ME』のレビューやるわけ?」
なつき「やってみたくなったそうだ。まったく、ポリシー皆無
の運営人だな」
舞衣 「でも、作中キャラの座談会寸劇風感想っていうの
は……」
なつき「ああ。さる方のパクリだろうな」
静留 「それはあきまへんなあ」
命 「そのパクリとかいうのはなんだ? 美味しいのか?
舞衣、今度作ってくれ!」
舞衣 「……あんたはいいわねえ、なんか幸せで」
なつき「ともかく、それについては直接叱ってもらうとして、
話を進めるぞ」
舞衣 「うん。今回の第12話「天使のほほえみ」は、シス
ター紫子や雪之ちゃんの、新たなHiMEとしての能力
発現と、シアーズ財団とかいう謎の組織の解説、と
いった内容かな。具体的なことはなにもわからない
けど、『来るべき黄金の時代』という、重要らしいキ
ーワードも、深優さんの口から語られたし」
なつき「ああ。シリーズも中盤にさしかかり、ここまでは、ほ
のめかされるだけだった、作品世界の根幹設定も、
ようやくに見え始めた感がある」
静留 「シリアスな場面の割合が増えて、空気が重くなって
きた、ともいえますなぁ」
なつき「HiME達のアクションはあいかわらず派手に挿入され
ているものの、以前にも増して、活劇主体の作品にも
かかわらず爽快さとでもいうべきものが薄れてきた理
由は解説出来るな」
舞衣 「どういうこと?」
なつき「特に、人が身体を動かすアクションドラマの演出とい
うものには、そのアクション自体を納得させる、論理的
な口実が必要だ。ただ激しく飛んだり跳ねたりするの
みでは、それは単なるスタントでありダンスであるだ
けで、物語的感動・驚きというものを、見る側に発生
させない。優れたアクションドラマは、アクションを導く
キャラクターの心理というものを、スムーズかつわかり
やすく示してみせるものだ」
静留 「キャラクターの中の、動機ということやな。それがきち
んと筋道立てて整理されてないと、お客はんの側も感
情移入出来まへんし」
舞衣 「うーんと、要するに、『あいつを助けたい!』とか『絶対
に許せない』とかいうこと?」
なつき「単純なものではそうだ。その理由によって、結果とし
て見せるアクションの『質』も変わってくる。映像的に
は『トーン』と呼ぶべきかな」
静留 「実写の場合やと、俳優のイメージにも左右されるや
ろうし、アニメでも、デザインのラインが、物語の色合
いをストーリー以前にほとんど決めてしまうなぁ」
舞衣 「で、『舞-HiME』の場合はどうなの?」
なつき「これは、まだ解説されていない設定も絡んでくるの
で、断言は出来ないんだが……。我々HiMEは、チャ
イルドを受け入れ、HiMEとしての力を得る代わりに、
ある代償を支払うことになっている」
舞衣 「一番大切に想う人の命……」
なつき「そうだ。そしてその結果として、画面ではHiMEの様
々な力をみんな発揮しているわけだが、実はその代
償とHiMEとしての力の間には、心理的な面での、論
理的結合性が存在しない。ゆえに、先に述べた演出
の方程式が成立せず、画面で示されるアクションか
らは、爽快さが排除されている」
舞衣 「あのー……。日本語で、説明してほしい、な。はは」
静留 「つまりやなあ、なつきの言いたいんは、『負けたら
一番大切に想う人の命が失われる』ということは、Hi
MEとしての戦いにおいて勝とうとする理由にはなる
のに、肝心のその『大切に想う人』を、自分の意思で
は選択出来へん……。それでは、アクションをしてい
るHiMEの体の中に、見る側が感情移入出来る気持
ちの主体も発生しない、そういうことやろ?」
なつき「そうだ。第8話でのあかねのショックでもわかるよう
に、HiME自身は、賭けてしまった『誰か』を選択出来
ないようだ。つまり、戦いそれ自体に、失えない代償
