2007年08月09日

「Yes!プリキュア5」の魅力――テレビアニメという日常感


というわけで、頑張って視聴ペースを上げな
くてはいけない雰囲気の「Yes!プリキュア5」
公式サイト)は、再放送で第13話「りんちゃ
んの部活決定ーっ!」
まで見てみました。
僕が視聴開始したのは、次の第14話からなの
で、これで第5〜20話までの補完が終了した
ことになります。続く第21話からも、出来るだけ
早く見るようにしたいです。


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物語論ではなく、メディア論的に「プリキュア5」
の魅力を個人的視点から解説すると、「日常感」
というキーワードが浮かんでくるでしょうか。
これには二重の意味合いがあって、基本的に
キャラ達の日常話であるプロット性格と、それを
視聴する側の習慣としての、日常性ということ
ですね。


確かに「プリキュア5」は、変身ヒロインとして、
毎回敵であるナイトメアとバトルを展開するわ
けですが、各話のメインプロットは、主に各キャ
ラの日常における個人的問題を、どう解決する
か、というものがほとんどだと思います。
むしろプリキュアとしての戦いも、彼女達にとっ
ては日常の一部であるという受け入れがあっ
さりと成されている点は面白いですね。
これは、戦いの目的が、ココとナッツの故郷を
蘇らせるためという、基本的に他人事であるこ
とも影響しているでしょう。もしナイトメアと戦う
理由が、各人にとって、もっと個人的で不可避
なものだったとしたら、日常とバトルのバランス
も変わっていたと思います。
ともあれ、結果として作品で描かれているのは、
現実と乖離し過ぎた、バトルのためのバトルが
ただ続くような世界ではなく、ひとつの大きな
日常の中で、プリキュアとしての戦いも含めた、
色々な生活の要素がゆったりと進んでいく世界
になっています。
日常という健全さが、世界律として作品内で明
確に機能しているわけですね。


そして見る側も、1年間ゆったりと作品世界と
付き合えるという、見る側の日常を、作品によ
って得ることが出来ます。
これは、1年間4クールという放送期間ゆえの
特権だと思います。
視聴対象を絞った、1クール・2クールの作品
も、それはそれで方法論として構わないと思う
のですが、1年間という時間の持つ、習慣性と
作品世界への慣れ親しみという力にはかない
ませんし、かなわないからこその、短期決戦
ゆえに可能なアプローチを、各作品が選択し
ているだろうと想像します。


ノスタルジーとしても感じていると自覚はして
いますが、かつてのテレビアニメというものは、
そういう習慣性を常に備えていたと思います。
夕方学校から帰ってきてテレビをつけると、い
つでも放送してくれているものだったという……。
あくまで個人的感慨ですけど、そういう種類の
安心感みたいなものを、「プリキュア5」からは
強く受けとめているんですね。
途中で世界観が分裂したり、あらぬ方向に物
語が暴走したり、極端な作画崩壊をしたりする
ことはないだろう、「プリキュア5」は1年間、
「プリキュア5」としてあり続けてくれるだろうと
いう風に、プリキュア達の日常と繋がった、見る
側の日常も保障されているという感覚です。
それだけのクオリティ・コントロールがされて
いる、管理されたプロダクト色が強い作品だと
は認めもしますけれど、個人的には別に構いま
せん。結果として作品を楽しめればいいのです
から。


1年間のプリキュア達の生活と戦いを、やはり
1年間かけて(僕は途中参加組で申し訳ない
ですが)見させていくだけの魅力が、この作品
には色々な形で備わっていると思いますし、そ
れは毎週送り出される、テレビアニメというフォ
ーマットだからこそ出来る体験だと、あらため
て思いました。



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★「やえかのカルテ」についてのコメントを削除
されたのは、ひょっとしてこちらの対応が原因だ
ったりするんでしょうか……。だとしたら申し訳
ありません。作品に対して良い読者になれなかっ
たという意味でも、残念に思っていたりするので
すが……。でも、微笑ましそうな2人のお話も期
待していますね。
また、新しいSSのためにも、「プリキュア5」の視聴
は引き続き早く頑張らなくちゃですし。

posted by mikikazu at 08:52 | アニメ感想・「Yes!プリキュア5」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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