2007年03月20日

英語版「鋼の錬金術師」エド役の声優Vic Mignognaさんインタビュー・その2


というわけで引き続き、オンライン・アニメス
トアRight Stuf Internationalによる配信
のポッドキャストAnime Today第36回(3月
16日更新)で聞ける、Vic Mignognaさんへ
のインタビューの第2部です(29分00秒〜
38分28秒)。


Vic Mignognaさん公式サイト
「Vic'sWorld.net」
Vic Mignognaさん公式ファンクラブ
「Risembool Rangers」
Anime News Network
英語版Wikipedia


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Q.「さっき『超時空要塞マクロス』の一条輝
役のことも少し触れていたけど、アメリカでは
まず『Robotech』として80年代中期に紹介
され、その当時からのファンもたくさんいる、
時代の象徴的な作品に出演することはどうで
した? 何か特別な準備とかしましたか?」

Vic
「『Robotech』でRick Hunter(一条輝の英語
名)を演じていたTony Oliverとは、とても仲の
良い友人になれたんだ。でも、Tonyと出会った
時には、もう『マクロス』の収録は、かなり進ん
でいたんだよね。その時にも、僕がいま演じて
いるキャラクターを、かつてTonyが演じていた
なんてことは全然知らなかった。
実は僕自身、オリジナルの『Robotech』につい
ては、あまり知識がなかったんだ。ほとんど記憶
にも残っていない。だから、『ああこんな歴史の
ある作品の仕事をどうしたらいいんだ』って怯え
たりもしなくて済んだ。
それよりも、このADV版『マクロス』で、僕にとっ
て最も素晴らしかったことは、リン・ミンメイを演
じた女性、飯島真理さんなんだ。
20年前に、彼女はオリジナルの日本版『マクロ
ス』で、ミンメイを演じていた。彼女は当時売り
出し中のポップ・シンガーで、作中で同じくシン
ガーを目指しているミンメイのキャラクターと重
なることから、その役に抜擢されたんだ。演技
の経験はほとんどなかったそうだけど。
今回、ADVが『マクロス』の英語版トラックを再録
するにあたって、それをより良いものにするため
に、真理に連絡をとったんだ。20年前にミンメイ
を演じた彼女に、今回は英語で、もう一度ミンメ
イを演じてもらおうってね。


面白い話なんだけど、僕自身はその数年前に、
アニメコンベンションAnime Weekend Atlan
taの会場で、既に真理とは出会っていたんだ。
僕達は共にミュージシャンで、作曲家であり、
シンガーでもあるから、すぐに意気投合しちゃ
ってね。彼女のそれまでの仕事のことなんて
全然知らなかったけれど、あっという間に友達
になれた。
彼女がオリジナルの『マクロス』で、リン・ミン
メイを演じていたことを知ったのは、それから
後のことさ。しかも、今度は英語版の吹替をす
るために、ヒューストンにあるADVのスタジオに
やってくるっていうじゃないか。彼女はミンメイ
で、僕は一条輝を演じる。なかなかに面白い運
命のめぐり合わせだよね」


Q.「アニメ声優のキャリア初期に演じた役で、
演じ直してみたいと思うキャラはいる?」

Vic
「それって、当時の他のキャストもみんな集まっ
て、また収録するってこと? だとしたら、最も
お気に入りの役というと、『プリンセスナイン』の
高杉宏樹だね。この作品は僕の中ではとっても
大事な存在で、今でも好きな作品のひとつさ。
ADRディレクターは、ADVの創設者の1人でも
あるMatt Greenfieldが務めてくれて、彼はA
DVでも最高のディレクターだったよ。彼にとって
も『プリンセスナイン』は、お気に入り作品リスト
に入っている筈さ。参加したみんなも、この作品
のことは、とっても楽しんでいたしね。
だから僕は今でも時々Mattに言うんだ。『今やっ
てる企画なんて全部やめちゃってさ、『プリンセス
ナイン』のセカンド・シーズンをやろうよ!』って。
それから、『ジェネレイターガウル』のガウル役
も楽しかったなあ。12話しかない、短い作品だっ
たけど、僕は大好きだったよ。Steven Fosterが
書いてくれた台本は素晴らしかったし、キャスト
も最高だった。この役だったら、また演ってもい
いよ!」


