2007年09月24日

「アメリカでアニメDVDが売れなくなってきた理由は」――Dub ReviewのM.C.Wilsonさんの意見


何度かご紹介している、北米版アニメの英語
吹替の話題を専門に扱うサイトDub Review
に記事の翻訳許可・報告のメールをするついで
で、ちょっと質問もしていたんですね。
その質問は、よく話題にされる、「アメリカの
アニメコンベンションの数・参加者は増え続け
ている、つまりアニメファンは増え続けている
のに、アニメDVDの売り上げの方は、逆にここ
数年落ちてきているのは何故でしょう」という
もの。
セールス不振については、最新の記事だと、
ジェネオンUSAからADV Filmsへの業務委託
交渉がまとまらなかったことを伝える、ICv2の
9月20付け記事
内で、「アメリカで発売された
アニメのタイトル数は、2005年から2006年に
かけて19%減少。2007年にはさらに減ること
が予想される。売り上げの方も、2007年度こ
れまでで、10%の低下」という数字が出ています。


質問に対して今回お答えをいただいたのは、
Dub Reviewスタッフの1人、M.C.Wilson
さん。
文中にもある通り、ジョージア州アトランタで
開催中のコンベンションAnime Weekend
Atlanta(公式サイト)参加中の忙しい時間を
割いて、返事を送ってくださいました。ありが
とうございます。
以下、そのお答えの翻訳を掲載させていた
だきます。


short_g.gif


あなたがメールを送ってきてくれたタイミング
は、ちょうどよかったです。私がこの返事を書い
ているのは、アトランタ市のホテルの一室で、
ここで開催されている、アメリカで最大規模の
アニメコンベンションの一つに、私は今参加し
ているところなのです。このコンベンションに
足を運ぶようになって、もう5年目になりますね。
こういうコンベンションの人気は高まり続けて
いるというあなたの指摘は正しいですし、また
一方で、アニメDVDの売り上げが、数年前ほど
高いものではないのも事実です。


これには、2つの理由があると考えます。


第1の理由――。数年前まで、「ドラゴンボール
Z」はアメリカでとても人気が高く、Best Buy
のような全米規模の小売チェーンは、より多く
のアニメDVDの在庫を揃えておく傾向にありま
した。
でも、今ではそれらのお店は、どんな作品が
売れるのかという選択にとても慎重になり、
かつてのようには棚スペースを、アニメDVDの
ためには割いてくれなくなったんですね。
「鋼の錬金術師」「NARUTO」「Bleach」など、
今でも人気作と呼べるアニメは、なくはない
ですが、かつての「ドラゴンボールZ」と同じ
くらいの人気に届いている作品はありません。


第2の理由は――違法視聴行為です。
ここ4〜5年というもの、北米のアニメファン
はずっと「ファンサブ」をダウンロードしてい
ます。日本で録画された作品を、英語に翻訳
し、字幕をつけて、ネット上で配布しているの
ですね。
現在のファンサブのクオリティはDVDにも劣ら
ないほどで、ファイル共有ソフトBitTorrentや
動画共有サイトYouTubeのおかげで、かつて
ないほど広く入手可能になっています。
ファンサブは、北米で正式にDVDがリリース
される前に手に入れられることがほとんどで、
クオリティが良く、かつ簡単に入手可能なこ
とから、多くのファンがファンサブをダウンロ
ードするだけで、もうDVDを買わなくなってし
まったのです。
アニメファンの多くはまだ学生で、使えるお金
もそう多く持っていないことから、広い範囲で
の問題となっているのですね。


私の個人的意見では、もし日本とアメリカで、
同時にDVDがリリースされるようになれば、
セールスは回復するかもしれない、と考えて
います。
ファンサブが広まっているのは、DVDでアニメ
を見たくても、現状ではアメリカでリリースさ
れるまでに、長い時間を待たなくてはならな
いからです。その待つ期間がなくなれば、売
り上げも上昇するかもしれません。
けれど、そういうことが近い将来に起きそうだ
とは、あまり思っていませんけれど。
ゲーム業界では、日米で同時にリリースされ
る作品が、ようやくに日本側の制作者達を満
足させられるセールスを北米であげられるよ
うになり始めたところです。
しかし北米のアニメ業界は、ゲーム業界ほど
の力があるわけではありません。ゆえに、日
本のアニメ制作者が、北米でのセールスに大
きく期待出来るようになるまでには、もう少し
時間がかかりそうです。



short_g.gif


という感じです。
この問題については、次回以降のポッドキャ
スト内で、トピックとして取り上げられるかもし
れないとのことなので、他のメンバーも交えた、
より深い議論に発展してくれれば嬉しいですね。





posted by mikikazu at 07:40 | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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