好きな作品についての緊急ニュースなので、
今日のうちに頑張って、もうひとつ記事にし
ておきます。
伝えるのが嬉しい種類の話題ではないです
けど……。
イタリアでのマンガ「よつばと!」(あずまきよ
ひこ)は、「Yotsuba &!」のタイトルで、アニメ
DVDも扱っているDynit社(公式サイト)のマ
ンガ部門より、2007年2月に第1巻の出版が
開始されました。
その後、
第2巻(2007年4月)
第3巻(2007年6月)
第4巻(2007年8月)
第5巻(2007年10月)
と、隔月ペースで一気に刊行が続いたとこ
ろで、イタリアでの出版はストップします。
ご存知のように日本では、第6〜8巻まで
の出版が続いていますから、現在まで続く、
この2年間の休止をもどかしく思うイタリア
のマンガファンは、当然多かったと思います。
で、先日もご紹介した、ルッカ・コミック&ゲー
ム展(公式サイト)での、Dynitのパネルの最
後の質疑応答で、「『よつばと!』はどうなって
いるの?」という質問がされたんだそうです。
ソース・Manga Forever 10月31日付け記事
"Dynit a Lucca comics: Eureka Seven,
Inuyasha Final Act, Saiyuki"
そこで、Dynitによる公式回答として、「よつば
と!」(及び「ふたりエッチ」と「最遊記」)の出版休
止が告げられた、そうなんですね。
その理由までは不明ですが、出版契約のもつ
れとかでなければ、やはりセールス不振の可能
性が高いだろうと想像します。
「よつばと!」は、過去にも海外で出版のトラブ
ルに巻き込まれたことがあります。
アメリカでは第1〜5巻が、ADV Mangaから、
2005年6月から2007年10月にかけて出版され
た後、第6巻の発売は当初告知されていた2008
年2月からどんどんと遅れるだけで、ファンはヤキ
モキし、結局2009年の2月になって、第6巻を含
む「よつばと!」全ての翻訳権が、Yen Press
に移ったことが明らかになります。
Yen Pressから9月に発売された「よつばと!」
第6巻は、ニューヨーク・タイムズのマンガ・ベス
トセラー・ランキングでも初週に第3位に入る売
り上げを示し、ADVでの出版遅延が、不人気によ
るものではないとも明らかにしました。
僕個人は、国民性の違いといったものの存在
を、全く考慮しない立場の人間ですが、アメリカ
とイタリアで、結果としてこうやって扱いが違っ
てしまう現実を、ファンとして寂しくは思います。
アメリカだと、「よつばと!」は真面目なコミック、
グラフィックノベル関連の賞の候補にあげられ
ることも多くて、それを受けて図書館などでも
人気が高かったようですけど、そういう方面か
らの評価みたいなものは、イタリアでは構築さ
れなかったんでしょうか?
イタリアのファンは、まずアニメを経験してから
原作のマンガを読むとも聞きますけど、同じ作
者さんの「あずまんが大王」とは違って、アニメ
のない「よつばと!」は不利だったとか?
同じニュースを伝えるAnimeClickの11月2日
付け記事、
"Addio Yotsuba&! e grazie per tutto
il pesce"
のコメント欄では、イタリアのファンからの色々
な意見が寄せられています。
「この悲しいニュースを聞いて、私の一部も
一緒に死んだ」とまでショックを受けている
ファンの方もいる一方で、こういう日常マンガ
はイタリアではそもそも受けない、と分析され
ている方もいますし、出版社側のマーケティン
グ不足を批判する方もいます。難しいですね。
アメリカでYen Pressに移って見事に再生した
ように、イタリアでも、コメント欄で名前が出さ
れている、J-POP(公式サイト)のような、マン
ガだけを専門に扱ってくれる出版社に移って、
なんとか再開して欲しいと、僕も願います。