2009年07月22日

アメリカの公共図書館に置いてある「涼宮ハルヒ」関連図書・DVD・CDのリスト


図書館蔵書横断検索サイトであるWorldCat
利用し始めてわかってきたことの一つが、
アメリカの公共図書館における、マンガ以外の、
日本アニメ関連ビジュアル・オーディオ資料の
充実ですね。
というわけで今回は、アメリカでも原作小説・
マンガ版・DVD・CDなど、多くの商品が展開さ
れていた「涼宮ハルヒ」シリーズをサンプルに
して、どんなメディア商品が、どれだけの数の
公共図書館に置かれているのか、調べてみる
ことにしました。


ちなみに、「ハルヒ」の北米地域での商品展開
については、いつもお世話になっているサイト
「白い空」のかざみあきらさんが、その最初期
からずっとリアルタイムで追いかけていて、
「北米版SOS団公式サイト更新情報」でまとめて
くださっていますので、ぜひ参考にしてください。


では、それぞれ商品ごとにデータを。

関連サイト
原作小説及びマンガの公式サイト
・アニメ版「ハルヒ」公式ページ「ASOS Brigade」
・BANDAI ENTERTAINMENTのDVD紹介ページ


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・書籍

原作小説「涼宮ハルヒの憂鬱」英訳本
(出版元・Little, Brown Books)
・ハードカバー版(14.99ドル)とペーパーバッグ版
(8.99ドル)が存在するが、表紙画像に用いられて
いるのはハードカバー版がほとんど。
―― 119館

原作小説「涼宮ハルヒの憂鬱」日本語版
―― 1館(ワシントン州University of Washington
Libraries
)
「涼宮ハルヒの溜息」
「涼宮ハルヒの退屈」
「涼宮ハルヒの消失」
「涼宮ハルヒの暴走」
「涼宮ハルヒの動揺」
「涼宮ハルヒの陰謀」
「涼宮ハルヒの憤慨」
「涼宮ハルヒの分裂」
も、同大学図書館に。
日本語版「暴走」は、イリノイ州Decatur Public
Library
にも。



マンガ版「涼宮ハルヒの憂鬱」第1巻英訳本
(出版元・Yen Press)
―― 92館

マンガ版「涼宮ハルヒの憂鬱」第2巻英訳本
―― 48館

マンガ版「涼宮ハルヒの憂鬱」第3巻英訳本
―― 37館

マンガ版「涼宮ハルヒの憂鬱」第1〜2巻日本語版
―― 1館(ワシントン州Washougal Community
Library
)



・DVD

第1巻
(Episode00、「涼宮ハルヒの憂鬱 I〜III」収録)
―― 85館

第2巻
(「憂鬱」4〜6「涼宮ハルヒの退屈」収録)
―― 73館

第3巻
(「ミステリックサイン 」「孤島症候群・前編」
「後編」収録)
―― 70館

第4巻
(「ライブアライブ」「射手座の日」「サムデイ イン
 ザ レイン」収録)
―― 58館

「The melancholy of Haruhi Suzumiya.
 Complete collection」

(全話収録廉価版BOXセット)
―― 19館



・音楽CD


「冒険でしょでしょ?」(平野綾)
―― 6館
日本版「冒険でしょでしょ?」
―― 4館


「ハレ晴レユカイ」(平野綾、茅原実里、後藤邑子)
―― 12館

「God knows-- I lost my music」
(涼宮ハルヒの詰合)
―― 6館


「涼宮ハルヒの憂鬱 キャラクターソング」

1.『Vol.1 涼宮ハルヒ』(平野綾)
―― 3館

2.『Vol.2 長門有希』(茅原実里)
―― 3館

3.『Vol.3 朝比奈みくる』(後藤邑子)
―― 3館

4.『Vol.4 鶴屋さん』 (松岡由貴)
―― 3館

5.『Vol.5 朝倉涼子』 (桑谷夏子)
―― 4館

6.『Vol.6 キョンの妹』 (あおきさやか)
―― 5館

7.『Vol.7 喜緑江美里』(白鳥由里)
―― 4館

8.『Vol.8 古泉一樹』(小野大輔)
―― 4館

9.『Vol.9 キョン』(杉田智和)
―― 5館


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という感じでした。
つまり、アメリカで正規リリースされている、全て
のメディア商品が、どこかの公共図書館で借りら
れる、ということですね。
日本の公共図書館でも、ここまでは揃えてくれて
いないのでは?
もちろん、9000館はあるという(諸説あって正確な
数字はまだわかりません)、アメリカの公共図書館
全体からすれば、わずかな割合かもしれませんが。
原作小説英訳版への評価は、10月に出版予定の
第2巻「溜息」を、どれだけの図書館が購入してく
れるかで、わかると思います。


こういうチョイスって、利用者からのリクエストな
のか、司書さんの判断なのか、出版社の営業さ
んが頑張っているのか……、それぞれのケース
がありそうですね。
「ハレ晴レユカイ」はまだしも、キャラソンまである
とは思いませんでしたが。
キョン兄妹の歌が、ハルヒさん達より多く置かれて
いるのは何故でしょう?
キャラソンを全員揃えて購入してくれている図書館
はなくて、それぞれ組み合わせの選択があるみた
いなんですが……。


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こうやって公共図書館に置いてくれることは、
無料で借りられるという他に、研究資料の保管
という意味でも、利点になると思います。
京都精華大学表現研究機構(公式サイト)が発行
している雑誌「表現 Human Contact」の第1号
(2007年7月発行)に、アニメーション映画史研究
家の津堅信之氏による、「映像文化としてのアニ
メーション」という文章が掲載されていたんですね。


氏がその文章の中で課題のひとつとして挙げてい
たのが、研究者を養成するための、アーカイブの
充実だったんです。
「(略)一セットあたり数万〜十数万円もするDVD
ボックスなど、おいそれと買えるものではないし、
公共図書館や大学図書館でも、これらのテレビア
ニメが収蔵されている例は少ない」(P46)
というコメントがあって、日本のテレビアニメ研究に
おいての、資料収集の困難を嘆いておられました。
アメリカにおける「ハルヒ」のように、公共図書館
でも積極的に収蔵してくれたら、研究はとても楽
になりますよね。
アメリカの公共図書館の方が、日本のそれよりア
ニメ作品のアーカイブについて充実しつつあるの
かどうかは、今後さらに調査しなくては判断出来
ないことですけど(「ハルヒ」は人気作ですしね)。


posted by mikikazu at 09:09 | TrackBack(0) | 海外情報(北米) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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