2007年09月28日

「Yes!プリキュア5」第30話、見ました。


少し間が空いてしまいましたが、「Yes!プリ
キュア5」
公式サイト)は、第30話「ミルク
の決意とみんなの力!」
を見てみました。 
「プリキュア5」とは直接関係ありませんが、
最近ヘビーローテにしてるアルバムが、「五
條真由美ボーカルベストfrom ふたりはプリ
キュアシリーズ!!」
だったりします。
他の「プリキュア」シリーズはどんな感じだった
のだろうと、まず前作の「ふたりはプリキュア
SplashStar」の最初の方を少し見てみたんで
すが、五條真由美さんの歌うED「『笑うが勝ち!』
でGo!」を、絵と合わせて大変に気に入りまして、
この方の歌う「プリキュア」ベストソング集があ
るのならと、聞いてみることにしたんですね。
収録されているのは良曲ばかりで、元気を出
す素として、重宝しています。気分によってチョ
イスは変わりますが、いま一番好きな曲は「プ
リキュアテンションBING BING BANG BANG!」
になるでしょうか。「ガンバランスdeダンス」も
いい感じですけど。OP&EDの曲は文句なしに
全て傑作ですよね。
こうなると、過去シリーズも、全て見ないといけ
なさそう? 


short_g.gif


さて「プリキュア5」第30話本編のお話。
あらためて思ったのが、パルミエ王国復活を
目指すココ達にとって、プリキュアの5人は、
とてもありがたい戦力だということですね。
傭兵としてのギャラはいらないし、装備なんか
も勝手に発生してくれるから、維持費も必要
ない。
そもそも自分達には利害関係のない他人事
なのに、ココ達を助けることを恩に着せるどこ
ろか、各自の心持ちの中で、勝手に「プリキュ
アとして戦うための理由」みたいなものを用
意してくれる。プリキュアとしての資質があ
ることと、その力を用いて戦うことは、全然別
の話ですから。
「美少女戦士セーラームーン」の月野うさぎ
のように、前世が月のプリンセス、みたいな
宿命による縛りがあるわけでもなく、のぞみ
達は全くの自由意志で、プリキュアとしての
立場を受け入れているわけです。
その上傭兵であることから、王国復活後の、
武力貢献を理由にした政治闘争みたいなも
のに関わる恐れもない。
さらに言うなら、彼女達が「伝説の戦士」で
あることで、ココの王位とその統治の正統性
を主張する強力な後ろ盾にもなる。ココが王
としてふさわしい人物だからこそ、伝説の戦
士が助けてくれたという「物語」は、プロパガ
ンダとして、相当に有効でしょう。
ココ達の立場にすれば、のぞみ達に感謝して
もしきれないくらいですよね。


だからこのエピソードのミルクのように、のぞ
みのプリキュアとしての資格を問う言葉は、
本来言ってはいけないものです。
「だったらプリキュアやらない」と言われて一
番困るのは、絶対にのぞみ達のプリキュアの
力が必要な、ミルク達なのですから。
現実にプリキュアに変身し、その能力を使いこ
なしているのですし、夢があるとかないとかい
う、個人の中の事情などは、他人が口出しすべ
きではないことです。夢がないとプリキュアに
変身出来ないのなら、ミルクの批判にも一理あ
りますが、実際はそうではなく、ミルクは「プリ
キュアはこうであるべき」という、自分の勝手な
幻想をのぞみに押し付けているだけのことです。


そういうミルクの幼さゆえの言動が起因となる
今回のストーリーは、言ってみればマイナスか
ら始まるお話です。
それがゼロに届いて「地固まる」の状況に届く
種類のお話は、劇中でも、過去のりんさんとかれ
んさんの対立が引き合いに出されていたように、
本当なら、もっとシリーズ初期の、キャラの関係
性を築いていく時期に語られるべきです。
もちろんミルクは途中参加組ですから、時期が
遅くなるのは当然ですが、「のぞみとミルクの
揉め事→和解」という展開自体が、既に第23〜
24話の中で、サブ・プロットとして用いられて
いるものです。


ここでもう一度、解決した筈のそのプロットを
持ち出してきたのは、シリーズの中でのエピソ
ードの流れみたいなものを考えてみればいい
かもしれません。
次回に用意されているのは、ココとナッツを中
心としているらしい、第31話「のぞみとココのラ
ブレター事件!」です。
ココとナッツは、自分達には無関係にもかかわ
らず助力を惜しまないのぞみたちに申し訳なく
感謝しつつも、今は彼女達に頼るしかない内心
の葛藤を自覚しているだろうキャラ達です。
ミルクが「わかっていない」キャラなら、ちゃん
と「わかっている」立場のキャラですよね。
しかも、後半に入って少しずつ伏線が張られて
いるように、二人とも、戦力としてのプリキュア
に対してだけではなく、のぞみやこまちといっ
た、女の子個人に対する自分の視線というもの
にも、気づかざるをえなくなっています。
ミルクのように、「のぞみが大好き」と告白する
ことにも、おのずとレベルの違う意味と責任が
発生してしまう。
そういう彼らの心境を描くためには、まず、同
じパルミエ王国出身者であっても、もう少しレ
ベルの幼いミルク視点からのお話をまず用意し
たことが、良い対比になると思うのですね。
言ってみれば、今回のお話は、よりシリアスで
深い意義を備える次回への露払いであったとい
う解釈です。
作り手の側がどう考えて構成したかは、また別
の話ですけど、僕の場合は見ていて、「ミルク
からの、のぞみさんへの視点はわかった。では
ココやナッツから、今の彼女達への気持ちはど
うなるんだろう?」と、自然に想像が繋がって
いきましたから、そういう意味では成功したシ
リーズ構成だと感じました。


posted by mikikazu at 09:02 | アニメ感想・「Yes!プリキュア5」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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