以前にもご紹介したことがありますけど、北米の
アニメ・マンガ情報サイトAnime News Network
内の「Hey, Answerman!」は、ANNスタッフのAn
swermanことZac Bertschyさんが、アニメ・マン
ガに関する、ファンから送られた色々な質問に、
毎週直接答えてくれる、人気コーナーです。
その「Hey, Answerman!」に2週間前送られて
きた質問が、
「自分はナルトの術である螺旋丸を習得したい
と思っている。ずっとチャクラの開発に取り組ん
でいて、今では分身の術まで出来るようにな
った。同じように修行を積んでいる仲間達にも
その術を見届けてもらったので、これが真実で
あるのは間違いない。自分の守護獣はナルトと
同じ狐なので、ナルトが使うのと同じ忍術が使
えるようになって当然だと思う。螺旋丸を使い
こなせるようになりたいので、どこかにチャクラ
の使い方を学べるサイトがあるようなら、ぜひ
教えて欲しい。これはとても重要なことなのだ」
というものでした。
さすがに答えようがないので、Zacさんは、「こう
いう困ったメールが来た」と紹介するだけにとど
めたのですが、その反応に怒った質問者から、
翌週さらにメールが届きます。
(途中から)
「私の質問は真面目なもので、言ったとおりに私
の中には、狐の霊が宿っている。彼はとても危険
な存在だ。私の仲間もそれを証明してくれる。と
いうのも私が怒った時に、チャクラのオーラが赤
く燃えているのを彼らは確認しているのだ(ちな
みに私の彼女は鷹の霊を宿していて、そのチャク
ラの色は青だ。彼女は私と違って穏やかな人間
だが。これが理解出来るかい? それともこんな
スピリチュアルなことを受け入れるには、あんた
は馬鹿すぎるか?)
それに、私より強いと勘違いした連中を、たくさん
打ち倒してもきたのだ。
笑いたければ笑えばいい。しかし、暗い通りで私
と出くわしたら逃げた方がいいぞ。私の中の狐の
霊と螺旋丸は、お前のような馬鹿な人間に与える
慈悲などは持ち合わせていないのだからな」
ちなみに、その一週間で螺旋丸は既に習得して
しまったそうです。
このメールに対しても、Zacさんは「困った、まず
いことになったぞ! ニンジャ・パワーで彼は私
を殺してしまうかもしれない!」と茶化すのみで
答えます。
そしてさらに今週の最新更新分では、ナルトの
術を使えるという男の子の擁護者も現れます。
Luna Starbrightと自称する彼女が言うには、
「先週、彼が使える術について書いてきた男の
子に対して、謝罪するようお願いします。
多分驚きで、あなたにはショックかもしれません
が、この世界には、アニメ作品でキャラクターが
使っているのと同種の能力が使える人達が、実
はたくさん存在するのです。
その男の子がナルトと同じ能力を備えているよう
に、私自身も、セーラームーンが使うのと同じ能
力(変身とか)を身につけていると信じています。
私達は頭がどうかしていると思われるかもしれ
ませんが、これは事実なのです(その男の子が
言っていたように、私達はそれをちゃんと証明
出来ます)。いつかあなたも真実に目覚めます
ように……」
今週はまた、一連のやりとりを見た他のファン
から、「こういう人達は、本気でアニメキャラの
力が現実世界でも使えると考えているの? そ
れともただ面白がってそう演じてみせているだ
けなんですか?」という質問が届いていました。
それに対してZacさんは、「彼らは真面目にそう
信じているんだ。でも、アニメキャラの能力が
使えるという思い込みは、Otakukinと呼ばれる
コミュニティの住人の初期段階にしか過ぎない。
この『症状』が進行すると、やがて彼らは、
『自分達はアニメキャラの生まれ変わりに違い
ない』と主張し始めるんだ」と答えます。
この「Otakukin」という言葉は、僕も初耳だった
ので驚きでした。
なんでも、まず「otherkin」と呼ばれる、自分達
はドラゴンや狐や妖精といったファンタジックな
存在の生まれ変わりである、あるいはそういった
存在を体内に宿していると信じている人々がいる
そうなんですね(英語Wikipedia)。
その言葉が確認されたのは1996年頃かららしい
ですが、Otakukinは北米でのアニメやマンガの
認知と合わせてそれ以降発生し、「Otaku」と
「otherkin」を組み合わせて、そうネーミングされ
るようになったそうです(Encyclopedia Drama
tica)。
生まれ変わりの元になる作品はアニメやマンガ
だけでなく、「ハリー・ポッター」や「スタートレック」
など、多岐に渡るようですね。
以下、Zacさんによる解説を引用します。
「基本的なコンセプトはこう――。Otakukinの
掲示板を探せば、いくつかすぐに見つかるとは
思うんだけど、そこで主張されているのは、彼
ら自身が、日暮かごめか、孫悟空か、デュオ・
マックスウェルかもしれないと信じていること
なんだ。それをどうやって証明するかって?
いいかい、彼らはアニメ作品を見ている時に、
その作品の中で起きている出来事を、実際に
自分も体験していたという、特別な記憶を思
い出すんだ。時には、アニメの方が『間違って
いる』と気づくこともある。
そう、誰かが自分は『犬夜叉』だと主張して、
アニメ『犬夜叉』の第82話で描かれていること
は『おかしい』と言い出すことだってあるんだ。
『実際にはこうだった』と。
過去生か多元宇宙か何かで、彼らは実際に犬
夜叉だったんだから、彼らの方がよく知っていて
当然だというんだね」
「この人物は『オリジナル』という言葉を特に
カッコつきで使っているんだけど、Otakukinが
信じているところによれば、マンガ作品を実際
に創作した作者は、キャラ達が現実として存在
している、別の世界をのぞき見ただけ、というこ
とになるんだ。だから彼らが作った作品も、実
際に起きた出来事の、物語化された記録以上
のものではない、ということなんだね。
なのでそれが、アニメ作品における、あるシー
ンについて、『間違っている』と反対したり、攻撃
的な態度に出たりする、彼らにとっての正当な
理由になるんだ」
日本でも、いわゆるオカルト的な設定を採用した
作品が人気を博した時に、「自分はアトランティ
スの戦士の生まれ変わりである」のようなことを
若い人が本気で信じて、事件になったことがいく
つかありましたよね。
でも、さすがにフィクションのキャラクターの生ま
れ変わりであるとまで主張する事例の記録は
思い出せません。
そう信じ込んでしまう人々の気持ちには、あるい
はちょっと茶化せない深い問題があるのかもしれ
ませんが、とりあえず、「あんまりアニメばっかり
見てたらダメだよ」と言うしかないでしょうか。
案の定、ANNのフォーラムでは大議論になってい
るようですね……。
★あ、こっちの風邪がうつっちゃったのかもしれ
ませんね……。←それはないから
高熱ということで、インフルエンザとかじゃなけ
ればいいんですが。とりあえずお大事に。お早い
完全回復を祈っています。





