2005年07月13日

「舞-HiME」第15話

というわけで、不定期のエントリーで申し訳ありませんが
宿題その5の「舞-HiME」は、第15話「天翔ける ミ☆
女子高生」を見てみました。
ラストのシアーズ財団のシーンで僕が連想したのは、アニ
メ版「パタリロ!」(放送題「ぼくパタリロ!」)のラスト・エピ
ソード2部作である、「霧のロンドンエアポート」編ですね。
原作コミックだと、第12巻ですか。
傀儡とした組織の失敗により、人間社会での覇権を断念
した闇の存在が、再来を予言して再び永い眠りにつくとい
うくだりは、まさにそのままです。あ、それは原作版で、ア
ニメ版では映画の「スターダスト計画」に続くという、原作
とは逆の時系列になってましたね。
ともあれ「パタリロ!」でなくても、他の作品から同様のシ
ーンを連想された方も多いでしょう。「パタリロ!」にも元
ネタありそうですし。


このシーンに限らず、いわゆる「ワンダバ」なHiME出撃シ
ークエンス、先日アニマックスで放送していた「ドラゴンボ
ールZ」でも同じようなシーンがあった、上空からの攻撃を
地上からはじき返す舞衣さんとカグヅチ、デフィさんも既
視感を指摘なさっていたラスト・シーンなど、今エピソード
は「どこかで見たことのある」描写だけでほぼ構成されて
いたような感があります。
別にオマージュもパスティーシュもパロディも、その手法
を否定するつもりは毛頭なくて、考えるべきなのはその手
法が、作品の語り口にとってふさわしいものであるかどう
か、ということですね。
「○○みたいな」という、見る側の得た印象が、作品にとっ
てプラスに作用しているのか、それともマイナスなのか。


シアーズ財団編の最終話とでもいうべき、この第15話で
は、HiME達による、風華学園を占拠したシアーズの部隊
への反撃と、その前線指揮者であると思しきアリッサと
深優との対決が描かれます。
本来なら、追いつめられたヒロイン達の逆襲というその語
り口は、ストレートに見る側の感情移入を刺激してよさそ
うなものですが(端的にいえば、「燃える」という表現です
ね)、そうはならないのは、上述した既視感をまず誘発さ
せる引用描写が、作品に対しての距離を認識させるから
です。この作品世界は、そういった引用を可能にさせる、
あくまで「ある作り手」の手を介した、フィクションなのだよ
と、否応なしに知覚させられてしまうのですね。
ビジュアルのクオリティという点では、1級クラスとしていい
この「舞-HiME」には、当然語り口の手法にも、様々な選
択肢があったと思うのですが、最初から明確にパスティー
シュとして開き直っているわけでもないこの作品のこのエ
ピソードで、あえてそのような露骨な引用手法を用いたの
には、それなりの理由を与えてもいいと思います。作り手
の意図とは関係なく、観客の解釈の自由として。


見る側が「○○みたいな」という「引用」を意識するのは、
過去作品・ジャンルとの関連に気づく、ということですね。
それはつまり、ここでは「舞-HiME」という作品と、他の作
品とを結びつけた、作り手の介入を意識する、ということ
でもあります。
フィクション作品を見る時に、特にその作品世界内の現
実に没入して、キャラクター達の、生の人生を共に感じた
いと思うような時には、その種の認識は、不要なノイズで
しかありません。僕たちが生きている現実には、全てを見
下ろす「クリエイター」なんて存在しませんから。
そんなことは百も承知で、引用描写が繰り返されるのは、
HiMEとしての、ヒロイン達の人生=ストーリーに対して、
見る側が感じるのと同じようなシニカルな視点、
「自分達の力だと思っている『HiME』としての力、そして
『HiME』としての生き方も、しょせんは与えられたものに
しか過ぎない。もっと大枠の、現実=作品=運命の中で
翻弄されるだけのものでしかない」
という認識を与える効果はあると思います。
少なくとも僕個人はそう感じて、HiME達の戦いにも「燃え」
はしませんでした。もちろん「燃えなかった」からダメという
ことではなくて、さらに用意されるストーリーに、その認識
の結果を敷衍しての興味がわきました。素直にHiMEが勝
ってめでたしめでたし、にはしてくれなさそうだと。


最終話でもないこのエピソードで、そういう視点が導入さ
れたのは、以後の展開を予想させると同時に、そんな運
命と向き合う戦いこそが、HiME以前の、それぞれ個人と
しての、舞衣さんたちの戦いの本質になっていくからかも
と、ふと思いました。
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