ここ最近暗いニュースばかりが届いてくる、
北米のマンガ市場の状況なんですが、さらに
昨日大きなショックとして伝えられたのが、
アメリカン・コミックス出版社の大手DC Comics
が保有していたマンガ専門出版部門である
CMX Manga(公式サイト)が、2010年7月
1日付けで新作の出版を停止する、と発表した
ことですね。
Go! Comiの(おそらく)消失、VIZ Mediaの
大規模リストラに続く、残念なニュースです。
理由としては、「アメリカ市場でマンガが面し
ている困難な状況」以上の説明はないみた
いです。
Anime News Network
2010年5月18日付け記事
"DC Comics to Shut Down CMX Manga
Imprint in July"
DC Comicsからの作品として、唯一出版が継
続される予定なのは、日本でも出版されている、
フレッド・ギャラガー氏の「Megatokyo」のみで、
それ以外の作品、たとえばいまだに公式サイト
に、7月1日以降の新作として出版予定が掲載
されている、
7月7日予定
「あぁ愛しの番長さま」第2巻(藤方まゆ)
「にゃんこい!」第1巻(藤原里)
7月14日
「世界でいちばん大嫌い」第10巻(日高万里)
7月21日
「失踪HOLIDAY」(作・乙一/画・清原紘)
7月28日
「めぐる架空亭」(草川為)
8月11日
「白球少女」第2巻(山崎毅宜)
8月25日
「with!!」第3巻(斉藤けん)
9月1日
「彼女を守る51の方法」第1巻(古屋兎丸)
なども、とりあえず出版中止になると思います。
これらを含むCMX作品の出版権が、日本の権
利者の元に返されるのか、あるいは北米で新た
な出版社に売却・サブライセンスされるのかと
いう問いには、現状ではノーコメントのようです
(ICv2 3月18日付け記事)。
2004年10月に立ち上げられ、6年の歴史を持つ
CMXの代表作は、
「天上天下」(大暮維人)
「クレヨンしんちゃん」(臼井儀人)
「エマ」(森薫)
「シャーリー」(森薫)
「GALS!」(藤井みほな)
「魍魎戦記MADARA」(作・大塚英志/画・田島昭宇)
「ブレイク ブレイド」(吉永裕ノ介)
「CIPHER」(成田美名子)
「エロイカより愛をこめて」(青池保子)
「SWAN(白鳥)」(有吉京子)
「ゴン」(田中政志)
「神風怪盗ジャンヌ」(種村有菜)
「アゼル聖魔伝」(氷栗優)
などになるでしょうか。
詳しい作品カタログはこちら。
個人的にファンの作品としては、「米ソ冷戦時代
がしばらくは舞台だから、もう受けないだろう」と
言われつつも、ずっと出版が続いていた「エロイカ
より愛をこめて」が、第15巻までになりそうなのが
残念です。15巻ということは、「第七の封印」編ま
でですね……。