昨日も取り上げた、アメリカン・コミックス出版
社大手DC Comicsのマンガ部門、CMX
Manga(公式サイト)の閉鎖についての話題
を続けます。
・参考
アニメ!アニメ!ビズ 2010年5月20日付け記事
「DCコミックの日本マンガ部門CMX
7月に事業停止」
CMXの閉鎖に対しては、当然いくつか北米のメデ
ィアでも反応が出ています。
"CMX reactions"
―― Comic Book Resources
"Roundtable: Reactions to CMX Shutdown"
―― School Library Journal
"RIP, CMX Manga"
―― Honolulu Star-Bulletin
"Your Manga Minute: Say It Ain't So..."
―― Newsarama blog
それぞれの記事で指摘されている、CMX失敗の
理由は、
・DC Comicsによるサポート・宣伝不足
・対象読者層が利用する一般書店での流通不足
などが多いようですね。
対象読者層を絞った、作品のチョイス自体には
賛成しつつも、その読者に届くようには、流通が
機能していなかったという指摘です。
またこれが、ニュースサイトのフォーラムなど
による一般ファンからの反応だと、真っ先に挙
げられるのは、出版初期に相当な議論を呼んだ
「天上天下」の修正問題になります。
・参考
ICv2 2005年3月7日付け記事
"CMX Bowdlerizes Tenjho Tenge Manga"
それでコアなマンガファンからは、「オリジナル
通りに出版しない不誠実な出版社」というレッテ
ルが貼られてしまったようにも見えます。
それ以降、CMXの作品がその内容修正において、
大きな話題になった記憶はないのですけど。
では、特に各記事での指摘はありませんでした
が(それだけ普遍化している問題なのだと思い
ます)、CMX作品のネットでの違法配信状況に
ついて、ちょっと調べてみました。
対象は、検索するとすぐヒットしてしまうような、
マンガ・スキャンレーションサイトを複数です。
・CMXが出版した北米正規版の内容が、
そのままスキャンされて流れている作品
「薬師アルジャン」
「CANON」
「CIPHER」
「クレヨンしんちゃん」
「蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜」
「時をかける少女」(ツガノガク版)
「月の子」
「お迎えです。」
「オヤユビヒメ∞(インフィニティ)」
「ペンギン革命」
「螺旋のかけら」
「ガートルードのレシピ」
「龍の花わずらい」
「ヴァリアンテ」
「[VS]バーサス」
「幻燈師シリーズ ボクの創る世界」
・日本版から翻訳したファン・スキャンレー
ションが存在する作品
「Astral Project 月の光」
「しにがみのバラッド。」
「ブレイクブレイド」
「地球美紗樹」
「悪魔で候」
「ドロテア〜魔女の鉄鎚〜」
「エマ」
「空の帝国」
「エロイカより愛をこめて」
「GALS!」
「ゴン」
「世界でいちばん大嫌い」
「神風怪盗ジャンヌ」
「カードの王様」
「目隠しの国」
「ラピスラズリの王冠」
「トカゲ王子」
「魍魎戦記MADARA」
「地球行進曲」
「モンスター・コレクション」
「あぁ愛しの番長さま」
「ナデシコクラブ」
「花の名前」
「with!!」
「オルフィーナ」
「彼女を守る51の方法」
「にゃんこい!」
「神曲奏界Polyphonica」
「聖魔伝」
「シャーリー」
「ラグナロク」
「知らない国の物語」
「ひつじの涙」
「天上天下」
「てるてる×少年」
「テスタロト」
「時の守護者」
「未来のうてな」
「ヴィーナス綺想曲」
「ビーナスは片想い」
「少年魔法士」
・英語翻訳での違法配信が見つからない作品
「APPLESEED MOVIE BOOK」
「源流武闘伝 - ORIGIN」
「クラシカルメドレー」
「デカ教師」
「電車男 〜でも、俺旅立つよ。〜」
「白球少女」
「住めば都のコスモス荘」
「火災調査官ナナセ」
「地平球EX」
「GO!GO!HEAVEN! 自決少女隊」
「ゴーウエスト!」
「〜磁海〜」
「王国の鍵」
「本の元の穴の中」
「キカイダー02」
「ガレキの王」
「リーダーズ ハイ!」
「9番目のムサシ」
「十二秘色のパレット」
「プレゼント」
「ランペイジ」
「戦国自衛隊1549」
「拳鋼少女リク」
「とらわれごっこ」
「すいへーりーべ!」
「スワン-白鳥」
「天龍」
「キョンシー仙女」
という結果になっていました。
もちろんスキャンレーションでも、途中までで
放棄したり、途中から正規版のスキャンに
移行したり、という作品もあるのですけど。
ともあれ、CMXはメジャーな作品はあまり出
版していないので、半分強程度で済んでいる、
という感じでしょうか。
もちろんCMX側も、ただ黙認・放置している
わけではなくて、「悪魔で候」「ゴン」「神風
怪盗ジャンヌ」「天上天下」といった作品が、
抗議によって撤去されているサイトもありま
した。
けれど、これだけの作品とサイトの数ですから、
とても追いつかないというのは想像出来ますね。
ちなみに、リスト最後の「ZOMBIE FAIRY
(キョンシー仙女)」について、アメリカYahoo!
の知恵袋コーナーで、「ネットでタダで読める
場所を知りませんか?」という質問がされて
いて、咎められることもなく、普通に大手ダウ
ンロードサイトが紹介されたりもしていました……。