先にひとつ報告を。
10月31日付け記事で紹介した、英語版「吸血鬼
ハンターD」の翻訳者であるKevin Leahy ケビン
・レーヒさんから、丁寧なお礼のメールをいただ
きました。
ご本人に喜んでいただけたのなら、僕としても嬉
しいというか、伝えた甲斐があったというものです。
あれですね、それこそ「D」がハリウッドで映画化
されたら(話はあるようです)、さらに「D」の英訳本
も売れて、まあ既に日本で稼いでおられる菊地さ
んはともかく(笑)、レーヒさんにも尽力されただけ
の報酬が届けられて欲しいとか、つい夢想してしま
いますね。
本題です。
Ed Chavezさんによるマンガ情報ブログMangaCast
で注目しているのが、PeaReaさんという方による、
インドネシア共和国での、マンガをめぐる状況を伝
えてくれる連載投稿エッセイです。
What Manga is Like in Indonesia - Part I:History
Part II: Issues around Publishing
Part Iでは、インドネシアにおけるマンガ作品の
大ブレイクとなった、90年の「キャンディ・キャン
ディ」以降の、マンガ出版業界の歴史を解説し、
20日付けで投稿された続くPart IIは、その市場
が直面している問題点を紹介しています。
Part IIIでは、マンガがインドネシア社会に与え
ている文化的影響や市場規模がテーマになるそ
うです。
98年のアジア通貨危機の際には、出版数の減少
と価格の上昇を余儀なくされたようですが、2002
年以降の市場は、好調が続いているとか。
現在でのマンガ単行本の価格は、12000〜15000
ルピア(1.29〜1.61米ドル)くらいで、マンガ雑誌
は20000〜22000ルピア(2.15〜2.35米ドル)。
出版数は毎月10〜30タイトル、多い時は70タイト
ルにも達するそうですね。
市場全体は上向き基調にあるものの、多くの問題
を抱えているのも事実で、ひとつの出版グループ
による印刷・流通ラインの寡占状態のために、中
小出版社作品がなかなか入手しづらい状況(群島
国家という事情もあります)とか、他の国と同じスキ
ャンレーションなどが挙げられていますが、PeaRea
さんが特に行数を割いて語っているのが、海賊版
問題ですね。
インドネシアでは、まだまだ各地域でネット回線は
速度が遅く、利用料も高いので、ネット経由のスキ
ャンレーションよりも、印刷された海賊版マンガの
方が幅を利かせているそうです。
きちんとした手順を踏む正規出版よりも、はるか
に早く出回ってしまう、クリエイターに利益が還元
されない、といった海賊版全般の問題に加えて、
独自の事情として伝えられているのが、正規版な
らある筈の、マンガ作品の選別や検閲・修正がな
いことによる悪影響です。
インドネシアは多民族国家であり、宗教も地域に
よって様々のようですから(多数派はイスラム教)、
現地の出版社も、権利を持つ日本の出版社側と
綿密に話し合いをして、倫理的に出版しても大丈
夫かどうか、作品とその中の描写をチェックし、
必要なら修正を加えた上で、発売します。
けれど、海賊版はそんなことなどお構いなしです
から、日本で発売された作品は修正もせず、どん
どんと印刷して売りさばいてしまう。
特に性的なものが多くなるようですが、日本では
許されても、インドネシアでは物議を醸しかねな
い作品・描写もそのままなわけです。
当然、子供の親やメディアが、「こんな物を売る
なんて」と批判するわけですが、批判しようにも
海賊版業者が丁寧に連絡先を教えてくれるわけ
もないですから、批判の矛先は、MANGA全般の
イメージに向けられてしまうのですね。
違法な海賊版業者のために、合法的なビジネスを
しようとしている正規の出版社・マンガ関係者達が、
汚名をかぶっているのです。
これが、インドネシアでマンガがもうひとつ大きな
成功をおさめられない原因のひとつだと、PeaRea
さんは指摘しています。
これは僕の私見ですが、海賊版を正当化するファン
(←ファンとは呼びたくないですが)の言い分として
も、「正規出版されるマンガは、出版社によって検
閲・修正されてしまっている。作者をリスペクトして
いる真のファンである自分達は、作者が本来意図
していた形のままの、修正のない海賊版で読むの
だ」というものがあるのだろうと想像します。
アメリカで、日本のアニメが酷く改変されて放送され
た時にも、ファンサブ必要論として、同種のことが主
張されていましたし。
残念ながら、海賊版マンガを取り締まるのは困難な
のが現状だということで、世界第4位の人口を誇る
国だけに、進出したい日本側としても、なかなかに
難しい市場になってしまっているだろう――というの
が、PeaReaさんの報告のまとめでした。
次回のレポートも、楽しみにしています。
★ミルクとこまちさんという、初めての組み合
わせですけど上手くまとまった寸劇感想、楽し
く拝読させていただきました。
こういう風に、色んな組み合わせのやりとりも
想像し楽しめるのが、レギュラーの増えた「プリ
キュア5」という作品の魅力のひとつですよね。
……で、こちらとしてはココ×ナッツになって
しまいそうだったんですが、書いてみるとただ
ココがひたすらにお説教されているだけで、
考えてみれば、人をお説教出来る立場などで
は全くない自分が、キャラの口を借りて喋らせ
るのも傲慢と感じて、ボツにしました。ごめん
なさいです。
あ、仰るようにりんさんとうららちゃんのツー
ショットは、見たかった微笑ましさを満喫出来
ました♪