2007年04月27日

「フルーツバスケット」第1話、見ました。


えっと、まずは奏ちゃんからのお言葉への
答えとして、昨日の記事の補足をちょっと
述べておきますね。
「なぜ瑞穂お姉さまの転校先が共学で男性
のまま編入するという展開ではいけなかっ
たのか」ということですが、ひとつの理由と
して結果論的に思いつくのは、この「乙女は
お姉さまに恋してる」という作品が、主人公・
宮小路瑞穂さんの成長物語であるとした時
の、祭り上げられた立場と自分を同一視して
しまう、エゴの拡大と暴走を防ぐため、になる
かもしれません。


もし瑞穂さんが男性のまま転入し、エルダー・
シスターに似た立場に祭り上げられた場合、
やはり瑞穂さんは努力し自己成長を遂げるか
もしれませんが、周囲からの賞賛は、そのまま
直接、ありのままの男性である「宮小路瑞穂」
へと注がれてしまいます。そして瑞穂さんも
また、その賞賛を自分の能力と人格に対する
ものだと受け取っていいわけです。実際にそ
うなのですけれど。
祭り上げられた立場にふさわしい自分になっ
た時に、その立場と自分を同一視するエゴの
暴走という危険は、常にあると思います。
つまり、ことの最初は、周囲の人々からの、
「その立場はこういうものだ」という過大な
期待であり幻想が存在して、その器に自分を
合わせようとしていった時に、本来の自分を
見失う可能性もあるんじゃないかって。
もともと謙虚な瑞穂さんにその可能性は低い
かもしれませんが、瑞穂さんと視点を共にす
るプレイヤーが、そういったエゴ拡大の甘美
さまで間接的に味わうというのは、作品の方
向的に違うような気がします。
たまたま教祖の立場に祭り上げられてしまっ
た普通の青年が、やがて自分を「本物」の教
祖だと思い込んでいってしまう……というスト
ーリーの物語に、小説・映画で描かれた「教祖
誕生」(小説はビートたけし・作。実写映画は
天間敏広・監督)という作品もありました。


でも、女子校で「お姉さま」を演じているという
自覚が常にある限りは、そんなエゴの暴走は
ありえませんよね。
その行為は瑞穂さんの才覚と優しさから発した
ものであっても、周囲からの賞賛はあくまで、
自分が演じている「お姉さま」に対するものだ
と、瑞穂さんはちゃんと理解している筈です。
その上、「みんなを騙している」という罪の意
識が、さらなる抑制として機能します。
また一方で瑞穂さんが、周囲の人の役に立て
ればそれでいいとして、「お姉さま」ではない、
「本当の自分」を認めて欲しいというような矮
小な自我の持ち主ではないのも幸いでした。
瑞穂さんにおける「本当の自分」の物語は、各
ヒロイン・ルートで、恋愛物語という、非常に
ミニマムな範囲の中で展開されるのみであり、
またその過程は、「お姉さま」としての自分の
否定を決定的に要求されるものでもありませ
んでした。人によっては、やはり戸惑いも多く
ありましたが……。


だから、瑞穂さんが「お姉さま」であるという
ことは、両性を越えた理想人格を描くためと
同時に、作品世界全体を安定させる役目も
担っていたと思います。
――これくらいでいいのかな、奏ちゃん?
奏ちゃんのためなら全然構いませんが、お礼
は美味しいお茶を一杯、がとっても嬉しいかも
です(笑)。


short_g.gif


では本題。っていうか、本題の方が簡単に
なっちゃいますけど(笑)。
先日原作最終巻を読了した「フルーツバスケ
ット」の、2001年に制作されたアニメ版(公式
サイト
)の日替わりリピート放送が、CSのキッ
ズステーション
で始まりましたので、さっそく
第1話「…」を見てみました。
実は本放送時に、第1話だけは見ているの
ですが、あまり上手に見られなかったので、
今回が本気の視聴ということになります。し
たいです。なればいいかも。


とりあえず第1話だけからの、このアニメ版の
印象を一言でいうと、「淡い」という表現になる
でしょうか。
色彩設計だけじゃなくて、音響配置とか、声優
さんの演技とか、全てを合わせた総感で。
中でもその印象に一番作用しているのは、OP
&EDを含めた音楽ですね。これは完璧に、原作
コミックには無かった要素ですし。
ストーリー・ラインはそんなに原作から変えてい
ないと思いますが、「淡さ」を伝えるその作品整
理の手法において、個性をそれなりに感じさせ
る出来になっているとは思います。
それを好むかどうかは、また別の問題ですけ
れど……。


ひとつ大きな驚きというか、ショックだったのは、
やはりキャラクターの声になるでしょうか。
前回見た時は、原作を全然知らなかったんです
けれど、今は全て読み終え、全23巻の経験を経
た上での視聴ですから、自分の中で構築された、
「このキャラはこういう声」という設定の堅固さを、
声優さんが演じる声を聞いて、あらためて自覚
したりもしました。
別にこのアニメ版の声優さんが駄目だとかいっ
てるわけではなく、ただ違和感があって当然だ
ということです。視聴を続けるなら、いずれ慣れ
ていくことも間違いありませんが。
しいて言うなら、主人公・本田透役の堀江由衣
さんの演技は、この時点では、まだまだ「とにか
く頑張っている」という印象の方が強いですね。
アニメ版の「フルーツバスケット」は、これで行
く!という説得力を主人公の声に課せられるほ
どの、存在感という意味ではまだまだかもです。
これも続けていけば、こちらの慣れとも合わせ
て、「この声が本田さんの声」という認識が生ま
れていくのでしょう。
あと由希も「こうきたか……」みたいな驚きはあ
りました。成長して、等身が伸びた頃の声も聞
いてみたいですね。
個人的には、ドラマCD版「ARIA」でアリス・キャ
ロルを演じておられた齋藤彩夏さんによる、紅
葉がどんな感じか気になるかも……。
あ、予告でちょろっと出てたかもしれないです
けれど、今となっては慊人氏はどうするんでし
ょう……。って、どうしようも出来ませんが。


とりあえず、今後も出来る範囲で追いかけてみ
ますね。原作と違うという、オリジナル展開に
興味津々です。でも、第二期への要望があると
いうことは、続きが可能な終わり方だとも想像
出来るわけで……。さてさてです。


posted by mikikazu at 09:18 | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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