それでは昨日に引き続いて、北米のマンガ
関連サイト・ブログで発表されつつある、2009
年度のベスト作品リストの紹介ですね。
とりあえず見つかる範囲での選出を、それぞ
れ掲載してみます。やはり重なるタイトルが
多いです。批評家受けする作品っていうか?
あ、ほとんどのサイト・ブログさんは、お馴染み
Brigid AlversonさんのMangaBlog経由
で探しました。ありがとうございます。
まだランキングとしてはですが、Brigidさん
の今年のお薦めは、「PLUTO」(手塚治虫・
浦沢直樹 VIZ Media)になるようです(Flashlight
Worthy:The Best Graphic Novels of 2009)。
Manga Worth Reading
"Best Manga of 2009"
(by Johanna Draper Carlson)
Best New Manga
「PLUTO」(手塚治虫・浦沢直樹 VIZ Media)
「大奥」(よしながふみ VIZ Media)
「20世紀少年」(浦沢直樹 VIZ Media)
「美味しんぼ a la Carte」
(雁屋哲・花咲アキラ VIZ Media)
「劇画漂流」
(辰巳ヨシヒロ Drawn and Quarterly)
Best Continuing Manga
「NANA」(矢沢あい VIZ Media)
「よつばと!」(あずまきよひこ Yen Press)
「ARIA」(天野こずえ TOKYOPOP)
「ヒカルの碁」(ほったゆみ/小畑健 VIZ Media)
「さよなら絶望先生」(久米田康治 Del Rey)
Best Completed Manga
「エマ」(森薫 CMX)
「The Color of Water (The Color of Earth) 」
(Dong Hwa Kim,First Second)
Guilty Pleasures and Griping
「いぬばか」(桜木雪弥 VIZ Media)
「トカゲ王子」(和泉明日香 CMX)
「高校デビュー」(河原和音 VIZ Media)
「オトメン(乙男)」(菅野文 VIZ Media)
Pop Candy
"Year in review: My top 10 comics/graphic
novels of 2009"
(by Whitney Matheson)
1.「デトロイト・メタル・シティ」
(若杉公徳 VIZ Media)
2.「Nine Ways to Disappear」
(Lilli Carre,Little Otsu)
3.「美味しんぼ a la Carte」
(雁屋哲・花咲アキラ VIZ Media)
4.「劇画漂流」
(辰巳ヨシヒロ Drawn and Quarterly)
5.「I Want You」(Lisa Hanawalt,Buenaventura Press)
The Anime Almanac
"Top Ten Manga Releases of 2009"
(by Scott VonSchilling)
1.「20世紀少年」(浦沢直樹 VIZ Media)
2.「さよなら絶望先生」(久米田康治 Del Rey)
3.「PLUTO」(手塚治虫・浦沢直樹 VIZ Media)
4.「ファンシージゴロ・ペル」(水野純子 LAST GASP)
5.「明日のよいち!」(みなもと悠 TOKYOPOP)
6.「トカゲ王子」(和泉明日香 CMX)
7.「劇画漂流」
(辰巳ヨシヒロ Drawn and Quarterly)
8.「デカ教師」(馬場民雄 CMX)
9.「Pig Bride」
(KookHwa Huh&SuJin Kim,Yen Press)
10.「しにがみのバラッド。」
(ハセガワケイスケ・泉明日香 CMX)
No Thank You!
(biggest disappointment of the year)
「デトロイト・メタル・シティ」
(若杉公徳 VIZ Media)
The Manga Critic
"The Best Manga of 2009"
(by Katherine Dacey)
1.「海獣の子供」(五十嵐大介 VIZ Media)
2.「勝又進作品集 赤い雪」(勝又進 Drawn & Quarterly)
3.「ファンシージゴロ・ペル」(水野純子 LAST GASP)
4.「PLUTO」(手塚治虫・浦沢直樹 VIZ Media)
5.「遥かな町へ」(谷口ジロー Fanfare/Ponent Mon)
6.「花の名前」(斎藤けん CMX)
7.「GOGOモンスター」(松本大洋 VIZ Media)
8.「イタズラなKiss」(多田かおる DMP)
9.「デトロイト・メタル・シティ」
(若杉公徳 VIZ Media)
10.「美味しんぼ a la Carte」
(雁屋哲・花咲アキラ VIZ Media)
例年ランキングを出していて、今年はまだの方々
もおられるのですが、その辺は年を越した頃くら
いにまたあらためて。
まあ、北米のマンガ批評界では名前を出してな
い人がほとんどいないくらい、「PLUTO」(手塚
治虫・浦沢直樹)の圧勝かなという気はします。
それに「20世紀少年」も合わせてですね。
ヨーロッパはともかく北米では、浦沢作品は決
して売れ筋の作品というわけではなくて、これ
らの作品も一般書店の売り上げランキングで上
位に入ったりするわけではないのですが、作品
としてのクオリティは、きちんと評価されている
ようです。
「PLUTO」については、アメコミ・ヒーロー作品の、
現代的リアリズムを踏まえた再実写映画化のト
レンドに合った、ということもあるかもしれません。
大人の鑑賞に耐えうるリアリズムで、かつての
スーパーヒーローを描いたらこうなるという。
「ATOM」がヒットしてたら、こちらも即座に映画
化みたいな流れになっていたかも、ですけど。
あ、「ATOM」を制作した香港のIMAGIスタジオ
では興行的失敗を受けて、400人のスタッフのう
ち100人がレイオフとのことです……(ANN)。
あと、「デトロイト・メタル・シティ」「さよなら絶
望先生」といったクセのある作品も、それなり
の評価を受けていますね。前者については、
僕はScott VonSchillingさんの意見に賛
成なんですけど。
やっと出版の始まった「美味しんぼ」は、とりあ
えず今期の出版は一段落で、続きは売り上げ
次第といった感じでしょうか。マーケティングの
やり方次第になる作品だと思います。