2006年11月25日

アメリカのアニメクラブの現状は?


お馴染みですが、フロリダ発のご贔屓ポッドキャストAnime
World Order
の、2週間前の第39回放送分(11月8日)の
クロージングでは、珍しく具体的なリスナーへの情報提供を
お願いしていました(1時間36分18秒〜)。
その質問は、「リスナーが住んでいるアメリカ各地域の、ア
ニメクラブの現状を教えて欲しい。規模を拡大しているのか
縮小しているのか、あるいは、もう無くなってしまっているの
か?」という内容でした。


というのも、AWOのメンバーが暮らしているフロリダ中央部
(クラリッサさんはオーランドですね)には、大きなアニメク
ラブが三つほど存在していたのですが(他にも小さいとこは
あるそうです)、その内のひとつ、1991年に創設された最
古のクラブが数週前に定期上映会を終了したんですね。イ
ベント運営団体として、クラブ自体は継続するようですが。
もう一つの、月に一度の上映会を行っていたクラブは、活
動を停止して久しい。
唯一アクティブな、隔週で活動している三つめのクラブも、
最盛期は50人ほどのメンバーが毎回集っていたのに、今
では、もうわずかに6〜7人程度とか。
そういった自分の地域の現状を受けて、このアニメクラブ
活動衰退は、アメリカ全体の傾向なのかどうか教えて欲し
いと、AWOはお願いしたんですね。


アメリカの「アニメクラブ」にも幾つか種類があって、高校・
大学の生徒達によって構成されているもの、それ以前の
年齢の子供達の受け皿として、各地域の公共図書館など
が提供しているもの、そして大人の、いわゆるマニア的な
人々が独自に設立・運営する、「ローカル・クラブ」がある
と思います。
アメリカのアニメクラブの嚆矢とされる、フレッド・パッテン
さん達が創設した(1977年5月。一番最初のミーティング
での参加者は16人だったとか)、ロサンゼルスのThe Cartoon/Fantasy Organizationなどは、三つめのグ
ループになりますよね。
交流のある、デラウェアのDAS――Delaware Anime
Society
さんも同様です。
ここで、AWOのメンバーが衰退を感じているのも、歴史の
長い、そういうローカル・クラブだと思います。
他に大学のアニメクラブもあるようですが、「上映している
のはクズみたいな作品ばかり」だから、メンバーのダリルさ
んは一度も足を運んだことがないそうで、そちらの「スクー
ル・クラブ」が繁盛しているかどうかはわからないそうです。


高校・大学のアニメクラブの活動については、少し前の情報
になりますけれど、いつもお世話になっている「アニメ!アニ
メ!」
さんの記事も参考になるでしょう。

「アニメ!アニメ!」さん05年7月18日付け記事
「アニメクラブ 日米の昨今」


short_g.gif


これを受けて、2週間が過ぎた、今週の第40回放送分(11月
22日)では、サンフランシスコやジョージアなど各地のリスナ
ーからの報告が、いくつか紹介されていました。
それらも含めて、届いたレポートはほとんど高校のアニメフ
ァンからの、スクール・クラブの現状を伝えるものだったよう
です。そしてそのどこもが、近年はメンバーの増大と活動の
拡大という、好調な発展傾向にあると。
これは、AWOのメンバーが目にしている、ローカル・クラブの
衰退とは、反する流れです。


メンバーのダリルさんの意見としては、かつてよりはるかに
増えた公式なDVDソフトのリリース、ファンサブやYouTube
などによって、アニメクラブに集うことなく、各個人がアニメ
を見られる機会が得られる現在、アニメを上映する場所とし
ての、アニメクラブの価値が失せたのでは、というもの。
それを受けてジェラルドさんは、その一方でスクール・クラ
ブが繁盛しているのは、高校生くらいの立場では、まだまだ
高価なDVDを個人で購入したり、ファンサブをダウンロード
するためのブロードバンド環境を整えるのは難しいからでは
ないか、と考えます。各アニメ販売会社も、DVDを無料提供
するアニメクラブ支援プログラムを用意していますしね。
一方ローカル・クラブの場合は、メンバーのほとんどが大人
ですから、もっと自由にアニメDVDを購入出来る経済的余裕
があるわけです。


議論は、現在に至って、アニメクラブの存在意義そのものが
変容してしまっているのでは、というものになっていきます。
かつてのアニメクラブの存在意義は、「こんな誰も知らない、
すごい作品があるぜ! 上映会を開いて1人でも多くの人に
見てもらい、その価値を広めていこう!」というものだったと
ダリルさんは語ります。そしてその目的は見事に達成され、
現在のアメリカでのANIME人気がある。
でも今では、誰にとってもアニメを手に入れることが簡単に
なってしまったために、そういう目的での上映会の意味が無
くなってしまったんですね。
AWOは、状況理解を深めるために、さらなる情報の提供を
呼びかけています。


short_g.gif


DAS――Delaware Anime Societyの代表であるMattie
さんに、アメリカにおけるアニメクラブの活動目的について尋ね
てみたことがあります。いただいた答えは、

「What anime clubs in the USA are for is to meet
others who also like anime and manga,and to make
new friends (and to watch anime and talk about it).
And many of our club members also go on outings
that are not anime related, such as to dinner or
to movies, just having fun as friends.Sometimes,
despite how popular anime is in the USA its hard
to find people who think like you do, and anime
clubs provide a group and a place to 'belong'.」

というものでした。
アニメを好きな人が集まって、一緒に見たり語ったり、ア
ニメとは関係なくても一緒に食事や映画に出かけて、友達
として楽しむ、アメリカでアニメが人気とはいっても、まだ
まだ仲間を見つけるのは(たぶん特に大人だと)難しいの
だから、そういう人たちが属する「居場所」を提供するため
に、アニメクラブはある、という感じですね。
特にDASさんの場合は、単に上映会のために集まるだけ
ではなく、コンベンションを主催したり、地域の公立図書館
のイベントや、チャリティーに協力したりと、他の能動的な
活動も色々行っていますから、色々な形があるだろうアニ
メクラブの例のひとつとして、参考にしていいと思います。


posted by mikikazu at 14:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
eXTReMe Tracker
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。