北米発のANIME&MANGA関連書籍近刊で注目している
本が、2冊あります。
1冊目は、Roland Kelts ローランド・ケルツさんの、
「Japanamerica: How Japanese Pop Culture Has
Invaded the U.S.」
(Japanamerica−いかに日本のポップカルチャーがアメ
リカを侵略してきたか)
ケルツさんは作家兼日本の東京大学で講師をなさってい
る方で、現代の日本文化や日本文学を専門とし、海外の
メディアでもその紹介を活発に行っている方、だそうです。
2006年6月20日に、東京・国際文化会館で行われた、「現
代日本文学の翻訳・普及事業」(Japanese Literature
Publishing Project:JLPP)のための講演の要約が、JLPP
のサイトで公開されていますので、氏の考えを知る参考と
なるでしょう。
「日本文学はなぜアメリカの若い人たちに読まれるのか」
http://www.jlpp.jp/news-j/jlpp_lecture/summary2/
注文は出来ましたので、いずれ届くと思います。
でもまあたぶん、英語で読んだら結構難しい内容になっ
ていると思いますので、お笑い部門担当のうちでは少々
荷が重いですから、学術部門担当のceenaさんに、真面
目な書評はお任せしますね。←こらこら勝手に担当とか
決めるんじゃないですっ
もう1冊は、Brian Camp ブライアン・キャンプさんとJulie
Davis ジュリー・デイビスさんによる、
「Anime Classics Zettai!: 100 Must-See Japanese Animation Masterpieces」
こちらに関しては、タイトルのインパクトに負けたといいま
すか(笑)。だって「絶対!」ですし。
著者のブライアン・キャンプさんは、ニューヨーク市立大学
でテレビ・プログラマーとして働きつつ、82年頃からアニメ
についての評論を書いているという方。
もう1人のジュリー・デイビスさんは、VIZ Mediaから発行
されていた、アメリカ初の商業アニメ誌Animericaで編集
長を務めておられた方です。
なので、キャリアの長いお2人による、充実したレビュー
が楽しめるのではないかと想像しています。
あ、ちなみにキャンプさんは、猛烈な「モーニング娘。」の
ファンでもあるとか。
こちらは来年発行ということで、少々待たなくてはいけない
ようですね。
僕がこの本について詳しく知ったのは、そのAnimericaで
8年近くスタッフとして働いていた、「Cruising the Anime
City:An Otaku Guide to Neo Tokyo」や「オタク・イン・
USA 愛と誤解のAnime輸入史」といったOTAKU本の著者、
Patrick Macias パトリック・マシアス氏のコメントからです。
マシアス氏がゲスト出演していた、ポッドキャスト「Mistakes
Of Youth」の第5回(11月13日分)の中、氏のキャリアを語
る過程で話題になったのですね。
このポッドキャストのインタビューは、音声にかなり難があっ
て聞きにくいですけれど、「ゴジラ」との出会いに始まるマシ
アス氏のオタク人生、Animericaでのキャリア、現在暮らして
いる日本での、外人オタク生活の実際などに色々触れていて、
面白かったです。興味のある方はぜひ。
92年11月の創刊準備号を経て、翌1993年の3月からアメリ
カ初の月刊アニメ専門誌として刊行を始めたAnimerica(公
式サイト)は、残念ながら2005年6月に、書店・ニューススタ
ンド流通の有料誌としての歴史に幕を閉じます。
現在は、コンベンションやBorders、Waldenbooksといった
大手書店チェーンで配布される季刊フリー・マガジンとして、
その名前を残していますが、「Animericaとは呼びたくないね。
僕達があれだけ心血注いでつくった月刊誌とは、もうまるで
違うものだから」というのが、マシアス氏の寂しそうなコメント
でした。