リクエスト特集第三弾は、作品ではなく地域
が対象で、お題は「イスラエル」です。
自分がイスラエルについて知っているのは、
映画評論家の四方田犬彦さんの著書「見るこ
との塩 パレスチナ・セルビア紀行」や「パレス
チナ・ナウ―戦争・映画・人間」を通しての、
雰囲気くらいですね。

まず、イスラエルにおけるアニメ・マンガにつ
いての概況は、JETRO(日本貿易振興機構)
がちょうど今年3月31日に発表したばかりの
調査レポート、
「イスラエルの消費市場とビジネスグループ」
でも、簡単に触れられています(P33〜34)。
それによると、
・イスラエルのアニメファンは数千人
・年齢層は小中学生・高校生(18歳未満の子供)
が大半
・テレビでの人気作は「犬夜叉」「ドラゴンボール」
・テレビ放送されていない作品をダウンロードして
視聴しているファンも年々増えている
・ダウンロードされている率が最も高いのは
「NARUTO」
・アニメによって日本語を学ぼうとする者が
増えている
といった様子みたいですね。
ファンの数は別にして、テレビ放送でメジャー
な作品を知り、ネットでのダウンロードでさらに
マニアックな作品に触れ、理解を深めるために
日本語を学び始めるというのは、世界共通のパ
ターンだろうと思います。

レポートで触れられている、ケーブル局のHOT
(公式サイト)と、衛星放送局YES(公式サイト)
で放送されているアニメーション・子供向けチャ
ンネルを調べてみると、
Arutz Hayeladim(公式サイト)
・「遊戯王」
・「恐竜キング」
・「NARUTO」
・「ポケットモンスター」
・「爆丸 バトルブローラーズ」
Disney Channel Israel(公式サイト)
―― JETROのレポートにはJetixと記載され
ているが、2009年9月9日付けで、チャンネル
名が変更
・「ポケットモンスター」
・「デジモン」
・「ロックマン」
・「シャーマンキング」
・「ソニックX」
・「ボボボーボ・ボーボボ」
・「ドラえもん」
・「ONE PIECE」
(ソース・英語Wikipedia)
などの作品が放送されているようですね。
かつて、ケーブル局HOTではAnime Channel、
YESではYES Animeと称した、日本アニメ専門局
も存在しましたが、2004年12月の開局後、2008
年1月1日付けで閉局したそうです(ヘブライ語
Wikipedia)。
このチャンネルでは、オリジナル日本語音声に
字幕での放送だったようです。
放送された作品の中でわかる、というか想像出
来るのは ――
2004年
・「キノの旅」
・「お兄様へ・・・」
・「万能文化猫娘DASH!」
・「スーパーミルクチャン」
・「王ドロボウJING」
2005年
・「Voltron」第1〜3作目
・TV版「万能文化猫娘」
・「青いブリンク」
・「ふたつのスピカ」
・「ぷちぷり*ユーシィ」
・劇場版「機動警察パトレイバー」第1〜3作目
・TV版「機動警察パトレイバー」
2006年
・OVA版「機動警察パトレイバー」第1&2作目
・「だあ!だあ!だあ!」
・「セラフィムコール」
・「ブギーポップは笑わない」
・「X」
2007年
・「エルフを狩るモノたち」
・OVA版「サクラ大戦」第1&2巻
・「ストリートファイターII V」
・「みすて・ないでデイジー」
・「アニメ三銃士」
・「EAT-MAN」
・「EAT-MAN'98」
2008年
・「グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜」
・「光と水のダフネ」
・「あまえないでよっ!!」
(年度不明)
・「フルメタル・パニック!」
半分くらいですけど、こんな感じですね。
「あまえないでよっ!!」は、ヘブライ語を機械翻訳
したら、"Temple Girl's Diary"になったの
で、たぶんそうじゃないかなと(笑)。
その他、ヘブライ語Wikipediaの"anime"の項
によれば、
・「カウボーイビバップ」
・「犬夜叉」
・「ヒカルの碁」
・「フルーツバスケット」
・宮崎駿作品
などもイスラエルでの人気作品として語られて
いますが、やはり最大のヒット作は「ドラゴンボ
ールZ」だったとされています。
あと映画作品についていえば、2009年7月30日
に、宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」が公開されて
いる筈なんですが、興行記録(Box Office Mojo)
には登場していません。