Publishers Weeklyの9月21日付け記事、
"Publishing in the UAE"
は、UAE(アラブ首長国連邦)における書籍出
版の現状について、詳しく解説するものでした。
その中で目を引いた情報は、アブダビ文化遺
産庁(ADACH)内の国立図書館が予定してい
る新しい計画として、音楽と合わせて、ティー
ンエイジャー向けの、世界から集めたマンガ・
コミックの図書館も設立する予定がある、とい
う話でした。
テクニカル・サービス部門担当のKhalid al
Dhaheri氏のコメントには、それ以上の詳しい
ことは語られていませんでしたけど、実現すれ
ば、とても面白い計画だと思います。
マンガ・コミック専門の図書館・博物館という
と、既にフランス・アングレームのバンド・デシ
ネ博物館や日本・京都の国際マンガミュージ
アムなどがありますよね。
フランスや日本は、そもそもバンド・デシネな
り、漫画なりの長い歴史があるわけですが、
UAEだと、自前のコミック文化が大きく育つの
は、たぶん、まだまだこれからだろうと想像し
ます。
マンガを楽しんでいる子供や、マンガ家を目
指している若者も、急速に増えつつあるよう
なので、この図書館が彼らの役に立つ場所
になればいいですね。規模とか蔵書とか、
また詳しい情報を待ちたいです。
日本やアメリカの出版ビジネスは、厳しい状
況にあるそうですが、記事によると、UAEの
出版市場は年間15〜20%の伸びを続けてい
るそうで、海外の出版社が参入するには、絶
好の場所だろうとも伝えられています。
「Gold Ring」のセールスも好調だそうですし、
日本のマンガにも、大きなビジネス・チャンス
の可能性が、さらにあるかもしれませんね。
ちょうどなんですけど、そういったUAEでの、
マンガ・アニメの人気を伝える記事が、英字
日刊紙The Nationalに、9月21日付けで
掲載されていました。
The National 2009年9月21日付け記事
"Mad about manga"
記事の内容は、かねてよりお伝えしている
マンガ「Gold Ring」(参考・2009年7月23日
付け記事)、ザーイド大学の日本語クラブの
女の子達、そしてドバイのレストラン「マンガ
寿司」(2009年3月4日付け記事)、在ドバイ
日本総領事館で日本企業の進出や日本の
ポップカルチャーの促進を担当している方に
ついて、ですね。
「マンガ寿司」のオーナーである、現在25歳
のSultan Qassim Sultan氏についての、
もう少し詳しいプロフィールが掲載されてい
たので、いくつか箇条書きすると、
・初めて見たアニメは、8歳の時に兄に見せら
れた英語吹替版「強殖装甲ガイバー」。
・それからアニメとマンガに夢中になり、父親
のクレジット・カードを借りたりも。
・現在保有しているビデオ、DVD、マンガの総
数は約5000。人の大きさの棚7つが一杯。
・昨年開店した「マンガ寿司」の費用は250万
UAEディルハム。1ディルハム=24.853円と
して、約6213万2453円?
・既に五つの日本のテレビ局からコンタクトが
あった。UAEのテレビ局からはなし。
というような話が出ています。
25歳で、(計算間違いでなければ)6000万円の
開店費用が捻出出来るなんて、どういう立場の
人なんだろうと、さすがに思ってしまいますけど。
それと日本総領事館の方は、UAEで人気のある
マンガ作品の調査を、レストランや大学、ビジ
ネス界の人達約120人以上を対象に行っていて、
それによると、「Bleach」や「DEATH NOTE」
といった近作も、とても人気があるが、やはり
圧倒的なのは「ドラゴンボール」で、続いて
「ドラえもん」「NARUTO」といった順位になる
そうです。
あ、昨日フジテレビ系列で放送された、「〜あら
ゆる世界を見学せよ〜潜入リアルスコープ」は、
一応見てみました。
確かに「マンガ寿司」は登場しましたが、時間に
してわずか40秒と、あまりに駆け足の紹介だっ
たのが残念でした。
「涼宮ハルヒ」の制服姿の女の子達が踊ってい
た曲は、ここではピチカート・ファイブの「スウィー
ト・ソウル・レビュー」でしたね。
でもあのスペースでは、「ハレ晴レユカイ」を踊る
のは辛そうかも。