2010年02月28日

「ハートキャッチプリキュア!」第4話で「親友」となった、つぼみさんとえりかさんの関係について


東映アニメーション制作のプリキュアシリーズ
最新作「ハートキャッチプリキュア!」について
は、これまでTwitterの方だけで呟いてきた
んですけど、開始から1ヵ月経過ということで、
少しだけブログの方でも、個人的意見をまと
めておきたいと思います。

「ハートキャッチプリキュア!」
・東映公式サイト
http://www.toei-anim.co.jp/tv/hc_precure/index.html
・朝日放送公式サイト
http://asahi.co.jp/precure/


short_g.gif


今日放送された第4話は、「早くもプリキュア
コンビ解散ですか?」というタイトルからも、
プリキュアになったつぼみさんとえりかさんの
友情の亀裂、あるいはケンカ話になるのでは、
という予想はありました。
実際にはケンカなどとは全く違い、自分の力不
足をふがいなく思ったつぼみさんが、プリキュア
の立場から身を引いてしまいそうになる、という
お話でした。


そして結局2人がお互いの必要性を認め合った
ことで初めて、2人同時の変身シーンが描かれ
るわけですが、そういう、2人がついに、つぼみ
さんとえりかさんだからこその、「ふたりはプリキ
ュア」状態に至るには、もっとドラマの積み重ね
があった方がいいかもとは、一瞬思いもしました。
そういう考えが浮かぶ理由のひとつには、初代
のなぎささんとほのかさんの2人が、やっとプリ
キュア同士というだけではない、親友状態に至
るまでには、第8話までを費やしたという過去が
あるからだとは思います。


初代以降のシリーズに対する批判の論法のひ
とつとして、「初代は、最初は他人だった2人が
名前で呼び合い親友になるまで8話も費やし、
その第8話の出来も最高だったのに、それに対
して……」という論理展開をよく目にします。
でも個人的には、初代のシリーズ構成をそこまで
神聖視する必要もないとも思います。
初代のなぎささんとほのかさんと、「ハートキャッ
チ」のつぼみさんとえりかさんは、それぞれ違う
個人であり、違う個人の組み合わせなのだから、
親友になるまでの期間も過程も違っていて、当
然です。


例えば、初代に続く「Splash☆Star」の咲さんと
舞さんの場合は、2話くらいで、もうお互いを名前
で呼び合うようになりましたが、この2人はシリー
ズの中でも飛びぬけて素直な心根の優等生だっ
たので、プリキュアという、世界で自分達2人だけ
しかいない立場になったお互いをすぐに受け入
れ合い、名前で呼び合うことに、個人的には特に
違和感を覚えませんでした。
この2人なら、こういう関係にすぐなって自然だろ
うというキャラ構築が、第2話までに、きちんと出
来ていたんですね。


short_g.gif


では、「ハートキャッチ」の場合、第4話で2人が
親友であることを認めた展開を個人的にどう思っ
たかというと――。
言葉それ自体が先走っている感もあるのは認め
た上で、2人とも、まだまだ人間としての伸び白が
多いからこそ、むしろこれから、そういう「親友」と
いう言葉を実際の絆として、どうやって埋めていく
のかという期待でいっぱいになりました。
初代の時は、「プリキュア」という作品・設定自体が
初めてということもあって、作中のなぎささんとほの
かさんも、プリキュアとしての自分達の立場と、パー
トナーとしてのお互いの存在を、それぞれ合わせて
考えなくてはならず、それなりの時間は必要だった
でしょうし、実際にその時間を費やしてくれたのは、
良心的なシリーズ構成だったと思います。


けれど、シリーズを重ねて五代目(七作目)になる
「ハートキャッチ」で大きく異なるのは、視聴者側
からのシリーズに対する認知構築に加えて、作
品内設定としても、プリキュアがつぼみさんとえり
かさんの2人だけではないという認知が早々にさ
れていることですね。
特にブロッサム=つぼみさんの場合は、他でもな
い祖母の薫子さんが元プリキュアですから、今回
のように、プリキュアだからこその悩みも吐露出
来るし、頼ることも出来る。
プリキュアとは何をすべき存在なのか、考え探求
する時間を大きく費やす必要はとりあえずないの
だから、親友としての関係を構築する時間が初代
より早くなっても、おかしくないと思います。
この第4話で、マリン=えりかさんが「好き」とブロ
ッサム=つぼみさんに伝えたのなら、それが現時
点での、彼女の気持ちの素直な現われだと受け
とめてあげたいと思いました。


だから、今後の物語的ターニング・ポイントは、
第1&2話のえりかさんとは逆に、つぼみさんが
こころの花を抜かれてしまう時かもですね。
えりかさんの時は、つぼみさんにとって彼女はま
だ知り合ったばかりのクラスメートで、デザトリア
ンが叫ぶ心の声の中身も、まだ他人事だったと
思います。
でも、これからもし、つぼみさんがこころの花を
抜かれてしまうとしたら、えりかさんにとっては親
友で、世界に1人しかいないプリキュアとしてのパ
ートナーの、心の声を聞かされてしまうことになる
わけです。
その時に、つぼみさんの心が何を叫んでしまうのか。
それを聞いたえりかさんが、どう反応するのか。
実はその時こそが、2人が本当の「親友」になる
瞬間かもしれませんね。期待しています。


posted by mikikazu at 12:23 | TrackBack(0) | アニメ感想-いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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