2005年09月14日

「舞-HiME」第22話


さらに引き続きテレビアニメ「舞-HiME」第22話
「くずれゆく......」
を観ました。
まず、公式サイトのストーリー解説文章から引用し
ますが、

「自分に関われば、そんな悲劇が待ちうけている。
だから二度と近づかないで欲しいと冷たい態度で
祐一を突き放す舞衣」

「舞衣の決断、それは黒曜の君の思惑に乗り、最
後までHiMEとして戦う運命に従うことだった」

という2つの舞衣さんの決意は、HiMEバトルのル
ールを考えると、両立させることは原理的に困難
だと思います。
自分の「大切な人」の命を賭けなければ、チャイル
ドを召喚してHiMEバトルに参加することは出来ない
のですし、巧海クンでも楯クンでもない第三候補
が、さらに繰り上げられて舞衣さんの「大切な人」
の座に置かれたわけでもありません。


ルールが機能していることは、「大切な人」であっ
た筈の母親への思いが揺らいでしまったなつきさ
んが、自分のチャイルドであるデュランを召喚出来
なくなってしまったという、静留さんへの告白によっ
て示されていますし、舞衣さんが引き続き彼女のチ
ャイルドであるカグヅチを召喚出来るということは、
彼女が誰か「大切な人」の命を賭けてしまっている
こともまた示しています。
なので、「祐一への想いが自分のなかにあること
に気づいてしまった舞衣」という、現状の彼女が
HiMEとして戦うことは、楯クンの命を賭けることに
なります。


「あたしの想いが祐一を殺すから」と、楯クンから
離れつつも、巧海クンや、死んだと思っている命ち
ゃんを取り戻すために、楯クンの命を利用してHiM
Eバトルに参加しようとしている舞衣さんの姿は、ダ
ブルスタンダードというよりも、ただ混乱しているよ
うにしか映りません。
今の舞衣さんに、理性的な判断を求めるのは酷とい
うものですけれど、実は今回の舞衣さんの言動には
さらにしたたかな裏があって、HiMEバトルに参加す
ると思わせつつも、本命は黒曜の君である……とい
う可能性はないでしょうか。


short_g.gif


この「舞-HiME」という作品を読み解く上での、僕的
なキー・ポイントは、HiME達がHiMEとしての真の力
を得るためには、他人の力=命を必要としつつも、
その他者との関係性までは求められていない、とい
う設定になります。
自分の命を賭けさせるのですから、HiMEからの「大
切な人」としての指名を受け入れる覚悟に至るドラマ
は、当然それなりの深みを備えます。
描写の絶対量は不足していましたが、巧海クンと晶
クンの関係は、その域に達していましたよね。結末
は悲し過ぎるものでしたけれど……。


でも、表向きの設定では、HiME達は「大切な人」の
指名に際して、相手側からの承認を必要としません。
極端な話、関係性すら構築していない、片想いの相手
でも構わないのです。
今回のシスター紫子との会話で語られましたが、碧さ
んの「大切な人」は、彼女の想いにも気づいていない
そうですけれど、それでも碧さんはHiMEとしてチャイ
ルド・愕天王を召喚出来るし、また愕天王が敗れれば、
その「大切な人」の命も奪われてしまうわけです。
碧さんには悪いですけれど、それって、知らない内に
一方的に指名されて、殺されてしまう「彼」にとっては、
とんでもなく迷惑な話だと思います。


相手からの「愛された」という相互承認も、結婚パー
トナー・シップのような社会的な承認も関係なく、想
いはただ自分という「個」の中にとどまったまま、
激突を繰り返す……。
HiMEという強大な力は、逆に彼女達がどこまでいっ
ても、自分という枠の中の「個」に過ぎないことを強
調するために用意された設定かもしれないと、今は
考えています。
そしてそのことが最も端的に象徴されたのが、今回
の静留さんだったと思います。


そういう意味で考えていくとこの「舞-HiME」は、設定
こそファンタジックですけれど、やはり正面から、個と
しての人間のドラマを描こうとしている作品なのかも
しれませんね。その終着点が「限界」なのか「可能性」
なのかは、まだわかりませんけれど。
運命という、残酷な全体状況の中で、他でもない自分
が何を出来るのか、そのために賭けてしまっている他
人の命への、贖罪の方法などはあるのか。
それぞれのHiMEの答えを、見守りたいと思います。
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