という目的を設定出来なくなる」
舞衣 「でもそこで、自分にとって大切な人は誰なのか――
という別のドラマも語れるようになるわけでしょ?」
なつき「あくまで結果としてな。わかるのはその 『誰か』が消
えてからになる以上、建設的なドラマは望めない。
それぞれのHiMEが、自分がある特定の誰かの命を
賭けて戦っている、と思い込むのは自由だが、それに
素直に応えるほど、性格のいい作品ではないと思うぞ」
静留 「誰が決めるん?いう問題もありますし、なにより、命
賭けられてしもうた本人たちの承諾を得ているわけで
もないですしなぁ」
舞衣 「……」
なつき「ルールとバトルに全面的な因果が見られない現状
では、だからHiMEのアクションを解説する最もふさわ
しい言葉は、『エゴ』だ。自分は誰かのために戦って
いると思っていても、それを作品世界はきちんとバッ
クアップしてくれない。ゆえに空回りするエゴだけが、
アクションの『言葉』として表出する。これが、『舞-Hi
ME』という作品の、今存在する物語構造的な壁のひ
とつだ。もちろん、必然があって構築されているもの
だとは思うが」
静留 「力と心と関係性と……。全てがいまはバラバラなん
やな。そういう意味では混沌し拡散した物語やけど、
逆にそれをどう収束させていくかという点で、期待も
出来るんとちゃうやろか?」
舞衣 「それはそうかも……。一番足元が不明なのは、主
役のあたしだし。やりたいこと、しなくちゃいけないこ
と、まだまだ一杯悩まされそう」
静留 「悩めるのは、選択肢が多い証拠どすえ。切羽詰っ
て、うちはもうこうするしかないんや! というような
とこにまで自分を追いつめてしまう前に、色々考え
ればいいんよ、きっと」
なつき「ま、なんとかの考え休むに……とも言うがな」
舞衣 「もう!あんたはすぐにそうやって憎まれ口叩くんだ
から。べー!」
命 「舞衣……。私は舞衣のごはんが……」
静留 「あらあら。命ちゃん、鴇羽さんの膝の上でぐっすり
寝てしまいはったな」
舞衣 「まあ、命がこんな話楽しんで聞くわけはないし。あ
たし、今日はもう帰るね。晩御飯の支度もしなくちゃ
いけないから」
静留 「『お母さん』は大変どすな」
舞衣 「……言われると思った。ほら起きて、命。帰るよ」
命 「うん……」
静留 「行ってしもた」
なつき「普段はともかく、ああやって寝てるだけなら、可愛
げのある子だとも思うが」
静留 「うちは、もっと寝顔の可愛い子を知ってますえ?」
なつき「意味ありげにこちらを見るな。私は静留に寝顔を見
せた覚えなどないぞ」
静留 「つれないなあ。このSSのこと忘れたん?」
なつき「そ、それは反則だ! 二次創作を持ち出すなんて」
静留 「顔を赤うしたなつきも可愛いなあ。もっと色々スゴイ
の、世間には出回ってるみたいやけど?」
なつき「……し、仕方ない。これくらいなら我慢してやる」
静留 「まあ嬉しいわぁ。そしたらなつきはいつでも、うちに
膝枕で甘えてくれるわけやね?」
なつき「誰もそんなことは……。引っ張るんじゃない!」
静留 「ほんまになつきがイヤやったら、うちは無理は言い
ませんけど」
なつき「ずるいぞ。そういう言い方は」
静留 「おおきに。さ、力抜いて」
なつき「……今だけだからな」
静留 「今はいつでも、一番大事な時間やさかい」
なつき「そうだ、な。きっと……。なあ、静留。さっき舞衣に
言った、『自分を追いつめてしまう前に』……という
のは、ひょっとして私への嫌味か?」
静留 「さて。でもうちは、なつきのことを頭のいい子やと、
ちゃんと知っておりますえ?」
なつき「やっぱり、静留はずるいな……」
静留 「おおきに」
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