2009年09月03日

ADVの撤退で、残った他の北米アニメDVD会社は?


昨日、北米のアニメ業界・ファンダムを揺るが
したニュースですね。

アニメ!アニメ! 2009年9月2日付け記事
「米国アニメ会社ADV 資産売却で日本アニメ
 から完全撤退」


とりあえず、DVDの流通はSection23 Filmsと
いう会社が引き継ぐものの、A.D.Visionのアニ
メDVD部門の、ADV Filmsという名前は消えて
しまいそうですね。
北米アニメバブルの絶頂期(2001〜2003年く
らいですか)には、ADVの創設者(92年創設)で
あるJohn Ledford氏とMatt Greenfield氏を、
「anime」という金鉱を掘り当てた、アメリカン・
ドリームの成功者として持ち上げる一般メディア
記事も多く見られたのですが、それからたった
5〜6年で、残念な結果に終わってしまったんで
しょうか。


アニメ!アニメ!さんの記事にもある、ADV
が保有していた実写版「新世紀エヴァンゲリ
オン」の権利の行方も気になるところですけど、
より実現させる可能性の高い会社なり、プロ
デューサーなりのところに移る展開になれば
いいとしか?


short_g.gif


よい機会なので、現存している他の北米アニ
メDVD会社のラインナップについて、ちょっと
並べてみたいと思います。
スタジオジブリ作品を扱うウォルト・ディズニー
は別格として、アニメDVDをメインに扱う会社
で、今後のブルーレイへのメディア移行にも
対応出来そうな、あるいはしつつある大手は、


・FUNimation
 www.funimation.com/ (日本からは接続拒否)
「ドラゴンボールZ」「鋼の錬金術師」
「ONE PIECE」

・VIZ Media
 http://www.viz.com/
「NARUTO」「Bleach」「DEATH NOTE」

・BANDAI ENTERTAINMENT
 http://www.bandai-ent.com/
「ガンダム」シリーズ 
「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」
「コードギアス 反逆のルルーシュ」


の三社になるでしょうか。
テレビ放送だけでなく、ネットでの同時配信も
行われ始めた作品の、物理メディアでの商品
展開がどうなるかが、今後の注目だと思います。
英語吹替についても、採算が合うメジャーな
作品なら、商品に引き続き収録される可能性
はあるでしょうね。
あ、

・Manga Entertainment
http://www.manga.com/

は、「攻殻機動隊」シリーズだけはメジャーです
けど、それ以外は……? 「イノセンス」はDVD・
ブルーレイ共に、BANDAIからのリリースにな
りましたし。
(追記・11月の「Blood: The Last Vampire」
と「攻殻機動隊 2.0 Edition」のブルーレイ発
売を発表しました。ソース・Mania.com)


続いて、ブルーレイについてはまだ明言がな
く、予算がかかる英語吹替を収録しない安価
なBOXセットで展開していく方針だと思われる
のが、

・Nozomi Entertainment
 (オンラインストアRight Stuf内レーベル)

http://www.rightstuf.com/rssite/nozomiEntertainment/
「ARIA」シリーズ 「マリア様がみてる」
「学園アリス」

・Media Blasters
http://www.media-blasters.com/
「シムーン」「乙女はお姉さまに恋してる」
「Voltron」

ですか。
またどちらの会社にしても、成人向けアニメ
のレーベルである、「Critical Mass」と
「Kitty Media」をそれぞれ運営していて、
ある程度コアなファン層もついていそうです。
Media Blastersにはさらに、実写映画レー
ベルの「Tokyo Shock」(アクション・特撮)と、
「Shriek Show」(ホラー)もあります。


アニメだけではなく、日本・アジア製の実写映
画も合わせてリリースしているところは、

・AnimEigo
http://www.animeigo.com/
「YAWARA!」

・Discotek Media
http://discotekmedia.com/
劇場版「世紀末救世主伝説 北斗の拳」(1986年作品)

・URBAN VISION ENTERTAINMENT
http://www.urban-vision.com/
「バンパイアハンターD」

ですね。
AnimEigoは、その名前に反して、今では侍映
画専門会社みたいになっていますし、Discotek
Mediaも、実写版「ルパン三世 念力珍作戦」
とか「さよならジュピター」とか、なかなか濃い作
品のカタログが揃っています。
URBAN VISIONにしても、近作は実写の「あず
み」シリーズみたいで、「吸血鬼ハンターD」シリー
ズの新作が実現するまでは、アニメについては
動きがないでしょうか。
さらに追加ですが、音楽物が強いらしい、

Shout! Factory
http://www.shoutfactory.com/

が、日本アニメでは「恐竜キング」だけを扱って
いるようです。


最後に、一応公式サイトはネット上に残ってい
るものの、ビジネス業務としては、もう動きがな
さそうなのが、

・Illumitoon Entertainment
http://illumitoon.com/
「B'T X」「ボボボーボ・ボーボボ」

・New Galaxy Anime
http://www.newgalaxyanime.com/
「ユニコ」

ですね。
Illumitoonは、もうずっと「B'T X」の第2巻が
「Coming Soon」のままで放置されていますし、
New Galaxy Animeの場合は、唯一の作品
「ユニコ」のリリースを発表してから、2年以上も
動きがありません。収入がないわけですから、
会社として存在しているとも思えないんですけど
……。


そうそう、まだ1本もリリースしていないといえ
ば、「絶対無敵ライジンオー」の権利取得を昨
年12月に発表した、

・Anime Midstream
http://www.animemidstream.com/

も思い出しました。
声優さんはオーディションで選ぶとのことでし
たが、どうなったでしょう。


short_g.gif


とりあえず、これくらいでしょうか。
抜けている会社がありましたら、ご指摘よろしく
お願いします。
ともあれ、ここ最近は、新作のリリース自体が
激減していて、北米での人気傾向を知るための、
オンラインストアでの売り上げランキング調査に
も、あまり意味を感じなくなっているところです。


posted by mikikazu at 08:06 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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