26日付のFOXNews.comに、「Japanese Comics
Invade; Can They Conquer?」と題した記事が
掲載されていました。
記事内容は、アメリカでの日本マンガ・アニメ作品
の人気の解説と、それに反した、アニメ及びアニメ
・スタイルの作品の、劇場映画部門での不人気
(「Pokemon」映画の大ヒットはなかったことにして
いるようです)を伝えるものですね。
その記事の中で久々に、ワーナー・ブラザーズが映
画化権を保有している、実写版「AKIRA」のことも
少しだけ話題にされていました。
とはいえ、特に進展を示すものではなく、マンガ作
品の実写化の難しさを象徴する例として、
「somewhere in development hell」(まだディペロ
プメント地獄のどこかだろう)と述べられているの
みでしたが。
(「ディベロプメントDevelopment」――映画製作
の第一段階で、どういう映画にするか企画を大ま
かにまとめ、脚本の初稿くらいまでは仕上げる。
ここでちゃんと形にしないと、撮影のゴーサインも
本格予算も出ない。ほとんどの企画がこの段階で
消えていく)
よい機会なので、ハリウッドで実写化の企画が存
在しているとされる、日本アニメ・マンガのリストの
改訂版を、ブログに移ってからは初めてなので、
今日また紹介しておきます。

「AKIRA」(ワーナー・ブラザーズ)
・「キャットウーマン」の監督Pitof氏による脚本第
1稿が仕上がるが、原作者の大友克洋氏によっ
て却下され、リライト中。
「Domu(童夢)」
・同じく大友氏原作コミックの映画化。
「ブレイド2」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ
監督がかねてより映画化を熱望するも、映画化
権を巡る日本側との法的交渉が難航。
実際に製作を始められるのも、ギレルモ監督が
「ヘルボーイ2」を終えた、2007年以降になりそう。
「Battle Angel Alita(銃夢)」
・天下のジェームズ・キャメロン監督が、映画化を
公言。2007年には公開したいとのことでしたが、多
忙のキャメロン氏には他にも色々と企画があって、
確定するにはもう少し時間がかかるかも。
「DragonBallZ(ドラゴンボールZ)」(20世紀F
OX)
・カーク・ウォン監督の「ビッグヒット」(98年)など
を手がけた脚本家、Ben Ramsey氏がFOXと、50
万ドルで脚本執筆を契約。
「Speed Racer(マッハGO!GO!GO!)」(ワー
ナーブラザーズ)
・初期の案では予算が高くなり過ぎで、プロジェ
クトは停止していたのが、ガス・ヴァン・サント監
督によるリメイク版「サイコ」(98年)でノーマン・
ベイツを演じた俳優、ヴィンス・ボーン氏が提出
した、アクションを減らしてドラマに重点を置く、
より低予算のプロットが受け入れられて、現在
製作準備中。
ボーン氏はエグゼクティブ・プロデューサーとして
関わる他、主人公を助ける謎の人物レーサーX
としても出演予定。
「ASTRO BOY(鉄腕アトム)」(ソニー)
・「サムライジャック」のゲンディ・タルタコフスキ
ー氏が監督に決定。
オリジナルに忠実なスクリプトを書き終えたばか
りで、映像の80%がCGIになるとか。
ただし、テレビアニメ「アストロボーイ/鉄腕アト
ム」の失敗で、製作は微妙かも?
「NEON GENESIS EVANGELION(新世紀エ
ヴァンゲリオン)」
・GAINAXと、アメリカのADV Films、ニュージーラ
ンドの特殊ビジュアル専門スタジオWeta Workshop
による共同プロジェクト。
ふさわしい監督を現在も物色中で、候補は7〜8人
いるとか。
「エヴァ」の実写映画版については、「 - NGE Eva -
Live Action Movie」が情報収集をずっと継続して行
っています。いつか報われるといいですね。
この秋からの、Cartoon Networkでのアニメ版放送
が、企画進行の追い風になるかも?
「MONSTER」(ニューラインシネマ)
・浦沢直樹氏の人気コミックを、ジャンル系には
強い大手映画会社ニューラインシネマが映画化を
企画中。
原作はいまだ北米では未発売なので(ヨーロッパで
は人気。物語舞台からしても当然?)、知名度という
点ではどうでしょう。
ようやくに今年10月から、刊行が始まる予定らしい
ですが、このタイミングはメディアミックス展開をふ
まえたものでしょうか。
「Parasyte(寄生獣)」
・岩明均氏原作のマンガの映画化権を、「MONSTE
R」と同じくニューラインシネマが取得。
IMdbでは、「呪怨」の清水崇氏が、既に監督にされ
ていますね。
こちらの北米版コミックは、既にTOKYOPOPから全
12巻が刊行済。
「Kiki's Delivery Service(魔女の宅急便)」
宮崎駿監督のアニメ版ではなく、角野栄子氏の原作
からディズニーが映画化予定。
キキのキャストで、ほとんど評価が決まりそう……。
「Samurai Girl: Real Bout High School (リア
ルバウトハイスクール)」
・「リアルバウトハイスクール」のコミックも出版
している、アメリカ最大手のマンガ出版社TOKY
OPOPが、メリッサ・ジョーン・ハート(「サブリナ」)
を主演にしての映画化を企画中(プレスリリース)。
主演女優のハート嬢ありきの企画なので、主人公
の設定は原作の女子高生から、ハート嬢の実年齢
に合わせた、寿司バーのホステスに変更とか……。
「Witch Hunter Robin」
・これは劇場映画ではありませんが、SF作品専門
のケーブル局Sci-Fi Channelが、実写テレビドラマ
化権をサンライズから取得したと、2004年1月に
発表しています。
2004年か2005年中に放送開始予定とのことでした
が、現在に至るも公式な動きはありません。

と、まあ大体こんなところで。抜けがありましたら
フォローお願いします。
この中で何が実現するかというと……正直わかり
ませんけれど、ドラマ主体で、予算と手間のかか
る特撮パートの少なさそうな「MONSTER」辺りが、
意外にすんなり撮影されたり? キャストも欧米
人主体で組めますし。
主役のドクター・テンマは……、英語で完璧な演
技の出来る日本人俳優さんで、イメージの合う方
というと?
8月28日追記
・結構抜けがありますね。
あと、「Voltron」こと「百獣王ゴライオン」とか
「ラストエグザイル」とか、「ルパン3世」とか、
梅津泰臣監督の「KITE」、向こうで高評価されてい
る川尻善昭監督の「獣兵衛忍風帖」、まだアニメ
自体が出来ていない「アフロサムライ」とかも話が
ありました……。
またいずれ完全版を。はい。