2007年10月20日

「Yes! プリキュア5」第1〜4話、見ました。


というわけで、ようやくにDVDのリリースが始まり
ましたので、「Yes!プリキュア5」(公式サイト)の
第1話「希望のプリキュア誕生!」から第4話
「やすらぎのキュアミント」
までを見てみました。
僕がこの作品をリアルタイムで見始めたのは、
第14話「悩める生徒会長かれん」からであり、
その後夏休みの再放送で、第5話「プリキュア
の資格」
以降のエピソードは補完出来たのです
が、結局第1〜4話については、未見のままだっ
たんですね。


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この最初期のエピソードを見てみると気づく、作
品の変化のひとつは、声優さんの演技でしょうか。
特にのぞみさんは、まだ全然キャラが固まってい
ないというか、まるで別人のように聞こえます。
キャラ立てのために、不自然なくらい語尾に「もん」
をつけてもいましたが、今ではもうそんなに使い
ませんよね。逆に言うと、使わなくてもいいくらい、
「夢原のぞみ」というキャラが確立されているとい
うことです。
またりんさんも、子供っぽいのぞみさんとの比較
のためか、声のハスキーっぽさが、かなり強調さ
れているような気がします。
それぞれのキャラで声が落ち着くのは、第4話く
らいからでしょうか。


5人体制のフォーマットが固定される前ですから、
作中の空気もずいぶんと違っていて、むしろ新鮮
でした。
目立つのはこまちさんの描写で、かれんさんと並
んで背筋を伸ばし、威風堂々と学内を歩く姿は、
まるでこの2人で学園を仕切っているような雰囲
気がありましたし、バトルの影響を感じて立ち上
がろうとするかれんさんを「授業中よ」と冷静に
抑える落ち着きぶりなどは(第3話)、こまちさん
の方こそ真の実力者……?と思わせる感じもあ
りました。
そんな大人ぶりを受けて、こまちさんはかれんさ
んと同様に、下級生の女の子達からも慕われる
「学校中の憧れの的」という設定もあったようで
すが、これは結局「なかったこと」にされたみた
いですね。
こまちさんの、学内での交友関係はほとんど描か
れていないと思うので(図書委員仲間の存在すら
示されていないような)、そういう部分のお話を膨
らませていっても、かれんさんやナッツからの反
応も含めて、面白かったかもですね。
プリキュアとしての使命と、個人の夢、そして日常
としての学園生活という、三つの要素のバランスが
難しいシリーズだと、あらためて思いました。
まだ1クール分しか見ていませんが、前作「ふたり
はプリキュアSplash☆Star」(ネット配信始まりま
した)は、学園生活パートに重きを置き過ぎて、真
面目ですがやや窮屈な感もあります。


あと驚いたのは、「のぞみさん、お父さんがいたん
だ!」(第3話)ということ。以降は全く登場してい
ない筈ですし、ずっと母子家庭だとばかり思って
いたんですね。公式サイトのキャラクター紹介に
も姿がないですから。
職業が童話作家という設定は、身内に作家がい
るからこそ、作家を目指すこまちさんの夢も、の
ぞみさんは茶化すことなく現実的に受けとめて、
真面目に応援出来たという説明にはなります。
だから、そんなこまちさんとの絡みとかでも、もっ
と活用は出来たかもしれないキャラですが、ここま
で放置されていると、再登場は難しいかな……。
小説の指導役という役どころは、既にナッツが占
めてしまっていますし、逆に本職の作家さんが出
張ってしまうと、自分で小説を書いているわけで
もないナッツの立場が弱まってしまいますしね。


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それぞれのキャラクターが、プリキュアとしての立
場を受け入れていくプロットについては、りんさん
とうららちゃんのそれが、2人とも、パルミエ王国
復活のためとか、悪は許せないといった大きなテ
ーマではなく、ただ純粋にまっすぐに、「のぞみの
ため」というミニマムなものであったのが驚きであ
り、また嬉しく納得もしました。
こまちさんは、「自分の夢を信じてくれたから」とい
う、自己肯定の手順がまずあったので、少し違うと
思います。
プリキュアになる前ののぞみさんと違い、それぞれ
やりたいこと、やらなくてはならないことをたくさん
抱えている彼女達に、さらにプリキュアとしての参
戦理由を与えようとする時に、のぞみという1人の
人物への想いをその核とすることは、個人的意見
ではずっと説得力があって、生の感情移入を喚起
させてくれるものです。


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さらに思ったのは、この初期のわずかな期間だけ
あった、プリキュア3人(のぞみ・りん・うらら)と、
彼女達が関わっているらしい怪事について疑って
いる学園自治側、つまり日常側の2人(かれん・こ
まち)という、対比の構図の面白さですね。
今ではプリキュアとしてのバトルも、完全に日常
の中に取り込まれていているわけですが、そもそ
もプリキュアという立場は、非日常のものである
という視点を、メインのキャラから提供してくれる
ことは、作品のリアリティを多層にしてくれると思
います。状況の観察者としては、増子美香さんも
いますけれど、彼女には、事態に本質的に介入す
る力も立場もありませんから。
もちろん、そういうリアリティがずっと必要かとい
うと、少なくともメインの視聴者層から求められ
ているとは思わないので、早々に現行の語り口
に収まったのは妥当だとも思います。



長くなり過ぎなので、今日のところはこの辺で。
ともあれ、これで作品の全体像をやっと把握出来
ましたから、以後はより正しく作品に向き合ってい
けると思います。
とりあえず気になるのは、第2話で伏線が張られ
ていた、クリスマス話がどうなるか、かな……。


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★いえいえ、本編をどうフォローするのかと思って
いましたから、意外ですけど見事な返し技を楽しま
せていただきました。
そうですね、ではこちらも、「Yes!プリキュア5」の
劇場版は、DVD待ちということにします。

posted by mikikazu at 12:58 | アニメ感想・「Yes!プリキュア5」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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