という形になった、第14話「極貧生徒会」を見ました。
遊撃部&車両部メンバーによる新EDは、ビジュアルのキ
ュートさも合わせて、結構お気に入りです。
ありがちかもしれませんが、こういうアレンジは、爽やか
な雰囲気で番組を締めてくれるEDの役割に、最適だと
思います。
ともあれ、演劇「宇宙異星人エイリアン」のチケット収入
によって、寮修復のために大幅に不足してしまった生徒
会予算を少しでも補填しよう、という今回のプロットは、
かつて事務所にクーラーを設置することを主目的として
企画された、自主制作映画の上映会をお手伝いしたこ
とのある僕としては、なんだかとっても親近感のあるも
のでした。あ、もちろんその真の理由は、メイン・スタッ
フ以外には秘密でしたけれど(笑)。
学内での発表会で、お金を取っていいのかとも思います
が、それは極上生徒会がやるっていえば、通っちゃうん
でしょうね。だとしたら、極上寮の惨状は誰もが知ってい
るのだから、素直にチャリティー公演にすればよかった
のかも? まあ、そうしたら今回のオチがつかないわけ
ですけれど。
ホールは学校施設だから無料で借りられるとして、衣装
・宇宙船の製作費は、学生の仕事だし、今回だけ使えれ
ばいいものだから、なんとか6〜7万円くらいにおさめた
いですね。
客席を見ると、宮神学園以外の生徒も多く来場していた
ようですから、学外にもそれなりの宣伝はしたと思います。
そのためのチラシやポスター、チケットの印刷代、交通費
が、さらに数万円というところでしょうか。
極上のメンバーは稽古に専念していたようですし、その活
動は公演当日の、会場整理なんかも含めて(宮神学園の
施設をよく知らない、学外からの来場者の案内・誘導も必
要です)、学内有志によるボランティア協力だったでしょう
ね。なので出費はこれくらいでしょう。
チケット代は……あんまり高くすると問題ですから(チャリ
ティーだと公言すれば正当化出来ましたが)、せいぜい、
1000円くらいが上限ですか。プレミアム・チケットとして、
「奏会長のサイン入りスペシャル・ポートレート付き」なん
てバージョンも出せば、少々高くても売れたかも?
会場のキャパは、よくわかりませんが1000人くらい?
それが満席状態でしたから、チケットの売上げだけで100
万円にはなりますね。経費を差し引くと、90万円くらいが
純益、といったところですか。
極上寮が修復するまでの(さすがに数週間はかかるでし
ょう)、寮生活メンバー全員の生活費としては、まあ十分
の筈だったのかな。
なんにせよ、作り手の側にどんな事情があって、どんなに
熱意や頑張りや思想があっても、受け入れる観客の側に
は関係ない、興行においては劇の面白さという結果が全
て、という冷徹な現実を示したという意味では、個人的な
経験からいっても、とてもとてもリアリティのあるお話だっ
たとは評せます(笑)。
以下は作品論です。
強大な権限をもった極上生徒会という組織ゆえのナンセ
ンスなお話と、メンバーの過去や心情に踏みこんだシリア
スなお話とのコントラストが、シリーズとしてのこの作品の
特徴のひとつだと思うのですが、今回はその2つの要素
がわりにミックスされたお話でした。
違う言い方をすれば、この作品の世界観が、両者の同居
を許容するラインはどこかと観察するための、よい実験に
なったとも思います。
前話を受けての、みなもちゃんの事情というシリアスなパ
ートと、どう考えてもお客に受けそうにない演劇を大真面
目にやるというナンセンスなパートが、ではどこまで融和
したかについての受けとめ方で、それぞれの視聴者がこ
の作品に期待するものを再確認も出来たでしょうね。
僕自身は、現状の作品が示すよりはもう少し作りこんだ、
シリアス寄りであって欲しいというスタンスのようなので、
例えば終盤の舞台上、病気の発作で苦しむみなもちゃ
んを、「自分で決めたことは、最後までやり通せ」と叱咤
激励する奈々穂さんの言葉には、「いや、そのまま死ん
だりしたらマズイですよ。病気なんだから、頑張ればどう
にかなるものじゃないし」と思った方ですね。
また、成り行きとはいえ結果的に極上寮を爆破したのが
りのさんだと知った歩さんが、そのことを周囲に喧伝しよ
うとしたのも、りのさんが極上生徒会のメンバーになった
ことを快く思っていない生徒もいる(第2話)と知っている
彼女が、りのさんに不利益になる情報を広めようとするこ
とは友達としてあり得ない、とも思いました。
でも、両者共に、シリアスよりもナンセンス、あるいはギャ
グとしての文脈を優先するスタンスなら、受け入れられる
のかもしれません。
そういう、あくまで僕視点から感じる、作りこみのゆるさ、
不徹底さというものが、逆に作品としてのキャパシティを
広げているという見方もあるでしょうけれど、僕としては
やはり、作品として出来ないことを増やしているような気
もして、もったいないと思います。抽象的ですが、カメラ
のフレームをきっちりと固定しないと、フォーカスも深く合
わせられないのでは?という表現になります。
もう少し、ナンセンスとシリアスのバランスを統一して、
「極上生徒会」という作品の語り口はこうですよ、と前半
で規定してしまった方が、これから、よりキャラクター話
が増えていくだろう後半に向けて、よかったろうにとは
強く思います。
現状だと、今回如実であったように、ナンセンス・パート
の用い方がいささか恣意的過ぎて、今後も見ていく側と
しては、いつでもそれを「逃げ」として用いられるのでは
ないか、という不安も抱いてしまいますから。
そういう意味で、前回の感想で述べた、みなもちゃん問
題を、「極上生徒会」だからこそ出来る方法論で解決す
るという期待は、先送りされてしまったと思いました。
作品世界にいる、生身のキャラクターの「心」を伝えられ
ない作品だとは決して思わないし、伝えて欲しい魅力的
なキャラクターがたくさんいる作品ですから、さらに頑張っ
て欲しいですね。
で。
そんな長々とした理屈を超越したレベルで。
奏会長の、
「ダメ、なの……?」
という言葉と表情こそ、イデの無限力もかなわない宇宙
最強兵器だと理解出来たのが、今回のエピソードで最も
重要だったと思います。さあ殺せ。
【アニメ感想・2005年度-「極上生徒会」の最新記事】

