CNN International6月11日掲載の、
「Internet gives voice to unseen actors」
は、英語版「ドラゴンボールZ」で孫悟天を
演じている声優Kara Edwardsさん(公式サ
イト)をフィーチャーして、インターネットの発
達が、アメリカの声優ビジネスに与えた影響
について伝える記事です。
かいつまんでいうと、Edwardsさんいわく、ネ
ットがまだ行き渡っていない10年前なら、声
優としての仕事を得るためには、エージェント
と契約して、そこが手配してくれるオーディショ
ンを受け、録音スタジオにまで出かけて収録
する、という手順が必要でした。
けれど今では、個人のウェブサイトや、Voices.
com、 Voices123.com、CommercialVoices.
comといった声優情報総合サイトで、仕事経
歴や演技のサンプルといった資料を公開出来
て、声優が自分で自分のエージェントを務めら
れるようになったし、数千ドルの投資で設置出
来るホーム・スタジオがあれば、ネット経由で
仕事を済ませられるようにもなった。
それ以外の交渉や、PayPalによるギャラの受
け取りも含めて、ネットのおかげで、独立個人
業としての声優ビジネスが可能になっている、
というお話なのです。
ただ、そうやって声優ビジネスを始めるハード
ルが低くなった分、仕事をめぐる競争も激しく
なっているそうですね。
「誰でもが、声優の仕事だけで食べていけるわ
けじゃないの。いずれは他の仕事も探さなくて
はいけない人だって出てくる。わたしがその1
人じゃないといいんだけど」
というのが、Edwardsさんによる締めのコメント
でした。
アニメ英語吹替の場合、声優さんが仕事を得
るのは、ほとんどがオーディションかコネクショ
ンを通してだと思うのですけど、CNNの記事で
述べられていたネット経由でのキャスティング
について、ちょうどポッドキャストAnime Today
の最新第42回(6月8日配信)でも話題にされ
ていました。
Anime Todayを配信しているオンラインストア
Right Stufは、Nozomi Entertainmentとい
う制作部門で、アニメ作品のローカライズも手が
けていて、現在制作中の「ザ・サード〜蒼い瞳
の少女〜」(北米公式サイト)のプロデューサー
であるKris Klecknerさんと、アシスタント・プロデ
ューサーのJudy DeFriezeさんが、その英語版
キャストを決める経緯について、解説してくれ
ていたのです(24分00秒〜30分30秒)。
ちなみにKrisさんとJudyさんはAnime Todayの
レギュラー・ホストであり、特に日本語が堪能な
Judyさんは、「Japanese101」という、簡単な
日本語講座も担当してくれています。今回は、
日本語での「曜日」の言い方、でした。
この「ザ・サード」の場合、出来るだけ早くアメ
リカでリリースしたい、ライセンサーの角川ピク
チャーズUSAの意向もあり、制作期間が非常
に短く、通常のアニメ英語吹替制作の手順と
は異なり、主人公の火乃香以外のキャストに
対しては、役を決めるためのオーディションを行
う時間的余裕がありませんでした。
なので、「この役はこの人に任せよう」という、
ディレクターやプロデューサー間での経験と知
識に基づく直接的なオファーをしていく一方で、
これまで仕事をしたことがない、そして事前に
会う余裕のない声優さん達を、ネット上で公開
されている資料だけでチョイスせざるを得ない
状況にもなっていったようです。
ボギー役のJames Lyonさんもその1人で、Kris
さんとJudyさんは、彼の個人ウェブサイト上にあ
る経歴資料と音声サンプルを参考に、ボギー役
に選ぶことにしたとか。
こういう事例があるからといって、たくさんいる
声優志望のアニメファン(コンベンションの声優パ
ネルで一番訊かれる質問は、「どうやったらアニ
メ声優になれますか?」)が、宣伝のための個人
サイトを立ち上げたり、情報サイトに登録すれば、
すぐにプロの声優になれる、というわけでもない
でしょうけど、ともあれ一つの仕事が決まるまで
には、色々な手順があると知るのは、とても面白
いのであります。
★例によってですけど、りょうさんのご好意により、
僕の方でも「ペルソナ3」のドラマCDシリーズ
「Vol.1 Daylight」と「Vol.2-Moonlight」を聞く
機会をいただけました。こういつもお世話になって
ると、どちらがお兄さまかお姉さまかわからない、
という説もありますね(苦笑)。
学園祭直前の頃が舞台の、「Vol.1」の冒頭だけを
まず少し聞いてみましたが、この時はまだ「〜であ
ります」口調の、アイギスのロボ子ボケっぷりが可
愛いですね。ヘビメタとか(笑)。
また、石田彰さんによる主人公の台詞も、イメージ
通りだったのは嬉しかったです。病院帰りでの、アイ
ギスとの会話は、「ああ、2人はこんな感じだったん
だろうなあ」と、頭の中で考えていた雰囲気そのまま
だったので。
色々お楽しみは満載のようなので、これからまったり
ゆっくり聞かせていただくのであります。