2007年08月27日

紺野キタさんのコミック「ひみつの階段」第1&2巻、読みました。


いつものようにお薦めをいただいた、紺野キタ
さん(ご本人公式サイト)のコミック「ひみつの
階段」
(ポプラ社)第1&2巻を読了しました。
納得して読み終えるのに、結局4日ぐらいはか
かってしまいましたね。
やりとりの流れの結果ということが多いのです
が(この作品の場合は、「Yes!プリキュア5」の
かれんさん×こまちさんというファン小説感想
経由)、りょうさんから直接お薦めいただく作品
は、アニメにしてもコミックにしても、外れがほと
んどありません。
その中でも、この「ひみつの階段」は、大当た
りに入る作品だと思います。
こちらで勝手に試してしまう作品については、
評価が微妙になる場合もままあるので、きちん
とこちらの嗜好や、作品のクオリティというもの
を吟味した上で、毎回お薦め作品を丁寧に選ん
でくれているのだろうと勝手に想像しています。
ともあれ、いつもですけどありがとうでした。
以下、内容ネタバレあります。この作品の場合、
特にお気をつけください。


short_g.gif


紺野キタさんの作品としては、これもお薦めい
ただいた、姉妹もの?「Cotton」(ポプラ社)に
続くコミックになります。そちらも良作でした。
この「ひみつの階段」は、祥華女学院という女
子校と、その寄宿舎を舞台にした、女の子達
の生活ドラマですね。
作品構造として注目すべき点は、舞台装置に
おけるファンタジー要素が、とても効果的に用
いられていることになると思います。
主筋である、女の子達それぞれのドラマを、こ
の作品独自の視点で語っていく道具として、フ
ァンタジー的ギミックが、素晴らしいレベルで機
能しているのです。
毎回起きる不思議な出来事が、生身の女の子
達(そうじゃない女の子?もいますけど)のドラ
マに対して必然性があるというか、「ああ、こう
いう気持ちにたどり着くために、この不思議が
起きたんだな」と、ほぼ毎回納得させられる語
り口の手腕が見事です。
ファンタジーの、理屈にとらわれない自由さを
最大限に生かし、けれど描写は可能な限りつ
つましく繊細だという作品世界は、独特でとて
も魅力的です。


場所はずっと同じ寄宿舎であっても、エピソー
ドによっては異なる主役・時代を描き、とても
練られた多層構造を用いて語られているのも、
作品としての面白さですね。
例えばある作品の後日談が、別の時代のエピ
ソードの中に現れたり、同じキャラが、違う時
代での違う立場で活躍していたり、またはそ
の逆で、ある同じイベントが起きている時の、
異なるキャラ達それぞれのドラマが描かれたり
と、様々な角度からのキャラ達の人生が表現さ
れていて、とんでもない深みがあります。
そういう手法ゆえ、そのエピソードがどういう
キャラのいつ頃の、という設定を上手く把握し
ていないと混乱するかもしれませんが(え?僕
だけですか?)、一度コツを掴んでしまうと、
「あのアイテムがここでこう繋がるのか」「あの
時のキャラの関係が、こうなっていくのか」と
いうそれぞれの発見が、とても楽しくなってい
きます。
ただ、発見した時の驚きを大事にして欲しいの
で、可能なら、出来るだけネタバレなく物語に
触れて欲しいとは思います。
僕も、ファンタジー要素があるということは全然
知らずに読み始めたので、それぞれの「仕掛け」
に気づいていく過程は、とても新鮮で楽しかった
ですから。ひょっとしたら、まだ気づいていない
ものもあるかも(笑)。


なのでこの感想でも、出来るだけネタバレ的な
ことは書かずにおきました。
ひとつだけ言うなら、お気に入りキャラは、最強
キャラらしい烏丸弓子さんかも、ですけど(笑)。
気の強さと日本人形ヘア、そして唇の紅さがい
いですよね。
彼女が登場する、そもそものお薦めであったお
話「Diary〜ダイアリー」も、実は……以降の展
開が仰るように切なくも温かく、素敵な作品だっ
たと思います。読めてよかったです。
僕は残念ながら女子校に通った経験はないの
で、ノスタルジーという部分での感慨は述べられ
ないのですが、限られているけど、それからの
人生にも確かに続いている時期の、色々な女の
子達のドラマを語るアプローチとして、極めて優
れた手法を堪能させていただきました。
女子学園ものではありますが、いわゆる直接的
な「百合」要素はほぼ皆無ですし(あってはダメ
ということでは、無論ないです)、ひとつの青春
物語として、とても素直に読めました。


で、読み終えた今日になって知ったんですが、
タイトルが違うので気づきませんでしたけれど、
「ひみつのドミトリー 乙女は祈る」というコミッ
クが、このシリーズの3巻目にあたるんですね。
近日中に、こちらも読んでみたいと思います。


posted by mikikazu at 08:38 | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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