2007年07月09日

英語版「攻殻機動隊」バトー役の声優リチャード・エプカー氏インタビュー PART1


アメリカ・ペンシルバニア州発のポッドキャスト
OtakuGenerationの、7月4日更新分(第108
回)のゲストは、英語版「攻殻機動隊」のバトー
役の声優として知られる、Richard Epcar リチャ
ード・エプカー氏(公式サイト)でした。
エプカー氏の、アニメ声優としての代表的な役は、
バトー以外だと、次元大介(ルパン3世)、ボーボ
ボ(ボボボーポ・ボーボボ)になるみたいですけ
れど、声優だけではなく、アニメやゲームのADR
ディレクター、スクリプト・ライター、実写作品への
俳優としての出演、メジャー会社ドリームワーク
スやユニバーサル作品の、海外での外国語吹
替作業のスーパーバイザーの仕事なんかもこな
しておられる、とても多忙な方のようです。
公式サイトで確認出来る、これまで携わった作品
リストの膨大さには驚かされます。


エプカー氏が初めてアニメの仕事に関わったのは、
80年代半ばの「Robotech」になります。
それからずっと、一線で活躍している大ベテラン
からのお言葉を、冒頭から80分以上たっぷり聞け
る、充実した内容のポッドキャストだと思います。
業界ゲストが来た時以外は、ここ聞かないんです
けど(笑)。
二回前の、6月20日更新分(第106回)では、
「Otaku USA」の編集長パトリック・マシアス氏が
ゲストで、創刊号の発売を無事終えた心境など、
これも興味深いお話がたくさん聞けました。


エプカー氏のロング・インタビューということなら、
「Robotech」の話題専門のポッドキャストSpace
Station Liberty
の、2007年2月13日放送分
も、2部合わせて2時間近いお話が聞けますので、
そちらもすっごくお薦めです。
OtakuGenerationの方は、大人数で賑やか過ぎ
ではありますから、一対一の、じっくりとしたインタビ
ューを聞きたいという方には、Space Station
Libertyの方がいいかもしれません。


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両方のポッドキャストで話題になって、僕も特に
興味深く聞いたのが、「イノセンス」の英語吹替
についての話です(72分11秒〜78分14秒)。
有名な話なのかもしれませんけど……。


北米の劇場では、映画1作目の「攻殻機動隊 
Ghost in the Shell」は、英語吹替版で公開さ
れたのですけれど、「イノセンス Ghost in the
Shell 2: Innocence」の方は、オリジナルの日
本語音声に英語字幕という形で上映されました。
これは当時、「日本語で製作された、オリジナル
の形そのままで見て欲しい」という風に説明され
ていて、カンヌ映画祭への出品などの、作品の芸
術性を尊重した扱いに沿ったものだと思います。


劇場公開後、DVDも北米での配給権を保有する
ドリームワークスから発売されるのですが、この
DVDにも、英語吹替トラックが制作・収録される
ことはありませんでした。
DVDの初期プレスには、ちゃんとした英語字幕す
ら収録されておらず(聴覚障害者用のクローズド・
キャプションのみ)、ドリームワークスは当初、それ
も仕様だと主張していたのですが、すぐに英語字
幕の収録された版のDVDとの交換を認めることに
なります。
後に、イギリス・オーストラリアでは、英語吹替版
の「イノセンス」も発売になるのですが、アメリカ
ではいまだに、そのDVDを輸入するしか、英語吹
替版を見る方法はありません。


以上の流れをふまえて、エプカー氏の言葉の、
大体のところを紹介してみます。あくまで、エプ
カー氏個人の経験に基づく見解だと受けとめて
いただけると幸いです。
あ、せっかくなので、大塚明夫さんの声で読んで
もらえると、雰囲気出るかも(笑)。


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Otakonといえば……、私がドリームワークスの
ために、海外で翻訳される映画のスーパーバイ
ザーを務めていたことは話したよね。
「イノセンス」が出来上がった時、北米での配給
権を保有しているのもドリームワークスだった。
北米で「イノセンス」を公開するために、彼らには
いくつかの方法があって、ひとつは、英語吹替
版で上映することだった。しかしドリームワークス
というメジャーの映画会社のやり方を考えれば、
声優としてキャスティングされるのは、いわゆる
映画スター達になるかもしれない。そうなったら、
私のような立場の人間は、きっとはじき出されて
しまうだろうと思えたわけだ。
私以外の誰かが、英語でバトーを演じるなんて話
は、気分のいいものではなかったね。それでも、
彼らがどうしてもスターを使うのであれば、台本
を書くなりディレクターを務めるなりで、なんらかの
形で、「イノセンス」には関わりたかった。
ドリームワークスのような大きな会社が、アニメ
を正しく吹替する方法を理解しているとは思えな
かったしね。巨額の予算をつぎ込んだ大作や、
サウンド・トラックの扱いなら得意かもしれないが、
アニメとなると、全然別の話さ。そして一方私に
は、アニメ吹替の長い長い経験があった。だから
私はなんとしても、ドリームワークスの人達と接
触したかったんだ。


ゲスト参加していたOtakon(2004年)の会場で、
ある人とこの件について話していたら、「ドリーム
ワークスの人達もブースを構えるそうだ」というこ
とを教えてくれた。私は彼らを見つけようと、会場
を隅から隅まで探し回ったが、残念ながら、ついに
彼らと出会うことはなかった。
そのうちにコンベンションの主催者から食事に誘
われ、諦めて、用意されたゲスト送迎用のバスに
乗り込んだんだ。
たまたま選んだ席の隣には、1人の日本人女性
が座っていた。話をしてみると、彼女は「イノセン
ス」の、日本側のプロデューサーの1人だとわか
ったんだ――!




(ち、力尽きたので、続きは明日以降で……)

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★あ、ではこちらの方でも夏新番は全て見送って、
とりあえず「Yes!プリキュア5」のみに集中してい
きますね。「ひとひら」もいつか機会があれば。
あとは、「sola」の後半なんですが……。
旧作でチェックしたいのは、「魔法先生ネギま!」
(第一期)とか? 第二期の「ネギま!?」は早々に
リタイアしちゃいましたけど、第一期はOPソングの
雰囲気がポップで、わりに見やすそうかなと。
あるいは、原作を読んだ方がいいのかもしれませ
んけど……。

posted by mikikazu at 09:04 | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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