昨日はちょっと余裕がありませんでした。
それはともかく、引き続きテレビアニメ「舞-HiME」
は、第21話「黒き君、目覚めるとき」です。
前回の感想で、
「巧海クンを大切な人と設定してある舞衣さんが、
HiMEとしての能力を失わなかった描写により、
『HiMEとして戦うためには、自分の大切な人の命
を賭けなくてはならない』というルールが、はっき
り嘘であると示された」
と述べたのですが、その可能性も残しつつ、神崎
黎人氏の誘導的な言葉によって、違う解釈も可能
だと思いました。
それはつまり単純な、「大切な人」第一候補が、
何らかの理由で命を失った場合は、「大切な人」
の第二候補がその立場を埋める、というシステム
があるということですね。
少なくとも、舞衣さんがHiMEとしての運命を受け
入れた第3話の時点で、彼女の「一番大切な人」が
弟の巧海クンだったというのは間違いないですし、
その後紆余曲折のドラマはありつつも、「一番」の
座は揺るがなかったように、視聴者としての僕に
は思えました。
その巧海クンを失ってなお、舞衣さんはHiMEでい
られたのですから、語られたルール自体が嘘か、
第二候補が繰り上がるような、補完システムが存
在する、というのが僕の物語解釈になります。
申し訳ないですが、いつの間にか第一候補に繰り
上がっているほどの価値を、楯クンにはまったく
感じませんので。
とはいえ舞衣さんは主役ですから、今後の彼女が、
第二候補でしかなかった人物を媒介として活躍す
るというのも、なんだか気が抜けるというもので
すし、やはりルール自体が嘘であった方が、ドラ
マとしては牽引力が生まれます。
また、今エピソードでは、なつきさんの母親の、
死の真相という情報が(真情報かどうかは別にし
て)示されたわけですが、なつきさんがその情報
にショックを受ける以前の問題として、母親の他
に「大切な人」の当てが全く存在しないなつきさ
んが、HiMEとして活躍出来ているのだから、理屈
上母親は存命していなくてはならない、という考え
は、これまで作中で語られたことがあったかな、
とふと思ってしまいました。
「HiMEの力を得るためには大切な人の命を賭け
なくてはならない」というルールを知っているなつ
きさん自身が、自分のHiMEとしての力の源につ
いて、「では大切な人のいない自分は何故HiMEで
いられるのだろうか」と考える場面はあったでしょ
うか……。彼女の主観的には、そのルールが全く
の嘘にも思えないように、目撃経験が配置されて
いましたし。
あるいは、「自分は大切な人がいなくても戦える、
例外のHiMEだ」とする根拠が示されたことはあっ
たでしょうか。思い込みでもいいですけど。
母親の死の真相に驚くなつきさんの姿は、つまり
彼女が母親の死を信じていることを示しているわ
けですが、そんな彼女の存在は、母親の死を事実
だと仮定すると、HiMEバトルのルール自体の嘘の
証明にもなります。
逆に、舞衣さんの考察において考えたように、
「大切な人の命を賭けなくてはならない」という
ルール自体が嘘であったら、なつきさんの母親の
生存も必然ではなくなってしまうわけです。
まとめると今話は、「HiMEは大切な人の命を賭け
ている」というドラマを成立させる前提を、曖昧に
してしまう2つの情報が並列して語られたという点
で、非常に混乱したエピソードだったと思います。
混乱しているから駄目、ということでは全然ありま
せんけど。
舞衣さんの心情を理解するには、「大切な人」の第
二候補への差し替えという、ルールの適応範囲を新
たに想像しなくてはなりませんし、なつきさんのショ
ックの前提(母親の死)は、ルールに従うと、なつき
さんのHiMEとしての能力を否定してしまうのですから。
それぞれのキャラクターは魅力的なのに、僕の作
品を見つめる視点がどうしても1歩退いてしまうの
は、述べてきたように、根本設定に対してのミスリ
ードを狙っている(かもしれない)描写が多過ぎる
ので、「騙されてはいけない」と、つい構えてしまう
からでしょうね。
素直じゃなくて、すみません。
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