つい先日大きな話題になった、大手マンガ出版社TOKYOPOPの、北米マンガ事業からの撤退など(アニメ!アニメ!ビズ 2011年4月16日付け記事)、最近の北米のアニメ・マンガ業界からは暗いニュースばかりなんですが、これは明るいニュースなのでお伝えしたいです。
アメリカのホームメディア業界情報誌Home Media Magazineの公式サイトが毎週伝えている、全米ブルーレイ売上週間ランキングの3月28日〜4月3日分で、3月29日にFUNimationから発売された、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(日本公式サイト)が、堂々の第10位にランクインしていました!!
DVD・ブルーレイ問わず、北米の売上ランキングの類で日本アニメのタイトルを目にするのは、ずいぶんと久々になります。昨年3月に発売された、「崖の上のポニョ」以来になるかもですね。
売れているのはブルーレイだけではなくて、映画ランキングサイトTHE NUMBERSが発表している、同じ期間(3月28日〜4月3日)のDVD売上週間ランキングでも、「ヱヴァ:破」は第22位にランクインし、4万1912枚の売上枚数になっています。「崖の上のポニョ」の初登場数の成績は、3位(21万1624枚)でしたけれど、天下のディズニー配給の「ポニョ」と違い、あくまでインデペンデントな作品である「ヱヴァ:破」にとっては、大健闘といっていい数字だと思います。
では、ブルーレイの初週売上枚数を想像してみると、同じくTHE NUMBERSの4月11日付け記事では、「3万枚をちょうど超えた辺り」という表現になっています。
また同記事で170万ユニット近くとされている、「Tangled」のブルーレイの売上を100とした時に、「ヱヴァ:破」のそれの割合は2.08だと、Home Media Magazineのランキングでは記されていますから、やはり約3万枚程度くらいと考えられます。
なので、DVD(4万1912枚)とブルーレイ(約3万枚)を合計して、「ヱヴァ:破」のアメリカにおける初週販売枚数は、7万数千枚程度、と考えていいのではないでしょうか。日本市場での100万枚超え、といった数字と比較すると小さいですが、コアな作品だと1万枚を超えれば大ヒットというアメリカ市場では、とても大きな数字です。
また日本だと、「ヱヴァ:破」はブルーレイの売上枚数が、DVDのそれを上回っていたように記憶していますが、アメリカではまだDVDの方が若干多いくらいですね。
ちなみにアメリカでのディスク価格は、アメリカAmazonの実売価格で、DVDが12.99ドル(約1074円)、ブルーレイが19.99ドル(約1675円)です。
この「ヱヴァ:破」は、今年1月から3月にかけて、北米各都市を巡回上映していました。
初週こそ15スクリーンでしたが、後は単館規模でポツポツという感じで。それでもその結果、「序」(10万7797ドル)を上回る、13万3640ドルという興行成績を残してはいます(Box Office Mojo)。
その興行成績よりも、各地を回って各地のメディアにレビューが取り上げられていくという、地道な営業活動が、DVD/ブルーレイのセールス好調に繋がっている面もあると思います。ももちろん作品の出来や、10年を超える「エヴァンゲリオン」というブランドの知名度も大きいでしょう。
この「ヱヴァ:破」に限らず、FUNimationのサイトには日本からはアクセス出来ないのですが、アメリカAmazonで公開されている北米版予告編だけは視聴出来るので、雰囲気を味わってみてください。