Q.「では逆に、参加したかったけど、結局演じ
ることが出来なかった作品はある?」

Vic
「いつでもそういう作品はあるよ。すごく参加し
たいと頑張ってみても、結局色々な理由で役を
得られないことはよくある。まあ、いつでも全て
上手くいくわけじゃないからね。
例えば『NARUTO』で、僕がどうしても演じたい
役があった(大蛇丸)。『NARUTO』はロサンゼ
ルスで収録されていて、僕はヒューストンに住
んでいる。で、ロスで『NARUTO』の仕事に携わ
っている友人が、『この役やってみない?』とオ
ーディションに誘ってくれたんで、挑戦してみた。
スタジオのスタッフは気に入ってくれたし、ディ
レクターも僕の演技を絶賛してくれた。
でも彼らはオーディションの結果を、まずVIZ
Mediaに提出しなくてはならなかった。最終的
な決定権を持っているのはVIZだからね。
結局は他の人間(Steven Blum)が選ばれ、
努力はしたんだけど、駄目になった。
でも僕は、神様が示してくれる摂理というもの
を信じているんだ。開いているドアがあれば、
閉じているドアもある。だから、これまでに与
えられてきた、キャラクターを演じられる機会
全てに、僕は深く感謝しているよ。そして上手
くいかなかったことは、考え過ぎないようにし
ているのさ」


Q.「アニメ作品は幅広いテーマや話題を扱っ
ていますよね。中には、ある種の人々の間で物
議をかもすようなものもある。あなた自身の宗
教信条を理由として、参加を断った作品なんて
あります?」

Vic
「もちろんたくさんあるよ。何度も何度もね。
例えば僕はいま、『Bleach』の収録のために
ロスにいるんだけど、僕が何日かこの街にと
どまることを聞きつけたあるスタジオが連絡
をとってきたんだ。新しく始まる作品で、僕に
合う役があるからってね。
最初僕は喜んだんだよ。そのスタジオの人
達とは仕事をしてみたかったし、指定された
キャラクターも、面白く演じられそうだった。
でも、詳しくその作品のことを調べてみると、
ちょっと僕には心地よく思えないような、強
烈過ぎる暴力描写が含まれていることがわ
かったんだ。
だから僕は彼らに電話して、『これであなた
達との関係を悪くはしたくないんだけど、この
作品は、僕が参加すべきようなものではな
いと思うんだ。とても気持ちよく演じられる
とは思えない』と伝えなくてはならなかった。
過去にも、オーディションに行ってそこで初
めてどんな作品なのか理解して、ディレクタ
ーに『僕にとって良い作品とは思えないし、
作品にとっても僕はふさわしくないだろう』
と言わなくてはならないことがたくさんあった
んだよ。
今では業界のほとんどの人が、そんな僕のこ
とを理解してくれていて、特に付き合いの長
いADVなんかは、僕に合いそうにない種類の
作品だったら、最初から声をかけたりはして
こないんだ。僕が楽しく演じられない作品だ
と、ちゃんとわかってくれているんだね」


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20年を経て再びリン・ミンメイを演じられた飯
島真理さんのお気持ちについては、ご本人
のブログ2005年10月23日付け記事
のお言
葉を読んでみるのもいいかと思います。
終わりの頃は2日で14話分(!)を収録とい
うのは、日本から見ると、かなりハード過ぎる
スケジュールですけど……。
最後の第3部では、いよいよVicさん現時点
での最高の当たり役である、「鋼の錬金術師」
のエドワード・エルリックについて語ります。
エドとの出会い、あまりに「鋼」が成功してし
まったための、演技者としての不安など……。


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★「余話」の方も微笑ましく拝読させていただ
きました♪ 微妙な雰囲気とツッコミが愛らし
いといいますか。
宿題はお互いにあせらずボチボチと消化してい
きましょうね。あ、今週は「フルーツバスケット」
の最終巻もあるんだった……。感想期待してい
ますねー。←さらに宿題増やしてどうしますかっ
posted by mikikazu at 09:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 「鋼の錬金術師」情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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