第37話「ココのヘルシー大作戦」を見てみました。
例によって例のごとくなので(以下略)↓
まあ、それぞれの作品の寸劇・SSの中では、一回は
やっておかないといけないシチュエーションですし。
ほら、「アカイイト」の頃からの伝統なので。
本編ストーリーの教訓とかは忘却の彼方ですが(笑)。

うらら 「この辺のベンチでいいでしょうか。ちょうど
川の流れが見渡せる場所ですけど」
のぞみ 「いいね。じゃあ、さっそく座ろう?」
うらら 「はい! もう少しすれば、夕陽で川面が綺
麗に輝きそうです」
のぞみ 「風もまだ気分良く涼しいって感じだし。
……で、何を私に見せたいの? うらら」
うらら 「放課後に付き合ってもらってすみません
でした。実は、見せたいだけというわけで
はないんですけど……」
のぞみ 「うわ!うわわ! クッキーだ! それもこ
んなにたーくさん! ひょっとして、これみん
な、うららの手作り?」
うらら 「はい! 頑張っちゃいました♪ 先日の、コ
コさんのための献立をお手伝いしながら、私
も今度はまた自分だけで、何かお菓子を作っ
てみようと思いついたんです」
のぞみ 「すごいよー、うらら! 1人で全部やっちゃ
うなんて!」
うらら 「あ、でも難しいのは無理でしたから、簡単
で美味しく出来そうなクッキーにしたんです。
チョコレート・チップにレーズン、刻んだアーモ
ンドをそれぞれ入れたのと、プレーンな味とコ
コア味のものに挑戦してみました。砂糖は控え
目ですけど、甘さは十分だと思います」
のぞみ 「えっと、これは……ぜんぶ私のために?」
うらら 「はい、もちろんです! のぞみさんのため
に、気持ちをこめて焼きました。見かけは悪い
ですけど、お味の方はなんとかなったかなって
思います……」
のぞみ 「嬉しいよ、うらら! 今日は私の人生で一
番素敵な日にけってーい!」
うらら 「そこまで喜ばなくても……(苦笑)。もっと素敵
なことを、これからものぞみさんとは一緒に経
験していきたいですし。では、どうぞ召し上がっ
てください。紅茶も用意してます」
のぞみ 「じゃあ、いただきます! もぐもぐ……」
うらら 「……ど、どうでしょうか」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……のぞみさん?」
のぞみ 「もぐもぐもぐもぐも……うぐっ! の、のどに
つか*@+#!」
うらら 「いけない! 紅茶をどうぞ! そんなに熱過
ぎないはずですっ」
のぞみ 「ぷはー。ちょっと慌て過ぎだったかも」
うらら 「大丈夫ですか? ――それで、お味の方は
どうでしょう」
のぞみ 「美味しいよ、すっごく! 食べるのに夢中
で感想すぐに言えなくて、ごめんね。でも、
甘さ加減もちょうどいいし、サクサクとした
歯ざわりも、舌の上でほろりとする焼き具合
も最高!」
うらら 「やったー! のぞみさんにそう言ってもらえ
ると本当に嬉しいです。安心しました」
のぞみ 「私は食べているだけなのに、そんなに喜ん
でもらえるのは不思議だよ?」
うらら 「いえ。お母さんのカレーを作った時もそうだっ
たんですけれど、自分の作った料理を喜んで
食べてくれている人の顔を見ると、やっぱり幸
せな気分になりますから」
のぞみ 「わかる気はするよ。あ、でも私ばっかりじ
ゃ悪いから、うららもつまんでね」
うらら 「私はたくさん味見しましたし……。少しなら
いただきますけど、ぜひのぞみさんがどうぞ」
のぞみ 「そう? なんか悪いけど……。ではどんど
んいただくね! もぐもぐ……」
うらら 「どうぞごゆっくり。うふふ……」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……」
のぞみ 「もぐもぐ」
うらら 「……すぅ……」
のぞみ 「もぐもぐもぐ……、ん? うらら? あ、
寝ちゃったの……?」
うらら 「……」
のぞみ 「うん……。学校にプリキュアにアイドルに、
すっごく忙しいはずのうららが、わざわざ時
間を割いて作ってくれたんだもん。無理して、
疲れているのも当然だよね。きっと何度も失
敗したんだろうし……。
よし、今だけ私の膝を貸してあげるね、うら
ら。膝枕膝枕っと」
うらら 「……のぞみさん……」
のぞみ 「寝言? ふふ、私の夢を見てくれているの
かな? ついでに頭も撫で撫でしちゃうぞ」
うらら 「……き、です……」
のぞみ 「クス。なんだかお母さんになった気分か
も。私でいいのかわからないけど……。うん、
うららの気持ちに応えるためにも、このクッ
キーは全部私が平らげてあげるから!」

りん 「……で、2人してそのまま川岸のベンチで
眠り込んでしまって、気がついたら、もう日は
とっぷり暮れてしまっていたと(怒)」
のぞみ 「えへへ……。お腹いっぱいになったら、私
もなんだか眠くなっちゃって。ほらえっと、春
眠なんとかを覚えずってやつ?」
りん 「季節がちがうでしょっ! まったく、日が暮
れても帰宅していないって2人の家から連絡
もらって、私達がどれだけ心配して探し回った
か、わかってる?」
のぞみ 「はい……。ごめんなさい」
りん 「コワイナーとかだったら、ココとナッツに
はわかるから、そっちの心配はあまりしてい
なかったけど、かれんさんなんか『2人で駆
け落ちかしら』なんて真顔で言い始めるし、
こまちさんも『それは素敵な愛の逃避行物語
になるわね♪』とか、あっちの世界に行っち
ゃいそうになるし、大変だったんだから」
のぞみ 「それは考え過ぎだよー。ただ、うららと2
人でお菓子食べてただけだもん」
りん 「もう、あんたの食い意地だけは……。
……その、そんなに手作りのお菓子が食べた
いんだったら、私が出来る時になら作ってあ
げるから」
のぞみ 「ほんと!」
りん 「そんなに目を輝かせないの。でも作る時は
のぞみも一緒にね」
のぞみ 「えー」
りん 「えー、じゃなくて。こういうことも覚えとかな
いとね。それに2人で作った方が、きっと楽し
いし、美味しくなると思うから」
のぞみ 「まあ、りんちゃんと一緒なら、いいかも」
りん 「私だってのぞみの喜ぶ顔を見たいから、の
ぞみに食べてもらうために頑張って作るよ?」
のぞみ 「じゃあ、私も私のためにってことで……」
りん 「却下です!!」
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