の大
きさは、マンガ――5000億円・アニメ――1200
億円(2005年)くらいですね。
2003年から2006年の3年間で、倍の規模に成
長し、さらに拡大を続けるだろうマンガ市場に対
し、同時期のアニメDVD市場は下降傾向にある
ことが、このデータで明確に見えると思います。
ただし、劇場公開されたアニメ作品のDVDにつ
いてのセールスは好調で、またテレビでの放送
数についても、5チャンネル・18作品だった2002
年に対し、2007年は11チャンネル・38作品に増
えている、という数字もあるようです(地上波放送
に限っていえば、減っているのでしょうけれど)。
また、記事中では述べられていませんが、昨年
から今年にかけて本格化した、各社による有料
ネット配信がどれだけ業績をあげているのか、
ということもありますよね。
各社のパネルでの発言を読むと、Viz Media・
FUNimationは順調、Bandai Entertainment
はあまりぱっとせず、という感じで、高過ぎると
当初から不評だった価格(4.99ドル)を、他社
並みの1.99ドルに下げたバージョンでの配信
も余儀なくされたADV.Filmsも、上手くいって
いない側に入るでしょうか。
それとNYAFの3日目には、公式サイトも繋がら
なくなって倒産の噂もあった、Central Park
Mediaの社長John O'Donnell氏がパネルに
登場し、CPMの健在をアピールしていたのには
安心しました。当面は新規のライセンス作品もな
く、旧作の廉価版再発で糊口を凌いでいくしか
なさそうですけれど。
でも、パネルの参加者にあらかじめ袋を渡して
おき、終わった後、「じゃあCPMのブースに行っ
て、その袋に入る商品を好きなだけ持っていっ
ていいから」とまで言ってしまう大盤振る舞いは、
気前がいいというよりは、最後のヤケって感じ
がしますよねえ……。←縁起でもない
当然CPMのブースには、100人余りのファンが
殺到し、その混乱を収めるために、NYAF主催
者側は、追加のスタッフ・警備員まで呼び寄せ
る騒ぎになったそうです。

