少し時期としては早いんですけど、アメリカ
の書籍専門週刊誌Publishers Weekly
(公式サイト)が、恒例の本年度ベスト10リ
ストを発表しています。
これは売り上げ結果に基づくものではなく、
PWの編集者さんによる選出ですね。
Publishers Weekly
2009年11月2日付け記事
"Best Books of 2009"
対象カテゴリーは、
・書籍全体
・フィクション
・詩
・ミステリー
・SF/ファンタジー/ホラー
・ペーパーバック
・コミック
・ノンフィクション
・宗教
・子供向け
と多岐に渡っていて、うちの調査対象であるマ
ンガ作品も、コミック・カテゴリーに含まれて
いました。
今年選ばれていた日本マンガ作品は、
「劇画漂流」 ―― 英語題"A Drifting Life"
(辰巳ヨシヒロ Drawn & Quarterly)
「PLUTO」
(手塚治虫/浦沢直樹/長崎尚志 VIZ Media)
の二作になります。
「劇画漂流」は、本年度の手塚治虫文化賞(公
式サイト)のマンガ大賞も受賞していましたけど、
辰巳ヨシヒロさんは、海外のコミック関連のレ
ビュー記事で、実は今年一番名前が出されて
いた日本人作家さんかも、というくらいの印象
がありますね。
参考
New York Times 2009年4月14日付け記事
"Manifesto of a Comic-Book Rebel"
Publishers Weekly 2009年5月19日付け記事
"Tatsumi Talks About A Drifting Life"
Manga:About.com
・2009年5月9〜10日に開催されたToronto
Comic Arts Festivalでのパネルの模様
"Q & A with Tatsumi Yoshihiro, the Manga
Artist of A Drifting Life and Godfather
of Gekiga"
またこの作品は、アメリカのオンラインストア
Amazonによる、Best Books of 2009内の、
Comics & Graphic Novelsカテゴリーでも、
日本人作家作品で唯一、第8位に選出されて
いました(via Icarus Publishing)。
このランクキングはAmazonの担当者による
判断で、純粋なセールス結果ということになる
と、こちらになります。
こちらにはマンガ作品の姿はなく、またマンガ
独自のランキングもありません。その辺はまた
調べてみます。

もう一つの「PLUTO」については、個人的にも
好きな作品なので嬉しいですね。
現在公開中の「ATOM」が大ヒットしていたら、
その勢いで浦沢版アトムも映画化――みたい
な可能性もあったかもですけど。
その「ATOM(Astro Boy)」の、これまでの興行
成績ですが、例によってBox Office Mojoに
よると、アメリカでの公開二週目になる先週末
は、ひとつ順位を落として第7位、興行成績は
前週マイナス48.4%の346万651ドル、累計で
1131万6418ドル(約10億2129万円)ですね。
最終的には、やはり2000万ドルくらいです?
このBox Office Mojoの作品評価でも、
As: 85 66.9%
Bs: 21 16.5%
Cs: 5 3.9%
Ds: 4 3.1%
Fs: 12 9.4%
という結果で、わりあいに好評で、酷評など
とするには程遠いわけですが、それでも大ヒ
ットしなかったのには、宣伝とか、別の要因
もあるんだろうと想像します。
作品出来とは関係なく、そもそも鉄腕アトム
=Astro Boyというキャラクター自体に、もう
北米の観客を劇場にまで呼ぶだけの現代的
魅力がない、とか……。
一方で、中国ではナンバー1ヒットだったとさ
れているようですし(PRNewswire)、最終的
な世界興行の結果はどうなるでしょう。